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いま政局はいらない 今すぐ国会を開いてコロナ感染対策を審議してくれ! ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/294158
2021/09/02 日刊ゲンダイ
政局はいらない(菅首相)/(C)共同通信社
6月に国会が閉会してから、デルタ株の猛威、医療崩壊、豪雨被害と問題は山積している。野党は国会の召集を要求しているが、政府はそれに応じる気配がない。例年なら9月は臨時国会が開かれる季節だ。
だいたいこの会期という考え方は日本独自のもので、英国などは会期という概念がなく、国会が必要であればいつでも開かれる。
憲法では総議員の4分の1以上の要求があれば内閣は召集を決定しなければならないとある。
記者から憲法違反ではないかとの質問を受けた加藤官房長官は「要求から召集までの期限に関しての記述はない」ことを理由に、すぐに応じなくても問題ないと逃げた。
しかし、憲法改正をうたう自民党の野党時代の改憲草案には「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と明記されていたのがブーメランとなって皮肉であった。野党時代に作ったから気持ちが野党的になっていたんだね。
なぜ国会を開かないかと言えば、総裁選、衆院選を前に野党から責められる姿をさらしたくないからであろう。彼らの関心は今や国民よりも自分たちの総裁選、そしてそのあとの総選挙に向いている。コロナ禍で健康面も経済面も青息吐息の国民のことなどお構いなし。その証拠に連日、政局や政治戦略が記事になる。
直近のニュースでは、ついに菅さんが二階さんの首に鈴をつけるらしい。幹事長辞任を促したのだ。なぜこんなことになったのか。
そもそもまず先に、総裁選に出ると声を上げた岸田さんが、役員の任期を限定すると公約し二階降ろしを宣言した。二階さんに不快感を抱く若手にアピールする目的か。二階嫌いの麻生さんと何か約束したのかも知れない。ところがおっとどっこい。菅さんが動いた。先に菅さんが辞めさせてしまえば、そこは総裁選の争点にはならないという丁々発止の戦略だ。おそらく二階さんとは後任人事を二階派から出すとか何らかの手打ちはあったに違いない。
高市氏は無邪気なかませ犬。下村氏はスタコラ逃げ出した。あとは菅VS岸田。どちらも安倍さんと麻生さんを取り込まないと勝てない。まるで暴力団内部のような権力抗争だ。
菅さんはワクチン頼み、「もうそこに明かりが見えている」と言う。すっかり幻が見えるようになったのか。対する岸田さんは、そんな菅さんでは選挙が戦えないという若手票頼み。どちらにしても、誰も国民のことなど考えていない。
とにかくすぐに国会を開いて欲しい。そこで感染対策に有効な法律などを検討すべきだ。野党も選挙戦略のための政府への追及合戦はやめていただきたい。終わったことの責任追及は置いておいて、未来に向けた議論をして欲しい。
政局や戦略はいらない。頼むから国民の方を見てくれ。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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