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沖縄の感染爆発を招く日本政府の弱腰外交と対米従属…在韓米軍とは雲泥の差
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299343
2021/12/28 日刊ゲンダイ
「マスク着用が厳格化された」と松野博一官房長官は説明するが(C)共同通信社
新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻なのは沖縄だ。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は全国最多の8.55人に上る。
26日の県のコロナ専門家会議では北部の病床がほぼ満床となっていることが報告され、「早晩、医療は崩壊する」との懸念が相次いだ。このペースが続けば3週間後に新規感染者が最大832人に達するとの試算も示された。東京都の人口に換算すれば約8000人に相当する。
元凶は在沖米軍だ。本島北部にある米海兵隊基地「キャンプ・ハンセン」で発生した巨大クラスターを機に感染が広がったとみられる。
クラスター発生中に海兵隊2人が酒気帯び逮捕
ところが、クラスター発生中も、米兵はマスクなしで外出。キャンプ・ハンセン所属の海兵隊員が酒気帯び運転で立て続けに2人も逮捕される始末である。
しかも、今年9月以降、米海兵隊の部隊が出入国した際、PCR検査を行っていなかった。松野官房長官は27日、米側が26日から出国72時間前の検査を始めたと発表したが、9月から4カ月間も検査せずに出入りしていたとは背筋が凍る。
在日米軍に詳しい防衛ジャーナリストの半田滋氏が言う。
「日米地位協定に基づき、米軍にはいくつも特権がありますが、感染症に関しては、日米が協力することになっています。日米両政府は2013年1月の日米合同委員会で『人の感染症』に関して、早期に通報することで合意。地位協定の壁があるにしても、『13年合意』を盾に米側に要求できるはずです」
米韓と日米の地位協定はほぼ同じ |
同じ同盟国「韓国」では、在韓米軍は感染経路や健康状態を開示、出入国時はPCR検査(韓国・平沢の米軍基地キャンプ・ハンフリー)/(C)共同通信社
同じ同盟国でも韓国の態度は大きく異なる。在韓米軍は軍関係者の感染経路や健康状態など詳細を開示し、出入国時にはPCR検査を実施している。
「米韓と日米の地位協定はほぼ同じ。韓国にできることが日本にできないはずはない。韓国政府は国民の健康と命を考えて、当然のことを主張し、米国も対応している。日本政府は常に米軍に弱腰。コロナに関しても、しかるべき対応を求めないので、米側は検査や行動規制がルーズになってしまうのです」(半田滋氏)
松野は在沖米海兵隊の施設内外でのマスク着用が厳格化されたと説明したが、名護市キャンプ・シュワブの近隣住民をきのう取材すると「今も、出てきた米兵はマスクを着けずにコンビニで買い物をしたり、ジョギングをしていました」と証言するのだ。対米従属のままでは、沖縄の感染拡大は止まらない。
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