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「新しい資本主義実現会議」メンバー発表 芳野連合会長は権力機構の一員か 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298827
2021/12/17 日刊ゲンダイ
「新しい資本主義実現会議」に出席した連合の芳野友子会長(左)/(C)共同通信社
政府が「新しい資本主義実現会議」のメンバー15人を発表した。Zホールディングス、ダイヤ精機、塩野義製薬などの企業人、さらに経団連、同友会、商工会議所の代表クラスがいる。その中に「異質」の労働側代表の芳野友子連合会長がいた。
そうそうたるメンバーの中で、労働者の立場をどこまで貫けるのだろうか、と疑問を抱き、彼女の行動を追うと、労働者側との連携を深めるよりも、政府、自民党寄りの行動・発言が目立つことが分かった。
彼女は11月下旬、テレビ番組で「立民と共産党の共闘はありえないと言い続ける」と述べていたが、これは衆院選期間中、安倍元首相や麻生自民党副総裁、甘利幹事長(当時)が立憲民主党
と共産党の共闘を批判していたのと同じ。そして今月初めには、茂木自民党幹事長、麻生副総裁を訪問し、激励を受けていた。
そもそも、衆院選の野党協力とは何であったか。それは、憲法に基づく政治の回復や格差と貧困の是正、ジェンダー視点に基づいた社会の実現、権力の私物化を許さない、などであり、もし連合がこれらの理念に合意するのであれば、連携するのは当然のことである。
連合はサイトで「連合がなぜ平和運動をするのか、そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし私たちが安心して暮らし、職場で働くためには『社会が平和で安定している』ということが大前提です。戦争や自然の脅威を目の前にした時、ひとりの人間の力は無力でも、人と人がつながることで困難に打ち勝てるのです」と記述している。
長い間、労働運動に従事してきた人がこう言っていた。
「長い運動の中で共産党とは対立しました。正直言って共産党は嫌いです。でも、自民党政権があからさまに憲法を無視し自由を奪おうとする時、ともに戦わざるを得ないじゃないですか」
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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