<■600行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <独自>米、日本産ホタテに中国以外の加工施設仲介 2023/9/15 18:16 https://www.sankei.com/article/20230915-5H37YXKIXJIPFPLQ26Y7Y3FNZY/ 中国が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて日本産海産物の輸入を全面停止したことを巡り、在日米国大使館が日本の漁業者の独自支援に乗り出したことが分かった。 輸出額が多い日本産ホタテの大半が中国で加工処理後に米国へ再輸出されることを踏まえ、米食品医薬品局(FDA)の登録を受けた台湾、タイ、ベトナムの加工施設への輸出を仲介し、ここから米に再輸出するルートを構築する。 元々、日本産のホタテは中国の施設で殻剥きなどの加工をした後、米に再び輸出されるケースが多かった。 米国が2022年1年間で、中国経由で輸入した日本産ホタテは1億ドル(約147億円)超に上る。 今回、中国の全面禁輸措置に伴ってこのルートが使えなくなり、日本の漁業者の収入減が懸念されていた。 今回、米が斡旋する施設では、中国と同様にホタテの加工ができるという。 更に、対米輸出向けの食品加工を行う際に必要となるFDAの登録を受けていることから、一連の輸出手続きもスムーズとなる。 米大使館では、担当者が東北や北海道などを訪れ、漁協関係者らに3カ国・地域の施設を紹介している。 米側には、不当な禁輸措置に対抗する日米の結束を示すと共に、中国経由で輸入する日本産海産物への影響を最小限に抑える狙いがある。 「日本産海産物の全面禁輸という中国の行き過ぎた政治決断とは対照的に、米国は日本と共に立ち向かう」。 エマニュエル駐日米大使は2023年8月末に福島県相馬市を訪れ、日本を支持する声明も発表した。 日米で重要物資のサプライチェーン(供給網)の強靱化を含む経済安全保障への対策が進む中、今回の禁輸措置は、供給網の脆弱性を炙り出す機会となった。 米政府はホタテを含む日本産海産物の大部分に関税を掛けておらず、今後も日米間で海産物の流通の安定化を図りたい考えだ。青森県産ホタテ学校給食に 台湾への販売拡大も後押し 2023/9/13 19:34 https://www.sankei.com/article/20230913-BQFX4FP2FNPRNBX34KN2CLCLZE/ 青森県は2023年9月13日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、県産ホタテを買い上げて学校給食として提供するなど支援策を発表した。 中国による水産物輸入停止措置を踏まえ、台湾やタイへの販路拡大も後押しする。 宮下宗一郎知事は記者団に 「在庫をしっかり流通させ、利益が出る流れを作る」 と述べた。 青森県によると、給食は政府が風評被害対策のため設けた基金を活用し、小中学生8万人程度への提供を見込む。 販路拡大では海外に加え、県内外のスーパーや量販店に取扱量を増やすよう求める。 日本貿易振興機構(ジェトロ)の青森事務所によると、令和4年の県産ホタテの輸出額は約44億4000万円で、このうち中国向けが66%を占めている。 東電、復興支援の社員向け販売会 中国禁輸のホタテ加工品も並ぶ 2023/9/13 14:29 https://www.sankei.com/article/20230913-4MCFT2W5BFJTXLMKZYPSTGOL3E/ 東京電力ホールディングスは2023年9月13日、東京電力福島第1原発事故からの復興を支援するため、東京都千代田区の本社で福島、宮城両県産品などを扱う社員向け販売会を開いた。 販売会は平成25年3月に始まり、今回が87回目。 福島第1原発の処理水放出に伴い、中国が日本産水産物の全面禁輸に踏み切り、影響が出ている国産ホタテ加工品が初めて売り場に並んだ。 会場には、缶詰などの水産加工品や桃や梨といった農産物、菓子や日本酒など約210品目が並び、同日午前11時の開始直後から多くの社員が次々と目当ての商品を購入していった。 約20品目を扱う国産ホタテ加工品の販売ブースでは、同社の小早川智明社長が売り場に立ち、自ら社員に購入を呼び掛けた。 小早川氏は 「風評に打ち勝つために、しっかりとグループ挙げて対策に取り組みたい」 と強調。 こうした販売会や社員食堂での国産水産物の取り扱いも増やしたいとも話した。 官民の食堂、ワタミが国内水産物応援=@消費拡大へ、自衛隊基地でも 2023/9/12 18:35 https://www.sa1kei.com/article/20230912-3FIEK7AUI5O7FMXTQOWPS2WTTA/ 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出で、中国による日本産水産物の全面禁輸で影響を受ける水産事業者を支援しようと、国内消費拡大を促す動きが広がっている。 省庁や民間企業の食堂、大手外食の店舗で北海道や東北地方の水産物を使った特別メニューの提供が始まり、政府は学校給食でも同様の取り組みができるか検討に入った。 最大輸出先の中国に代わる需要確保が困難なため、内需拡大で輸出消失分を補いたい考えだ。 農林水産省の一部食堂では2023年9月11日から北海道産ホタテのフライ定食の提供が限定5食で始まった。 