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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】田崎史郎が今さら証言! 安倍総理の側近が「悔しいけど玉川徹さんの言うとおり」「PCR検査しなきゃいけなかった」と言っていた
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2021.12.26 田崎史郎が証言! 安倍総理の側近が「悔しいけど玉川徹さんの言うとおり」と… リテラ
2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
(編集部)
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【初出 2021.03.16】
『羽鳥慎一モーニングショー』に出演する田崎氏
新型コロナの第1波から約1年経って、政府がようやく基本的対処方針に「無症状者に焦点を当てた幅広いPCR 検査の実施」と明記した。とはいえ、その件数は「1カ月間に1万件程度」としており、まだまだ十分とはいえない状況だ。
このように、わずかながらも政府が方針転換を図ろうとするなか、おなじみの“安倍・菅政権の代理人”である田崎史郎氏が、本日16日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でこんなことを言い出した。
「やっぱりPCR検査なんです」
「僕はいまでも覚えているのが昨年のクルーズ船のことがあったとき、PCR検査を300件しかやる能力がないという話だった。6月ごろでしたか、安倍政権時代の安倍総理の側近の人が『悔しいけれども、玉川さんの言うとおりだ』と。『PCR検査をしなきゃいけなかったし、いま、それをしないといけない』(と言っていた)」
ご存知のとおり、『モーニングショー』レギュラーの玉川徹氏は、昨年の早い段階から「PCR検査を増やすべき」と指摘しつづけ、「PCR拡充派」の筆頭として橋下徹氏などから名指しで猛攻撃を受けてきた人物。さらに、官邸がワイドショーを中心にテレビ番組の監視をおこなっていたことが情報公開請求によって明らかになったが、そこでも玉川氏はコメントが仔細に書き起こされ、監視対象とされていた。
それを、いまごろになって田崎氏は「悔しいけれども、玉川さんの言うとおりだ」と昨年6月ごろに安倍首相の側近が話していた、などと言い出したのである。
田崎氏といえば、本日16日付の朝日新聞で〈僕が総理らと会食してきたのは、権力中枢に食い込むためです。「政権を擁護するコメントばかり言う」と批判する人もいますが、「政権が何を考えているか」という事実を伝えているつもりです〉などと胸を張っていたが、だったら昨年6月のうちに言っておけよ、という話だろう。
その上、今週は玉川氏が休みできょうも番組出演はなかった。もしかしたら、田崎氏は玉川氏に得意げな顔をされたくないから、わざわざいない日を選んでこの話をしたんじゃないのか。
■田崎史郎「厚労省の医系技官が総理の言うことを聞かなかった」は菅、安倍をかばう嘘
いずれにしても、田崎氏の今回の「玉川さんの言うとおり」発言には“いまさら感”しかないのだが、もうひとつ問題なのは、田崎氏がこの期に及んでも、PCR検査の不備を厚労省のせいだけにして、安倍前首相や菅首相をかばっていたことだ。
田崎氏は、一向にPCR検査数が増えないことに批判が高まっていた昨年4月にも「厚労省の医系技官が医療行政を牛耳っている。大臣の言うことも、総理大臣の言うことをきかない人たちなんです」と説明していたが、今回も「厚労省にいくら言っても馬耳東風なんだ」と安倍首相が話していた、厚労省にいくら言ってもPCR検査の拡充に動かなかったとコメント。「厚労省が悪いのか、その先の保健所に問題があるのか、さらにその先に問題があるのか、わかりませんけども、いま、それが現実」などと解説していた。
たしかに、厚労省は一貫して検査拡充には消極的な姿勢をとってきた。政府関係者への聞き取りをおこなったシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」が昨年10月8日に公表した報告書によると、厚労省は昨年5月に「PCR検査で正確に判定できるのは陽性者が70%、陰性者は99%で、誤判定が出やすい」「陽性と誤判定された者が医療機関に殺到して医療崩壊の危険がある」などという内容の文書を作成。それを持って政府中枢に説明に回っていたことがわかっている。
