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※2021年7月5日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年7月5日 日刊ゲンダイ2面
民意は歴然「五輪NO」菅隠しでも自民惨敗の分析と今後<中>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291482
2021/07/05 日刊ゲンダイ ※文字起こし
日本共産党は3度目の躍進(C)日刊ゲンダイ
共産党議席増は「五輪NO」の明確な民意 |
2013年、17年に続いて支持を広げた共産党は19議席に勢力を伸ばした。3度目の躍進を支えた原動力は公約にハッキリと掲げた「五輪中止」だ。コロナ禍で街頭演説への動員が難しいことから、電話による投票依頼にも注力。「『五輪中止』を訴えているのは共産党だけです」と攻勢をかけていた。
「健康も命も軽視され、酒類を提供する飲食店は度重なる自粛要請でマトモに商売ができない。コロナ禍の真っただ中で五輪が強行されたら、この先は一体どうなるのか、不安を強める都民の気持ちに、共産の主張がピタッとはまった結果でしょう」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
立憲民主党との野党共闘が実現した効果も大きい。1、2人区を中心に候補者を一本化。その結果、複数区で共産は善戦し、トップ当選が4選挙区、上位に食い込んだのは10選挙区を上回る。
立憲も15議席と告示前からほぼ倍増。立・共が競合した7選挙区では両党とも議席を獲得した。
「野党共闘の象徴的選挙区が1人区の小金井市です。無所属で立った元市議を東京・生活者ネットワークや社民党とともに推薦し、勝利をもぎ取った。総選挙への大きな弾みとなる戦い方のモデルができたといえます。弱者が強者に立ち向かうには塊になって立ち向かい、大きな力を生み出すしかないのに、ようやく実現した格好です」(五十嵐仁氏=前出)
連合に圧力をかけられるたびにグラつく立憲は、この選挙結果を肝に銘じるべし。野党共闘が中途半端になれば、菅の延命に手を貸すことになる。
前哨戦の結果で総選挙は地殻変動の予兆 |
前哨戦の都議選で菅自民の獲得議席は33。民主党政権誕生直前の2009年の38議席を下回る歴代ワースト2位の結果は、はたして来る総選挙での「地殻変動」の予兆なのか。
実際、定数3以上の複数区では自民候補が共産候補の後塵を拝するケースも続出。ましてや本番の衆院選は小選挙区制だ。奏功した選挙協力を全国に広げれば1対1の勝負を制するオセロゲームで野党が自公に肉薄、あるいは政権交代も決して不可能ではないはずだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「“勝者なき都議選”の印象とはいえ、自民の集票力が政権交代を許した当時まで衰えているのは事実。あとは都ファに流れた無党派票を、与野党のどちらが取り込むかの勝負です。菅首相はパフォーマンス下手で、小池知事ほどの演技力もない。自民に上がり目がない分、野党共闘に伸びしろを感じます。都議選の期間中に迎えた中国共産党の100周年式典では、自公与党が外交儀礼に縛られる中、中国の人権侵害を真っ向批判したのは共産党だけ。こうした意外な強みを総選挙でも訴えれば、都ファに流れた現政権に批判的な保守票も取り込めるかも知れない。総選挙で『地殻変動』を起こす条件は、国政野党第1党の立憲が連合の共産嫌いや与党の野合批判に屈しないこと。最後まで共闘を貫き、有権者に本気度を伝えるべきです」
予兆だけで終わらせないためにも、枝野代表の覚悟が問われる。
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