http://www.asyura2.com/21/senkyo283/msg/611.html
Tweet |
◆各党現金給付案◆
矢野財務事務次官が「文芸春秋」誌に寄せた「バラマキ批判」論文が波紋を呼ぶ中、総選挙を控え各党の現金給付策の概要が出揃いつつある。下記のYahooニュース記事に各党の考え方がよく纏まっている。
■現金給付は? 与野党9党の党首がnews23で論戦(TBS系(JNN))
https://news.yahoo.co.jp/articles/6add4a55a96cd35f300e50cc56bbcd71c18eda1f
要はコロナで困っている人を適切にサポートするものであるべきだが、選挙であるから矢野次官の指摘ではないが、それ程困っていない人にも厚く給付して票を得たい、即ちバラマキをしたい気持ちも滲み出ていていじましい。当面困っていない人へ給付は、消費に向かえばまだいいが、単に銀行預金に積み上がったり金融投資に回ったり目的から大きく離れ無駄になってしまう。
その観点から言うと、国民民主党の玉木雄一郎代表の次の考えが仕組みとしては最も適切だろう。
「国は誰が困っているかが分からないんですよ。ですからまず迅速に配った上で、年末で前の年から比べて所得が落ちていないような方はお返しいただく。これが一番早くて効果的だ」
だが、上記にしてもサラリーマンは年末調整で返還するとして、前年所得データ等とマッチングしなければならず、単純に所得水準や扶養人数基準で返還額を算出する方法が実務上も現実的だろう。
◆財政の哲学◆
さて、現金給付に限らず、財政、歳出が単なるバラマキかどうかを分かつ基準は、凡そ下記のようなものだろう。
@ 将来の経済成長(または歳出減)等に寄与し、ペイする投資か?
A またはコロナの痛み緩和等で、やむを得ない歳出か?
B 長期的な社会像を描き、それに沿った歳出か?
投資については、有望な研究開発分野、産業分野への投資で将来の経済成長と税収増に直接結びつくものの他、防災や防衛で将来の損害を防ぐものが含まれる。損害を防ぐ投資は国土の資産価値を高めるものでもある。
コロナでのやむを得ない歳出については、前述の現金給付も含め適切な対象へ迅速に行われるべきなのは言うまでもない。
長期的な社会像も迂遠なようで重要である。さもなければ目的地のない登山や、達成目的の無い戦争の様になってしまい迷走を繰り返すだろう。
筆者は長期的な社会像として「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会」を掲げたい。
現在、岸田新政権が分配と成長の優先順位で右往左往しているように見えるのは、その上位概念として在るべき社会像がぼんやりしているからだろう。鋭意改善を求めたい。
◆国債発行◆
なお、矢野論文へ財務省出身で嘉悦大学教授の高橋洋一氏が、手厳しい批判をしている。
■財務事務次官「異例の論考」に思わず失笑…もはや隠蔽工作レベルの「財政再建論」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/88204
財務省が「増税翼賛会」と揶揄されるような自らを頂点としたトラストを政財官学界及びマスコミに形成し、日本の内政を歪め牛耳って来ており、矢野事務次官はその財務省の増税緊縮路線を忠実に唱える事には、筆者も可成り批判的である。
だが、高橋氏が政府と日銀の統合バランスシートを作成しそれで国債が相殺されるので、幾らでも紙幣を刷っても大丈夫というモードである事には異を唱えたい。
そもそも、お金は簡単に言えば物資やサービスの引換券であり、自ずとそれら見合った発行量があるだろう。それが過剰であれば、ハイパーとなるかは分からないがインフレとなる。
国債発行は適切な投資により将来の物資やサービスが増え、経済成長により税収増として国庫にリターンまたは国土の資産価値増として国債とバランスする事により、永続的な物語りが成立し財政、進んでは国家の健全性が担保されると思われる。
特にこのコロナ下、短期的には国債を発行する事に躊躇するべきではないが、その内容と裏付けとなる哲学については、総選挙に於いても近視眼的議論を超え厳しく問われなければならない。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。