<■406行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> [社説]女川再稼働を安全に進め原発活用広げよ 原発再稼働 2024年10月30日 19:05 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK303550Q4A031C2000000/ 東北電力の女川原子力発電所2号機が再稼働し、2024年10月30日未明に核分裂反応が持続する 「臨界」 に達した。 2011年に東日本大震災が起きてから13基目で、東日本の稼働ゼロはようやく解消された。 事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)としても事故後初の稼働で、大きな節目と言える。 事故の重い教訓を踏まえ、安全確保を大前提に運転に当たる必要がある。 再稼働で先行した西日本と比べて東日本は電力供給に余裕がなく、料金も高止まりしていた。 今後は状況の改善が期待できる。 生成AI(人工知能)の普及に伴うデータセンターや半導体工場の新設で、今後は電力需要が増える見通しだ。 成長産業を国内で育てるためにも、安定した脱炭素電源である原発への期待は増している。 同じBWRは中国電力島根原発も2024年12月に再稼働を予定する。 東京電力の柏崎刈羽原発でも準備が進む。 女川の再稼働を機に、既存原発の活用を進めてもらいたい。 東北電力は防潮堤のかさ上げや耐震補強などの安全対策に約5700億円を投じた。 それでも不安に思う住民や市民は多い。 施設は13年あまり停止し、運転経験のない現場社員が4割に達する。 樋口康二郎社長は 「安全確保を最優先に対応する」 との談話を発表した。 2024年11月7日に発電・送電を始めた後、一旦停止させ、設備に異常がないか再点検した上で2024年12月に営業運転へ移る計画という。 機器の状況を確かめながら慎重に作業を進めてほしい。 地域や社会の理解を得る努力も欠かせない。 万全を期しても想定外のトラブルは起こり得る。 異常があった場合、軽微でも躊躇わず作業を止め、情報を積極的に公開すべきなのは言うまでもない。 原発本体の安全対策と併せて、複合災害時の避難対策の強化も急がねばならない。 原発が立地する地域では、地震や大雪などの自然災害と原発事故が重なった際の対応を心配する声がある。 元日に発生した能登半島地震では道路や海路の寸断が相次ぎ、北陸電力志賀原発の周辺地域で多くの集落が孤立した。 建物の被害が酷く、放射線から逃れる屋内退避ができない課題も浮上した。 政府は安全確保を大前提に原発を最大限活用する方針だ。 避難用道路の整備や退避施設の耐震化を国が主導し、原発に対する国民の信頼回復に努める責務がある。女川原発、3日予定の発電再開を延期、原子炉も停止 中性子の検出器を送り込めず 東北電 2024/11/3 22:23 https://www.sankei.com/article/20241103-FDY5M7VX2FIAZACT3WGOZN5NPE/ 東北電力は2024年11月3日、再稼働した女川原発2号機(宮城県)について、同日予定していた発電再開を延期した。 原子炉内の中性子を測定する検出器を炉内に送り込む途中で動かなくなり作業を中断した。 原子炉への異常は確認されていないが、東北電は、点検のため、原子炉を停止するという。 東北電によると、2024年11月3日午前、発電再開に向けた準備作業を開始。炉内の中性子を測定する検出器を駆動装置を使って送り込む際、ケーブルが途中で動かなくなった。検出器は手動で引き抜かれ、原子炉格納容器の隔離弁も閉じた。 回収された検出器の測定機能に問題はなく、放射性物質の漏洩も確認されていないが、東北電は不具合の原因を特定した上で再開時期を決めるとしている。 女川2号機は2024年10月29日に東日本大震災の被災地に立地する原発として初めて再稼働し、2024年10月30日には核分裂反応が安定して継続する 「臨界」 に達した。 事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、BWRとしても初の再稼働となった。 