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2023年7月26日 21時17分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/265665?rct=politics
経済産業省は26日、脱炭素に効果のある発電所の新設を支援するため来年導入する制度の対象に、再稼働を目指す既存原発を加える検討を始めると明らかにした。同日の有識者会議「原子力小委員会」で説明した。
現在は個別の電力会社が負担している事故対策費を、電気料金を通じて全国の消費者から集めることになり、再生可能エネルギー由来の新電力と契約している消費者も再稼働費用を負担することになる。原発を運営する電力会社の救済策となる手法には、会議の出席者の一部からは批判の声が上がった。
経産省が来年1月導入する新制度は「長期脱炭素電源オークション」。新電力も含めた電力小売会社から拠出金として集めた資金を発電会社に分配し、運転開始から20年間、一定額を毎年得られるようにする。
新制度は、再生可能エネルギーの発電所新設や、火力発電所での二酸化炭素の排出を減らす改修などが対象。既存原発の事故対策費も含めることは、国は昨夏以降のエネルギー政策見直しの議論で説明していなかった。
この日の会議で、経産省の担当者は「投資回収の予見可能性を確保する観点から(制度の)対象とすることを検討したい」と説明。今後、別の有識者会議で詳細を検討するとした。
委員からは肯定的な意見が多かったが、NPO法人原子力資料情報室の松久保肇事務局長は「事故対策は電力会社の責任で投資するべきだ。消費者に負担させるべきではない」と指摘。支援制度が脱炭素電源を新たに増やす目的であることから「既存原発を対象に加えることは制度にそぐわない」と批判した。
原発の再稼働に向けた事故対策費は、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で少なくとも1兆1690億円が見込まれ、他社も数千億円規模を投じている。 (小野沢健太)
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長期脱炭素電源オークション 脱炭素に効果のある発電所への新規投資を対象とした入札制度。国が支援する発電所を入札で決め、全国の電力小売会社から集めた資金を発電会社に分配する。原発の落札価格の上限は年間1キロワット当たり10万円で、100万キロワットの原発を設ける場合は、年間最大1000億円の費用が回収できる計算になる。
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