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No. 1606 民主主義、最も危険な宗教:パート1
投稿日時: 2022年11月3日
民主主義、最も危険な宗教:パート1
Democracy, the Most Dangerous Religion: Part 1
はじめに
by Larry Romanoff
欧米の民主的な政治環境の中で育った米国人(他の国もそうだが特に米国人)は生まれた時から多党制の選挙制度(これを我々は大まかに「民主主義」と呼ぶ)は、たとえ時に欠陥があっても、唯一の正しい方法であり神が宇宙を設計した時に意図した方法であるという確信を意図的に植え付けられてきた。米国人が一般的に信じていると言い表すことは偏ったことではない。なぜなら生まれてからずっと、すべての国々は米国の優れた賢明な統治形態に憧れ、それらの国々が発展するにつれて自然に米国人が真実と考えるものに引き寄せられると教えられてきたからである。どのように定義されようとも「民主主義」は文明の最高峰を示すものであるため、「普遍的価値」なのである。 実際、「民主主義」は「全人類の願い」を反映したものとして紹介されることが非常に多い。
しかし、これらの意見や信念はほとんどの場合、検証されていない見方であり、公然と異議を唱えられたり、議論されたことすらないように見える。何世代にもわたる強烈で絶え間ないプロパガンダの強化によって疑いの余地がないため、疑問を呈することのできない宗教的真理のような地位を得てしまった見方なのである。私は、「バーネイズとプロパガンダ」と題する電子書籍の一連の記事で、このような状況に至るプロパガンダの神話と戦術を詳細に取り上げた。必要な参考文献がすべて含まれており、これを読んで米国社会にどれほど深く浸透しているかを理解することは、時間をかける価値があるだろう。{1}
米国人の精神に民主主義の神学を植え付けるための誤ったプロパガンダ・キャンペーンは、1900年代初頭に、ロスチャイルドとロンドン・シティから指示を受けた二人のユダヤ人、エドワード・バーネイズとウォルター・リップマンによって始められた。リップマンとバーネイズは、米国の「柔和で絶望的に情報不足の大衆」への軽蔑を公然と書き記した。リップマンはすでに、民主主義における国民は「無知でお節介な部外者」の単なる「当惑した群れ」であり、(ユダヤ人の)「秘密政府」によってコントロールされる「関心のある観客」としてのみ維持されるべきものだと書いていた。彼らは、複数政党制の選挙制度(民主主義)においては、世論は「組織された情報機関によって作られ」、「見えない政府によって操作され」なければならず、国民は無知な観察者の地位に追いやられている、この状況は過去95年間、米国で間断なく存在している、と結論づけたのである。
大衆の組織化された習慣と意見を意識的かつ知的に操作することは、民主主義社会における重要な要素である。この目に見えない社会の仕組みを操る者は、目に見えない政府を構成し、それがわが国の真の支配力である。{2}
バーネイズは「科学の規律」、すなわちプロパガンダの心理学を民主主義の働きに適用する必要性を主張し、そこで彼の社会工学は「近代国家に新しい安定が実現されるかもしれない基盤を提供するだろう」と述べている。これは、リップマンが民主主義における「情報と情報統制」の必要性と呼んだもので、プロパガンダは「我々の民主主義システムにおいて正当かつ望ましい役割を担っている」と述べた。二人とも、現代の米国社会を「大衆の精神的過程と社会的パターンを理解している比較的少数の人物」によって支配されるものと考えていた。バーネイズにとって、これは「民主主義社会が組織された方法の論理的結果」であり、そもそもこのように組織したのがユダヤ系ヨーロッパ人の主人たちであったことに気づいていない。
リップマンとバーネイズは、戦争マーケティングと同様プロパガンダを民主主義の「必需品」として曲解し、その理論と指示をロンドン・シティのシオニストたちから得て、実際にそれを米国に持ち込む前に英国でテストしていた。複数政党による選挙制度は、それが最も進んだ政治形態であるから設計され実施されたのではなく、むしろそれだけが、金の支配を通じて政治家を腐敗させ、報道の支配を通じて世論を操作するための最大の機会を提供するからであった。バーネイズは、著書『合意工作』(1947年)の中で、「合意を工作することは民主主義プロセスの本質である」と明言している。言い換えると、民主主義の本質とは、少数の「見えない人々」が戸惑う群衆を巧みに操り、実際は同じ見えない人々が買収し、お金を受け取ったあらかじめ選ばれた二人の候補者のうち一人を選ぶことで、あたかも群衆が透明な政府の制度をコントロールしていると信じ込ませているのである。
