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※2021年10月11日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年10月11日 日刊ゲンダイ2面
【右往左往の野党も情けない】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 11, 2021
騙されてはいけない 岸田の分配は「今だけ」「口だけ」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/nqeaA6Vru8
※文字起こし
岸田首相の所信表明演説に対する与野党の代表質問が11日、スタート。衆院を皮切りにたった3日間の日程ではあるが、本格的な国会論戦は6月に閉会した通常国会以来だ。
1日目は立憲民主党の枝野幸男代表と辻元清美副代表が質問に立つ。化けの皮が早くも剥がれてきた岸田を、どこまで追い込めるか。見ものである。
岸田内閣の基本姿勢を示す所信表明のポイントは、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」によって中間層を拡大する「新しい資本主義」の実現だ。弱肉強食で格差を拡大し、コロナ禍を深刻化させた新自由主義について岸田は「富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ」と指摘。「世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく。そうした、新しい時代の資本主義経済を模索する動きが始まっています。今こそ、我が国も、新しい資本主義を起動し、実現していこうではありませんか」と声を張り、「『成長か、分配か』という、不毛な議論から脱却し、『成長も、分配も』実現するために、あらゆる政策を総動員します」と訴えた。
庶民に聞こえがいいことを並べ立てていたが、岸田が「新しい資本主義」の前提としているのは「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進」。
この国の経済を停滞させたアベノミクスそのものの上、大企業ベッタリ、金持ち優遇、金権まみれのボス支配が続く自民党の本質を知っていれば笑止千万だ。
岸田の威勢が良かったのは、自民党総裁選が本格化するまで。
そのヒヨり方はあからさまだ。
「岸田ショック」で金持ち増税封印
アベノミクスの恩恵をたっぷり受ける経団連の十倉会長は岸田を表敬訪問後、「新しい資本主義」と経団連が目指す持続可能な資本主義について「哲学がいかに一致しているかを互いに確かめ合った」と協力関係をアピール。
大企業が貯め込む内部留保を吐き出せ、従業員の給与に回せ、と迫られていれば蜜月なんてあり得ない。分配の財源に掲げる株式売却益などの金融所得課税強化も、岸田はあっさり先送り。10日に出演したフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、「民間企業の従業員の給料の引き上げを考え、看護・介護・保育といった、国が主導して決められる賃金も引き上げていく。こういったことが先で、当面は金融所得課税について触ることは考えていない」と封印。「すぐやるのではないかという誤解が広がっている。しっかり解消しないと関係者に余計な不安を与えてしまう」と釈明したが、株価暴落の「岸田ショック」にオロオロして引っ込めたのはミエミエだ。
来る総選挙では口利きワイロ疑惑が再燃中の甘利幹事長が陣頭指揮を執り、ウルトラ右翼ムキ出しの高市政調会長がまとめた公約で戦うというのも何をかいわんや。甘利は大臣室で現ナマを受け取った経済再生相時代、関税自主権を失う売国的なTPP締結に奔走。高市はアベノミクスを焼き直したサナエノミクスを主張している。
新自由主義の信奉者に気持ちの入った弱者への目配りが期待できるわけがない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「岸田首相の所信表明演説の実質は『3ナイ演説』。過去の自民党政治に対する反省がない、問題に正面から向き合う覚悟がない、政策に具体性がない。総裁選を勝ち抜くため、『新自由主義からの決別』をブチ上げるなど大風呂敷を広げたものの、どんどん後退しています。要するに、これまでの発言の多くがまき餌だったのでしょう。コーティングされ、当初は見栄えの良かった岸田政権の実態が日を追うごとに明らかになってきています。宏池会の看板である『軽武装・経済重視』のイメージが先行していますが、安倍・菅路線の継承が地金。政権をブン投げた元首相が背後霊のようにまとわりついている政権なのです」
分配は回りに回って大増税につながる |
岸田の言う「分配」は今だけ、口だけ。耳あたりのいい言葉に騙されてはいけない。
安倍政権時代の放漫財政にコロナ禍が直撃し、国の借金は1000兆円超え。国債頼みには限界がある。そうなれば、待っているのは大増税で、回り回って庶民が苦しめられることになりかねない。
にもかかわらず、お株を奪われたとばかりに右往左往する野党も情けない。岸田が掲げる「成長と分配の好循環」は、立憲が衆院選公約でうたう「分配なくして成長なし!」と酷似。政府による所得の再分配機能を高めて低所得者層の所得を底上げする――とする枝野の政権ビジョンと違いが分かりにくいと頭を抱えているのだ。与野党の政策責任者が顔をそろえた10日のNHK「日曜討論」は、所得分配が主なテーマだった。
高市は生活困窮者への給付や持続化給付金の運用改善に取り組むと強調し、「分配には大方のみなさんに賛成していただける」と議論を主導。立憲の泉健太政調会長は「富裕層や企業にたまっているお金を分配しなければいけない。分配が足りないから日本経済はうまくいかなかった。勝負は分配の具体策だ」とし、大企業や富裕層への課税強化や、消費税率5%への時限減税などを訴えたが、目力全開で弁が立つ高市に食われている感は否めなかった。
野党は土俵に引きずられるな
自民が言う「庶民に寄り添う」は常にマヤカシだ。地方創生、女性活躍、1億総活躍、働き方改革、人づくり革命……と、次から次へと実現させるつもりもないキャッチフレーズを掲げて“やってる感”を振りまいてきた安倍元首相。「雪深い秋田の農家の長男に生まれ……」と地方出身をことさら強調し、「パンケーキ好きの令和おじさん」と庶民派をアピールしながら、コロナ禍に苦しむ国民に最後まで「自助」を強いた菅前首相。冷血冷酷な党体質を小手先の修正でゴマカしても、政治も経済も何ひとつ変わらない。国家を食い物にした輩、私腹を肥やした輩がデカい顔をしてのさばり続けているのが現実だ。だから、政権交代がいま必要なのだ。欺瞞集団に国政を牛耳らせたままでいいのか。あのヒトラーだって、失業対策で公共事業をフル展開して経済を急回復させた。その先に完成したのは狂った独裁体制だった。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「岸田政権の経済政策に焦った立憲は向こうを張ろうとするでしょうが、そもそも引きずられて同じ土俵に乗ったらダメなんですよ。総選挙の争点は政治とカネ以外の何物でもない。甘利幹事長の口利き疑惑はもとより、参院選広島選挙区が舞台となった大規模買収事件の原資はどこから出たのか。閣僚や党執行部の面々もスネ傷だらけです」
衆院選の公示まで残り1週間あまり。岸田の奇襲にオロオロし、いまだ内輪モメで統一戦線を張れない野党は本気で受け皿になるつもりがあるのか。「準備はできている」と吠えているだけでは、“やってる感”よりよほどタチが悪い。
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