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「安心安全とは?」の本紙質問に橋本組織委会長の“迷回答”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290795
2021/06/19 日刊ゲンダイ
会見する橋本聖子組織委会長(代表撮影)
18日に記者会見し、東京五輪の観客数上限を1万人とすることに意欲を示した組織委員会の橋本聖子会長(56)。会見に先立ち、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(72)から「無観客での開催が望ましい」との提言を受けたが、「見たいという観客の方がいる限り、できるだけのリスク払拭を探るのも組織委の仕事」と強調した。
取ってつけたように、「状況が変わったときには無観客も覚悟しないといけない」と言ったものの、政府も組織委も有観客での開催に突き進んでいるのが実状だ。その根拠とするのが、この日の会見でも壊れたレコーダーのように繰り返された「安心安全」だが、その「安心安全」とはどういう状況を指すのか。会見で日刊ゲンダイ記者が改めて橋本会長に聞いたところ……。
――橋本会長にとっての「安心安全」とはなんですか?
以下がその答えだ。
「やはり今まで海外の方からアスリート、関係者、メディア、スポンサーが来られることに対して、非常に、感染対策が十分に出来るのかという大変な心配を頂いておりました。まずはそうした心配を払拭するための努力というものが第一に今まで行わせていただきました。
そして、3徹(来日人数削減、行動管理、医療体制見直しの徹底)をお話させていただいておりますけど、当初の予定よりも(関係者を)約3分の1にまで抑えるところまで削減できまして、そして、しっかりとバブルを作りながら安全対策をしていく、ということ。
まず第一弾、一番心配されていた点について、安全というものが理解をされることによって、安心に少しずつ繋がっていったかなというふうに思っております。これはまだまだ足りないわけですけれども。
その一方で、次に、特に尾身会長から示された人流の抑制ということになるというふうに思います。この人流の抑制がどのように行われて、安全対策になっているのかということ」
基準を聞いているのに答えず
立て板に水でこう話すものの、言語明瞭、意味不明瞭……。
さらに橋本会長は、
「この安全対策がしっかり示されない限り、安心には繋がっていかないというところがありますので、引き続き関係者と協議をしながら、『安心である』『これであれば、大会を開催してもいい』というところまで持っていかなければいけないと思っております」
と続けたが、「『これであれば大会を開催してもいい』というところまで持っていく」というその基準を聞いているのだ。
まったく要領を得ないため、さらに「橋本会長は『聖火リレーは安心安全に行われている』と仰いましたが、そこでは感染者が出ています。コロナ感染者が出た状態を、『安心安全』と言っているのですか」と質問すると――。
「同じ趣旨のご質問なので次、行かせていただきます」と、司会者から強制終了を告げられた。
同じように「安心安全」を繰り返す菅首相もいまだ、それがどういう状態を指すのか、明確に答えていない。世論調査では五輪開催に半数以上が懸念を示しているが、これでは国民の不安はまったく解消されない。
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