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高市早苗氏、ヒトラー選挙“賛美本”に推薦文…外国人流入阻止掲げる極右代表と写真撮影
https://biz-journal.jp/2021/09/post_249845.html
2021.09.08 15:25 文=編集部 Business Journal
高市早苗氏公式サイトより
「仮に首相になったとしても、すぐ足元をすくわれるような情報が出るのではないかと気をもんでいます。稲田(朋美)さんも似たような点があるのですが、とにかく高市さんの周りには、昔から危うい人物がたくさん寄ってくる。また、ご自身も近寄ろうとする傾向がある。特に“例の本”から続く主義主張に関する疑惑が、いまだに野党やその支持者界隈でささやかれ続けています。派閥挙げての支持に踏み出せない背景には、そうした理由もあるのではないでしょうか」
自民党総裁選への立候補を表明している高市早苗前総務相に対し、清和政策研究会(細田派)の関係者はそう声をひそめる。同派閥出身者の安倍晋三前首相から強力な支援を受ける高市氏だが、順風満帆に党をまとめられるかについては不透明なようだ。また、“例の本”とはなんのことなのだろう。
■絶版となった『ヒトラー選挙戦略』を絶賛の過去
「候補者と認知された瞬間から始まる誹謗、中傷、脅迫。私も家族も苦しみ抜いた。著者の指摘通り勝利への鍵は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ! 衆議院議員高市早苗」
高市氏がそう推薦した本は1994年4月に発刊された『HITLER(ヒトラー)選挙戦略』(小粥義雄著、ヒトラー政治戦略研究会編、千代田永田書房)。著者の小粥義雄氏は当時、自民党東京都支部連合会事務局広報部長だった。
冒頭の推薦コメントは、1994年5月5日号の「週刊東京政経通信」の見開き特集紙面『選挙の原点に戻って「HITLER戦略」を読む』に掲載されていた。ちなみに推薦者には高市氏のほか、新生党(当時)党首で首相だった故・羽田孜氏の名前も。羽田氏は「来年の統一地方選選挙での候補者選びには、大いに参考になります」などと記載していた。この年の4月25日に発足した羽田内閣は「来年の統一地方選」を迎えることなく、64日間で退陣した。
同年6月14日付朝日新聞記事『ヒトラー冠した選挙本 批判続出で絶版に 自民東京都連の広報部長が著者』によると、この本はイスラエル大使館や米・ユダヤ人団体サイモン・ヴィーゼンタール・センターなどから強い抗議を受け、海外メディアの批判もあって絶版となったという。
本の内容に関しては、ハフィントンポストが2014年10月21日に公開した記事『女性閣僚の辞任相次ぐ安倍内閣 高市早苗氏が推薦文を寄せた「ヒトラー選挙戦略」とは?』で詳述している。
同記事によると、ドイツでは禁書となっているアドルフ・ヒトラーの著書『我が闘争』の言葉を引用した上で、「女性は心の安らぎの原点です。女性は支持拡大の突撃隊です。楽天的な女性に接していれば、必ず明るい未来が見えてきます」「説得できない有権者は抹殺すべきです。この抹殺とは人を殺すことではありません。政治的活動を一切させないように工作することです。そのまま放置していたのでは、他陣営の有力な戦力になってしまうことがあります」などと述べられていたのだという。
■ナチス信奉の極右団体所属の支援者と写真撮影
そもそもハフィントンポストが前述の記事を掲載することになったきっかけはなんだったのか。
2014年9月、高市氏や稲田朋美氏ら自民党の国会議員3人が、ナチス・ドイツの「ハーケン・クロイツ」を用い外国人流入阻止などを主張する「国家社会主義日本労働者党」の男性と写真に写っていたことが発覚したのだ。
同年9月10日付毎日新聞記事『極右代表と撮影:高市氏と稲田氏ら、欧州メディアが批判』によると、高市氏の事務所は取材に対し、「雑誌の取材を受けた際『山田』と名乗る男性が同席し『一緒に写真を撮りたい』と言うので、雑誌の出版社を信頼してお応えした。どういう方か全く知らなかった」と答えたのだという。宏池会(岸田派)関係者は話す。
「“日本初の女性総理”という部分だけ押し出せば良いというものでもないでしょう。過去の話とはいえ、“ナチズムの共感者である”と欧米各国に認知されるというのは、日本人が思っている以上に深刻な事態です。少なくとも『知らなかった』では済まされない話です。
確かに最近、欧州内ではナチズムと親和性のある極右政権が誕生しています。だからといって、ナチス・ドイツの同盟国だった我が国の歴史的な背景から見て、“日本でも大丈夫だ”ということにはならないのではないでしょうか。
“戦後に押し付けられた歴史認識を正しく修正しよう”というのが安倍さんや高市さんの主張ですし、戦後日本が不当な扱いを受け続けていた部分もあるとは思います。ですが、本当に高市さんは『内政干渉だ』などと世界を向こうに回して戦う気がおありなのか。対米、対イスラエルの関係はもちろん、現実主義外交の視点から見て、本当にそんなことが可能なのかという疑問は尽きません。
誰からも批判されない人生を歩んでいる政治家などいませんが、国内のみならず世界的な大局を見誤れば自身の政治生命だけでなく、日本という国家に打撃を与えかねないのが現代社会だと思うのですが」
懇意にしていた森喜朗・前東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長が「女性発言」で辞任して以来、保守論壇で「日本の保守の危機」を訴え続けている安倍氏。高市氏に強力な支援を惜しまない背景には、自身や仲間に対する世論の反発への焦りがあるのかもしれない。混迷を極める党総裁選は17日告示、29日に投開票される。
(文=編集部)
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