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「1人の未来より10人の未来が大切」発言者は「人間失格」である ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293752
2021/08/25 日刊ゲンダイ
中学2年の女子生徒が上級生の男女10人にいじめぬかれて、学校が守ってくれない中で、冬の北海道で失踪し、後日、凍死体で発見された事件は、信じ難い狂気に満ちている。
加害者の上級生たちは、暴行、傷害、脅迫、強要、監禁、侮辱、名誉毀損、自殺教唆等の罪を犯した触法少年であり、彼らをかばう親たちを「ひとでなし」と言うのであろう。
しかも、被害者の親が救済を求めた際に取り合わなかった担任も論外であるが、さらに、教頭が「(被害者)1人の未来より(加害者)10人の未来が大切」だと言い放ったという話に接して、私は、頭と心の中で何かが切れそうになってしまった。
誰でも分かる道理であるが、教頭は、権限を持っていじめに介入し、まず、被害者1人の未来を救い、次に、加害者10人に「責任を取らせる」ことで社会常識を学ばせて、その10人の未来を救うべきであった。にもかかわらず、加害者10人を守るとして1人の被害者を「見殺し」にしたとは、異常である。
言うまでもないことであるが、しかし、言わなければ分からないようなのであえて言うが、人は誰でも、単に「生まれた」というそれだけの事実を根拠に「至高の尊厳性」を持った存在である(憲法13条)。だから、人間それぞれの人生の価値は、10対1などと量的に比較できるものでも、してよいものでもない。
12〜13歳の非力な少女が、毎日、10人以上の上級生にいじめられていたことを想像して、胸が苦しくならない大人、まして教育者は、人格の何かが欠落している。
彼らは、教育者としての務めを果たしていなかったのだから、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った者」(地方公務員法29条)として懲戒免職が相当であろう。
戦後民主主義の下で生まれ育って生きてきた私にとって、最近、日本人全体が、志を失ったというか、不法な欲望を丸出しにして、かつ、無責任になってしまったように見える。
最高権力者が公然と罪を犯しても責任を取らない事実が続く中で、民族全体が破滅に向かって突進している状態に見える。
権力や権限をあずかる者はその行使・不行使に責任を負うという常識の復権が急務である。
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「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)
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