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東京五輪と揺るがぬ民意 国民はとっくに危機感を持っている
https://www.news-postseven.com/archives/20210424_1654327.html?DETAIL
2021.04.24 16:00 NEWSポストセブン
開催できるのか(時事通信フォト)
様々な見地からの意見があるのは事実だが、民意ははっきりしているようにも見える。コラムニストのオバタカズユキ氏が東京五輪について考察した。
* * *
「感染拡大を二度と起こしてはいけない、その決意を今回の宣言解除に当たり、改めて私自身、自らにも言い聞かせております」という菅内閣総理大臣の言葉と共に2回目の緊急事態宣言が解除されたのは、3月の21日だった。それから1か月あまり、たったそれだけしか経っていないのに、早くも3回目の緊急事態宣言が発出されることになってしまった。
今回の宣言期間は、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に対して、4月25日から5月11日まで。菅総理曰く、「ゴールデンウィークを中心に集中的に対策を講じて感染拡大をなんとしても抑え込みたい」ということだが、17日間という中途半端な期間で、変異ウイルス感染が急拡大している今の第四波を抑え込むことができるのだろうか。
専門家の中には一か月間が適切とする意見もあったそうだ。そこを2週間半としたのは、補償金との兼ね合いが大きいのだろう。今回は飲食店への時短営業要請だけでなく、休業も要請・命令できる。飲食店だけでなく、商業施設や劇場なども対象となる。この原稿の執筆時点では、東京都と大阪が飲食店での酒類の提供を禁止とする予定だ。
4月22日に東京都で行われた新型コロナウイルスの感染状況などを分析するモニタリング会議の中で、小池知事はこう呼びかけた。
「皆様方へのお願いでございますが、感染拡大を抑止するには、人と人との接触を避けることが最も重要なポイントであることは既に知られるところであります。改めて申し上げております。都民の皆様には、よって、外出は必要最低限、都県境を越える移動は自粛、ゴールデンウィークの旅行、帰省は中止または延期でお願いを申し上げます。また、路上や公園での飲み会も止めてください。これについても感染の飛沫が飛ぶということも分析されています」
「そして都外にお住いの皆様には、エッセンシャルワーカーなど、どうしても出勤が必要な方以外、ゴールデンウィークも都内には来ないでいただきたい。事業者の皆様には、テレワークの推進をお願いいたしております。毎日、企業のトップの方に、私、ご連絡を申し上げて、そしてテレワークの徹底を改めてお願いしているところでございます。そして、ゴールデンウィーク中の有給休暇の取得の促進など、従業員の出勤の抑制にご協力をたまわりたく存じます」
そんなに大変な状況であるならば
内容的にはこれまでなされたきたものとそう変わりはないものの、口調がなかなか厳しい。特に「飲み会も止めてください」「都内には来ないでいただきたい」の箇所は語気を強めていた。危機感を煽ると言っては語弊があるかもしれないが、コロナ疲れしている我々に気合を入れる意気込み十分といった感じだった。
しかし、そんなに大変な状況であるならば、だ。なぜ、東京オリンピック・パラリンピックの中止が真剣に議論されないのだろう。そこが非常に不思議である。
五輪が開催されると、選手だけで1万人以上、スタッフや大会関係者などを含めると10万人以上が海外から東京に集まってくる。無観客大会にするとしても、それだけ巨大な規模のイベントが、7月23日から8月8日まで17日間行われるのだ。
阪神エリアでは医療崩壊の危機が叫ばれている(写真/共同通信社)
参加国は約200か国に及ぶ。コロナ的には、世界中のありとあらゆる変異ウイルスが一堂に会する可能性のある場だともいえる。そこで何が起こるかは未知数だ。今、日本で急増している変異ウイルスだって従来のものより強い感染力を持っているところが、ハイブリットに掛け合わされることによって、もっととてつもない感染力で暴れまわるスーパー変異ウイルスを誕生させてしまうかもしれない。そういう危険性について、専門家のみなさんはどう考えているのだろう。
新型コロナが流行してすぐに危惧されていたのは、大会におよそ1万人必要とされる医療スタッフをどう確保するかだ。それでなくても、現段階で阪神エリアは医療崩壊しかけている。後追いで東京の医療事情も厳しいことになる心配はリアルにある。自分たちの身を守るだけで手一杯なのに、どうして世界中からお客様を呼び集めて大密集大会を開き、どんちゃん騒ぎをしたいとなるのだろうか。
