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ついに菅首相にNTT接待汚染が飛び火 武田総務相と同じ答弁
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2021/03/13 日刊ゲンダイ
煮え切らない2人(C)日刊ゲンダイ
NTTによる総務省接待汚染が歴代の総務大臣に飛び火。高市早苗・前大臣や野田聖子・元大臣らが釈明と返金に追われる中、煮え切らないのが武田良太・現大臣だ。ましてや、大臣経験者として総務省に絶大な影響力を誇る菅首相にも火の粉が及ぶとみるのは自然ではないか。
◇ ◇ ◇
「個別の事案に答えるのは差し控える」「国民の疑念を抱くような会食や会合に応じたことはない」
参院予算委員会でNTT幹部との会食の有無を繰り返し問われても武田大臣は判で押したような答弁で居丈高にはぐらかす。そのたびに野党が抗議し、審議は中断。武田大臣の国会軽視は甚だしいが、先月16日の衆院総務委では「個別の事案」にきっぱり答弁していた。
菅首相の長男・正剛氏との会食の有無を聞かれ、「ございません」と明言したのだ。ホンの1カ月前の答弁に倣って、武田大臣がNTT幹部との会食の有無をハッキリさせれば、大事な予算審議も紛糾することはない。
その点を12日の参院予算委で、立憲民主党の小西洋之議員に聞かれると、武田大臣は答えない理由を「政治的判断だ」と開き直った。そして再び審議はストップ……。これでは会食の事実を隠しているとみられても仕方がない。
総務大臣はNTTなど通信事業に関する許認可権を握っている。昨年9月29日、NTTがドコモの完全子会社化を発表。同11月11日、通信事業者28社が「公正な競争環境が阻害される恐れがある」と異議を唱える意見書を総務相に提出。しかし、総務省はドコモ子会社化にお墨付きを与え、NTTのTOBは同月17日に成立。その2週間後、ドコモは菅肝いりの携帯電話料金値下げプランを発表と、いずれも武田大臣の在職中の出来事だ。
この間、NTT幹部と会食していれば「手心」を疑われかねない。さらに、武田大臣の頭越しに総理である菅氏がNTT幹部と会食すれば、ますます疑念は深まる。行政倫理に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏が言う。
「菅首相こそ、携帯事業者に『値下げ』圧力を加えた張本人。しかも、第1次安倍政権の総務大臣経験者として、今なお『天領』と呼ばれるほど総務省に強い影響力を持つ。その力があるから、総務省所管の携帯料金値下げを実現できると踏んだわけです。『ドコモ完全子会社化』に『携帯料金値下げ』と2大課題を抱えていたNTTにすれば当然、菅首相の腹を探りたかったに違いありません」
「国民の疑念を招く会食や会合はない」
12日の参院予算委は首相抜きで実施。加藤官房長官は菅首相の首相就任後のNTT幹部との会食の有無を聞かれ、「首相に確認したが、国民の疑念を招く会食や会合はないということだった」と説明した。武田大臣の答弁とまるきり一緒だ。
「疑念を招くか否かを判断するのは国民であり、当事者の自己評価は認められません」(上脇博之氏)
日刊ゲンダイは菅事務所に官房長官時代を含め、NTT関係者との会食の有無を書面で質問したが、締め切りまでに回答はなかった。週明けにはNTTの澤田純社長が国会に招致される。野党議員から菅首相と武田大臣本人を前に会食の有無を聞かれたら、どう答えるのか。注目だ。
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