<■332行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>原発デブリ回収 現実的な廃炉への挑戦を 社説 2024/11/15 5:00 https://www.sankei.com/article/20241115-U6ONFLQHKZKWRCMIHHMRXDM4JA/ 東京電力は福島第1原子力発電所2号機の燃料デブリ1粒(0・7グラム)の試験的な初取り出しに成功した。 デブリは、平成23年3月の東日本大震災の巨大津波による原子炉事故で、高熱のウラン燃料が炉心構成と共に溶け落ちた後、固化したものだ。 数度のトラブルで遅れが出るなど作業は難航したが、放射線量の高い原子炉格納容器の底から、初めてデブリを取り出したのは前進である。 政府と東電による第1原発の廃炉計画は、事故後の40年間を3期間に分けた工程で構成されている。 第1期は放射能汚染水の浄化、第2期は海洋への処理水放出の開始だった。今回のデブリ取り出しで、ついに廃炉工程・第3期のスタートラインに立った。 第3期は廃炉プロジェクトでの最大の山場である。格納容器の底などにデブリが残っているかぎり、1〜3号機に流れ込む地下水がデブリに触れて新たな汚染水が生じ、それを処理水に浄化する作業に追われ続けることになるからだ。 今回、取り出されたデブリは日本原子力研究開発機構の研究所などで数カ月をかけ、放射性元素の組成をはじめとする性状が調べられる。取得データは今後のロボットアームによる本格取り出し工事のための基本情報として役立てられる。 だが、この最終工程の前途には試練の巨壁が立ちはだかる。炉心溶融で破損した3基の原子炉圧力容器や格納容器から計880トンという大量のデブリを回収しなければならない。 取り出しは遠隔操作を余儀なくされるので、目標とする令和33(2051)年の完了は困難視されている。 更には、全量回収は不可能とする声も聞こえる。 こうした外部の懸念には耳を傾けるべきものがある。 政府と東電には、現工程を進めつつも、代替策であるプランBの検討に着手しておいてもらいたい。 事故の規模は米スリーマイル島原発を超え、世界の原子力工学界にとっても未踏の領域なのだ。 回収デブリの処分地にも展望はない。 場合によってはチェルノブイリ原発で採用された、いわゆる石棺方式も選択肢に含めるべきではないか。 安全かつ現実的な廃炉工事に世界の関心が集まっている。原発・エネルギー政策に水差す敦賀2号機不合格 原電経営も厳しく大手電力の支援次第 2024/11/13 16:02 https://www.sankei.com/article/20241113-HG7TVUPOEZJJNCG55CT24QRB3A/ 日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の再稼働の審査不合格が2024年11月13日に正式決定した。 政府は脱炭素電源として原発を 「最大限活用する」 方針を掲げ、原発の再稼働を進めたい考えだが、早速、水を差された形になる。 経営が苦しくなる日本原電は再稼働を目指し、再申請する意向だが、審査合格の道筋は見えない。 支援する大手電力の動向も今後の焦点になる。 ■13基の稼働時期は未定のまま 「非常に残念。厳しい判断がなされた」 経済産業省幹部は不合格の一報を受け、こう厳しい口調で語った。 原発を巡っては2024年10月末に東北電力の女川2号機が再稼働したばかり。 2024年12月には中国電力島根2号機が続き、国内で14基が稼働する体制になる。 だが、他の審査申請済みの13基は具体的な稼働時期が定まっていない。 こうした中、審査を通らない事案が出たことはエネルギー政策にも大きな影を落としかねない。 AI(人工知能)の普及に伴う電力需要の増大を受け、脱炭素と電力の安定供給を両立できる原発は欠かせなくなっている。 2024年年内に素案を取りまとめる次期エネルギー基本計画では、原発の新増設や建て替えに踏み込めるかが注目されているが、再稼働すらままならない現実が重くのしかかる。 ■原電支援に株主から批判も 日本原電の先行きも厳しい状況だ。 1957年に設立された国内唯一の原発専業会社として運転可能な原発2基を保有するが、いずれも再稼働の目途は立っていない。 それでも経営が成り立つのは再稼働を前提に電力販売契約を結ぶ東北、東京、中部、北陸、関西の大手電力から原発の維持費や人件費に充てる 「基本料金」 を受け取っているからだ。 原発停止後に5社から受け取った資金の総額は13年間で1兆4000億円を超える。 各社は再稼働の方針を維持する日本原電を支援する姿勢だが、負担だけが膨らみ続ける状況の中で、株主総会では批判の声も上がる。 