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ほぼ真実性なし 朝日新聞はトンデモ本訴訟を続けるべきだ それでもバカとは戦え
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286714
2021/03/20 日刊ゲンダイ
森友加計問題で、厳しい質疑を受ける安倍首相だが(衆院厚労委、=2018年当時)/(C)日刊ゲンダイ
森友学園や加計学園を巡る報道を「虚報」などと書籍で記され、名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社が自称文芸評論家の小川栄太郎と版元の飛鳥新社に謝罪広告と5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
小川は〈朝日新聞がひたすら「安倍たたき」のみを目的として、疑惑を「創作」した〉〈全編仕掛けと捏造で意図的に作り出された虚報〉などと述べていたが、書籍の表題を含め、朝日新聞社が問題視した記述のほぼ全てで真実性は認められなかった。
要するに完全なトンデモ本である。しかしなぜか謝罪広告請求は退けられ、損害賠償の金額もわずか200万円だった。
「小物界の大物」という言葉があるが、小川の場合は「小物界の自称大物」。安倍のヨイショ本をアルバイトで書いたら大金が入ってきたので、のぼせ上がってしまい、自分を「文豪」と思い込むようになった。書いているものはほとんど妄想。作家の高橋源一郎はかつて小川の文章を「便所の落書き」と評したが、その域にすら達していない。要するに迷惑系ユーチューバーの「へずまりゅう」みたいなものである。
本来なら無視すべきゲテモノをここで扱う理由は、現在の出版界の病そのものであるからだ。出版不況が続く中、カネになるならなんでもいいという連中が勢力を増し、いかがわしい鉄砲玉を飼うようになった。すでに報道されているように、この本は自民党が組織的に買い上げている。自民党所属の国会議員に本とともに送られてきた書面には〈ご一読いただき、「森友・加計問題」が安倍総理と無関係であるという真相の普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りたい〉という旨が記されていた(「FRIDAY」2017年11月24日号)。
判決後、小川は〈裁かれているのは私ではありません。日本の言論の自由です〉などとバカなツイートをしていたが、裁かれているのはおまえである。言論の自由は守られるべきだが、小川の文章は言論ではない。公道にクソを垂れ流す自由はない。もっともモラルがない人間にモラルを説いても意味がない。社会を正常に戻すためには、この手のビジネスはリスクが高いことを版元に思い知らせることが必要だ。朝日新聞社は控訴し、5000万円の損害賠償と謝罪広告の請求を続けるべきである。
適菜 収作家
1975年生まれ。作家。近著に「国賊論 安倍晋三と仲間たち」、「ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。
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