価格は1270円と他のメニューに比べて割高だが、完売するなど好評を得ている。 1週間限りの特別メニューだが 「状況を見ながら、継続提供も検討する」(水産庁加工流通課) という。 同様の動きは民間企業でも見られ、三井住友海上火災保険も2023年9月11日から本社の社員食堂で三陸産イワシなど東北地方の水産物を使った特別料理を1週間限定で提供を始めた。 外食大手ワタミでも、「ミライザカ」や「鳥メロ」などの居酒屋業態で国産ホタテなどを使った特別料理を販売するキャンペーンを2023年9月20日までの期間限定で実施している。 政府が2023年9月4日に示した水産支援策では、国内消費拡大に向けた 「国民運動の展開」 を掲げた。 この方針に従い、今後は学校給食や農水省以外の各省庁の食堂に日本産水産物を活用したメニューを提供できるよう検討を進める。 既に防衛省は、全国の自衛隊基地や駐屯地の食堂などで、日本産水産物を積極的に使用するよう準備を始めた。 輸出停止の影響が大きい福島県や北海道の自治体では、ふるさと納税で返礼品に水産物を選ぶことによる漁業者支援も活発だ。 処理水放出の開始日を決めた2023年8月22日以降、福島県いわき市では、ふるさと納税による1日当たりの寄付件数が通常の10倍近く急増するなど支援は広がっている。 ただ、日本人が1年間に消費する魚介類の量は、平成13年度をピークに減少が続き「魚離れ」は加速している。 内需拡大を図るにはこうした恒常的な課題に向き合う必要がありそうだ。 ラグビーW杯で日本食品PR 青森ホタテや静岡メロン 2023/9/9 9:42 https://www.sankei.com/article/20230909-7Q7DVDBK3RIMXFSESPZPXSY2L4/?outputType=theme_rugby_wc2023 ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会の日本代表のベースキャンプ地、フランス南西部トゥールーズで2023年9月8日、青森県のホタテや静岡県のメロンなど日本の食品をPRする試食会が開かれた。 W杯出場によりフランスで日本への関心が高まる中、食品をより多くの人に知ってもらい、販路拡大に繋げたい考え。 日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催。 赤と白のジャージーを着用した関係者らは訪れた市民たちに、ホタテのソテーやクラウンメロンの他、群馬県の上州和牛を使った牛丼などを振る舞った。 会場は多くの訪問者でごった返した。 青森市でホタテの養殖や加工を手掛ける「山神」の穐元美幸専務取締役本部長は 「W杯は良い機会だと思い参加した」 「日本産のホタテはサイズが大きいので、ぜひソテーで食べてもらいたい」 とアピールした。(共同) 道産水産物の消費拡大へ 北海道が13日から緊急対策実施 2023/9/8 18:23 https://www.sankei.com/article/20230908-37PMZE35MZNZ3GN34PTMGWZ3IE/ 北海道の鈴木直道知事は2023年9月8日、東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出を巡り、中国が日本産の水産物輸入を停止している問題で、道産水産物の消費拡大に向けた緊急対策 「食べて応援!北海道」 キャンペーンを2023年9月13日から実施すると定例会見で発表した。 道内外の量販店や海外を含む北海道アンテナショップで消費拡大に向けた販促PRなどを行う。 2023年9月12日に開会する第3回定例道議会で補正予算を提案する。 道によると、中国が道産水産物の輸入を停止したことで 「主力のホタテを中心に在庫が積み増し、保冷庫のスペースが早期に埋まってしまう懸念があるとの声が業界団体から出ている」(経済部) ため、国内を中心に消費拡大の緊急対策を進める。 第1弾では、道内の大手量販店やコンビニエンスストアなどにキャンペーン参加を呼び掛け、北海道産ホタテを中心とした道産水産物の消費促進運動を展開。 道産品を扱う国内外18店舗のアンテナショップ「どさんこプラザ」に特設コーナーを設けるなど、積極的な販促を行う。 第2弾ではふるさと納税を活用したPRを進める方針で、鈴木知事は 「ふるさと納税は市町村の貴重な財源」 「市町村の意見を聞きながら出来るだけ早く出来るようにしたい」 「国内へトップセールスもしていかなければいけないと思っている」 などと述べ、とスピード感を持って取り組む考えを示した。 野村農水相、各省庁食堂に日本産ホタテ料理追加を呼びかけ、中国禁輸受け、消費拡大を支援 2023/9/8 10:21 https://www.sankei.com/article/20230908-MAYIS5LVCJJXLE76GTGXRLRWPQ/ 野村哲郎農林水産省は2023年9月8日の閣議後記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国による日本産水産物の全面禁輸で影響を受ける水産事業者の支援として、全省庁の食堂に日本産ホタテなどを利用したメニューを追加するよう協力を呼び掛けたと明かした。 野村氏は 「政府全体として日本産水産物の国内消費拡大に取り組んでいきたいと思っており、我が国の水産物の消費拡大にご協力をお願いしたい」 と呼び掛けた。 