基本料金の負担は最終的には電気代に上乗せされ、消費者の負担に繋がる。 こうした状況に大手電力がどこまで耐えられるかも日本原電の経営の行方を左右する。 敦賀原発、初の審査不合格 原子力規制委員会が正式決定 再稼働を認めず 2024/11/13 11:28 https://www.sankei.com/article/20241113-QI45ZABFKBJVXGYS2AJYCLKX4E/ 原子力規制委員会は2024年11月13日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の原子炉直下に活断層が走る可能性を否定できないとして、再稼働の条件となる安全審査に不合格とすることを正式決定した。 平成24年の規制委発足後、再稼働を認めない全国初のケースとなる。 日本原電は廃炉にせず、審査の再申請を検討しているが、規制委の決定を覆す道筋は見えない。 東京電力福島第1原発事故後に策定された新規制基準は、活断層の真上に原子炉など安全上重要な施設の設置を認めていない。 規制委は今年2024年8月、 「基準に適合しない」 と明記した審査書案を了承し、一般から意見を公募していた。 審査では、2号機原子炉建屋の北約300メートルで見つかった 「K断層」 が活断層か、原子炉直下まで延びているかが焦点となった。 規制委は日本原電が提出した資料などを精査し、いずれも可能性を否定できないと結論付けた。 日本原電は平成27年に審査を申請。 「活断層は存在しない」 との主張を繰り返したが、その根拠となる提出資料の誤記や無断書き換えなどの不備が相次いで発覚。 審査が2度も打ち切られる異例の経緯を辿った。 国内にある建設中を除く33基の原発のうち、電力各社が規制委の審査に申請したのは25基。 これまでに17基が合格し、13基が再稼働した。 <主張>原子力規制委 効率性と対等性の新風を 社説 2024/9/26 5:00 https://www.sankei.com/article/20240926-AQHBAUMRHNLZVFVJHEETKKZXU4/ 原子力規制委員会の委員の一部が交代した。 地震・津波対策の審査を担当した石渡明氏と核燃料サイクル施設の審査担当の田中知氏が任期満了で退任し、その後任に地震・火山学者の山岡耕春氏と原子力工学者の長崎晋也氏が就任した。 規制委は山中伸介委員長以下5人の委員で構成され、職員数千人以上の原子力規制庁を従える独立性の高い行政機関だ。 福島事故後の平成24年以降、再稼働を目指す原子力発電所の安全審査などに当たっている。 しかし、その審査は理想からほど遠い。 山岡氏と長崎氏には 「ゼロリスクの虜」 となった感のある規制委に新風を吹き込んでもらいたい。 規制委と規制庁は、原発や再処理施設への安全対策で個々の部分最適を追求するあまり、全体最適から遠ざかり続けていることに気付いていない節がある。 原発の安全審査も異様に遅い。 審査を申請した既存原発25基中、合格は17基に過ぎない。 残る8基は申請から10年前後が過ぎている。 行政手続法での安全審査期間は2年なので、大きな遅れである。 規制側は電力会社の不手際のせいにするが公平性を欠いていないか。 規制委は 「独立した意思決定」 など5項目の活動原則を掲げているが、 「効率性」 を含んでいないのが問題だ。 米原子力規制委員会(NRC)の 「良い規制の原則」 の5項目には 「独立性」 と並んで 「効率性」 が謳われている。 日本では規制側と電力会社の間に対等性がないのも審査での議論の妨げになっている。 官尊民卑はおぞましい。 日本原子力発電の敦賀2号機(福井県)は、再稼働を目指す原発の安全審査で、初の不合格例となった。 この審査の内容は一般からの意見であるパブリックコメントを公募中だ。 2号機から約300メートル離れた断層が活断層で、それが建屋の下まで延びていると見なしての不合格だが、共に 「可能性が否定できない」 という強引な推論に基づく判定だ。 そのため、外部の専門家からの鋭い疑問の提示も予想される。 新体制の規制委にパブコメへの真摯な対応を求めたい。 原発再稼働の遅滞でエネルギー安全保障上の諸リスクが膨張中だ。 規制委が旧態依然であれば国の将来を危うくする。 「審査中の原発9基が心残り」 原子力規制委を退任の石渡明氏が会見 2024/9/18 19:59 https://www.sankei.com/article/20240918-VJNTXUSOFNLJTC4VSEGIH4CHCQ/ 原子力規制委員会を任期満了で退任する石渡明委員が18日、記者会見し 「10年間、毎週のように審査会合を開いてきた」 「審査中の原発9基を残してバトンタッチすることになったのは心残りだ」 と振り返った。 