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※AERA 2021年6月7日号 紙面クリック拡大
接種会場へ案内する「現役添乗員」 政府の高齢者対応に「配慮が足りない」苦言も
https://dot.asahi.com/aera/2021053100027.html
2021.6.1 08:00 中原一歩,福井しほ AERA 2021年6月7日号より抜粋
なぜ東京・大手町なのかと首をかしげる人が少なくない。感染を減らすために人流を減らすという当初の目標とも整合性がとれない(撮影/写真部・松永卓也)
ワクチン接種を受ける両親のために上京した人もいた。障害がある人や介護を必要とする単身高齢者への接種の方法は決まっていない(撮影/写真部・松永卓也)
東京と大阪で始まったワクチン大規模接種。その実態とはいかなるものか。AERA 2021年6月7日号から。
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「とにかく100万人という数字をぶち上げるのが重要だ。政府が先頭に立ってワクチン接種を推進しているという姿勢を、国民の目に焼き付ける。菅政権の命運をかけた目玉政策です」
東京・大阪の2会場で始まった新型コロナウイルスの大規模接種について、ある政府関係者はこう話す。最初の1週間の対象は65歳以上の東京23区と大阪市の住民で、2週目からは都内全域と大阪府内全域に拡大される。この「自衛隊による100万人大規模接種」は、コロナ対策全般で政府の思い通りにならない地方自治体や厚生労働省、日本医師会に対する強烈ないら立ちでもあった。
実際、新型コロナ対応の法的根拠となる「コロナ特措法」は法律の立て付け上、各都道府県の知事に権限が集中している。政府は「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などは発令できても、飲食店などへの時短要請や協力金の支給、そしてワクチン接種は地方自治体頼みだ。別の政府関係者はこうも漏らす。
「菅義偉首相の頭の中には三つの数字しかありません。『新型コロナの新規陽性者数』『国内ワクチンの接種人数』、そして『内閣支持率』です。ただ、政府がどれだけ旗を振っても、都道府県の動きが遅いことに首相は頭を抱えています。得意の人事も通用しませんから。とくに一部のメディアが先週発表した、7月に都議選を控える東京都で支持率16%という数字は、官邸に衝撃が走りました」
■時間帯の指摘はなし
こうした状況の中、菅首相が頼ったのが自衛隊だった。
初日の24日、東京・大手町の会場には30人ほどが並んで開場を待っていた。接種開始は午前8時。午前6時15分から並んだという品川区の男性(65)はこう語った。
「8時の枠で予約しましたが、混雑する前にと早めに来ました」
接種の注意点として「予約時刻に遅れた場合、当日の確実な接種は実施しかねる」との記載があるため、時間に余裕を持って訪れる人が目立った。
一方で、こんな声もあった。
「時間は聞かれませんでした」
午後1時半の枠を予約していたという江東区の男性(68)はそう振り返る。受け付けで接種券番号の確認はあったが、時間帯を指摘されることは一度もなかったという。
このワクチン接種のための予約サイトをめぐっては、接種が始まる前からシステムの不備が露呈した。26日には通信障害が発生。予約そのものができなくなったと同時に、会場にやってきた予約者の特定ができなかったことで受け付けには長い行列ができた。システムはおよそ1時間半で復旧した。
■複雑な会場アクセス
全国から動員された自衛隊関係者は、東京・大阪の2会場で280人。医師・看護師資格を持つ「医官」80人、「看護官」200人と発表されている。それ以上に目立ったのは、会場の受け付けや誘導、接種記録の管理に奔走する大手旅行会社から派遣された添乗員だった。防衛省は東京と大阪の会場運営をそれぞれ「日本旅行」(委託費用・約19億4900万円)と「東武トップツアーズ」(委託費用・約9億6700万円)に委託した。運営は民間に「丸投げ」した格好となったが、この決断は結果的に奏功したようだ。
東京の場合、接種会場がある大手町は決して交通の便は悪くないが、構内の改札口から会場までのアクセスは複雑だ。改札と地上出口の間には地下通路が迷路のように走っている。最寄り駅は地下鉄三田線大手町だが、最寄りの出口である「C2b」を探すのは一苦労だ。都交通局の案内には「大手町改札からC2b出口まで徒歩10分」とあるが、土地勘のない高齢者にはハードルが高い。それに会場のそもそもの名称である「大手町合同庁舎3号館」が一般には知られていないので目印にならない。なかには地下鉄の駅から会場まで30分近くかかったという高齢者もいた。