農水省内の一部食堂では来週中にも日本産ホタテを使った料理の提供を予定している。 日本産水産物の国内消費拡大に向けては、外食チェーン大手のワタミが2023年9月11日からグループの居酒屋で北海道産ホタテを使ったメニューの提供など応援キャンペーンを予定。 輸出停止の影響が大きい福島県や北海道の自治体では、ふるさと納税で返礼品に水産物を選んで漁業関係者を支援する動きが活発化するなど支援の輪が広がっている。 主張 処理水と中国 孤立を自覚し難癖やめよ 2023/9/13 5:00 https://www.sankei.com/article/20230913-2AR5LERICZJGPAPEBO26QLR7AU/ 東京電力福島第1原発処理水の最初の海洋放出が終了した。 周辺環境に異常は確認されなかった。 科学的な安全性を確保して実施されたということだ。 中国政府は海洋放出への難癖ともいえる批判をやめ、日本産水産物の輸入禁止措置を撤回すべきだ。 それなしに日中関係の改善はあり得ない。 インドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれた。 多数の首脳が集まったが、処理水をめぐる中国の主張は賛同を得られなかった。 中国の李強首相は2023年9月6日のASEANプラス3(日中韓)首脳会議で処理水を 「核汚染水」 と決めつけ、海洋放出を批判した。 岸田文雄首相は科学的に問題はないと説明し、水産物禁輸について 「(放出は)国際社会で広く理解されているが、中国は突出した行動を取っている」 と批判した。 同じ日の立ち話で岸田首相は放出について説明したが、李首相は同意せず、水産物禁輸撤回に応じなかった。 科学と国際ルールを軽んじ、不当な輸入禁止という経済的威圧の手段を行使する。 このような中国政府の振る舞いは自国の国際的地位を下げるだけだ。 李首相はその後の東アジアサミット(EAS)やG20サミットでは、処理水に直接言及しなかった。 各国から中国への支持が集まっていない事実を反映しているのではないか。 一方、岸田首相はインドネシア、インド訪問を締めくくる記者会見で、米豪両国やインドネシア、マレーシア、太平洋諸島フォーラム議長国のクック諸島、オランダ、トルコなどから海洋放出への理解や支持が得られたと語った。 放出開始前からの取り組みを含め政府、東電が安全性について説明してきた結果と言える。 今後も丁寧に情報提供や説明を続けてほしい。 残念なのは、岸田政権が水産物禁輸について世界貿易機関(WTO)への提訴を躊躇っていることと、EASでは岸田首相が中国の名指しをやめ 「一部の国」 という表現にトーンダウンしたことだ。 この会議では李首相が処理水に言及しなかったからというが不当な禁輸は解除されていない。 名指しを避けてはならなかった。 岸田首相は与しやすし―とみなされては国益を損なう。 福島第1原発処理水、初回の放出完了 周辺トリチウム濃度に異常なし 2023/9/11 13:38 https://www.sankei.com/article/20230911-RC4FQTWJTNOA3IHGSWFVXSASIY/ 東京電力は2023年9月11日、福島第1原発処理水の1回目の放出作業が完了したと発表した。 海への放出は2023年8月24日に始まり、1回目の放出量は7788トン。 漏洩など設備上のトラブルはなかったという。 今後、3週間程度かけて放水設備や作業工程などを点検し、2023年10月中にも2回目の放出を始める。 東電によると、2023年9月10日午後に1回目の放出予定量をタンクから送り出し、2023年9月11日午後0時15分に配管に残った約16トンの処理水を濾過水で押し流す作業が終了した。 2回目の放出準備に向けた点検の結果は2023年9月末に公表する。 2023年度は計4回の放出を計画しており、処理水の放出総量はタンク保管容量の2.3%に当たる3万1200トン。 2023年10月中にも始まる2回目でも約7800トンの放出を予定している。 一方、原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウム濃度について、1回目の放出開始から1カ月程度は毎日測定する。 これまでの放出では、計画の排水基準(1リットル当たり1500ベクレル)を超えるような数値は出ていない。 また、国際原子力機関(IAEA)も2023年9月8日の声明で、原発3km以内の複数の場所で採取した海水のトリチウム濃度を独自に分析した結果、いずれも検出限界値を下回ったことを明らかにした。 IAEAは 「日本側が示す評価と矛盾はない」 としている。 処理水、初回の放出完了へ 福島第1原発、7800トン 2023/9/11 9:53 https://www.sankei.com/article/20230911-LSHICGOC7RPPNLYS7XODTV5LAI/ 東京電力は2023年9月11日、福島第1原発の処理水海洋放出で、初回分として計画していた約7800トンの放出を完了する。 2023年8月24日から開始した放出では設備や運用に大きなトラブルはなく、海水や魚に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常は確認されなかった。 