石渡氏は平成26年9月に就任、地震や津波対策を担当した。 原子炉建屋直下の活断層問題で、初の審査不合格が確実となっている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)については、原発推進側から 「活断層がないと証明するのは悪魔の証明だ」 と批判された。 石渡氏は 「既に12基の原発が、その証明をして再稼働している」 「大した悪魔ではない」 「恣意的な審査はしていない」 と反論した。 岸田政権の原発推進策を受け、60年を超える原発運転を可能にする新制度導入が昨年2月に規制委で諮られた際には、5人の委員で唯一反対した。 「意見が通らなかったのは残念だが、あの時の考えから一切変わっていない」 と述べた。 後任は山岡耕春氏。 敦賀2号機、初の再稼働「不合格」を了承、規制委 正式決定は10月に 2024/8/28 11:43 https://www.sankei.com/article/20240828-5477YNHXUVKUZN7JWZPYGGV7KU/ 原子力規制委員会は28日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)について、再稼働の前提となる安全審査に不合格とする審査書案を了承した。 一般から30日間の意見公募を経て、10月に不合格が正式決定する見通し。 平成24年の規制委発足後、再稼働審査で不合格となるのは初めて。 規制委の審査チームは7月、2号機の原子炉建屋直下にある断層について、既に活断層と分かっている浦底断層から枝分かれした 「K断層」 も活断層で、建屋の北約300メートルの地点から直下まで延びている可能性を否定できないと指摘。 原発の安全基準を定めた国の新規制基準は、活断層の真上に原子炉などの安全上重要な施設の設置を認めておらず、基準に適合しないと結論づけた。 28日の定例会合では、委員から 「不許可という重要な決定をする以上、広く意見募集を行うべき」 などの意見も上がったが、審査チームの結論を追認することへの異論は出ず、全会一致の了承となった。 事実上の審査不合格となり、敦賀2号機は国のルールで再稼働ができなくなる。 日本原電は平成27年に審査を申請。 「活断層は存在しない」 との主張を繰り返したが、その根拠となる提出資料の誤記や無断書き換えなどの不備が相次いで発覚し、審査が2度も打ち切られる異例の経緯をたどった。 日本原電は今後、規制委の結論を覆すため敷地内で新たな試掘溝を掘って再調査し、改めて審査を申請する意向を示している。 【ライブ】敦賀原発2号機不合格 原子力規制委 山中委員長会見 2024年8月28日 14時19分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240828/k10014562111000.html 福井県にある日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機について、原子力規制委員会は28日、原子炉建屋の真下の断層が将来動く可能性が否定できないとして、再稼働の前提となる審査に不合格としたことを示す審査書の案をとりまとめました。 原発の再稼働を認めない判断は2012年に規制委員会が発足して以降、初めてです。 原子力規制委員会の山中委員長はこの後、会見を開いて説明することにしています。 会見の様子をライブ配信します。 敦賀原発2号機 再稼働認めず 初の不合格判断 原子力規制委 【ライブ配信中】 <主張>規制委の偏向審査 強引な幕引きは許されぬ 原電は敦賀稼働へ再申請を 社説 2024/8/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20240807-V3IHAUD3B5NNNBV5AUV3CG3KFI/ 原子力発電の健全な安全審査に逆行する対応だ。 再稼働を目指す日本原子力発電・敦賀2号機(福井県)に対し、原子力規制委員会は、日本原電が審査の継続を求めていたにもかかわらず、安全審査に不合格の方針を決定した。 一方的な議論の幕引きはおかしい。 日本原電は2号機直下に活断層がないことを証明する様々な根拠を示したが、規制する側は活動性や連続性について 「可能性が否定しきれない」 という 「悪魔の証明」 を求める論法で日本原電を退けた。 規制委の活動原則には 「科学的・技術的な見地」 を重んじる言葉が含まれる。 用いた論理はこれに抵触しないのか。 活断層論に無理がある 審査の継続を却下された日本原電は、新たな追加調査を実施して安全審査への再申請を目指す。 道は多難でも、是非実現してもらいたい。 