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※2021年12月24日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年12月24日 日刊ゲンダイ2面
【誰が見てもピリッとしない岸田政権】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 24, 2021
列島全体 感染爆発前夜の不安
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/U9K7OhYenz
※文字起こし
いよいよ来たか──。新型コロナウイルスのオミクロン株による「市中感染」がついに確認され、恐れていたことが現実になったと感じた人が少なくないだろう。
日本は全世界を対象に外国人の新規入国を停止して水際対策を強化してきたが、それでもやはり抜け穴があった。22日大阪府で、海外渡航歴のない感染経路不明のオミクロン陽性者3人が見つかったのに続き、23日は京都府で20代女性1人、大阪府で小学生1人が確認された。京都の女性はワクチン2回接種済み。2人とも海外渡航歴も大阪の3人との接点もなく、市中感染したとみられる。
松野官房長官や後藤厚労相は「オミクロン株の全国的な広がりはない」とノンキな見解を示していたが、専門家の見方は違う。政府分科会の尾身会長は23日の会見で「面的な広がりは考えにくいが、複数のスポットで既に感染が始まっている」と指摘。海外でのオミクロン株の爆発的な感染力を理由に、「いわゆる市中感染が始まると急速に感染拡大する可能性がある」と危機感を強めた。
大阪府のコロナ専門家会議座長(大阪健康安全基盤研究所の朝野和典理事長)に至っては、「府内だけで既に2ケタ、3ケタの市中感染者がいるのではないか。この傾向が続けば第6波は避けられない」と強い懸念を示していた。大阪で確認されたのはまだ4人だが、その20倍、25倍のオミクロン感染者がいるということだ。驚愕するしかない。
オミクロン株の怖さは、驚異的な感染力だ。デルタ株の70倍のスピードともいわれ、南アフリカで最初の感染者が見つかってからわずか1カ月で世界に拡大、英国や米国では既に7割がオミクロンに置き換わった。
一方で海外の研究結果では重症化のリスクが低いとの報告が相次ぐ。従来の変異株に比べ、軽症者や無症状者が多いとされるが、発見からまだ1カ月である。いまだよく分かっていないことが多く、WHO(世界保健機関)は「重症化しやすいかどうかを示すデータはまだ限られている」としているから油断は禁物だ。
慌てて無料検査実施を表明
ましてや日本は、ワクチンのブースター接種が遅れている。さらに、欧米に比べ検査数が圧倒的に少ないため、真の感染状況は把握できていないと言っていい。
欧米では手軽にPCR検査が受けられる体制ができており、1日の検査件数は英国では50万件、米ニューヨーク市では10万件という規模だ。感染拡大期に入っている欧米と感染が落ち着いている日本は状況が異なるものの、日本の1日の検査数は現在4万〜5万件。政府の掛け声倒れで、無料の検査所の整備は遅々として進んでいない。
つまり、確認できていない無症状者や軽症者が大勢いる可能性が否めず、一気に感染爆発する可能性があるのである。
オミクロン株の市中感染が広がっていることが分かって、23日ようやく岸田首相は、大阪、京都、沖縄の3府県などで、無症状者を含む希望者全員に無料検査を実施する方針を表明した。慌てたのだろうが、ちょっと遅すぎる。
昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)はこう言う。
「大阪と京都の市中感染は氷山の一角でしょう。年末に向け、どんどん広がる可能性があると思います。日本はデルタ株の感染が落ち着いていますから、オミクロン株のすさまじい感染力では、一気に感染者が増えかねません。宴会シーズンで、ちょうどみんなが緩んでいる時期ですし、あっという間に広がる恐れは否定できない。『従来の変異株より重症化リスクが低い』と言われますが、そう決めつけるのは危険。データは確定論文のレベルのものではないため、慎重な見極めが必要です」