タンク内の処理水の放出は2023年9月10日に終えており、2023年9月11日は配管内に残っている処理水を真水で押し流す作業を実施。 2回目も約7800トンを放出する予定で、処理水の放射性物質濃度の確認や設備点検の後、早ければ2023年9月下旬にも開始する。 東電の計画では処理水を大量の海水で薄め、国の基準の40分の1となる1リットル当たり1500ベクレル未満にして原発の沖約1kmの海底から放出する。 東電、環境省、水産庁、福島県は原発周辺で採取した海水や魚のトリチウム濃度の分析を続けている。 東電が2023年8月31日に放出口付近で採取した海水から1リットル当たり10ベクレル検出された他、数カ所でも検出されたが、東電は 「安全上の問題はない」 としている。 処理水放出「理解深まっている」 2023/9/10 18:30 https://www.sankei.com/article/20230910-ZEQKIRMAVNM3XA2RFTMZHAEFPA/ 岸田文雄首相は2023年9月10日(日本時間同日夕)、訪問先のインドでの記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、 「ASEAN(東南アジア諸国連合)やG20(20カ国・地域)諸国に日本の対応をしっかり説明した」 「多くの国から処理水放出のプロセスは安全で透明性が高いとの評価を頂いてきたが、理解が一層広まったと感じている」 と述べた。 また、日本産水産物の全面禁輸措置を取る中国の対応に関しては、 「2国間、多国間の機会やWTO(世界貿易機関)など通商の枠組みの場を活用し、引き続き即時撤回を求めていく」 と強調した。 首相は2023年9月6日にインドネシアの首都・ジャカルタで、中国ナンバー2の李強首相と短時間の立ち話を行い、処理水放出を巡る中国の科学的根拠に基づかない批判に反対した。 これを踏まえ、 「李氏に私の考えを伝えられたことは重要なことだった」 とも振り返った。 日中関係については 「日本としては主張すべきは主張し、中国に責任ある行動を強く求めつつ、対話をしっかりと重ね、『建設的かつ安定的な関係』の構築を進める」 と語った。 海水は検出下限値未満 原発処理水トリチウム分析 2023/9/10 17:24 https://www.sankei.com/article/20230910-ZJMBZQZFGRKT7I56EJ5F6QHTSE/ 東京電力は2023年9月10日、福島第1原発周辺で2023年9月9日に採取した海水に含まれる放射性物質トリチウム濃度を分析した結果、いずれも機器で検出できる下限値未満だったと発表した。 第1原発では2023年8月24日に処理水の海洋放出を始めた。 東電は原発から半径3km以内の10カ所で採取した海水を分析した。 水産庁による水産物の分析はなかった。 主張 処理水と国会審議 「風評」を流す野党がある 2023/9/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20230910-D66VTJW4CRPNBOPMHNBFBVFQ2A/ 国会が2023年9月8日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関する閉会中審査を開いた。 処理水放出の安全は科学的に確かめられている。 だが中国政府は 「核汚染水」 というレッテルを貼り、世界に対して日本の非を鳴らしている。 安全な日本産水産物の輸入は禁止した。 いずれも不当で風評被害を拡大している。 容認できない。 日本の政党と国会議員に最も求められる役割は、誤った風評を撒き散らす国や勢力をはっきりと批判し、彼らの反日的なプロパガンダを撤回させるべく言論で対抗することだ。 だが、その負託に応えない政党、議員が存在している。 極めて残念だ。 閉会中審査で、各党議員が水産業者への支援を訴えたのは妥当だ。 問題はその先である。 自民党は 「中国の暴挙に政府は強い姿勢で臨むべきだ」 と訴え、中国の不当な禁輸について世界貿易機関(WTO)への提訴を求めた。 日本維新の会も同様の立場を示した。 公明党も 「科学的根拠に基づかない、自らの正当性のみを主張している」 と中国を批判した。 憂慮すべきは立憲民主党や共産党の態度だ。 閉会中審査で立民の長妻昭政調会長は、中国の禁輸を撤回させるよう日本政府に求めた。 それは良いとしても、立民は誤った風評を拡散させている党所属議員の言動に厳しく対処していないという深刻な問題を抱えたままである。 同党の石垣のり子参院議員は処理水を 「汚染水」 と呼び放出中止を求めた。 2023年7月には阿部知子衆院議員ら複数の立民議員が、韓国の野党と共に放出反対の共同声明を出した。 れいわ新選組や社民党の議員も名を連ねた。 福島を傷付ける風評を広げる所属議員を厳しく処分、指導しない政党は無責任だ。 立民は党を挙げて海洋放出の安全性を内外で説いたらどうか。 共産は論外だ。 同党の志位和夫委員長は2023年8月に 「汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を強行すれば、福島の復興に重大な障害となる」 とする談話を発表し、閉会中審査でも放出中止を重ねて要求した。 中国政府の不当な主張とそっくりだ。 政党と国会議員には国民と国益を守る責務があることを忘れてもらっては困る。 