島根原発2号機、燃料装塡完了 来年1月の営業運転再開目指す 中国電力 2024/11/3 16:58 https://www.sankei.com/article/20241103-SQTQIH442RNMJPLCIKYYHN2DNY/ 中国電力は2024年11月3日午前、島根原発2号機(松江市)の再稼働に向けて、原子炉への核燃料装塡を完了した。 2024年10月28日午後から作業を開始しており、7日間かけて燃料プールから560体を水中移動させて装塡した。 中国電は2024年12月上旬に原子炉を起動し、2024年12月下旬に発送電を開始する予定で、令和7年1月上旬の営業運転再開を目指している。 装塡完了を受け、今月2024年11月5日までに原子炉を緊急停止させるための制御棒が瞬時に挿入できるかを試験する予定。 圧力容器内に水を満たして加圧し、水漏れがないかを確認する検査などの起動前準備という工程を経た上で再稼働する。 島根2号機は定期検査のため平成24年1月に運転停止。 燃料は翌月平成24年2月に原子炉から取り出されていた。 島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地する。 東京電力福島第1原発と同じ 「沸騰水型」 で、東北電力が同じタイプの女川原発2号機を2024年10月29日に再稼働した。 女川原発2号機は3日に発電開始 東北電力が発表、予定を前倒し 2024/11/2 16:42 https://www.sankei.com/article/20241102-CVGQIQETRRJUFNE57HLWMUJIVU/ 東北電力は2024年11月2日、再稼働した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の発電と送電を、2024年11月3日に開始する予定だと発表した。 当初は2024年11月7日の想定だったが、プラントの状態確認などが進んだとして前倒しした。 東北電は、2024年11月1日午後8時46分に2号機のタービンを起動したとも発表。 発電した電気は2024年11月3日にも送電線を通じて家庭や企業に送られる。 2号機は出力82万5千キロワット。 2024年10月29日に、東日本大震災の被災地に立地する原発として初めて再稼働した。 2024年10月30日には核分裂反応が安定的に継続する 「臨界」 に達した。 福島第1原発、デブリつかむ作業成功 事故後初の回収へ大きな一歩 2024/10/30 13:49 https://www.sankei.com/article/20241030-OXI5Y4KRLZL47NB5R7PNJVY3K4/ 東京電力は2024年10月30日、福島第1原発2号機の溶け落ちた燃料(デブリ)の試験採取で、回収装置の先端に取り付けた爪形器具でデブリを掴むことに成功したと発表した。 原発事故後初のデブリ回収に向けた大きな一歩となる。 順調に行けば、今後1週間程度で掴んだデブリを専用容器に入れ、回収できる見通し。 東電によると、2024年10月30日午前9時57分に作業を開始。 2号機原子炉格納容器に挿入した回収装置の先端から釣り糸のようにケーブルを垂らし、デブリを掴む爪形器具が約4メートル下の原子炉底部に堆積したデブリに到達し午後0時33分、小石状のデブリを掴んだことを確認した。 今後は回収装置を原子炉から引き抜く工程に入る。 ただ、放射線量の測定で毎時24ミリシーベルトを超えた場合、作業員の被曝を防ぐため、格納容器内にデブリを戻すとしている。 計画では、デブリは極めて強い放射線を出すため、今回は3グラム以下の微量採取にとどめる。 回収に成功すれば、国の研究機関に運び、デブリの硬さや成分などを分析。 大規模取り出しに向けた工法検討に役立てる。 デブリ回収は当初目標の3年遅れで開始。 今年2024年8月には準備段階でミスが発覚し作業を中断した。 2024年9月10日の再開後も回収装置のカメラに不具合が生じ再び中断。 2台を交換し、今月2024年10月28日から作業を再開した。 事故で炉心溶融(メルトダウン)した1〜3号機の原子炉内には、推計880トンのデブリが堆積する。 政府と東電は2051年までに全量を取り出す目標を掲げるが、具体的な工法や処分方法などは決まっていない。 