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※2021年9月15日 日刊ゲンダイ1面 紙面クイック拡大
※紙面抜粋
※2021年9月15日 日刊ゲンダイ2面
【これぞ自民党のお得意パターン】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) September 15, 2021
疑似政権交代に騙されてはいけない
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/2mK887qp8u
※文字起こし
また、歴史を繰り返すのか。事実上「次の首相」を選ぶ自民党総裁選の告示を17日に控え、石破元幹事長は15日の石破派臨時総会で出馬見送りを表明。これで29日投開票の総裁選は岸田前政調会長、高市前総務相、河野ワクチン担当相による三つ巴の構図がほぼ固まった。
石破が党員人気という「財産」を土産に河野支援に回れば、情勢は一気に河野有利に傾く。党内で勝ち馬に乗る雪崩現象が起きかねない。思い出されるのは、2001年4月の自民党総裁選である。
驚愕の支持率1ケタ台を記録した森元首相の後任選び。当初は総理返り咲きを狙った橋本龍太郎氏が本命視されたが、対抗馬の小泉純一郎氏が「自民党をブッ壊す!」などと絶叫し、派手なパフォーマンスを展開。バブル崩壊後の時代閉塞に変化を渇望していた大衆心理につけ込み、熱狂的支持を集めた。
小泉旋風は次第に3カ月後の参院選の「選挙の顔」への期待を高め、党員・党友による予備選で小泉は地滑り的に圧勝。国会議員も本選挙で「バスに乗り遅れるな」と言わんばかりに雪崩を打ち、下馬評を覆し、小泉は総裁選を制した。
あれから、もう20年。さすがに当時の森の嫌われぶりは菅首相でもかなわないとはいえ、国政選挙間近に不人気首相の後継を決める状況は、今回と重なる。総裁選での河野のキャッチコピー「自民党を変え、政治を変える」は、「自民党をブッ壊す」と叫んだ小泉フィーバーを意識したに違いない。「あの夢よ、もう一度」というワケだ。
挙党体制にはもれなくアベがついてくる
あらゆる世論調査の「新総裁にふさわしい人」は、河野が断トツ。党員・党友から根強い支持を集める石破と組めば、往時は政界一の人気を誇り、小泉に付きっきりで応援に回って勝利に大きく貢献した田中真紀子氏の再来だ。「選挙の顔」を求める実動部隊の党員や、選挙基盤の弱い若手議員の圧倒的支持を集め、河野が1回目の投票で勝つ公算も出てくる。
高市支援で再び存在感を示し、河野と岸田の決選投票になれば2、3位連合で、もともと「後継の意中の人物」だった岸田を勝たせ、新たなキングメーカーとして君臨――。そんな思惑で総裁選を裏で操ろうとした安倍前首相も石破の不出馬、河野との「人気者タッグ」結成でアテが外れる。石破にとっても、長年の政敵に一泡吹かせる好機にもなり得るだろう。
しかし、それもこれも河野がマトモな政治家であればこそ、成り立つ話だ。13日に石破と約20分間会談した際、河野は「当選した暁には挙党体制をつくりたい」と協力を呼びかけた。会談後、石破は周辺に「河野氏ならこれまでの自民党政治の継承にならない」と言ったそうだが、評価が甘すぎやしないか。
河野が言う「挙党体制」にはもれなく、石破が批判してきた安倍や麻生財務相たちもついてくる。何しろ、河野は今回の総裁選で「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」「男系で続いているのが日本の天皇の一つのあり方だ」と、脱原発や女系天皇を容認する持論を封印。最大派閥(96人)の細田派を牛耳る安倍や、自身が所属する党内第2派閥(53人)を仕切る麻生の機嫌を損ねないよう、平気で自らの理念を投げ捨てる。デタラメな変節漢そのものだ。
自民党政権が続く限り、政治は変わらない |
河野はテレビ番組に生出演しても、コメンテーターに脱原発の主張が後退していると突っ込まれると、逆ギレ。「この二十数年、私の言っていることは変わらない。原発の割合は緩やかに減り、いずれゼロになる」と反論した。よっぽど「変節」を指摘されたくないのだろう。異議、異論を許さない狭量な態度はこの二十数年、一貫して変わらない。