原発処理水1回目放出、11日にも完了 7800トン、国の基準下回る 2023/9/9 20:45 https://www.sankei.com/article/20230909-4TBF2BIGUVM2DHLFW4Y4UNVWVM/ 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出は、設備などのトラブルはなく、計画通り2023年9月10日に放出予定量の約7800トンに達し、2023年9月11日に配管を洗い流して1回目の作業が完了する見通しだ。 放出後には中国が日本産水産物を全面禁輸し、嫌がらせ電話が相次ぐなど波紋も広がっており、国内外で生じる風評にどう対処するか。 科学に基づく正確な情報発信は懸念を解消する最大の論拠となる。 原発構内の入り口近くにある化学分析棟。 ここでは処理水に含まれる放射性物質の測定が行われている。 運用が始まったのは事故から2年後の2013(平成25)年7月。 当時は地上の放射線量が高く、分析結果への影響を考慮し、地下1階に建設された。 測定に当たる分析員は約40人。 処理水に含まれる69核種の放射性物質濃度を調べ、1日平均約100件の試料を測定している。 2022(令和4)年度は約9万件の分析を実施し、このうち多核種除去設備(ALPS=アルプス)で浄化処理できないトリチウム関連の測定は約1万件に上った。 実際の測定作業では、眼鏡型端末スマートグラスを装着した分析員が、処理水の入った試料を持ち上げ、容器に貼ったQRコードをカメラで読み取る。 「グッド」 と発声すると、グラスには次の作業手順が表示され、採取した日時や場所などを音声入力し、システムに自動登録される。 「ミスを防ぐために先端技術を導入し、データはQRコードで一元管理している」。 東電の担当者はこう説明した。 システムは3年前に導入され、測定データを紙に手書きしていた時よりも転記ミスが大幅に減少。 データ処理の時間も大幅に短縮されたという。 放出後には海水の調査ポイントが10カ所増え、分析件数が増加。 2023年度内の施設拡張も検討されている。 担当者は 「分析結果の信頼性を高めるために、正確で迅速なデータ公表に努めたい」 と話す。 海洋放出に当たっては国や東電、福島県が周辺海域の監視態勢を強化し、海水や魚、海藻に含まれるトリチウム濃度を100カ所以上で測定。 このうち放出口付近は東電が重点的に調べ、2023年8月24日に始まった放出後は1カ月程度、原発から3km圏内の10地点を毎日測定している。 これまでの測定では、放出口付近で2023年8月24日に採取した海水を精密分析した結果、1リットル当たり10ベクレルのトリチウムが検出されたが、残りの9カ所ではいずれも検出限度を下回った。 世界保健機関((WHO)の飲料水水質ガイドラインは同1万ベクレル以下を安全基準と定め、福島原発では同1500ベクレルを上限濃度に設定。 仮にこの濃度の水を毎日約2リットル飲んでも、1年間で被曝する線量は限度量の10分の1にも満たない。 水産庁が実施しているヒラメやトラフグなどの分析でも検出されていない。 東電の拡散予測によると、放出前の海水に含まれるトリチウム濃度(同0.1〜1ベクレル)よりも高くなると評価されたエリアは、原発周辺の2〜3kmの範囲で同1〜2ベクレル、放出口付近でも最大30ベクレルと予測。 いずれも国の基準値以下で、周囲の海水と混ざれば、更に濃度が低下し周辺環境と区別ができなくなるという。 ただ、放出に反対する中国は、開始後に日本の水産物輸入を全面停止した。 中国からの嫌がらせ電話も後を絶たず、訪日団体旅行客のキャンセルや日本製品の不買運動など反日感情が広がる。 岸田文雄首相は中国に対し 「科学的根拠に基づいて議論するよう働き掛ける」 と述べ、冷静な議論に応じるよう求めた。 禁輸撤廃に向けて、国内外で燻る風評の火種を抑えるためには、正確で透明性の高いデータを広く公開し、丁寧に説明を尽くす必要がある。 ◇ 福島第1原発処理水 1〜3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすために注入した水と、地下水や雨水から発生した汚染水を浄化処理した水。 敷地内のタンクに約134万トンを保管し、トリチウム濃度が国の排水基準の40分の1未満になるよう海水で薄めてから海に流す。 1回目の放出は約7800トン。 2023年9月10日には予定量に達し、2023年9月11日に移送配管に残った約16トンを流して完了する。 2023年度は残り3回の放出を計画、計約3万1200トンに上る見通し。 正論 「刺激しない」が対中外交なのか 明星大学教授・細川昌彦 2023/9/6 8:00 https://www.sankei.com/article/20230906-KVOLPK3WNVJXLO37AVZZFKFQ2I/?870782 中国による日本産水産物の禁輸に対して日本外交の動きが鈍い。 「科学的根拠を説明して、撤回を求める」 のは当然だが、そうした対応だけで果たして事態は打開できるのだろうか。 それは中国の狙い、意図を見極めることが大前提だ。 ■「経済的威圧」に対する行動を 中国が水産物の禁輸をしても日本が処理水の海洋放出を止めることはないのは明らかだ。 それにもかかわらず中国は敢えて強硬措置に出た。 それは政治的意図による 「経済的威圧」 であるからだ。 中国は日本に対して米中対立の中で半導体の規制など中国への圧力に加担していると反発を強めていた。 