1%の偽陽性者による医療機関の圧迫を恐れて70%の陽性者を見過ごすというバカげた主張だが、しかし、このバカげた説明に乗って検査を拡充させなかった安倍前首相や菅首相もまったくの同罪だ。政治のトップが指導力を発揮して、繰り返し検査がおこなえる検査体制と医療提供体制の整備を強化していたならば、ここまでの状況にはいたっていなかっただろう。
田崎氏は「厚労省が総理の言うことを聞かなかった」などと強調するが、何を言っているのか。安倍前首相は総理在任中、官僚に命じて、憲法や法律をひっくり返すような政策を強行し、おともだちへの利権分配を繰り返してきたではないか。菅首相も官房長官時代から、人事権を盾にして官僚を恐怖支配して、やりたい放題やってきた。それが、このPCR検査についてだけは、強権を発動できないなんてことが、あるわけがない。
ようするに、安倍首相も菅首相も、コロナ感染拡大防止について本気で取り組もうとしておらず、官僚任せにしていたのである。もっといえば、金のかかるPCR検査を拡充せずに済ませたいと考え、PCR不要論にすがろうとしていた。
■菅首相も安倍前首相も「日本人は集団免疫を獲得ずみ」を主張するトンデモ医師に乗っかっていた
現に、菅首相は「医療崩壊」真っ只中にあった今年1月16日、大木隆生・東京慈恵会医科大学教授と面会。大木教授の専門は血管外科・心臓血管外科であり、感染症の専門家ではなく、その上、「日本が世界で最初に集団免疫を獲得できる」「コロナはインフルエンザと変わらない」「経済優先で進めるべき」などと語ってきた医師なのだが、この面会で、菅首相は「久しぶりに明るい話を聞いた」と感想を口にしたと報じられた。
安倍首相も昨年6月にこの大木教授と面会し、その後、7月末に大木教授を「未来投資会議」の民間議員に追加。さらに、やはり同じ6月には“すでに日本人は集団免疫を獲得しており年内に収束、第2波は来ない”と主張していた上久保靖彦・京都大学特定教授とも面会。面会後には「この理論が何とか使えないか」と指示までおこない、関係者をあきれさせていた(北海道新聞2020年8月23日付)。
ネトウヨ脳の安倍首相が「日本人は大丈夫なんだ」などとわめきたてている光景がありありと目に浮かぶようだが、ようするに、コロナ対策の最高責任者である安倍首相も菅首相も、専門外の医師のトンデモ理論にすがり、「経済優先」を正当化することしか頭になかったのである。
さらに言えば、“安倍首相は厚労省にPCR検査の拡充を指示していた”とする田崎氏の話も、かなり疑わしい。というのも、田崎氏自身が昨年8月、『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)に出演した際、PCR検査数が海外と比較して少ないことについてなどが話題にのぼったとき、こんなことを主張していたからだ。
「これ税金なんですよね。それだけ税金をかけるに値するかどうかっていう議論をしたほうがいい。国民の税金ですから」
PCR検査は税金をかけるに値するものなのか──。周知のとおり、田崎氏が政権の方針とぶつかるような主張をおこなうことは、まずない。つまり、PCR拡充論を潰すことが当時の官邸の方針であり、それを田崎氏が喧伝したとしか考えられないのだ。
そして、不十分ながらもようやくPCR検査の拡充に方針が傾きつつあるなか、田崎氏は安倍前首相や菅首相の責任論を矮小化し、厚労省や保健所に責任を押し付けるために、いまさら「悔しいけれども、玉川さんの言うとおりだ」などという安倍側近の発言を紹介しながら、あらためて“悪いのは厚労省や保健所”と強調したのだろう。
まったく田崎氏の御用っぷりには反吐が出るが、無論、こんな話で安倍首相と菅首相の不作為は免罪できるものではない。むしろ、検査体制の不備という安倍・菅政権の重い責任、さらには「検査不要論」をがなり立ててきた橋下徹氏や田崎氏のようなコメンテーターや、厚労省やその息がかかった専門家の主張を垂れ流すだけだったメディアの責任を問う検証が、いまこそおこなわれるべきだ。
(編集部)
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