去年も東京五輪は中止すべきだという内容のコラムを、このNEWSポストセブンで書かせてもらった(12月20日配信)。そこでは12月にNHKが実施した世論調査を紹介した。「来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催についてどう思うか」に対し、「開催すべき」27%、「中止すべき」32%、「さらに延期すべき」31%。62%の人が来年のオリンピック開催に否定的ではないか、と指摘した。
五輪が近づけば世論も変わるという見方をする人もいたのだが、では、最近の世論調査ではどうなっているのか。
今年の開催に否定的な人が圧倒的多数派
4月9〜12日にかけて、時事通信が実施した調査では、「中止する」との回答が39.7%で最も多く、「開催する」28.9%、「再延期する」25.7%が続いた。「中止する」と「再延期する」を足したら65.4%。去年末のNHK調査のものより増えている。
さらに、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が4月17〜18日に行った調査もある。与党寄りのマスコミの調べなのでどんなもんかと思ったら、びっくり。「中止もやむを得ない」との回答が56.8%と図抜けて多く、「予感染対策を徹底して定通り開催できる」は24.3%、「再延期せざるを得ない」は17.6%であった。「中止」と「再延期」を足したら、74.4%だ。今年の開催に否定的な人が圧倒的多数派なのだ。
小池知事に煽られなくても、とっくに危機感を持っているということである。オリンピックをやってる場合じゃないでしょ、というのが揺るがぬ民意なのである。
二階俊博幹事長が意外な発言(時事通信フォト)
ちなみに、同様の世論調査を海外に対して行った結果もある。公益財団法人「新聞通信調査会」が3月20日に、米国、フランス、中国、韓国、タイの五か国で調査したのだが、そこでは「中止すべきだ」と「さらに延期すべきだ」を合わせた回答がすべての国で7割を超えた。高い順に並べると、タイが95.6%、韓国が94.7%、中国が82.1%、米国が74.4%、フランスが70.6%。世界の民意もまた同じだった。
そうした空気を感じてのことなのかどうか、真意は測りかねるのだが、4月の15日に自民党の実質的ドン、二階俊博幹事長がTBSのCS番組収録で意外な発言をした。五輪開催に新型コロナの感染拡大を心配する声があるという司会者の促しに、こう答えた。
「それはその時の状況で判断せざるをえないですよね。これ以上とても無理だということだったら、こりゃもう、スパッと止めなきゃいけない」
ちょっと驚いた司会者が、「そういう選択肢もある?」と問いただしたらこうだ。
「そりゃ、当然ですよね。オリンピックでたくさん感染病をね、蔓延させたっていったら、これは何のためのオリンピックかわからんですよね」
極めて常識的でまっとうな感覚
二階幹事長、まったくもって正しい。極めて常識的でまっとうな感覚だ。後日、弁解めいた追加コメントを出していたが、発言を撤回まではしなかった。与党内部から、しかもトップから五輪中止の流れが作られていく? そううまくいくかどうかはわからないが、期待したいところである。
この発言から少し経った19日、今度は山梨県の長崎知事が、記者会見の中でこれまた意外な発言をした。記者から東京五輪の開催について見解を問われたところ、「いちばん重要なのは国民や県民の生命や健康で、オリンピックのほうが県民の命より大切ということはありえない。国民や県民の健康に極めて大きな深刻な影響を及ぼすような感染状況であれば、オリンピックをやっているどころではない」と述べたのである(NHK記事より)。
長崎知事は二階派だそうだが、やはりまっとうなことを言っている。開催時期は感染の第五波が来ているころかもしれない。そんな状況下、オリンピックをやっているどころではないのである。二階、長崎に続く、常識的な発言がどんどん出てくることを願う。
そういえばちょっと忘れかけていたが、4月6日の報道で、この夏の東京五輪について、「新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機状況から選手たちを守るため」参加しない方針を明らかにした国があった。北朝鮮である。自国のコロナ禍で五輪代表団を海外に派遣する余裕がないから不参加表明したとされているけれども、言っていることは正しい。日本にも堂々と開催中止を表明していただきたい。
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