思い返せば、昨年も年末から一気に感染爆発し、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に「緊急事態宣言」が出されたのは1月7日だった。いま日本列島全体が、感染爆発前夜の不安に包まれている。
空港検疫に米軍基地、水際対策はザルだった |
「大事なのは最悪の事態を想定することだ」と口では立派なことを言う岸田だが、果たして、ボンクラ前政権と比べて何がどう変わったのか。
オミクロン株の初の市中感染確認を受けた23日も、岸田は政府として万全の備えをとっていると強調、「水際対策強化で得られた時間的余裕を使い、予防、検査、早期治療という一連の流れを強くする取り組みを加速してきた」と胸を張ったが、本当にそうなのか。
確かに外国人の入国禁止に踏み切ったのは早かった。しかし、空港検疫がPCR検査より精度の低い抗原検査のため、空港では陰性でも、隔離中に行われたPCR検査で陽性が見つかるなど、水際対策に抜け穴があった。海外から帰国し、自宅待機中の女性の濃厚接触者がサッカー観戦に出かけるといったケースもあった。
沖縄県の在日米軍基地キャンプ・ハンセンで発生した200人超のクラスターへの対応も酷いものだ。日米地位協定によって、米軍関係者の検疫は国内法の適用外。米本国から直接、日本の米軍基地へ出入国しているが、米国出国時と日本到着時のコロナ検査が実施されていなかったことも分かった。岸田が「水際対策強化」の旗を振っても、米軍基地はコントロール外。水際対策はザルだったのだ。市中感染が広がるのは時間の問題だったわけだ。
「最悪の事態」の想定がお粗末なのは、ワクチン供給不足についても言える。驚異的感染力のオミクロン株の出現で、ワクチンの3回目接種が急がれているのに、いまだ日本では、3回目が打てるのは2回目から8カ月以降が原則。医療従事者や高齢者施設の入居者などは6カ月以降への前倒し対象となったが、それでも遅い。オミクロン株拡大を受けて、英ではそれまでの6カ月以降を3カ月以降に変更、仏も1カ月短縮して5カ月以降に変更している。
日本が前倒しできないのは、とどのつまり、ワクチンが足りないからで、17日に岸田が米ファイザー社のブーラCEO(最高経営責任者)と電話会談したものの、2022年契約分の供給時期を早めたり、供給量を増やすことはできなかった。
何もやらない“官僚答弁”
24日にも厚労省が承認する米メルクの経口治療薬も、「期待していたほどの効果がない」として、仏が発注をキャンセルするなど、治療の決め手になるか不透明。オミクロン対策は、現状、3回目ワクチン接種しかないのに、岸田政権は心もとないのである。
「政府はこれまで、ワクチンの追加接種についてデルタ株対応のブースター接種と位置づけてきましたが、オミクロン株対応が急がれる今、ブースターではなく、必ず3回目接種が必要、という方針に政策転換しなければなりません。高齢者や既往症のある人は、やはり重症化リスクがある。とにかく大急ぎで3回目接種を加速させる。いまはそれ以外に、手の打ちようがないのです」(二木芳人氏=前出)
直近の世論調査では、前任の菅政権と打って変わって、岸田政権のコロナ対策について「評価する」が「評価しない」を上回った。もっともそれは、感染者数が低く抑えられ、世論心理が安定していることが背景にある。現実には感染予防への国民の努力あってこそなのだ。岸田の手腕とは言い難い。
岸田が多用する「しっかり」「検討」という言葉は、前例踏襲や現状維持で何もやらない“官僚答弁”のたぐい。ワクチン供給不足や検査体制不備が放置されるのは、安倍・菅政権のコロナ失政の反省や総括が行われていないからだろう。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「岸田首相はアベノマスクの廃棄を決めましたが、政策として何が問題だったか、責任の所在はどこにあるのか明らかにしていない。臭いものにフタの幕引きでは今後の教訓になりません。水際対策の大穴となった沖縄の米軍基地のクラスターについても、日本への出入国自由の米軍基地の問題点は以前から懸念されていたことです」
第6波の足音は確実に近づいているのに、この政権で大丈夫か。
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