福島第一原発 “核燃料デブリつかむ” 試験的な取り出し作業で 2024年10月30日 13時58分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241030/k10014623691000.html 東京電力は2024年10月30日、福島第一原子力発電所2号機で行われている核燃料デブリの試験的な取り出し作業で、格納容器の中に入れた装置で核燃料デブリを掴んだと発表しました。 核燃料デブリの取り出しは 「廃炉最大の難関」 とされていて、今後の作業で取り出しが実現すれば原発事故後、初めてとなります。 東北電力、女川原発2号機再稼働で料金一時割引へ 本格的な見直しは「収支勘案し検討」 2024/10/31 20:17 https://www.sankei.com/article/20241031-SBN3MIMIGRKITB5TYYSI3NQMDQ/ 東北電力の樋口康二郎社長は2024年10月31日の定例記者会見で、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働に伴い、一時的に電気料金を割り引くか、同社のポイントを付与する方針を明らかにした。 本格的な料金見直しについては 「収支の見通しなどを勘案しながら検討する」 と述べるにとどめた。 2024年本年度内の開始を目指し、割引額などの詳細を詰める。 ポイントは会員制ウェブサービス「よりそうeねっと」を通じて利用できる。 東北電は2024年10月29日に2号機を再稼働させた。 2024年11月7日に発電を再開し、2024年12月頃に営業運転を開始する予定だ。 樋口氏は2号機について 「焦らず急がず、1つ1つのプロセスを確認しながら、安全に営業運転開始に向けて進めていく」 とした。 女川原発2号機が「臨界」に到達 12月ごろ営業運転開始 2024/10/30 0:43 https://www.sankei.com/article/20241030-4DHERBFXARP3BIIGUDJA2NEJSE/ 東北電力は2024年10月30日、前日夜に再稼働させた女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が2024年10月30日午前0時12分、核分裂反応が安定して続く 「臨界」 へ到達したと発表した。 今後は2024年11月7日にも発電を再開し、2024年12月頃営業運転を開始する計画だ。 女川の再稼働は原発活用の弾みとなるか 自公政権不安定化が次期エネ計画に影響も 2024/10/29 21:21 https://www.sankei.com/article/20241029-XCCUHVPKKVLUBKQWNSA2VVXHGI/?937937 東北電力女川原発2号機(宮城県)が再稼働を果たし、政府は原発再稼働を加速する構えだ。 データセンターなどの増加で拡大する電力需要を支える脱炭素電源として原発は欠かせず、今後は新増設も必要になる。 政府が今年2024年度に見直すエネルギー政策の指針で、使用済み燃料の問題も含め、原発政策で踏み込めるかがカギだ。 ただ、衆院選で自民、公明両党が過半数割れし政権が不安定化する中、エネルギーを巡る議論は曲折も予想される。 ■電力需要拡大と脱炭素対応 「東日本の電力供給構造の脆弱性や脱炭素電源による経済成長機会の確保などの観点から、東日本の原発の再稼働は極めて重要だ」。 武藤容治経済産業相は2024年10月29日の記者会見で、女川原発が再稼働する意義を強調した。 女川原発に続き、2024年12月には中国電力島根原発2号機(島根県)が再稼働する。 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)は再稼働へ地元同意を残すのみで、武藤氏は 「不安の声や地域振興を含めた要望を踏まえ、理解が進むよう取り組む」 と力を込めた。 原発はエネルギー政策上、欠かせない存在となった。 データセンターや半導体工場の増加で拡大する電力需要と、世界的な脱炭素の要請に応え得る安定電源なためだ。ロシアによるウクライナ侵略など地政学リスクが高まり、準国産エネルギーとしての必要性も増す。 ■「依存度低減」削除なるか 政府は今年2024年度に中長期のエネルギー政策の指針となる 「エネルギー基本計画」 を見直す予定で、現在詰めの作業を急いでいる。 