そうした中で本件を外交カードとして利用する思惑も透けて見える。 中国人による迷惑電話などの過剰反応はいずれ沈静化するであろう。 しかし中国政府による禁輸措置自体はそうではない。 一時的≠ニの中国側の説明を額面通りには受け取れない。 また日本の対応次第では 「日本は与しやすい相手」 と見て、今後も他の分野で 「経済的威圧」 が繰り返されるだろう。 それを抑止するためにも行動≠ェ必要なのだ。 それが経済安全保障の本質だ。 日本政府からは 「中国を刺激しないのが得策」 との声も聞こえてくる。 むろん不必要に刺激すべきではない。 しかしだからと言って戦略的な行動まで躊躇してはならない。 ■WTO提訴を躊躇するな まず世界貿易機関(WTI)に提訴すべきだ。 提訴は 「対立を煽る」 ものではなく、むしろ日本外交のよって立つ基軸である 「ルール重視の外交」 として重要だ。 WTO提訴といっても、 「協議要請」 と 「パネル設置」 の2段階ある。 まず第1段階の協議要請を早急にすべきだ。 中国が話し合いにも応じていないので、協議の場に引き出す意味は大きい。 中国は2023年8月31日、WTOに今回の禁輸措置を通知して、即時撤廃に応じない姿勢を明確に示した。 日本も反論だけでなく早急に動くべきだ。 日本政府は提訴に慎重であるが、その理由は2つあるという。 第1は結果を得るまでに時間が掛かることだ。 しかし結論も大事だが、それだけが目的ではない。 WTOを活用する姿勢を明確にすることで、今後も繰り返されかねない経済的威圧への抑止力にも繋がる。 豪州は中国による経済的威圧に対してWTOに提訴したが、結論が出る前に中国は措置を見直す動きを見せている。 第2はWTOで敗訴するリスクだ。 2015年に韓国による日本産水産物の輸入規制を巡ってWTO提訴したが、2019年に上級審に当たる 「上級委員会」 で逆転敗訴≠オた苦い経験から消極的だという。 しかしこれはこの訴訟の中身を理解しないものだ。 通商法の専門家の大方の見解はこうだ。 「上級委員会で韓国の措置を妥当と最終判断したわけではない」 「韓国の措置を妥当でないとしたパネル(小委員会)の判断について判断材料の不備を指摘して取り消しただけで、韓国の措置が妥当かどうかの判断を回避したものだ」 「従って特殊な事案であって今回の措置の先例にならない」 これは敗訴≠ニいうよりは 「判断回避」 なのだ。 訴訟戦術上の問題もあったが、これを敗訴≠ニいう言葉を使って政治家も含め誤解させてWTO提訴にブレーキをかけているとすれば問題だ。 また今回の措置は科学的根拠をもって国際機関によるお墨付きもあり、韓国のケースとは決定的な違いがある。 松野博一官房長官は会見で 「WTOの枠組みの下で対応する」 とした。 しかしこれは単にWTOの会合の場で中国の措置の不当性を発言することを念頭においたものに過ぎない。 こうした自己満足でお茶を濁していてはいけない。 ■G7連携や脱中国で牽制を WTO以外にも多面的な行動が必要だ。 例えば国際連携だ。 先進7カ国首脳会議(G77サミット)で 「経済的威圧に対する共同対処」 が合意されたが、その協議の場を早急に立ち上げて本件を取り上げるべきだ(2023年8月4日付本欄)。 こうした国際連携も 「見える化」 して対外的にアピールすることが抑止力の上でも重要だ。 また脱中国依存を前面に出し中国を牽制することも必要だ。 例えばホタテは人件費の安い中国で加工作業をして米国に輸出されるものも多い。 中国での加工施設を中国外に移し、中国に依存しないサプライチェーンを早急に構築することが必要だ。 その結果、中国の雇用にも影響するだろう。 国内では漁業関係者への支援策として発表されているが、むしろ中国に対する牽制として打ち出すべきだ。 正論 中国の水産物規制に対抗せよ 明星大学教授・細川昌彦 2023/8/4 8:00 https://www.sankei.com/article/20230804-FD6VNA6N3RJMFOFJH2KBH4ZC5Q/ 東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に関して、中国は日本からの輸入水産物への放射性物質の検査を強化した。 これまでの任意でのサンプル検査から全量検査に切り替えたのだ。 その結果、鮮魚などが通関できずに事実上輸入がストップする事態が発生している。 更に香港は海洋放出されれば輸入を禁止する方針も打ち出している。 ■狙いは「対日外交カード」か 中国と香港は合わせると日本の水産物輸出の約4割を占め、最大の輸出先だ。 事態が長引けば、日本の漁業関係者への深刻な影響は避けられない。 中国は 「人民の健康と海洋環境に責任を負うため」 と正当性を主張するが、明らかに科学的根拠に基づかないものだ。 しかもそもそも処理水の海洋放出はまだ始まっていないにもかかわらず、検査を厳しくしており、 「外交カード」 とする意図を露呈している。 国際原子力機関(IAEA)は人、環境に与える影響は無視できるものと報告書で結論付けている。 日本がこのIAEAの報告を踏まえ、 「高い透明性をもって丁寧に説明していく」 としているのは当然だ。 しかし意図的に政治的な措置を行う中国に対して、いくら科学的説明を粘り強くしても、抗議と撤回要求をしても残念ながら効果は期待できないだろう。 