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【走る有名人の顔は引きつっている】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) April 3, 2021
聖火リレー 大本営&道の気味悪さ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/QzXwczENn2
※文字起こし
「あまり密にならないようにお願いします」――。有名人ランナーが申し訳なさそうにそう呼びかけるのが、もはや定番だ。東京五輪の聖火リレーは2日、長野県で2日目を迎え、スタート地点の飯田市の小学校で、下條村出身の峰竜太はこう訴えた。
「いろんな状況で五輪を考えると難しいことがあるかも分からないですけど、だから逆にみんなの力でそれを乗り越えて東京オリンピックにつながってほしいなという気持ちでいっぱいです」
さすが、気配りで知られるベテランタレント。各方面への精いっぱいの配慮をにじませたが、たった70メートルをほぼ歩いただけで第2走者に聖火をつなぐと、苦笑い。
笑顔が引きつったまま、だらだらと走るのは峰だけではない。口火を切った福島県の第1走者、旧なでしこジャパンのメンバーをはじめ、有名人ランナーはどこかバツが悪そうだ。
ムリもない。このコロナ禍で五輪開催には世論の8割が「中止」か「延期」を望んでいる。ましてや緊急事態宣言の解除も束の間。もう新型コロナウイルス「第4波」を招き、仙台、大阪、神戸など6市に「まん延防止等重点措置」の初適用が決まったばかり。
コロナ禍で日銭にすら苦労する人々は、この「パンなきサーカス」に憤怒を感じていることだろう。ともる聖火に鼻白む思いを抱く有名人も多いはず。その結果がランナーの辞退ラッシュだ。
それでもトーチを持つ有名人だって複雑な気持ちを抱きながらに違いない。そんな良識をあざ笑うかのように連日、NHKを筆頭にメディアはリレーを盛り上げようと必死である。
沿道に集まれない人々を忘れるな
2日昼の首都圏ニュースでも、NHKは聖火を間近で見ていた、ちびっ子が「うれしいねー」と満面の笑みで喜ぶ姿を映した。幼い子の無邪気な反応に罪はないが、その部分をあえて切り取り伝えるNHKには薄ら寒さを感じる。法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)はこう言った。
「広まる五輪懐疑論を払拭するための道具に『子供の笑顔』を用いているようにしか思えません。NHKにすれば、放送法の定める『公平性』を逆手に取り、大勢の人々が聖火見たさに集まっている“事実”を曲げずに報じただけと反論するかもしれません。ただ、沿道に集える人々は全国民のホンの一握り。聖火リレーとまさに同時刻には、コロナ禍と向き合う医療従事者もいれば、生活苦で五輪どころじゃない人々もいる。政権の最優先課題は『第4波』の封じ込めと伝える一方で、公衆衛生の犠牲リスクがある聖火リレーを無批判に報じること自体、大きな矛盾です。コロナ禍の五輪の『光の部分』だけを伝え、『影』に触れない姿勢は、福島原発事故の爪痕を隠し、聖火ランナーに奇麗になった道だけを走らせた大会組織委員会と変わらない。欺瞞に満ちた聖火報道は、開催機運を高めるためのプロパガンダに過ぎません」
「復興五輪」の大義は名ばかり。「商業主義」に毒されているのは、聖火の行く先々で悪目立ちするスポンサー車両の「どんちゃん騒ぎ」を見れば大いに分かる。
主役のランナーより目立つのは、大音量をカキ鳴らす「コンボイ」と呼ばれる改造車。台上のDJはマスクをつけず「踊って楽しみましょう」と絶叫を繰り返す――。そんな異様な演出を問題視する動画をツイッターの個人アカウントに公開したのは、東京新聞の原田遼記者だ。
傲岸な「魔法」にひれ伏す政権とメディア |
ちなみに東京新聞は、全国紙が軒並み名を連ねる中、大会スポンサーになっていない唯一の大手紙だ。
原田記者はリレー初日の先月25日、福島・南相馬市の県道で動画を撮影。動画は約90万回再生と反響を呼んだが、3日後に削除していた。
その理由について、2日、同紙web版に原田記者は署名記事を掲載。背景には公道で撮影した動画すら規制するIOC(国際オリンピック委員会)の独自ルールがあるという。記事によると、聖火リレーの放送、配信の権利は放映権を持つ事業者(NHKと日本民間放送連盟各社)にあり、放映権を持たない新聞メディアの動画公開は撮影から「72時間」に制約される。
規制を知らされたのは、リレー開始の約1カ月前。制約を受けるのはメディアに限られ、沿道の一般人は無制限に公開しても許される。
腑に落ちないルールだが、あくまで民間組織のIOCは気に入らないメディアを自由に排除できる。「ルール違反」を理由に同紙の全記者が本大会の取材パスを却下されるリスクを考え、原田記者は渋々、動画を削除したようだ。
つまり聖火リレーの放送、配信すら既得権益。NHKと民放連は2024年のパリ五輪までの冬季・夏季4大会の放送権獲得のため、IOCに1100億円も支払っている。NHKが日本相撲協会に払う1場所当たり5億円の放送権料の220倍だ。
民放連の加盟はラジオ・テレビ兼営32社、テレビ95社、ラジオ66社、衛生放送11社。民放キー局から地方のラジオ局に至るまで、絶対に脱落が許されない「護送船団方式」で放送利権を手に入れたのだ。なるほど、無批判な聖火報道のたれ流しには、損得勘定も反映されているのだろう。
それにしても、公道で撮影した動画にまで、なぜIOCが公開の権限を主張するのか。東京新聞の質問に対するIOCの回答には、放送権を付与したNHKと民放連への配慮がうかがえる。中でも、ふるっているのが次の一節である。
〈放送報道は、IOCが世界中でオリンピズムを推進し、人々がオリンピックの魔法を体験するという使命を果たすための主要な手段の1つ〉
ナチスが生み出した伝統を守るのか
いくら高額の放送権料を収めても、日本のメディアは「オリンピックの魔法」を振りまくのに努めろと言わんばかりの傲岸不遜な態度だ。
「それを言うなら『魔法の錬金術』です。居丈高なIOCにひれ伏し、全国紙がスポンサーとなり、NHK・民放連が巨額の放送権料を捻出するのは、錬金術のおこぼれ欲しさ。五輪報道が期待コメントに染まるのも当然で、メディアはずっとIOCや組織委の手先になっています。いやしくも報道機関を名乗るなら、より多角的に聖火リレーを伝えるべきです」(東京五輪関連の著書がある作家の本間龍氏)
菅政権も「魔法」に魅せられている。先月21日の緊急事態宣言の全面解除も五輪ありき。感染再燃の予兆が見えていたのに、4日後に控えていた聖火リレーのスタートと秤にかけたのだろう。
その聖火リレーは、重点措置適用の大阪市が中止濃厚。島根県も中止を検討し、鳥取県も規模縮小の方針だ。同県の平井知事の「多額のお金をかけて東京の価値観でやるよりは地域にあったやり方」「浮いた費用をコロナ対策に使う」は賢明な選択といえよう。
「菅政権の五輪強行は非常識。何としても五輪を政権浮揚につなげたいのでしょうが、その発想はベルリン五輪を国威発揚に利用したナチスに通じる危うさがあります。そもそも聖火リレーはナチスが生んだもの。政治的プロパガンダの側面もあるのです。メディアが歴史的視座を失い、その悪しき伝統を守るための“大本営”になってしまえば、この国を誤らせることにもなりかねません」(須藤春夫氏=前出)
願わくば五輪強行政府とたいこ持ちメディアに、国民はドッチラケ。ますます人心が離れていってほしいものだ。
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