これまでになく原発の重要度が高まる中、どこまで明確なビジョンを示せるかが問われる。 現行計画では2030年度の電源構成で原発比率を20〜22%としたが、次期計画で2040年度の原発比率をどう設定するかが最大の焦点だ。 「可能な限り原発依存度を低減する」 との記述を削除するかどうかも注目される。 既設炉だけでは発電能力に限界があり、新増設の方針をどう明記するかもポイントだ。 原発政策に欠かせない使用済み燃料の再処理や最終処分の問題で、解決に向けて国が前面に立つ覚悟を強く示すことも求められる。 ただ、衆院選で与党が惨敗し、次期計画の策定作業に影響する恐れもある。 国民民主党は原発の活用に積極的であるものの、政府関係者は 「政局のごたごたでスケジュールがタイトになるかもしれない」 と不安げな表情で語った。 女川再稼働で原発「東西地域差」の解消なるか 福島第1事故の影響、今も色濃く 2024/10/29 21:08 https://www.sankei.com/article/20241029-HPWAPX2LARPIDL2VE7XSUTPZ2Y/ 東北電力女川原発2号機(宮城県)が2024年10月29日、13年ぶりに再稼働した。 日本の原発稼働は西日本に偏重する歪な状況が続き、首都圏を中心に電力供給は慢性的に逼迫した。 背景には東京電力福島第1原発の同型炉が東日本に集中し、安全審査の長期化や立地自治体の同意に難航した経緯がある。 原発事故の影響は今も色濃く、 「原発正常化」 への道のりは遠い。 ■安全性に差異なし 日本の原発は、米国で開発された 「軽水炉」 と呼ばれる原子炉が採用されている。 蒸気を発生させる仕組みの違いで、沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)の2種類の炉型があり、開発メーカーもそれぞれ異なる。 BWRは東電や東北電、中部電力などが採用し、PWRは関西電力や九州、四国、北海道電力などが採用している。 福島第1原発事故を受け、原子力規制委員会が定めた新規制基準では、福島第1と同じタイプのBWRについて、重大事故の際に放射性物質を吸着し拡散を防ぐ排気装置 「フィルターベント」 の整備が再稼働の条件となった。 このため、BWRを保有する電力各社は対応に追われた。 規制委への安全審査の申請も遅れ、PWRの審査が先行する形となった。 規制当局関係者は 「2つの炉型に安全性の差異はないが、福島事故の影響もありBWRの審査が厳格化した感は否めない」 と話す。 ■日本の特殊事情 国内にある33基の原発はBWRとPWRがほぼ半々だが、日本原子力産業協会の調べでは、世界で運転中の433基の原発のうち、BWRは約14%。 PWRは約71%と最も多く、世界の主流になっている。 同協会担当者は 「炉型の選別は各国の事情によるが、1970年代に標準化を実現したPWRは原子力先進国で採用された」 と指摘。 日本でBWRの割合が多い理由について 「日本はプラントメーカーが3社存在する世界でも稀な国だが、各社が輸入した技術を段階的に国産化し、炉型の採用が決まった経緯も大きい」 と分析する。 福島第1原発事故から13年余り。 生成AI(人工知能)の普及に伴う電力需要の拡大で、世界の原子力政策は転換期に入った。 脱炭素と電力の安定供給を実現する原発は、資源に乏しい日本のエネルギー戦略を考える上で欠かせない。 林芳正官房長官は2024年10月29日の記者会見で 「我が国全体の経済成長の観点から再稼働の重要性が高まっている」 と言及した。 その意味でも、BWR初の再稼働は大きな節目と言える。 今後は原発稼働の東西地域差が生まれる構造的な課題をどう解消するのかが焦点となる。 国が前面に立って再稼働を後押しするのは当然だが、電力各社も原発への信頼回復に向けた更なる取り組みが求められる。 「大きな一歩」「自治体や関係者の尽力に敬意」経済界、女川原発の再稼働歓迎 2024/10/29 21:05 https://www.sankei.com/article/20241029-AWG4XE6XEVLS7LCCPRJFXCALWU/ 2024年10月29日に東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が再稼働したことを受け、経済界からは 「大きな一歩が踏み出された」 「円滑に営業運転が開始されるよう着実に準備を進めてほしい」 (十倉雅和経団連会長) といった歓迎の声が上がった。 