安定した大電力を連続的かつ長期に供給できる原発は、不安定化が進む国際情勢下で資源に恵まれない島国日本に欠かせない存在だ。 人工知能(AI)の社会実装で電力需要はさらに増す。 国連が強く求める二酸化炭素の排出削減に応える手段としても原発の役割は大である。 だが、福島事故の前には54基あった国内の原発は33基に減っている。 しかも規制委の安全審査の遅れで再稼働を果たした原発は12基に過ぎない。 復活の遅滞に敦賀2号機の不合格が加わった。 原発再稼働の先行きの不透明感は確実に増した。 未稼働の原発を保有する電力会社にとっては経営上の暗雲だ。 政府の次期 「エネルギー基本計画」 に原発の増設などが書かれても対応は不能であろう。 後出し規制などで完工が遅れる可能性も否定できない現状では原発建設は進まない。 規制委と事務局の規制庁は、厳格な審査のみに固執して規制至上の道を硬直的に進むのか。 「我が国の安全保障に資すること」 を目的とする原子力規制委員会設置法に背反しよう。 政府の 「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」 では 「最大限活用する」 電源として原子力を掲げている。 規制委は独立性の高い委員会だが、国の行政組織の1つである。 敦賀2号機の審査の在り方と結論は、国のエネルギー政策との整合性を欠くものだ。 また、日本原電と敦賀2号機に対する規制委と規制庁のこれまでの対応に、印象操作が疑われることも見過ごせない。 安全審査中の令和2年2月の 「データ書き換え問題」 がその代表例である。 敦賀原発敷地内の 「ボーリング柱状図」 の記述を日本原電が無断で書き換えたとして規制委が叱責したのだが、これは全くの濡れ衣だ。 規制庁の職員が元年10月の審査会合で 「ここが変わったとか誤りがあったとかではなく、きちんとした形で更新して最新の形で審査資料として提出するよう」 指示している。 ■岸田政権は傍観するな 日本原電がそれに従ったところ 「無断書き換え」 とされたのだ。 その結果、不幸にも日本原電のマイナスイメージが広まることになってしまった。 同社の名誉のためにも、この事実は周知されるべきである。 また今回の安全審査の終盤で日本原電は2号機の下に活断層がないことを証明する期限を規制委に区切られたこともあり、立証の完成度が99%にとどまった感がある。 規制委は残り1%の不足で 「活断層の可能性が否定しきれていない」 と極論したのに等しいのでないか。 規制委は2号機建屋の北方約300メートルの場所で見つかったK断層が同機の下まで 「連続している可能性が否定できない」 としているが、その根拠も論理も極めて強引で不可解だ。 現地調査に参加し、2号機の下に活断層はないと判断している専門家は海外を含めて少なくない。 規制委の活動原則で 「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める」 としているにもかかわらず、一流の専門家との対話を避けている。 これでは科学的な審査から遠ざかる。 規制委に根を張る独善性の弊を除くのは岸田文雄政権の役割だ。 自民党には 「原子力規制に関する特別委員会」 があるではないか。 2号機不合格の決定が下されたのは国会閉会中だった。 岸田首相にはこの安全審査の妥当性検証に着手してもらいたい。 傍観すれば日本はエネルギー欠乏症に陥る。 美しき勁き国へ 櫻井よしこ 2024/8/5 8:00 https://www.sankei.com/article/20240805-HSF36UKSAFNSVA6KWBNHNR3XQQ/ 熱中症死者が急増中だ。 2024年7月、東京23区内で6年ぶりに100人を大幅に超え123人が熱中症の疑いで死亡した。 うち9割超が60歳以上で、9割弱が冷房を使わずに死亡していた。 国家行政組織法第三条に基づく委員会として強い権限を有する原子力規制委員会は中立公正の立場で原子力発電の安全性を確認し科学的に判断する責務を負う。 だが、その責務を放棄し再稼働を不条理に阻止し続けた結果、日本の電力料金は世界最高水準だ。 そうした中での悲劇の1つが熱中症死亡者の急増であろう。 2024年8月2日、規制委は福井県の日本原子力発電、敦賀2号機は新規制基準に適合しないと正式に結論付けた。 注目の論点は2つだった。 @2号機の北方300メートルに位置するK断層と命名されたものは活断層か A2断層は2号機の下まで繋がっているか である。 興味深いポンチ絵がある。 敦賀2号機の審査を主導する規制委の石渡明氏が2024年7月31日の規制委で、山中伸介委員長に報告するために用いた 「K断層の活動性と2号炉原子炉建屋」 の位置関係を示す図である。 