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オリンピック中に「感染爆発」を起こした自民を待ち受ける秋の衆院選ボロ負け
https://www.mag2.com/p/news/507374
2021.08.10 津田慶治『国際戦略コラム有料版』 まぐまぐニュース
東京五輪が無事に閉幕したのも束の間、その東京では新型コロナ「1日の感染者数」が5000人を超える感染爆発が起きてしまいました。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、以前より心配していた「五輪開催による気の緩みからの感染爆発」が起きてしまったことで、このまま次期衆院選を菅首相で戦うことになれば、自公過半数割れのボロ負けが現実になるのではと予測しています。
コロナ感染爆発で「絶体絶命」の自公政権
心配していた事態になっている。コロナ感染爆発が起きて、患者数が猛然と増えている。その結果は「衆議院選挙で自民党の負け」になる。
東京オリンピックで日本の金メダル数は過去最高で中国、米国に次いで3位になっているし、感動の場面はいろいろあったが、8月8日に東京五輪も終わる。五輪が無事に終了しホッとしている。
しかし、東京はコロナ新規感染者数が最高5042人になり、その後は4000人台をキープしているので、ピークを付けたとも思えるが、京都大学の西浦博教授は「8月中旬には新規感染者が1万人を超える」ということで、感染爆発であろう。
そのため、緊急事態宣言を日本全体に出す方が良いと専門家は主張したが、菅首相は頑として聞き入れずに、重点措置追加に関し「感染者数、病床の状況を総合的に判断する形で8県を指定した」と説明、宣言は「全国的にということは考えていない」と明言した。
ということで、まん延防止等重点措置に福島、栃木、茨城、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本を追加した。現時点で、24都道府県が「ステージ4(爆発的感染拡大)」相当となっている。デルタ株への置き換わりも進み、国立感染症研究所の推計では関東で約9割、関西で6割を占める。
・デルタ型が関東9割、関西は6割 感染研推計
世の中的には、緊急事態宣言でも危機感はなくなり、コロナ防止のルールも守られなくなっている。昨日、近くの駅の飲食店を見たが、客でいっぱいで酒を飲んでいたし、午後8時以降も開いていた。どこが緊急事態宣言なのかわからなくなっているのは、継続している。
そんな中、やっとオリンピックは終わることができた。バブル方式の防止処置が効いたようであるが、世の中的には気のゆるみを助長したような感じで、五輪期間中にコロナ感染の再拡大になっていることが何よりの証拠である。
そして、このコラムでは「ワクチン接種を40歳まで早く行う必要がある」ということを再三主張しているが、菅首相は、期限を規定していないことで、40代から50代の人の接種が進んでいないようだ。このため、64歳から40歳の重症患者が増えている。割合的には少ないが、数が多くて実数が増えたのだ。それに引き換え、ワクチンを接種した65歳以上の重症者は少なくなった。
そして、現実的に重症者が出るので、病床が不足することになる。このため、「重症者以外は自宅療養」としたが、自民党や医療関係者からも批判されてひっこめている。
最後には「原則、中等症以上の入院」となって問題は決着したようであるが、病床の不足で、東京では50代女性が自宅療養中に死亡した例が出ている。今後も増えるであろうことが予想される。
ここまで来ると、皆の危機意識を高めるために、パラリンピックを中止か延期した方が良い。「危機感の醸成」が必要になっているからだ。そして、人流を止め、飲食店での酒を伴う会食を客が自発的に止めることであろう。私権制限をしないことで、それ以上はできない。
このために、軽症者の自宅治療ができる「飲み薬」が必要だが、塩野義製薬がコロナ治療薬として、飲み薬を治験入りするというので、ある程度の目途が付いた時点で特別承認した方が良いだろう。この薬で軽症者を自宅治療させることができる。
そして、このような感染爆発では「ロックダウン法案」を施行したほうが良いが、菅首相は「なじまない」と拒否している。
米CDC(疾病予防管理センター)は、「デルタ株はワクチンの効果を大きく減衰させているので、3回目のブースターワクチンを接種した方が良い」ということなので、危機的な事態が継続することになる。正常化シナリオの修正が必要になっている。
このコロナ感染爆発で、菅首相の任期は9月30日で終わりであろう。菅首相は、トップとしての勘を備えていないことがハッキリしている。自分の希望的な観測で自分に都合の良い政策を行い、その多くが失敗している。菅さんは、指示の人ではなく、実行の人のように見える。
ギャンブルで勝ったのは、65歳以上のワクチン接種を7月末までに終わらせたことだけである。後はことごとく失敗している。
しかし、今後の日本は、いろいろな意味で危機的な状態が継続するので、「勘が鋭く指示の的確な真のリーダー」を必要としている。その意味で、菅さんは失格である。支持率も下落し20%台になるだろう。それは8月13日発表の「時事世論調査」で判明する。危機的な状態になると、トップの力量がわかる。
8月16日に発表される、4-6月期のGDP速報値でもマイナス成長になる可能性がある。ワクチンパスポートで自由行動を容認するような政策が必要なのに、それもしないでお金と時間がある65歳以上の行動を制限するので、経済が停滞するのは仕方がない。この政策もおかしい。どうして欧米のマネをしないのであろうか?
このような情勢のまま菅首相が継続したら、衆議院選挙は自民党の敗北が確定する。
このため、9月29日の総裁選挙では、多くの人が立ち、勘が鋭く危機時に強い人を選んでほしいものである。
『アエラ』誌の「次の首相調査」でも、1位は枝野氏になっており、それもどうかしているが、2位に安倍氏、3位に小池氏となったようである。菅さんの名前は4位であった。しかし、もし菅首相のまま選挙になれば、公明党も不祥事を起こしているので、自公が過半数割れの可能性も出てくると見ている。
さあ、どうなりますか?
image by: 首相官邸
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国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。
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