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※2021年12月21日 日刊ゲンダイ8面 紙面クリック拡大
立憲民主が脆弱なのは政治家はいても「党」がないから 自民の強みは知恵者揃いの党職員 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299038
2021/12/22 日刊ゲンダイ
野党第1党の責任を立件は示すべきだ(写真は辻元清美氏、2020年撮影)/(C)日刊ゲンダイ
「新しい体制に立憲がなって、泉さんが代表で西村さんが幹事長になられた。ある意味で世代交代したところもある。立憲は大事だと思っている。大阪の立憲も立て直ししたいと思っている。なんでもやる」
先の衆院選挙で議席を失った立憲民主党(立憲)の辻元清美氏がそう語った。本人も認める強い敗北感と焦燥感、そして多少の気負いが入り交じった表情だった。
これは、私も参加させてもらっているMBSラジオ「西靖・谷口キヨコのもっと聴きたい!水曜日」でのひとコマだ。私は辻元氏に、すぐに国政に戻るのではなく、しばらく裏方として立憲の立て直しに尽力したらどうかと問うた。その答えがこれだった。
メディアに引っ張りだこといった感じの辻元氏には決まって問われる質問がある。敗因は何か? 参議院選挙に出るのか? 維新はなぜ強かったのか? そのいずれにしても、明確な答えはない。そこで私はこの番組では、質問の形をとった提案をすることにした。これには批判もあるだろう。しかし同じやりとりを続けるよりは意味がある。
その提案は、小欄で度々触れてきた立憲への私の要望を含んだものだ。二の矢として、自民党の強みが政治家にではなく党職員にあること、一方、立憲には政治家はいても党がないことを伝え、辻元氏に、立憲の党の土台づくりに励むべきだと思うが、その考えはあるかと問うた。
辻元氏は「なるほど……」と大きくうなずいた。そして「そういうことを考える余裕もなかったので、考えてみます」と応じた。そして国会対策委員長時のエピソードを語った。
「私は野党の代表として自民党の国対委員長室に行くわけです。私についているのは立憲の職員2人。いずれも国対をやった人はいなかった。で、自民党の森山国対委員長と2人で座ると、その周辺を自民党の職員がずらっと囲むんですよ。(自民党には)物凄い知恵をもっている職員がいる。その差は大きい」
小欄で度々触れている野党によるシンクタンク構想についても、「政府与党は官僚を使える。壮大なシンクタンクを持っている。圧倒的に与党が強い」と話し、特に経済政策のシンクタンクを創設する必要があると語った。
我が意を得たりという回答だったが、実は冒頭の辻元氏の言葉には続きがある。
「ただ一方で、うるさいおばさんが、新たに船出をしている時に、がみがみ言ったらうっとうしいと思われないかなぁ」
立憲に望みたい。辻元氏には参院選に出るのではなく、次の衆院戦まで党本部、地方支部の立て直しに専念してもらう。それを表の西村幹事長、裏の辻元氏で仕切る。自民党は批判だけして倒れるようなやわな政党ではない。このままだと未来永劫、日本は事実上の1党体制の国となってしまう。それは選挙の日だけ形だけ民意が反映されるという極めていびつな民主主義だ。そうならないための野党第1党の責任を立憲は示すべきだ。それにはまず、「がみがみ言われたらうっとうしい」などと思わない大人の政党になる必要がある。
立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。
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