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野党共闘なぜこんなに困難?2050年までに原発ゼロは常識 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/287208
2021/03/31 日刊ゲンダイ
自公長期政権の文字通りの「腐敗」は明らかで、今、民心は倦んでいる。
このような時には、次の総選挙で自然に政権交代が起こるはずのものである。
それでも、小選挙区中心の現行選挙制度の下では、鉄の結束を誇る自公の組織票の前に、野党が分立していてはもとより勝負にならない。だから、常に「野党共闘」が追求されてきた。
ところが、4月に予定されている国政3選挙でも、野党はいまだに揉めている。
参院長野選挙区で、候補を擁立した立憲民主党県連が共産党県委員会と政策協定を結んだことに、連合から横ヤリが入った。協定の中に「2050年までに再生可能エネルギー100%を実現し、原発ゼロ社会をめざす」が盛り込まれていることに、電力総連などが反発したとのことである。
これを知って私は、日本は歴史の流れの中で自己改革ができずに滅んでいく元大国なのか? と、心から不安に思った。
米国スリーマイル、旧ソ連チェルノブイリ、そして福島の原発事故を体験して、人類は、原発はもはや「禁じ手」だという教訓を心に刻んだはずである。だから、今、世界中で急速に脱原発政策が推進されている。
わが国も、戦争被爆国、原発事故体験国、かつ、技術先進国として、脱原発技術の最先端を走る能力があるはずだ。にもかかわらず、原発という極めて危険な既得権益にしがみつく人々の発想が、私には理解できない。
加えて、「共産党色の強い政策」に一部労組が反発している……という指摘も、私には理解できない。大企業・富裕層中心の税制や経済政策を庶民中心に転換し、新自由主義の弱肉強食を改め福祉国家を目指し、米国との関係で自律性を高め、中国の専制と覇権主義に反対する……共産党の政策のどこが悪いというのか? 説明してほしい。
政治の使命は主権者国民大衆を幸福にすることに尽きる。それは、国民に自由と豊かさと平和を保障することで実現する。
ならば、総選挙を前にして、野党は、小選挙区での不毛な分立を解消して共産党を含む共闘を組む他に選択肢はないはずである。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)
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