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※週刊FLASH 2021年3月30日・4月6日合併号 紙面クリック拡大
「アベノミクスの立役者」今井元首相秘書官が“没落”の天下り…安倍前首相と企む「再々登板」
https://smart-flash.jp/sociopolitics/135504
2021.03.16 06:00 FLASH編集部 週刊FLASH 2021年3月30日・4月6日合併号
3月4日朝、本誌直撃を受けた今井氏。マスク越しだが、機嫌がよさそうだった
「申し訳ないけど、用はないから」
3月4日の朝、都内の閑静な住宅地に黒塗りのハイヤーが停まった。乗り込むのは、今井尚哉・内閣官房参与(62)だ。本誌記者が声をかけると、冒頭のように話して去っていった。
今井氏は、安倍晋三前首相(66)の秘書官を第1次政権時から務め、さらには2019年9月からは政策企画の総括担当として、首相補佐官も兼務。“安倍晋三の懐刀” として、絶大な権力を振るった。
「今井氏は、安倍政権の看板政策だった『アベノミクス』の取りまとめ役で、『一億総活躍』というスローガンの発案者。官邸には、今井氏の後輩にあたる経産省の官僚たちが幅を利かせ、安倍政権末期の新型コロナ対策での全国一斉休校措置などは、“安倍―今井ライン” で決まった政策でした」(全国紙政治部デスク)
3月2日、今井氏が三菱重工業の顧問に “天下る” ことが明らかになった。ジャーナリスト・須田慎一郎氏は、その背景をこう明かす。
「現顧問の村田成二元経産事務次官もそうなんですが、三菱重工には従来から “経産省枠” がある。とはいえ重工側が、何か具体的なメリットを期待して用意しているポストではなく、部屋と秘書を提供して面倒を見る程度。顧問は、たまに経営に意見するくらいの仕事しかない。
今井氏クラスの官僚なら、本来なら政府系機関のポストが用意されるはずですが、引き取り手はなく、世界的な脱炭素化などで収益力に陰りが出始めている三菱重工くらいしか、行き場がなかったんでしょう」
三菱重工には、女優・北川景子(34)の父・元洋氏が勤めている。元洋氏は4月1日付で、シニアフェロー兼防衛・宇宙セグメント技師長となる、重工の軍事部門のトップのひとり。今井氏と元洋氏は、重役仲間になるわけだ。
「今後、年賀状のやり取りくらいはあるかもしれないけど、元洋氏がいる防衛部門と、今井氏がおもに関わるエネルギー部門とでは接点は少ない。元洋氏が社長になれば、話は別ですが」(経済誌記者)
今井氏は、菅義偉首相(72)から露骨に恨まれていた。
「菅首相に、『よく今井さんを官邸に残しましたね』と尋ねたら、『さすがに断わるだろうと思って、首相になる際に “これからも残ってくれますよね” と今井に聞いた。だが彼は、“残る” と言った。そう言われたら、残さざるを得なかったんだ』と言っていた。
菅首相は、今井氏を参与として政権に残し続ける気は、初めからなかった。官房長官のときに、新型コロナ対策から外されたことを恨んでいたようだから」(ベテラン政治部記者)
経産省の後輩官僚も、手のひらを返しているという。
「うちのOBは民間に天下り、顧問から執行役員などに転じるケースも少なくありません。でも、今井さんは第2次安倍政権の8年間で、経産省の幹部人事に口を出し続けてきました。いまじゃ、今井さんの電話に出ない幹部もいます。
そうした事情が企業側にも漏れ伝わっているから、経産省と不要な軋轢を生まないように、どの会社も今井さんを引き取ろうと手を上げなかったわけです」(経産省関係者)
“陰の総理” とまで呼ばれた男がすがるのは、やはり――。
「今井は、安倍さんの再々登板に意欲を燃やしていて、今でも頻繁に会っていると聞きますよ」(自民党関係者)
運命を左右するのは、仕える “主君” 次第。官僚たちの悲しい性である。
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