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五輪強行派の竹中平蔵氏「世論は間違ってる」に対し、「余計なこと言うな」と政府筋が嘆き節
https://dot.asahi.com/dot/2021060700018.html
2021.6.7 11:48 AERA dot.
菅政権のブレーンとして知られるパソナ会長の竹中平蔵氏(C)朝日新聞社
東京五輪まで1カ月半に迫ったが、新型コロナウイルスの感染が完全に収束していない中で開催反対を主張する意見は依然として多い。その中で、慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が6日、読売テレビで放送された「そこまで言って委員会NP」に生出演した際の発言が大きな波紋を呼んでいる。
竹中氏は東京五輪・パラリンピックについて、「世界に対して『やる』と言った限りはやる責任がある」と力説。その理由について、「なんでやるか、やらないか、あんな議論するか、私は分からない。だって、オリンピックは世界のイベントなんですよ。世界のイベントをたまたま日本でやることになっているわけで、日本の国内事情で世界に『イベント(五輪)やめます』というのはあってはいけないと思いますよ。世界に対して、『やる』と言った限りはやる責任がある」と熱弁した。
この主張に対し、落語家の立川志らくが「世論の6、7割が(五輪は)中止だと言っている。世論が間違っているってこと?」と質問すると、「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違ってますから」と返答。
ジャーナリストの須田慎一郎氏が「世論をまったく無視していいの?間違いと決めつけて突っ走るのは違うと思う」と異を唱えると、竹中氏は「間違いはキツいかもしれないけど、世論は移ろいやすい」と表現を弱めたが、世論を尊重する考えに疑問を呈するスタンスは変わらなかった。
五輪開催を目指す政府にとって、竹中氏の発言は援護射撃のようにも感じるが実情は違うという。自民党関係者がこう頭を抱える。
「竹中さんは余計なことを言わないでほしい。ただでさえ逆風が吹き荒れ、自民党議員は選挙区の地元に戻った時に『五輪をやるなんてどういう神経をしているんだ』と怒りの言葉を有権者に浴びせられている。しかも、五輪開催に反対だけでなく、『世論はしょっちゅう間違う』とか国民の神経を逆撫でする発言を繰り返している。竹中さんは小泉内閣で総務大臣だった時、菅義偉首相が副大臣で現在も距離が近い。菅政権にとってもマイナスに働きますよ」
おまけに竹中氏が会長を務めるパソナは五輪スポンサー企業だ。SNS、ネット上では竹中氏に批判的なコメントが殺到している。
「新型コロナの流行を日本国内の事情としてコメントしているが、全世界的に新型コロナは流行しているし、ワクチンの接種もされているはず。日本国内の事情だけを理由に中止と言っているわけでは無いのでは?世論はしょっちゅう間違っていると言っていますが、決定権を持っている偉い人も間違うし、偉い人の間違いの方が影響は大きい」
「日本政府が日本人の生命と健康に責任を負うのは当然でしょう?五輪に参加する各国やIOCが責任もってくれるのでしょうか。現在は戦時と同等なのですよ。それは国連事務総長も認めています。現実に多くの国民が毎日のように亡くなっています。また、国内世論だけでなく、複数の外国も東京五輪は中止すべきだと国内世論より激しい論調で迫っています。竹中氏は菅総理とお親しいので政権の肩を持ちたいお気持ちはわかりますが、もう少し民主主義について勉強し直しされたらいかがかと思います」
東京五輪開催に反対している割合が多いのは日本国民だけではない。世界中の人達が不安視している現実を頭に入れて、発言すべきではないだろうか。(牧忠則)
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