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自民、「全敗」に危機感 野党は攻勢 衆参3選挙情勢
https://digital.asahi.com/articles/ASP4M6H2JP4MUTFK00F.html
2021年4月19日 19時49分 朝日新聞
候補者の演説を聞く有権者ら=2021年4月11日午後1時7分、広島市南区、上田潤撮影
25日投開票の衆参3選挙について、朝日新聞社は17、18の両日、情勢調査を実施した。与野党が対決する参院広島再選挙と参院長野補選では、いずれも野党側が自民党の候補者に先行する情勢だ。与党側は、候補者擁立を見送った衆院北海道2区補選と合わせて全敗への危機感を募らせる一方、野党側は政権批判を強めて攻勢をかける構えだ。
「選挙はヘッドスライディングのつもりで最後の最後まで戦っていかなきゃならんことだ。大いに関係者の皆さんの奮起を期待する」。自民の二階俊博幹事長は19日の記者会見で、報道各社の情勢調査の結果を受けて、こう語った。
3選挙は、菅政権にとって初の国政選挙で、政権運営の評価が問われる。
自民は、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農林水産相=自民を離党=の辞職に伴う北海道2区補選では「不戦敗」を決定。立憲民主党幹部の急死に伴う長野補選は、野党側が「弔い選挙」を掲げており、当初から苦戦を予想していた。
一方、広島再選挙は、公職選挙法違反の有罪判決が確定した河井案里氏=自民を離党=の当選無効に伴うものとはいえ、ほか2選挙の地盤と比べて支持層が厚く、「最低1勝」(党関係者)の狙いがあった。しかし、「政治とカネ」の影響は予想以上で、官邸幹部は「とてつもない逆風が吹いている」と漏らす。情勢調査を受け、ある閣僚は「3連敗すると政権への影響は免れない」と指摘した。
また、公明党は広島再選挙で山口那津男代表が告示後の最初の週末に広島入りするなど、挙党態勢で臨む。次期衆院選の広島3区で斉藤鉄夫副代表を公認予定で、再選挙の勝利で自公協力を固めたい考えからだ。15日の党中央幹事会では国会議員に可能な限り現地入りするよう指示。石井啓一幹事長は19日、広島市内で記者団に、「横一線。この1週間の戦いで勝敗が決まる情勢だ」と語った。
これに対し、野党は3選挙を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、全勝を狙う。
「選挙は最後の1週間、最後の3日、最後の3時間。後半に行くほどしっかりと戦った方が票を伸ばしていく」。立憲の枝野幸男代表は19日、国会内で開いた党会合で、幹部たちにこう発破をかけた。
野党側は、全勝のカギは報道各社の情勢調査で激戦が伝えられる広島再選挙とみて、力を入れる。枝野氏は告示後に2度あった日曜はいずれも広島入りして支援を呼びかけた。
枝野氏が全勝にこだわる背景には、昨年9月に合流し、衆参150人を超える野党第1党になったものの、伸び悩む立憲の政党支持率がある。枝野氏は「(全勝で)野党に勢いが出てくる」と周囲に語っており、次期衆院選へ弾みをつけたい考えだ。(楢崎貴司、太田成美、吉川真布)
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