同資料ではK断層を示す赤い線は途中で消えており、2号機原子炉建屋の下には複数の破砕帯(ひび割れ)が走っている。 K断層がどこまで続いているのか、石渡氏も証拠に基づく整理ができていないのだ。 原子力学会で活断層リスクと工学的対策の調査報告書を取りまとめた東京工業大特任教授の奈良林直氏が指摘した。 「日本原電は掘ったトレンチ(試掘溝)の地層や採取した試料に含まれる火山灰や鉱物などから活動年代を調べ、 『K断層は古い年代の地層で活断層ではない』 『原子炉建屋の下まで繋がっていない』 と証明しました」 「しかし、規制委は 『曖昧で、科学的根拠に乏しい』 『K断層が将来動く可能性を否定できない』 として退けました」 2号機建屋の真下の岩盤は6500万年前頃に形成された花崗岩だ。 ひび割れは長い年月動いていないことが証明されていて、K断層とも繋がっていない。 日本原電は規制委に否定された点を更に証明するため追加調査を要請した。 だが規制委は一切応じずK断層が2号機直下の既知の破砕帯の他に繋がっている証拠がないまま議論を打ち切った。 追加調査でK断層が活断層でないこと、2号機建屋の下まで続いていないことがより鮮明に科学的に証明されたら不都合な真実になるのであろう。 原子力工学が専門の東大教授の岡本孝司氏はこの規制委の筋書きを 「空想小説」 だと喝破した。 AI(人工知能)、データセンターなど我が国は電力需要の大幅増に直面している。 我が国は十分な電力を供給できるのか、世界的に高い水準の電力料金を妥当な水準に下げられるのかが問われている。 非科学的判断で原発再稼働を阻止し、国民生活を貧しくし、我が国産業を弱体化させてはならない。 電力料金の高騰で冷房も使わず亡くなってしまう人を増やしてはならない。 原子力規制委員会の本来の役割は原子力産業の安全性を高め国民生活を豊かにすることだ。 平成24年12月、政権を奪回した当時の安倍晋三首相は民主党の原発ゼロ政策の白紙撤回を表明した。 しかし、菅直人元首相は、 「そう簡単に元に戻らない仕組みを民主党は残した」 「その象徴が(自身が設置した)原子力規制委員会だ」 と述べ、具体例として日本原電敦賀原発2号機の活断層問題を挙げた(平成25年4月30日、北海道新聞)。 原発再稼働を阻止し、原発ゼロを目指す菅氏の企みに沿った形で活動する規制委の原子力産業への視線は、敵対的で悪魔の如しだ。 例えば、欧米では原発に関する検査記録は全て電子化されパソコンでの閲覧が可能だが、日本では必ず紙に転記して提出しなければならない。 規制委が原発各社に要求する検査関連書類は概して10万ページ、厚さ10センチのパイプ式ファイルで150冊分、積み上げると15メートル、5階建ての建物に匹敵する。 現在、青森県六ケ所村では規制委の要求する書類作りに体育館を借りて300人が汗だくで働いている。 こうして作成された書類を規制委は皿の目で検閲し、誤字脱字を見つけてはそれを咎め、やり直しを命ずるのだ。 正に狂気の沙汰だ。 こんな規制委を国際原子力機関(IAEA)の専門家チームも厳しく評価している。 2016(平成28)年初め、12日間に渡って規制委の仕事ぶりを調査し暫定評価を公表した。 規制委に対して改善すべき具体例として筆頭に挙げたのが 「もっと能力のある経験豊かな人材を集め、教育、訓練、研究および国際協力を通じて原子力と放射能の安全に関係する技術力を上げるべきだ」 という点だった。 「能力ある人材を集めよ」 とIAEAに指摘された恥ずべき存在が規制委だ。 現在、欧米各国では小型モジュール炉(SMR)や革新炉の建設が始まっている。 米国の大学ではキャンパスにSMRやマイクロリアクター(超小型の原子炉)を設置する動きもある。 IAEAの特別チーム、米国原子力規制委員会(NRC)が大学と協力して計画は進行中だ。 東工大特任教授の奈良林直氏が苦笑した。 「日本の規制委は恐らくSMRに関して10年以上の活断層審査をするのではないか」 「でも彼らにはSMRの知識もありませんから審査そのものができないでしょう」 「このようにして我が国の科学技術の進歩は世界からどんどん遅れていくのです」 菅氏が強い敵意をもって原発潰しのためにつくった規制委が高い独立性をもった三条委員会であるという事実に恐れをなして、自民党は対策を立てられないでいる。 情けない。 国民と国益のため、IAEAの助言のようにもっと能力のある経験豊かな人材を規制委に任命せよ。 その上で、どの国でも普通に行われている規制委と政治の対話を怠るな。 国民生活を安全に豊かに、経済安全保障の土台として、安定したエネルギー供給を図れるようにせよ。
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