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「吉村知事はいちいち言い訳しない」松井市長“擁護”のウソ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288778
2021/05/06 日刊ゲンダイ
感染拡大を招いたのは知事自身の判断や見通しの誤り(大阪の吉村洋文府知事)/(C)共同通信社
「吉村知事はいちいち言い訳はしませんが、ちょっと事実誤認が酷いですね。この1年で吉村知事は病床を増やしてきた」
大阪市の松井一郎市長が先月29日、こうツイートした。
兵庫県明石市の泉房穂市長が26日、「知事がやるべき仕事は、まず病床の確保。確保に約1年間努力をしてこなかったのは知事のせいだ」と吉村批判したことに対して松井市長が擁護した格好だ。
しかし吉村知事は、言い訳ばかりしているのが実態だ。そもそも大阪で感染爆発が起きたのは、吉村知事が前回の緊急事態宣言を1週間前倒しし、3月1日に解除したからだ。なのにその失敗を素直に認めず、言い訳を重ねている。
吉村知事は解除した理由について、「新規感染者数が50人台まで減少していた」とまず釈明。感染拡大を予測できなかったことに関しても「前回の緊急事態宣言と同じ内容にしているので、変異株の拡大力の方が強い」と言い訳。
入院待ち9割1万8000人以上の危機的状況
松井市長が投稿した内容も正確ではない。
確かに、昨年春の第1波の時より病床数は増えたが、それだって感染拡大後、慌てて増床している。しかも、宣言解除と同時に236床あった重症病床を減らし続け、4月上旬には150床台にしてしまった。急速な感染拡大を受け、大慌てで重症病床の確保に動いたが、到底追いつかず、医療機関は重症患者であふれ返った。府外の協力を得て361床まで増やした現在も、92人が軽症中等症患者病床の医療機関か、他府県の医療機関で治療を続けている。
自宅やホテル療養、入院調整中の患者は1万8000人以上もいて、入院できているのは感染者のわずか1割だけ。すでに17人が治療すら受けられず、自宅で亡くなっている。
「あの時、2回目の緊急事態宣言を急いで解除する必要はなく、再拡大を懸念する声も上がったのに、知事が独善的に押し切った。その結果、3月30日には東京都の新規感染者数を上回り、以降、5日まで、37日間のうち35日で全国最多の新規感染者数が確認された。東京は1000人超の日が2日だったのに対し、大阪は18日もあった」(府政関係者)
吉村知事は6日にも政府に緊急事態宣言の延長を要請する方針だが、感染拡大を招いたのは知事自身が判断や見通しを誤ったからで、それをかばう松井市長もどうかしている。そんな暇があったら、一刻も早く患者が治療を受けられる環境を整備すべきだ。
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