ベトナム戦争とニクソン辞任による政治的混乱の後、バーネイズの秘密政府の活動は過熱し、米国の政治情勢は永遠に変わった。この「過熱した民主主義」の主要な部分は、1973年に「三極委員会」という米国を拠点とするシンクタンクがほぼ即座に設立されたことである。これは「民主主義の危機」に焦点を当て、人が行くべきではないところに行く兆候を明確に示していた。1975年にニューヨーク大学が発表した彼らの最初の主要な報告書は、『民主主義の危機』{3}{4}というタイトルで、主な執筆者はサミュエル・ハンチントンというハーバード大学の教授であった。その中でハンチントンは、「1960年代には米国で民主主義熱が高まった」と述べ、行進や抗議行動、デモに参加する市民が驚くほど増加し、「社会、経済、政治生活における目標としての平等が再び主張されている」証拠であり、平等はどんな民主主義でも実現できないものだと述べた。彼はこう主張した。
1960年代の民主主義の高まりの本質は、公的・私的な既存の権威システムに対する全般的な挑戦だった。それは何らかの形で、家庭、大学、企業、公私の団体、政治、政府官僚、軍などで見られた。
ベトナム戦争で米国政府の宣伝コンサルタントをしていたハンチントンは、さらに、庶民はもはやエリートや銀行家を優れた存在とは思っておらず、従う義務も感じていないと嘆いた。ハンチントンは、米国は「過剰な民主主義」に苦しんでいると結論づけ、「民主的な政治システムを効果的に運用するには、通常、無関心と非関与が必要」であり、「民主主義を効果的に機能させるのはまさに国民のそのような資質だ」と記した。
彼は、「民主主義の脆弱性、本質的な『民主主義の危機』」は、教育が進み、参加するようになった社会から生じており、国家は「政治的民主主義の拡張に望ましい限界」と呼ぶ「よりバランスのとれた存在」を必要としていると述べて報告を終えている。言い換えると民主主義の本当の危機は、国民が「人民による人民のための政治」という部分を信じ始め、実際に参加するだけでなく、これまで自分たちの経済的、政治的利益だけを考えて国を運営してきた人たちを軽蔑し、背き始めていたことだった。そしてもちろん、その解決策は、教育や民主主義を減らし、秘密(ユダヤ)政府の権威を高める社会状況を作り上げることであった。ハンチントンによれば、民主主義とは、外見だけで、中身は伴わないものであり、抜け目のないエリートたちが、国民に投票していると思わせるものの、自分たち主人に支配され、服従するような候補者を選び出すための建前であった。したがって「民主主義」に参加する人々は、元の無関心、無関心な状態に戻ることを期待されるのだ。
つまり複数政党制の維持に必要な無知が、バーネイズの秘密政府が学ばせたくないことを実際に学んでいる学生によって侵食される危険性があったのである。委員会は、「若者を適切に教化する」という仕事をしていない学校や大学を特に懸念しており、「民主主義にはもっと節度を持たなければならない」と述べた。そこからの道は明らかだった。米国の若者は公立学校制度と大学の両方で「適切に教化」され、「より穏健な」人間になる、ということである。そしてより無知になるのだ。
ハンチントンと1960年代の学生運動以前に、プロパガンダとファシズムに関するもう一人の有名な専門家がいた。もう一人のユダヤ系米国人、ハロルド・ラスウェルで、彼は「プロパガンダの分析を専門とする、米国を代表する政治学者でありコミュニケーション理論家」と賞賛され、「20世紀の社会科学における数十人の創造的革新者の一人に数えられる」とも言われている。リップマンやバーネイズ、ハンチントンらと同様に、ラスウェルはプロパガンダを通じて世論を形成し、コントロールする資格のあるエリートなしには民主主義は維持できないという意見であった。 彼は、もしエリートが大衆から服従を強制するのに必要な力を欠いているならば、「社会的管理者」は「大衆の無知と迷信」のために、「主にプロパガンダによる、まったく新しい管理手法」に頼らねばならないと述べた。彼は、社会は「人間が自分たちの利益の最高の判断者であるという民主主義の教条主義」に屈してはならないと主張した。なぜなら人間はそうではないからだ。そして、「最高の判断者はエリートであり、それゆえ、共通の利益のために、彼らの意志を押しつける手段を確保しなければならない」と主張した。ロックフェラーをはじめとする財団やシンクタンクは、このアドバイスを100年近く前からゆっくりと実行してきたのである。