東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)としても全国初の再稼働となり、経済同友会の新浪剛史代表幹事は 「震災で多大な被害を受けた立地地域の自治体や関係者の尽力に敬意を表する」 とのコメントを発表した。 日本商工会議所の小林健会頭は 「安全の確保を最優先にして取り組みを進めてほしい」 と強調した。 東北電力女川原発2号機が再稼働、火力燃料費は年600億円減 経営に追い風 2024/10/29 19:12 https://www.sankei.com/article/20241029-WTBHE5XRHNM73M4XSYMAHMCS44/ 東北電力は女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が2024年10月29日に再稼働したことで、液化天然ガス(LNG)や石炭など火力発電の燃料費を2025年度に年間約600億円削減できる見通しとなった。 原発再稼働は燃料費負担を減少させ収益に好影響を与えるだけでなく、電力の安定供給や脱炭素化への貢献といった経営改善の追い風にもなりそうだ。 再稼働に向けては、防潮堤の工事や防火帯の設置など多様な安全対策を実施した他、テロ行為を想定した 「特定重大事故等対処施設」 を設置中だ。 合計7100億円に上る費用は、再稼働後に月間30億円程度の減価償却費として一定期間計上する。 一方、再稼働による火力の燃料削減の効果を月70億円と見込んでおり、順調に稼働すれば、投資費用を回収した上で、収益改善を積み重ねることが出来る見通しだ。 また、再稼働による温室効果ガスの排出削減は年間300万トンに上る。 これは一般家庭約110万世帯分に相当し、宮城県内の世帯数(約105万世帯)を上回る規模になるという。 電力各社は原発の再稼働が遅れており、電源の過半を火力発電が占める中、燃料市況の乱高下を受け業績が安定しない状況が続く。 こうした中、運転可能な原発7基を全て再稼働させた関西電力は利益水準が電力大手で最も高く、電気料金も安く設定しており、 「再稼働の影響はかなり大きい」 と大和証券エクイティ調査部の西川周作シニアアナリストは指摘する。 もっとも、東北電力は再稼働を見越し、2023年6月に標準家庭(契約電流30アンペア、使用電力量260キロワット時)の電気料金について、月150円程度の負担軽減を実施済みで、再稼働に伴う更なる値下げは予定していない。 2025年3月期の業績予想も収益改善分は織り込み済みだが、予定通り再稼働出来たことで 「今年2024年度の収益計画を達成できる確度が増した」 「燃料市況などが想定より低水準となれば業績が上振れする余地はある」 と西川氏は見ている。 宮城 女川原発2号機 きょう再稼働 福島第一原発と同タイプで初 2024年10月29日 13時33分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241029/k10014622291000.html 宮城県にある東北電力の女川原子力発電所2号機は、2024年10月29日原子炉を起動し、東日本大震災で被災して以来13年半余りを経て再稼働します。 事故を起こした東京電力福島第一原発と同じタイプの原発で、このタイプでは初めての再稼働となり、被災地の原発としても初めてとなります。 女川原発2号機は、13年前の巨大地震と津波により外部電源の多くが失われ、地下の設備が浸水するなどの被害が出ましたが、その後、防潮堤を海抜29メートルの高さにかさ上げするなどの安全対策を講じて、4年前2020年、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格しました。 その後、安全対策の工事や国の検査などが終わったことを受けて再稼働することになり、2024年10月29日夜にも、核分裂反応を抑える制御棒を引き抜いて、原子炉を起動します。 