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コロナ特効薬「スーパー中和抗体」は変異株撃退の希望の星
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290670
2021/06/17 日刊ゲンダイ
最も理想的な抗体、医療機関の強い味方になるか(C)共同通信社
新型コロナの特効薬になるのではないか――。富山大学の仁井見英樹准教授らの研究グループが作成した「スーパー中和抗体」が大きなニュースになっている。
この「スーパー中和抗体」は、複数の変異株を防ぐ抗体で、英国型のほか南アフリカ型、インド型、南カリフォルニア型などへの効果が確認され、ブラジル型にも効果があると期待されている。ひとつの抗体で多種の変異株の感染を阻害できる最も理想的な抗体であるため「スーパー中和抗体」と名づけられた。
研究グループは中和抗体の量が特に多い回復患者の血液からB細胞と呼ばれる抗体を作る細胞を抽出。このB細胞の遺伝子を組み換えて複数の変異株を防ぐ抗体の作成に成功した。
16日、同大の齋藤滋学長は会見を開き、「治療薬開発にとって大きなインパクトがある研究成果だ。研究成果で終わらせず、国民に使っていただきたい」と語った。
研究を進めた仁井見准教授が言う。
「スーパー中和抗体には2つの特徴があります。ひとつは複数の抗体を混ぜて作成する“カクテル”と違い、ひとつの抗体から作るためコストが抑えられること。もうひとつは薄い濃度でも強力な感染阻害力を発揮できることです。新型コロナウイルスに感染した軽症から中等症の人に投与した場合、重症化せずにすむと思われます」
これから製薬会社と連携して、早期の実用化を目指すという。
16日、記者会見する富山大の斎藤滋学長(C)共同通信社
新たな変異株にも効果を発揮
「かなり画期的なことです」とはハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏だ。
「従来のワクチンは人に接種して体内に抗体を作らせる原理。一方、スーパー中和抗体は人の体を使わず、中和抗体そのものを人工的に作ります。もちろん発症の予防効果も見込めますが、実際はワクチンと違って、症状が出た人に投与するクスリとして使うことになるでしょう」
国立国際医療研究センターは15日、変異株によってはファイザーのワクチンの働きが弱まる可能性があることを示す研究結果を発表した。新たな変異株が現れた場合、ワクチンが効かなくなる恐れがあると警告したのだ。
「このスーパー中和抗体は新たな変異株が出てきても、その都度、効果を発揮すると考えられます。変異株が登場するたびに人は右往左往してしまいますが、心強い味方が現れたといえるでしょう」(左門新氏)
一刻も早く実用化してもらいたい。
変異型の感染防ぐ「スーパー中和抗体」富山大が発表
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcee8bee538ad5e958e66d825148f7adacb7e331
6/16(水) 12:14 ANN
強力な治療薬の開発につながるかもしれません。富山大学は新型コロナウイルスの従来型だけでなく、インド型を含む複数の変異型の感染を防ぐ「スーパー中和抗体」の作成に成功したと発表しました。
富山大学理事・副学長、北島勲氏:「現時点では最も理想的なスーパー中和抗体が取れた。重症化を予防することができる非常に有効な抗体」
スーパー中和抗体の作成に成功したのは、富山大学の仁井見英樹准教授らの研究グループです。
従来型の新型コロナウイルスやイギリス型、インド型などの感染を防ぐことができるとしています。
研究グループは中和抗体の量が特に多い回復患者の血液からB細胞と呼ばれる抗体を作る細胞を取り出しました。
このB細胞の遺伝子を組み替えて、複数の変異型を防ぐ抗体の作成に成功しました。
スーパー中和抗体は患者が重症化する前に投与すれば救命率を高めることが期待できるとして、製薬会社と共同で薬の開発を急ぐとしています。
今回の抗体の作成方法は1、2週間という世界最速レベルで、今後、新たな変異型が出現しても対応できる可能性が極めて高いということです。
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