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COVID19の事と言い原発の事と言い、政府と御用マスゴミは自分らの主張に都合よい時のみ「科学」を持ち出す。「100ベクレル以上は危険だが99なら安全」と見るからに恣意的な基準は「線型説」が理解されるにつけ不備が明らかに見えてきた。執拗に「基準値」を持ち出し、あまつさえ科学雑誌を否定する記者は、どれだけ「科学」の手法を理解しているのだろうか。
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科学誌『サイエンス』が非科学的な「処理水」記事を出した背景
2/11(土) 17:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1c3ab82c813ae7bf4ac304a69892294c2913b49?page=1
Wedge(ウェッジ)
*文中画像略
世界的に有名な自然科学週刊誌である「サイエンス」が信じられない記事を掲載した。「反対を押し切って日本は福島の廃水を太平洋に投棄の予定――放出は海洋や人間の生命にリスクがないと政府は述べているが、一部の科学者は同意していない」と題する論説だ 。その内容はあまりに偏ったものであり、世界の読者に大きな誤解を与えるものだ。そしてその背後には南太平洋地域の歴史問題が潜んでいる。
●処理水は危険なのか?
サイエンス誌の論説は次のような内容である。
日本政府は今年の春または夏までに、福島第一原子力発電所から130万トンの放射能汚染水を太平洋に放出する予定である。東京電力は排出される放射性物質の量は少なく、海洋生物や人間へのリスクはないと述べ、海洋放出は国際原子力機関(IAEA)と日本の原子力規制委員会の承認を受けている。
しかし海洋学者は東京電力のデータは不十分と言っている。また低濃度放射能測定専門家は、東京電力は限られた放射性核種しか測定していないので、そのほかに何が入っているか分からないと言い、処理施設の機能についても疑問を投げかけている。
海洋生物学者は、飲料水の基準を下回るトリチウムであっても海水の自然レベルの数千倍であり、トリチウムが海洋生物に蓄積し、魚や人間に影響を及ぼすと述べ、排水中の放射性核種をカキの殻に取り込ませるバイオレメディエーション(生物学的環境修復)という代替案を提示している。
太平洋諸島フォーラム事務総長は、すべての当事者が安全を確認するまで海洋放出をすべきではないと述べ、米国海洋研究所協会も安全を裏付ける科学的データの欠如を理由に反対している。
●どのデータが不足なのか?
このように、この論説は海洋放出に批判的な専門家や組織の意見を紹介することで、政府と東電側の対策に疑問を持たせる構成になっている。それでは批判は正当なのだろうか。
東電のデータが不十分という意見があるが、求められるデータとは、現在どの程度の放射性物質があるのか、処理施設でどれだけ除去することができ、どれだけ残るのか、処理水を希釈して海洋放出する場合に、放射線量は規制に合致しているのかなどだ。
これらのデータはすべて公表され、多量の情報を英文で読むことができる。これ以上、どのようなデータが不足なのか、なぜそのデータが必要なのかを述べずにデータ不足を主張するのは、単なる反対のための口実に過ぎない。
東電が限られた放射性核種しか測定していないという批判もあるが、東電は処理水に含まれるトリチウム、62核種、そして炭素14を測定している。健康や環境への影響が懸念される核種はすべて測定しているのだが、それ以外に測定すべき核種は何なのか、なぜその測定が必要なのか。この点を明らかにしないのでは議論ができない。
●トリチウムは蓄積しない
飲料水の基準を下回るトリチウムであっても、海水の自然レベルの数千倍であり、トリチウムが海洋生物に蓄積し、魚や人間に影響を及ぼすという海洋生物学者の意見については、不勉強としか言いようがない。
第1に、トリチウムが生物に蓄積することはないという事実は生物学者であれば知っているはずだ 。実際に2015年度の東日本海域における調査では特定の生物へのトリチウムの濃縮は確認されていない 。そうは言っても心配する人がいるので、東電は原発敷地内に実験棟を設置して処理水でヒラメを養殖し、トリチウムが蓄積しないことを確認している 。
第2に、放出される処理水中のトリチウムは1リットル当たり1500ベクレル以下であり、飲料基準である1万ベクレルをはるかに下回る。これを1ベクレル程度のトリチウムを含む海水中に放出すれば、直ちに拡散して濃度は低下する。飲料水基準より低濃度のトリチウムを放出し、希釈によりその濃度がさらに低下するにもかかわらずこれを危険というのであれば、その科学的根拠を示すべきである。
第3に、現在は多核種除去設備ALPSなどを使って放射性物質を含む汚染水を処理している。これを、カキの養殖タンクに汚染水を入れてカキの殻に放射性物質を取り込ませる方法に変更するというアイデアはいかにも海洋生物学者らしいが、その実現可能性が極めて低いことはすぐに分かることである。
●日本のトリチウムだけ危険なのか