また日本は何ら対抗してこない国だと思われるのは、今後、様々な威圧的な措置を誘発しかねない。 こうした不当な圧力に対して揺らぐことなく、処理水の海洋放出を予定通り実施すべきであるのは当然だが、それだけではなく、当面の対応と根本的な対応の両方が必要だ。 ■当面の措置とG7の活用 当面は中国の措置が検査手続きの恣意的運用であり、科学的な説明を受け付けないならば少なくとも同様の運用レベルで対抗すべきだろう。 即ち中国から輸入する水産物について日本も全量検査すべきだ。 中国の複数の原発が放出するトリチウムが福島の処理水の最大で6.5倍であることが判明しているだけにやむを得ない措置と言える。 更に日本の漁業関係者の被害への対応も併せて必要だ。 既に一部ではアワビの取引価格も下がっており、放出前であっても国が被害への補償を行う方針を示したことは妥当だ。 また中国に輸出しているホタテなどの水産物の代替の売り先として米国、韓国、台湾などの協力を得てダメージを最小限にする努力も早急にすべきだ。 国際的な世論戦でのアピールも重要だ。 中国は南太平洋の国々や東南アジア諸国連合(ASEAN)に 「懸念の共有」 を呼び掛けたが、今のところ不発に終わっている。 これに安心せず、太平洋諸国など海洋国家の途上国への理解を得る外交努力を一層強化すべきだが、国際的な対応はそれだけではない。 2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)ではこうした 「経済的威圧」 に対してG7が共同で行動すべく 「調整プラットフォーム」 という枠組みを立ち上げることに合意した。 まずは2023年のG7議長国である日本が主導して早急にこれを立ち上げて動かすべきだ。 本件を、G7各国と情報交換して理解と協力を得るケースとしたい。 ■早急に根本的な対抗制度を その上で経済的威圧に対する根本的な備えは早急に必要だ。 近年、中国は巨大市場や供給力を武器に相手国を威嚇して政策変更を迫る 「経済の武器化」 を常態化させている。 最近でも新型コロナの発生源に関する独立調査を求めた豪州に対する大麦、ワインへの報復関税、台湾代表事務所を開設したリトアニアに対する通関拒否など枚挙に暇がない。 習近平政権の外交方針からこうした威圧は今後とも続くと見るべきだ。 こうした経済的威圧に対しては行政の運用面での対応だけでは限界があり、今後の抑止力としては法的な制度を用意しておくことが必要だ。 今回の措置に間に合わなくても、ヒト、モノ、カネ、サービスの規制など多様な手段の中から状況に応じて対抗措置として選択できる制度の整備をすべきだ。 しかし日本はG7の中で唯一、そうした経済的威圧に対する対抗手段を持ち合わせていない。 欧州連合(EU)、米国には独自に対抗できる措置があり、更に対抗措置法案も準備している。 これに対して日本は中国を刺激することを懸念して、制度を整備する 「構え」 を示すことさえ及び腰だ。 日本は標的となる可能性が高いにもかかわらず危機感がなく、吞気に無防備のままだ。 そうした中で今回、経済的威圧の標的となってしまった。 さすがにこの苦い経験で覚醒すべきだろう。 早急に各省庁バラバラではなく内閣全体で対応する制度を整備する必要がある。 具体的には2022年成立した経済安全保障推進法の改正が考えられる。 この法律で4つの制度を創設したが、これに 「経済的威圧への対抗措置」 を第5の柱として加えることも検討すべきだ。 日本が直面する状況は待ったなしだ。 社説検証 処理水と中国反応 各紙とも理不尽と糾弾 「WTO提訴せよ」産経 2023/9/6 9:00 https://www.sankei.com/article/20230906-5OZESNPGO5KVLLNAYDMF4NOBKY/ 政府と東京電力が、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めて2週間が経過しようとしている。 海洋から検出される放射性物質トリチウムの濃度は、計画の基準を大きく下回っている。 こうした海洋放出は世界の原発などで広く行われており、国際原子力機関(IAEA)も安全性にお墨付きを与えている。 だが、中国政府は日本産水産物の輸入を全面停止し、中国から日本に嫌がらせ電話が相次いでいる。 在中国日本大使館や日本人学校への投石も発生した。 主要各紙は、科学的根拠を欠く日本産水産物の輸入停止や嫌がらせ電話などを一斉に非難した。 2023年8月29日付の産経は 「処理水は科学的根拠に基づき安全な方法で放出されている」 「抗議される謂れは少しもない」 と強調し、 「中国発の卑劣な嫌がらせは直ちに中止されるべきだ」 と断じた。 2023年8月29日付の朝日は 「正当な抗議も認められるべきだ」 としながらも、 「現に起きているのは無関係の市民や施設を標的とした嫌がらせだ」 と指摘し、 「中国政府には事態の沈静化を図る責任がある」 と論じた。 読売も2023年8月29日付で 「中国からの、科学的根拠を無視した一方的な嫌がらせを中国が放置していたら、日本の対中友好感情を著しく傷つけ、両国関係を悪化させる恐れが強い」 と懸念を示した。 そして中国政府に 「沈静化に動くべきだ」 と注文を付けた。 「度を越した迷惑行為は看過できない」 と表明した2023年8月30日付の毎日は、 「日本国民の対中感情が更に悪化するだけでなく、自らの国際的なイメージの低下を招くことを中国政府は認識すべきだ」 と論難した。 