担当大臣として調整力不足で、ワクチン供給の混乱を招き、現場に負担を強いた反省の色なし。「やはり河野太郎でなかったら、ワクチンはここまで来なかっただろう」などと自画自賛する自己愛の強さも異常だ。
安倍と一騎打ちとなった18年の総裁選で、石破が掲げようとした「正直、公正」とは真逆の人物こそ河野だ。石破が訴える森友問題の再調査だって、河野は安倍になびき、あっさり「必要ない」と明言している。
河野との会談で石破が「毒まんじゅう」を食らったのかは知らないが、いざ河野政権が発足し、仮に幹事長などの要職を与えられても、すぐに捨てられるのがオチだ。
石破が安倍・麻生らと対立するような事態になっても、河野は決して石破を守らない。「あの2人ににらまれるのはごめん」とばかりに、石破のクビを差し出しかねない。それこそ、01年の総裁選の論功行賞で外相ポストを得ながら、事務方との対立で政権運営に邪魔となると、小泉にバッサリと切り捨てられた真紀子の二の舞いである。
「自民党が今の自民党である限り、誰が総理・総裁になっても政治は変わりません」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。こう続けた。
「モリ・カケ・桜問題はもちろん、この1年の菅政権下で起きた日本学術会議の6人任命拒否や、首相の長男による総務省接待、スリランカ人女性を死亡させた入管の闇など数々の疑惑に関し、どの総裁候補も『過ぎたこと』にしてフタです。菅政権も継承した9年以上に及ぶアベノミクスの失敗は明白なのに、党内では検証すらせず、高市氏は『継承・発展』、新自由主義的政策の転換を唱えたはずの岸田氏も『評価』、河野氏に至っては具体的な経済政策はゼロに近い。つまり党首のクビをすげ替えるだけのマヤカシに過ぎません」
小泉フィーバーの「負の教訓を忘れるな」
後手後手に回った新型コロナ対応もそのまま。いや、より混乱を招く恐れすらある。
「迷走ワクチン行政に自画自賛の河野大臣が、総裁選の最右翼なんて悪い冗談です。敵に勝てなかった部隊長を、総司令官の敵前逃亡で空いた後釜に抜擢するようなもので、絶対にうまくいくはずがありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
まさにどんぐりの背比べ。しょせん、コップの中の争いを針小棒大に伝えるメディアも、どうかしている。
「ブッ壊す」どころか、自民党の息を吹き返させた小泉旋風に加担した頃から1ミリも変化していない。
「総選挙に向け、野党4党は『消費税減税』や『原発のない脱炭素社会の追求』などの共通政策で市民連合と合意。加えて立憲民主党が『自民党では実現できない』公約を次々と掲げても、主要メディアの扱いは総裁選の10分の1程度です。自民党が野党要求の臨時国会召集に応じない違憲状態への追及も緩く、野党の出番を封じる自民の思うツボ。野党が埋没し、自民の政党支持率が上昇するのも当然で、あたかも共犯関係のようです」(五野井郁夫氏=前出)
賢明な有権者は今こそ20年前を思い返して欲しい。小泉政権の誕生で日本はどうなったか。新自由主義の権化のような竹中平蔵氏を重用し、構造改革や規制緩和など大企業に有利な効率化がはびこり、格差は拡大。ブッ壊したのは大半の人々の生活ではなかったか。
「タカ派からハト派、金権からクリーンへと表紙だけ張り替え、国民の目を欺き、政権の座は決して譲らない。この疑似政権交代こそ結党以来の自民のトリックです。世論調査をみると、有権者の多くはアベスガ路線の継承を望んでいない。その実現には真の政権交代が一番の近道。このコロナ禍では次の総選挙の結果によって、命や生活が失われかねないと国民は自覚すべきです」(五十嵐仁氏=前出)
いい加減、自民党のお得意パターンに騙されてはいけない。
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