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欧米帝国の凋落で資本主義は危機に瀕し、新たな段階が出現しつつある
ヨーロッパのエネルギー危機、ウクライナでの代理戦争、南の発展途上国での造反とBRICS拡大は、欧米帝国主義の凋落と資本主義世界体制で拡大する亀裂を反映している。
ジョアン・ロメイロ・エルメト
2022年9月2日
Multipolarista
BRICS拡大
欧米の弱々しく疲れた資本主義エリートは、自身の力に酔い、人間の痛みへの感覚が鈍り、人間に共感できない裸の王様であることが明らかになっている。
アメリカとヨーロッパの帝国が凋落する中、連中の集団的無知が暴露された。過去の危機や罪を消去しようとする連中の試みは明らかになった。20世紀の主要な帝国主義戦争は、そうでなければ、能力や誇り、自由と民主政治に基づく健全な体制だったものの中における、支配階級にとって個別の失敗の単純な幻のように思われる。
イギリス、フランスとアメリカに行なわれた恐ろしい行為は、決して断固非難されず、ただ必要とされるとき、弱々しく、曖昧に反対されただけだ。
ウクライナで進行中の代理戦争で、殺害で大もうする取り組みで、武器産業に金を注ぎながら、いかなる犠牲を払っても欧米は和平交渉を避けている。それはいわゆる大惨事資本主義の一例で、資本主義者の論理を反映している。「問題を決して無駄にするな」。
それでもなお、アメリカとその属国、NATOというフランケンシュタイン怪物が行っている代理戦争に対する南の発展途上国による支持の欠如は、大半の国が「あなたは我々に賛成か反対のどちらかだ」というワシントンの執拗な二元論に固執しないことを示した。
これまで強制されていた欧米との同調束縛のほぐれは、NATOブロックの脆さもも明らかにした。
BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国と南アフリカ)は合計で世界人口の約40%を占める。このブロックは、ウクライナ紛争中、団結するのに成功した。
このブロックはBRICS+として拡張し、アルゼンチンやイランのような新しい国を組織に加えようとし始めている。
可能性として、トルコ、エジプトやサウジアラビアを含むBRICS+議論さえある。
長年の欧米同盟国サウジアラビアは、まさに、アメリカ帝国が、オイルダラーを基本に、1970年代以来、莫大な赤字を作り続けるのを可能にした大国だ。だがリヤドは、属国としての伝統的立場を捨てるかもしれない。
サウジアラビアは既にOPEC+で断固とした立場を維持したが、これはロシアとの親密な結びつきを維持することを意味している。
一方、チャベス主義政府を何10年も、のけ者のように扱った後、アメリカは欧米のエネルギー危機を緩和するためベネズエラに燃料を供給するよう説得しようとした。残忍な制裁キャンペーンやベネズエラと国民に対する封鎖が欧米にとって巨大な妨げだ。
更に、より衝撃的なのは、欧米がロシアに課した一方的制裁採択に対する世界の大半の国による拒絶だ。
かつて広範だった欧米の命令に従うという自発的従属は今や顕著に凋落している。
アメリカと同調しているのは、いつもの容疑者だ。新自由主義の欧州連合、オーストラリア、日本、更に少しの国。他の世界の国々の多くは500年の欧米植民地支配を拒絶した。
共産主義に対する何十年もの帝国主義戦争が、反資本主義イデオロギーを抑圧し、選択肢が生じるのを困難にした。
(今ゆっくり再出現し始めている)反資本主義左翼の動向を押しつぶすことは、世界中の人々に自身を押しつける承認を資本主義に与え、未曾有の規模での人々の心と魂の植民地化を引き起こした。これは新自由主義段階だった。
同時に、資本主義に対する本格的選択肢の欠如は、資本主義エリートが自ら作った問題の責任を外注し、競い合う体制やイデオロギーに責任を負わせるのを可能にした。
今日、主流メディアと政治支配階級は、移民や「他の国々」や中国とロシアをスケープゴートにしようとしている。
それでも、多くの人々の間には、一体何が必要かという一般的合意がある。
1.社会変化
2.社会的、個人レベルの痛みが常態にはならない安定した未来
3.住むのに適した維持可能な世界
4.健康な社会関係
5.雇用保証、その日暮らしをせずに家族を養う能力。
このような不安と絶望に満ちた人生は第三世界だけの問題ではない。それは帝国の中心、欧米で広範に広がった。
しかも、これら問題をもたらしたのは外国の見知らぬイデオロギーではなかった。そうではなく、それは欧米政府自身の利己主義、破壊、支配、利益追求政策、まさしく資本主義イデオロギーの本質だった。