東北電力によりますと、作業が順調に進めば、2024年10月29日夜遅くにかけて原子炉で核分裂反応が連続する臨界状態になり、2024年11月上旬には発電を開始する見通しだということです。 女川原発2号機は、事故を起こした東京電力福島第一原発と同じBWR=「沸騰水型」と呼ばれるタイプで、このタイプでは初めての再稼働となり、東日本大震災の被災地で原発が再稼働するのも初めてとなります。 ■女川原発2号機の安全対策は 東北電力女川原子力発電所2号機は、13年前の東日本大震災の際に、敷地内で震度6弱の揺れが観測され、およそ13メートルの津波が押し寄せました。 周辺環境に放射性物質が漏れることはありませんでしたが、原発に電気を送り込む外部電源の多くが鉄塔の倒壊などで失われた他、敷地の下の港にあった重油タンクが倒壊したり、 「熱交換器」 と呼ばれる設備がある地下室が浸水したりするなどの被害が出ました。 このため、東北電力は再稼働に向けて、2013年から地震や津波などの際の事故に備えた安全対策工事を進めてきました。 具体的には、想定される最大クラスの津波に備えて、防潮堤の高さを海抜29メートルにかさ上げしたほか、地震による被害を抑えるための原子炉建屋内にある配管や天井などの耐震補強を行いました。 更に、事故が起きても、原子炉を7日間冷やし続けられる量に当たるおよそ1万トンの水をためられる貯水槽の設置や、ケーブルを入れる管を燃えにくい素材で覆う工事など様々な面で安全対策を講じてきたということです。 こうした対策で、東北電力は13年前のレベルの地震や津波にも耐えられるとしています。 安全対策工事を巡っては、東北電力は当初、完了時期を2016年3月と発表していましたが、追加工事などを理由にその後、7回の見直しが行われ、今年2024年5月下旬にようやく完了に至りました。 震災後の安全対策工事にかかった費用は、およそ5700億円に上るということです。 また、テロなどに備えるための 「特定重大事故等対処施設」 は、再稼働に必要な原発の工事計画の認可から5年以内の設置が義務づけられていて、期限となる再来年2026年12月までに、およそ1400億円かけて建設する予定だということです。 ■電気料金への影響は 東北電力によりますと、82万5000キロワットの出力がある女川原子力発電所2号機が発電を再開することで、これまでの実績から年間で使用量が平均的な一般家庭のおよそ162万世帯分の電気を賄うと試算されています。 東北電力が供給する電力量の構成は、火力発電が67%を占めていますが、今回の再稼働で火力発電所で使っていた燃料費の削減に繋がり、来年2025年度は、今年2024年度の燃料価格に基づく試算で600億円程度のコストが抑えられる見通しだということです。 ただ、東北電力では再稼働に伴って電気料金の値下げをするかについては慎重な姿勢を示しています。 東北電力は昨年度、最終的な利益が2261億円と過去最高となりましたが、その前年度までの2年間はロシアによるウクライナへの侵攻で、天然ガスなどの燃料価格が高止まりしたことなどから赤字となり、自己資本比率が低い水準が続いています。 このため東北電力は悪化した財務基盤の立て直しが必要だとしていて、経営の効率化の進捗(しんちょく)などを総合的に判断したうえで、電気料金が値下げできるか検討するとしています。 ■武藤経産相「震災後初の原子炉起動 大きな節目」 宮城県にある東北電力の女川原子力発電所2号機が2024年10月29日、原子炉を起動し再稼働することについて、武藤経済産業大臣は閣議の後の記者会見で 「震災後、東日本で初めての原子炉起動となり大きな節目になる」 と述べました。 2024年11月上旬には発電を開始する見通しについて、武藤経済産業大臣は 「東日本における電力供給構造の脆弱性や電気料金の東西格差、経済成長機会の確保という観点からも原子力発電所の再稼働の重要性は極めて大きい」 「東日本としては震災後、初めての原子炉起動で大きな節目になり、安全最優先で緊張感をもって対応してほしい」 と述べました。 その上で、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働については 「地元の不安の声や地域振興の要望を踏まえながら再稼働への理解が進むよう政府をあげて取り組んでいきたい」 と述べました。 ■林官房長官「安全最優先で緊張感を持って作業を」 林官房長官は閣議の後の記者会見で 「原子力は再生可能エネルギーとともに脱炭素電源として重要であり、安定供給の観点からも安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく方針だ」 「再稼働の重要性は高まっていると認識しており、東北電力には安全最優先で緊張感を持って作業を進めてもらいたい」 と述べました。 林官房長官「原発を最大限活用」 女川再稼働の必要性強調「脱炭素電源として重要」 2024/10/29 12:35 https://www.sankei.com/article/20241029-ZGQXBZ3NM5KRNLPE3PSZTQJVPY/ 林芳正官房長官は2024年10月29日の記者会見で、東北電力女川原発を再稼働させる必要性を強調した。 「原子力は再生可能エネルギーと共に、脱炭素電源として重要だ」 「安定供給の観点からも安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく」 と述べた。 原発に関し 「我が国全体の経済成長の観点から再稼働の重要性が高まっている」 と説明。 地元住民から避難計画の不備が指摘されている点については 「原子力防災の備えに終わりはなく、継続的な改善、充実化を進め、実効性の向上に取り組む」 と語った。 <主張>「原子力の日」 沸騰水型への期待大きい 社説 2024/10/27 5:00 https://www.sankei.com/article/20241027-E2WT2SMBSFMSLGWB3FKSM5OU3Y/ 今年2024年は 「原子力の日」(10月26日) の制定から60年という節目の年だ。 この記念日と呼応するかのように原発再稼働の新展開が始まろうとしている。 東北電力の女川原子力発電所2号機(宮城県、82・5万キロワット)と中国電力の島根原子力発電所2号機(松江市、82万キロワット)のことである。 いずれも、東京電力の福島第1原子力発電所と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の原発だということに注目したい。 東日本大震災後、BWRの再稼働は初めてだ。 これまでに再稼働した九州電力、関西電力、四国電力の計12基は全て加圧水型軽水炉(PWR)だった。 女川2号機は原子炉へウラン燃料をセットする装荷作業を既に終え、2024年10月29日の原子炉起動を目指している。 中国電は島根2号機への燃料装荷を2024年10月28日にも開始する予定で、2024年12月上旬の再稼働を目指す。 共に地域の電力安定供給に貢献する。 BWRでは、東電の柏崎刈羽原子力発電所7号機(新潟県、135・6万キロワット)も2024年4月に燃料セットを終えていて、再稼働には花角英世・新潟県知事の同意を待つ日々が続いている。 女川と島根の両原発の再稼働による牽引効果を期待したい。 「原子力の日」 は、昭和39年7月に閣議で決まった。 それに先立つ、国際原子力機関(IAEA)への日本の参加決定(昭和31年)と、当時の日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)による国内初の原子力発電成功(昭和38年)が、どちらも10月26日だったことによる記念日だ。 第二次世界大戦で核兵器の犠牲となった日本だからこそ原子力を、科学技術の力で平和目的に活用してみせようとの決意と自負がこめられていたことを思い出したい。 そうした力強い記念日だったが、13年前2011年の東電福島第1原発の事故を境に、日陰の存在に一変していた。 だが近年、世界では原子力発電の有用性が広く理解されている。 新興国の経済成長に伴う電力需要増への対応と脱炭素化の両立を可能にするからだ。 昨年2023年の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では 「原子力発電の推進」 が成果文書に盛り込まれた。 エネルギーを巡る潮目の変化を読み誤ると日本は世界に後れを取る。 「原子力の日」 に、そのことへの思いを致したい。
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