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「自衛隊の衛生部隊はコロナについては全く役に立たない」 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288510
2021/04/28 日刊ゲンダイ
医療従事者に敬意を示すため自衛隊中央病院の上空を飛行するブルーインパルス(C)共同通信社
「人流を止める」。3度目の緊急事態宣言の合言葉だという。そのあおりを多くの人が受けている。それを最初に言い出した大阪府の吉村知事と話す機会があった。
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「まん延防止等重点措置に期待をしていたようだが、それは機能しなかったという理解か?」
そう問うと、変異株を原因としつつ、機能しなかった事実を認めた。そうであれば、この通称「マンボウ」は使用禁止とすべきだ。この制度的な整合性も機能もない条文が、「人流を止める」を生んだわけだ。
例えるなら「茹でガエル」の話がそれに近い。緊急事態とは熱湯だ。そこにカエルが投げ込まれれば跳び上がって避難する。しかしカエルのいる水の温度を徐々に上げるとカエルはそのまま動くことなく……という話だ。その茹でガエルに自ら飛び出させるため更に厳しい措置が必要ということだ。そう、私たちは今、茹でガエルというわけだ。
しかし日本よりはるかに厳しいロックダウンを実施しているフランスでも感染をコントロールしているわけではない。いずれにせよ、病床の確保が最大の課題だろう。この点で、衝撃的な話を責任ある人間から聞いた。
私は自衛隊の衛生部隊を活用するべきとこの1年、主張してきた。このコラムでも書いてきた。自衛隊には医師にあたる医官と看護師にあたる看護官が計2000人いて、全国に配属されている。自衛隊への派遣要請は限定的に議論されてきた。その際、元自衛官で自民党の佐藤正久議員は、「自衛隊は便利屋ではない」と言うが、私は感染症対策も自衛隊の本来業務とすべきと主張してきた。
しかし、それはかなり甘い判断だった。それを知らされたのは、この問題で自衛隊に派遣要請をした経験のある自治体のトップの次の言葉だ。
“便利屋”にもなれない現実 |
「言いにくいんですけど、自衛隊の衛生部隊は新型コロナの医療については全く役に立たないんです。彼らにその能力はない」
トップは躊躇しつつそう言った。説明を求めると、自衛隊は新型コロナの医療で必要となる呼吸器系の医療については専門性が高くないのだという。つまり、「便利屋ではない」は正しくなく、そもそも「便利屋の能力はない」が正しいということだ。
これは医官、看護官を責める話ではなく、防衛省の制度設計の問題だ。5兆円超の予算規模で衛生部隊に与えられる予算は2億円程度だ。21年度予算の時も、防衛予算の組み替えを求めたが、国会では議論にもならなかった。22年度予算でも、状況は変わらない。概要には最新鋭戦闘機や護衛艦といった正面装備への支出が並ぶ。「自衛隊は便利屋ではない」という主張は、「便利屋」としての能力を持って初めて言える言葉だ。現状はそうではないということは知っておいた方がよい。
今回の緊急事態で人流を止めたとしても、それで新型コロナ禍から脱することができるわけではない。長期的な対策を考える上で、自衛隊の役割も含めて議論するべきだろう。そして、自衛隊を従来の「軍事組織」とは異なる、市民を守る「便利屋」にこそすべきだ。
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tateiwa@infact.press
立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。
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