■腰の低い添乗員たち
そんな中、会場周辺には日本旅行から派遣された添乗員たちが、それぞれの改札口近くに名札をつけて待機。接種券を握りしめて迷っている高齢者を見つけると、率先して声をかけ、話をする場合はひざをついて同じ目線で会話をする。
ベテランの添乗員の一人は「取材は受けないように上から言われている」と話しながらも、政府のこの計画は普段から不特定多数の高齢者に接している立場からすると、「駅改札から約10分」という案内ひとつとっても配慮が足りないと語った。
「65歳以上の高齢者として想定されているのが、普段からITを使いこなしている、または家族が近くにいて予約を代行してくれる、そして健康で何も不自由のない健常なお年寄りなんです。けれども、社会はもっと複雑です。病気を患っている人、視力や体力に自信がない人。杖を使っていたり、車椅子に乗っていたりする人など、様々です。それを一緒くたにしてできると思っても不可能です」
とした上でこう続ける。
「民間に何の説明もなく『丸投げ』されるのは困りますが、官民連携はいいことだと思います。私たちも仕事がなくて困っていますので大変ありがたい。それに誰かの役に立つということは、お金とはまた別のやり甲斐がありますから」
無論、こうした委託費用の金額、その健全な使われ方の検証は必要だ。しかし、例えば災害時の自衛隊とボランティアの官民連携などは、東日本大震災をきっかけに各地で始まっている。
(編集部・中原一歩、福井しほ)
菅政権、大規模接種でワクチンアピールも…「宣言下でも五輪開催」コーツ発言で窮地
https://dot.asahi.com/aera/2021060100040.html
2021.6.2 08:00 中原一歩,福井しほ AERA 2021年6月7日号より抜粋
菅政権としては一日も早く国会を閉会し、ワクチン接種を拡大させ支持率上昇を狙う (c)朝日新聞社
菅義偉首相の目玉政策、ワクチン大規模接種が東京と大阪で始まった。それでも、東京五輪開催をめぐる問題で支持率回復は難しいとの声が出ている。AERA 2021年6月7日号から。
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当初の計画では、現在の会場での大規模接種は24日から3カ月としている。しかし、東京と大阪で1日あたり計1万5千人の接種が成功したとしても150万人。全体の「およそ1%」に過ぎない。防衛省が28日に発表した東京会場の予約状況について、5月31日〜6月6日の接種分として用意した7万人分は全て予約済み。ただ各自治体で始まったワクチン接種との二重予約も相次いでいる。ワクチンそのものの供給は増えてきたので、今後は自治体によって接種の早さは明暗が分かれそうだ。
ある政府関係者は、「あくまで自治体でのワクチン接種が本丸だ」としつつ、「政府がワクチン接種の旗を振っている感が伝わればいい」と語り、広報の面でも各省庁に比べ社会への影響力が大きい自衛隊への期待を寄せる。
しかし、菅政権が窮地に立たされていることに変わりはない。中でも国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が「緊急事態宣言下でも東京五輪は開催する」と記者会見で断言したことで、日本国内の「五輪中止」の世論はさらに高まった。
過去に政府の要職を経験した国会議員の一人は、菅首相がこの主権侵害にもつながりかねない「コーツ発言」にまともに答えることができない状況では、結果として政権支持率が上向くことは難しいだろうと予測。IOCが東京都などと結んだ開催都市契約の中で政府が五輪中止の決定にどう具体的に関与できるかははっきりしないとした前提で、こう続けた。
「もし、菅総理が本当に五輪を中止する気があれば、選手団の入国を拒否すると言えばいい。ただ、その覚悟がないだけ。国民の命と安全を守る当事者は日本政府であり、主権侵害につながりかねない事態を政府は放置してはならない。そんなにIOCは偉いのかとさらに国民は反発する」
五輪とワクチンに翻弄(ほんろう)される菅政権──。予定されている7月23日の開会式まで残り、あと53日しかない。(編集部・中原一歩、福井しほ)
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