さらに日経も2023年8月30日付で 「中国政府には、自国民による理不尽な嫌がらせ、危険な行為をやめさせる強い措置を取る義務がある」 「放置は許されない」 と糾弾した。 こうした中国の暴挙を巡り、各紙はその隠れた意図についての分析でも足並みを揃えた。 産経は2023年8月29日付で 「中国経済の変調から生じた自国民の不満を日本に向けたり、歴史問題と同様の反日カードにしたい思惑が中国政府にはあるのだろう」 と論考した。 朝日も2023年8月29日付で 「中国経済の停滞で、若年失業率は20%を超える深刻な状況にある」 「日本が不満のはけ口になりかねないリスクは十分にある」 と警鐘を鳴らした。 毎日は2023年8月30日付で 「不動産不況や若者の失業率悪化で国民の不満が高まっている」 と分析した上で、 「日本に対する嫌がらせ行為を黙認することで、『ガス抜き』を図る狙いがあると見られても仕方ないだろう」 と批判した。 中国による日本産水産物の全面輸入禁止についても、各紙とも厳しく批判した。 産経は2023年8月26日付で 「不当な禁輸で日本の水産業に多大な経済的打撃を与える暴挙に他ならない」 「岸田文雄首相が即時撤廃を申し入れたのは当然だ」 と主張した。 更に産経は、2023年9月2日付で 「岸田政権は中国政府の不当さを一層明確に批判し、世界貿易機関(WTO)への提訴に踏み切るべきだ」 と訴えた。 朝日も2023年8月26日付で 「巨大市場を武器に、貿易で他国に圧力をかける『経済的威圧』にも等しい振る舞いだ」 「合理性を著しく欠いた措置に、強く抗議する」 と難じた。 交流サイト(SNS)への投稿を厳しく統制しながら、反日的投稿を放置する中国政府の態度は、大国とは思えぬ無責任な振る舞いである。 中国が対日禁輸を即時撤廃するのは当然だが、水産物禁輸の打撃を少しでも緩和するため、日本政府は中国への過剰な依存をやめ、官民一体で新たな販路の開拓などに努めるべきだ。 それは経済安全保障を強めることにも繋がるはずだ。 ◇ ■処理水放出と中国を巡る主な社説 【産経】 ・科学無視の暴挙をやめよ(8月26日付) ・中国政府に「責任」がある(8月29日付) ・WTO提訴をためらうな(9月2日付) 【朝日】 ・筋が通らぬ威圧やめよ(8月26日付) ・冷静な対話こそ必要だ(8月29日付) 【毎日】 ・即時撤回へ外交の強化を(8月26日付) ・沈静化へ責任ある対応を(8月30日付) 【読売】 ・中国は不当な措置を撤回せよ(8月26日付) ・中国は嫌がらせを放置するな(8月29日付) 【日経】 ・中国の日本産水産物の禁輸は理不尽だ(8月25日付) ・中国は理不尽な迷惑行為をやめさせよ(8月30日付) 【東京】 ・日中は理性的な対話を(8月30日付) 主張 水産業者への支援 「脱中国依存」に繫げたい 2023/9/6 5:00 https://www.sankei.com/article/20230906-CWEZXP25PFLVXII4UBINV3BXHE/ 東京電力福島第1原子力発電所からの処理水海洋放出に対し、中国が日本産水産物を全面輸入禁止とする暴挙に及んだことを受け、政府は水産事業者のための新たな支援事業を創設した。 岸田文雄首相の指示による対策だ。 国内消費拡大・生産持続対策や風評影響への内外での対応、輸出先の転換対策―などの5本柱で構成されている。 中国の一方的な振る舞いに対抗する迅速な措置である。 効果的に活用したい。 中国は日本の水産物の主要取引先である。 香港と合わせた2022年の輸入総額は1626億円に達し、日本の水産物輸出の42%を占めていた。 これが突如、停止になったのだから痛手は小さくないが、科学を無視した中国の不当な経済的威圧に屈してはならない。 政府が支援策の1つに掲げた国内消費の拡大は防御策、また対抗策として有効だ。 国民が、1年間に1600円分多く魚介類を消費すれば、中国と香港への輸出額に等しくなる計算だ。 十分、可能な数字である。 防衛省も全国の自衛隊の部隊などに国産水産物の積極的な消費を呼び掛ける事務次官通達を出した。 各基地や駐屯地で支給する食事に地元の魚介類を多用すれば沿岸・沖合漁業の活性化にも繫がる。 学校給食でも地場の水産物を活用すべきだ。 日本では魚食離れが進んでおり、平成23(2011)年度に国民1人当たりの肉類消費量が魚介類の消費量を上回り、以来その差の拡大が続いている。 食料の安定供給の面からも水産業の停滞は問題だが、政府は実効的な打開策を見い出せないまま苦慮していた。 処理水の海洋放出で、政府は基金を創設している。 風評被害対策に300億円、漁業継続支援に500億円だ。 そこに今回の新たな支援事業のための207億円が追加された。 国内漁業者の長期的な減少傾向や中国市場への過度の依存といった課題を抱える我が国の水産業を成長産業に転じる活力源としなくてはならない。 中国に大量輸出してきたホタテ貝については、日本国内で剝き身加工を行う機械設備の導入や海外販路の開拓などが必要だが、新支援事業はこの点もカバーする。 ハードルは低くないが、国を挙げて克服し、 「水産日本」 の復活に繫げたい。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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