西洋において民主主義はいつも最も完璧な政府の形態として誇張されてきたが、大規模な宣伝キャンペーンの影響でそれはすぐに覚醒した人類の進化の頂点へと姿を変え、米国人の心の中だけでなく西洋全般で宗教と化していった。多党制の選挙制度は米国政府を外部(外国および寄生虫)から支配する基盤を形成していたので、この虚構を米国人の精神に直接注入することは不可欠だった。そうすることにより彼らは何千もの意味を持つ「民主主義」が、今日では聖書の一節と同じように本質を疑われることのない神からのメッセージに等しくなったのである。バーネイズとその仲間たちは、民主主義が「普遍的価値」であるという、すべての米国人の心の中に深く根付いた、そして明らかに誤った確信の源であった。この人々が作り出した最も愚かで根強い神話の一つは、すべての人々が完璧と啓蒙に向かって進化するにつれて、DNAが突然変異を起こし、神から与えられた、おそらく遺伝的な、複数政党制への渇望が生まれるというおとぎ話だった。この確信は全くナンセンスであり、それを裏付ける歴史的、その他の証拠のかけらもなく、困惑した群衆をさらに錯乱させるために作られた愚かな神話である。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事{1}で、ジェイソン・スタンレーとベスラ・ウィーバーは次のように指摘した。
哲学者のエリザベス・アンダーソンは、政治的理想が現実から非常に大きく乖離しているとき、理想そのものがそのギャップを見えなくしてしまうことがあると主張した。公式のストーリーが実践の現実と大きく異なるとき、公式のストーリーは一種の仮面となって私たちがそれを知覚するのを妨げるのである。{6}
つまり、プロパガンダが絶え間なく浸透しているだけでなく、その教義が事実上の真実からあまりにもかけ離れていると、このプロパガンダの犠牲者は事実と虚構を分ける能力を失い、自分の信念と現実世界の間の矛盾を認識できなくなり、明らかにそれが一致していなくても、自分の世界がプロパガンダの宗教的影響を受けた教義に対応していると信じてしまうのである。この理論は直感的には理解しにくいが、事実によって大いに裏付けられている。複数政党制の選挙制度に内在する欠陥は、あまりに圧倒的で、あまりに明白で、あまりに深刻であるにもかかわらず、見かけ上は完全に透明なのである。
この後の記事でこれらの欠点を一つ一つ探っていくことにする。ここで最後に一つコメントをしておきたい。ハンチントンは『民主主義の危機』のなかで、「民主的なプロセス」、つまり部下が指導者を選んだり、どんな機関でも部下が全体的な軌道を決定したりすることは、ほぼ必然的に失敗につながることを率直に認めている。
教員の任命に学生の承認が必要な大学は、より民主的な大学かもしれないが、より良い大学である可能性はないだろう。同様に、将校の指揮が部下の知恵の結集によって拒否されるような軍隊は、戦場で必ずと言っていいほど惨敗を喫してきた。要するに、民主的手続きが適切な場は限られているのである。
このことが明確でないと、人は「民主主義」を試したところはどこも失敗するが、それでも国やその他の政府には「適切」であると主張していることになる。これは、私たちがこれから探求する分裂病的な欠陥の一つなのである。
Notes:
{1} Bernays and Propaganda
https://www.bluemoonofshanghai.com/wp-content/uploads/2022/02/BERNAYS-AND-PROPAGANDA.pdf
{2} Bernays and Propaganda – Democracy Control
{3} https://www.trilateral.org/download/doc/crisis_of_democracy.pdf
{4} https://ia800305.us.archive.org/29/items/TheCrisisOfDemocracy-TrilateralCommission-1975/crisis_of_democracy_text.pdf
{5} American Dystopia – the Propaganda Mask and the Utopia Syndrome
https://www.bluemoonofshanghai.com/politics/1514/
{6} https://archive.nytimes.com/opinionator.blogs.nytimes.com/2014/01/12/is-the-united-states-a-racial-democracy/
https://www.unz.com/lromanoff/democracy-the-most-dangerous-religion-part-1-introduction/
- 民主主義、最も危険な宗教:パート2(耕助のブログ) HIMAZIN 2022/11/04 17:37:12
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