http://www.asyura2.com/21/senkyo279/msg/903.html
Tweet |
空疎な「日米同盟深化」演出で支持率上昇狙う猿芝居の哀れ 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/287276
2021/04/01 日刊ゲンダイ ※後段、文字起こし
1月28日、バイデン米大統領との電話会談を終え、会見する菅首相(C)共同通信社
菅義偉首相は4月8日からの訪米、バイデン大統領との首脳会談を支持率挽回のきっかけにしようと張り切っていて、そのため、尖閣諸島は日米安保条約の適用対象だと米側に口で言わせるだけでなく、共同文書に明記させ、それを持ち帰って「ほら、証文をとってきたぞ」と自慢するという演出を考えているという。
実際、官邸も外務省も、尖閣有事の場合に米軍が必ず自衛隊と共に中国軍と戦うことを約束してくれているかのような印象をつくり出すことに躍起になっていて、昨年11月12日と今年1月28日の菅・バイデン電話会談でも、1月21日の北村滋安保局長とサリバン大統領補佐官との電話会談でも、しつこくこの問題を持ち出してきた。そして今度は紙に書いて持ち帰って、日米同盟が一段と深化したと説明したいのだろう。
「しかしねえ」と自民党の外交通が嘆く。
「尖閣は日本が実効支配していて、もちろん日本の施政権下にある。日米安保第5条は、日本国の施政下にある領域内で、いずれか一方に対する武力攻撃があれば、それを他方の平和と安全を危うくするものと認識し、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処する、とうたっているのだから、尖閣が安保の適用対象であることは、別に大騒ぎしなくても初めから決まっているんですね。そこから先に問題が2つあって、1つは、安保の適用範囲だからといって米軍が自動的に参戦するわけではないということです。絶海の孤島のために中国との全面戦争をも辞さずに出動するかどうかの戦略判断があり、また出動するにしても自国の憲法上の規定と手続きに従わなければならない。
もう1つは、尖閣が日本の施政権下にあることは認めるが、領有権については日中のどちらの主張が正しいとは言わず、それは当事者同士で話し合って解決してくれという立場をとっていて、これはニクソン政権以来変わらない。この2つのどちらか1つでも踏み出させるなら大きな変化だが、ただ分かり切っていることを『紙に書かせるのに成功した』って言うんじゃねえ。まあNHKと読売、産経あたりは『大きな前進』とか翼賛するんでしょうが……」と。
外交経験ほぼゼロの菅が、官邸官僚や外務省の従米派に操られて、こんな猿芝居を演じさせられることこそ哀れである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK279掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK279掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。