太平洋諸島フォーラム事務総長が処理水の海洋放出について安全性への懸念を示したという。中国と韓国もまた同様の懸念を示している。
しかし表に示すように、世界の原発と関連施設からトリチウムが放出されている。さらに、大気中の窒素や酸素に宇宙線(中性子)が当たって核破砕反応が起こり、年に7万兆ベクレルのトリチウムが発生している。
そしてトリチウムは半減期12.3年で減少してゆく。その結果、地球上には100万〜130万兆ベクレルが存在する。
原発で発生したトリチウムは780兆ベクレル程度だが、東電はこれを年間22兆ベクレル以下に分けて海洋に放出する計画である。この量は各国の原発から放出される量と同程度であり、自然発生量に比べれば誤差範囲である。
太平洋には中国、韓国、台湾、米国の原発からもトリチウムが放出され、その量は年間500兆ベクレルを超える。年間22兆ベクレルの日本の処理水だけに懸念を示し、他の国から放出される500兆ベクレルに何の懸念を示さないことの矛盾に気が付かないはずがない。さらに、自然発生する7万兆ベクレルをなぜ無視するのだろうか。そこには安全性とは全く別の思惑が働いているとしか考えられない。
●「太平洋諸島フォーラム」とはなにか
実はこの論説は、太平洋諸島フォーラム(以下フォーラムと略す)事務局長が英国の新聞「ガーディアン」に1月4日付けで投稿した「日本は太平洋諸国と協力して福島海洋放出問題を解決すべきだ――さもなければわれわれは災害に直面する」と題する意見投稿とほぼ同じ内容である 。フォーラムはこの問題を検討する専門家会議を設置しているのだが 、この論説に登場する専門家はすべてこの会議のメンバーである。
フォーラムは太平洋島嶼 14 カ国と豪州、ニュージーランドで構成され、その中心課題は核問題だった 。この地域では1946年に米国がビキニ環礁で大気圏中核実験を開始し、米国と英国による核実験が相次いで行われた。
54年には米国の水爆実験で被ばくした第五福竜丸の船員が死亡する事件が発生して、日本の原水爆禁止運動が誕生した。63 年には部分的核実験禁止条約が締結されて大気圏核実験が禁止されたが、フランスは条約に加盟せず核実験を続けた。この問題を解決するために71年に設立されたのがフォーラムである。
その後、80年に日本は小笠原諸島北東の公海海底に低レベル放射性廃棄物を投棄することを決めたのだが、当然のことながらフォーラムは強く反対した。低レベル放射性廃棄物の投棄を許容していたロンドン海洋投棄条約が83年に実質的に変更され、日本は85年に計画を無期停止した。同じ年にフォーラムは放射性廃棄物の投棄防止条項を含む南太平洋非核地帯条約を調印した。
●科学に反する行為
表に示すように、大気圏内核実験により放出されたトリチウム量は桁違いに多い。トリチウムの生物影響は小さいが、それ以外の多量の放射性物質が放出されたため、いまだに高濃度の汚染により定住ができない島がある。
このような歴史から、フォーラムが処理水の海洋放出へ強硬に反対する理由は十分に理解できる。しかし、処理水はフォーラムが懸念する放射性核物質ではない。
放射線量が規制値以下、すなわち通常の水である。フォーラムの専門家がこのような事実を無視して、あたかも高濃度の放射性核物質を海洋投棄するような風評を広げていることは、自然保護とは無縁の科学に反する行為である。
サイエンス誌は自然科学の雑誌である。かつて太平洋地域で核実験を繰り返した米国の雑誌として、その責任を感じることは必要だが、だからといって科学を無視してはいけない。
この論説を書いたデニス・ノーミル氏は同誌の上海寄稿特派員だが、記事を書く時には間違いがないように「裏取り」をすることが常識である。フォーラムの専門家の間違いは調べればすぐに分かるものばかりであるにもかかわらす、間違ったコメントをそのまま記事にすることで、結果的に感情論に基づく非科学的な言説を広めることになった。
長年のサイエンス誌の愛読者として、科学をあからさまに無視した行為に苦言を呈する次第である。
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関連:
■<漁業の危機だ!>政府、汚染処理水の海洋放出決定 2年後に実施見通し(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/437.html
投稿者 赤かぶ 日時 2021 年 4 月 13 日 09:00:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
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■採取されると不都合なのか。福一原発処理水を1km先の海に放出する謎 きっこ(まぐまぐニュース)
http://www.asyura2.com/22/senkyo286/msg/331.html
投稿者 赤かぶ 日時 2022 年 4 月 25 日 20:50:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
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