資本主義はガンのように機能する。それは人間性や自然を完全に無視して絶え間なく成長する。
欧米資本主義の歴史上の台頭には、その基盤の一つとして商品生産があったが、利益追求と拡大の本質は、資本の輸出を必要としていた。
それで、欧米資本主義は、非常に遙か遠く、他の場所、世界の周辺に生産を再配置したので、欧米中産階級は「汚れた」筋肉労働や苦痛から自由になり、浄化されたように感じることができた。
更に、資本の流れを支配することで、欧米は遙か遠くの産業を支配できた。南の発展途上国の政府が産業を規制し、天然資源を自国住民のために取り戻そうとすると、欧米資本主義エリートは代理人、買弁政治家、法廷労働者、官僚、イデオローグ、シンクタンク、軍や民兵を使った。現地利益が決して優先しないように。
この動的関係は何十年も非常に成功したことを証明した。キューバや、北朝鮮、ベネズエラやニカラグアのような欧米が失敗した少数の国は、恐喝、ぺてん、脅迫や人種差別などマフィアのような画策で排斥され、世界の他の国々との社会関係を拒否された。
常に欧米の弱さは潜在的に存在したが、覇権を維持する要因がいくつかのあった。
1.欧米帝国主義に挑戦できるな強い国家の欠如
2.残忍な反対動きに直面し、封鎖され、排斥される危険
3.欧米の一極世界支配に代わる共同選択肢を、国家間で組織化し調整する困難さ。
しかしながら、今日状況は、何か新しいものを含んでいるように思われる。
ウクライナでのNATO代理戦争のさなか、対ロシア欧米制裁に従うことに対する南の発展途上国の圧倒的拒絶が、欧米覇権が深刻な挑戦を受けていることを示した。
この増大する体系的挑戦には、複数の次元がある。
第一に、資本主義の正当性は2008年金融危機で粉砕され、世界の多くにとって依然進行中だ。
この崩壊は、欧米資本主義支配は、1%にだけ快適な生活を与えるだけで、99%には、不安定さ以上の何も与えることができないのを明らかにした。
第二に、10年以上、ロシアはSWIFT金融メッセージ交換システムの代替物を計画しており、中国は少なくとも2012年から自身のものを開発し始めた。これは金融レベルで、両国を一層緊密にした。
ウクライナでの戦争に応えての欧米のSWIFTからのロシア排除は、金融資本の世界的流れの欧米独占を終わらせるので、大方裏目に出て、代替機構を作る中国・ロシア共同プロジェクトを活性化させ、更に第三世界国の間でそれを促進する。
ロシアに対する欧米金融戦争は、1970年代以来、無差別にドルを印刷し、国債を売るのを基盤に、アメリカ帝国を機能させてきた各組織に亀裂をもたらした。
欧州連合がアメリカ属国を務めているのを示したことからして、修復するには余りにも大きくなるまで、これら金融の亀裂は拡大し続けるだろう。
最終的に、ロシアに対する欧米制裁がヨーロッパで解き放ったエネルギー危機は、絶え間ない余剰の流れを産み出すためには、資本主義が膨大なエネルギーが必要であることをを全員にはっきりと見せた。これは第三世界に対して、彼らの天然資源の至高の重要性を強調し、主人と奴隷間の不平等な弁証法を実証した。
第三世界には、欧米帝国主義に断固挑戦するための軍事力、金融能力いずれも持っていないが、所有してい天然資源は、膨大な権力を与えてくれる。
欧米は、海外、通常第三世界諸国で抽出され、支配下の他の場所における資本主義生産を通して、売れる製品に変化する資源の絶え間ない流れなしには機能できない。この過程こそが、欧米にこのような莫大な利益を実現できるようにしているのだ。
この資源の流れの様相は、しばしば当然のことと見なされている。だが南の発展途上国のエネルギー生産者による調整への試みは、数週間の内に欧米を跪かせるか、少なくとも第三世界諸国に対する資本主義帝国主義の監督を越えて、彼ら自身の国内、地域プロジェクトを構想し始めるのを可能にしている。
ズビグニェフ・ブレジンスキーの「グランド・チェス盤」から(欧米で一般に碁として知られている)中国囲碁の複雑な新しいゲームへと世界は動いている。
そして資本主義の王様は裸なだけでなく、極めて激しい嵐の中、彼がまっすぐ社会という船を帆走させる中、舵輪には誰もいないのだ。
記事原文のurl:https://multipolarista.com/2022/08/31/west-imperial-decline-capitalism/
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