http://www.asyura2.com/21/senkyo283/msg/123.html
Tweet |
既存の政策にこだわり続けたのが失敗…菅首相の退任を心から歓迎する 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294522
2021/09/10 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
心から歓迎(C)日刊ゲンダイ
菅首相が自民党総裁選挙に出馬しないことで、菅政権の終わりが告げられた。日本国中、このニュースを歓迎したと思う。日経平均が一気に前日比600円超も上がったのが象徴的だった。
菅首相の離脱は日本のために本当に良かったと言える。東アジア企業の時価総額のトップ10で、日本企業は6位にトヨタ自動車がいるだけだ。時価総額上位200社の国別シェアを見ると、日本はバブル全盛期の90年代には大手銀行を中心に約9割を占めていたが、10年前に38%に下がり、今は27%だ。かつ、将来につながる研究開発の分野でも、日本はどんどん比重を減らしている。
こうして日本が厳しい曲がり角にある中、安倍・菅内閣は客観的事実を見ることを避け、既存の政策に固執した。
厳しい選択が迫られる時、情勢の変化に呼応し、政策は柔軟でなければならない。既存の政策にこだわり続けることは大きい失敗を招く。
例えば新型コロナウイルス対策だ。一時期、ワクチンを接種すればコロナが収束するとの考えが広まった。代表例はイスラエルである。同国では今年3月には国民の過半数が2回目のワクチン接種を完了し、5月には新規感染者数が10人を割る日もチラホラ出るようになった。ところが、8月には新たな感染者は1万人を超え、9月1日には1万1615人となった。イスラエルの首相はファイザー社などのワクチンについて、デルタ株などの感染予防には限界があり、ワクチンの効果は時間の経過とともに衰える――として、新たな対応を模索している。
新型コロナだけでなく、今日、あらゆる分野で急激な変化が起こっている。その中で求められるのは異なる見解に対し、謙虚に耳を傾けることだ。ところが、菅氏は違った。異なる見解を持つ者を脅し、ポストから外したのだ。その代表的な例が、6人の著名な学者を学術会議会員に任命しなかったことだろう。昨年9月の総裁選でも、菅氏は「(官僚が)反対するのであれば、異動してもらう」と語っていた。
菅氏の総裁選不出馬で、次の総裁は岸田文雄前政調会長なのか、河野太郎行革担当相なのか、あるいは別の誰かなのかは分からない。ただ、日本は今、あるべき方向に向かってはいない。次の総裁には時代の変化を謙虚に受け止め、日本の歩むべき道を示してもらいたい。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。