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ワクチン確保よりGoTo「身内バラマキ」を優先した菅政権の国民軽視
https://www.mag2.com/p/news/488655
2021.03.04 『きっこのメルマガ』 まぐまぐニュース
この国の政権には、「国民の命など二の次」と考える為政者しか存在しないようです。今回のメルマガ『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、新型コロナワクチンの確保よりGoToキャンペーンでの「身内」へのバラ撒きを優先した菅首相を強く批判。さらにワクチン担当大臣の河野太郎氏の無責任極まりない言動を厳しく非難しています。
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ワクチン担当大臣、またまたご乱心?
新型コロナのワクチン接種のクーポン券が届いたら、あなたは打ちに行きますか?それとも、打ちに行きませんか?…と聞いたところで、あまり意味はありません。何故なら、欧米各国に2カ月以上も遅れて、ようやく優先接種が始まった医療従事者でもない限り、日本でのワクチン接種が始まるのは、いつになるかまったく分からない状況だからです。
1月の時点で、世界ではすでに70カ国近くがワクチン接種を開始しており、G7の中で開始していないのは日本だけでした。このことについて菅義偉首相は「日本は全国民分を確保するのは早かった。しかし、日本はいろいろな治験などの手続きの問題で遅れているだけだ」と説明しました。つまり「全国民分のワクチンはすでに確保している。後は治験などの手続きが終わればすぐに接種を開始できる」という説明でした。
菅首相としては、とにかく「日本だけが遅れている」という状況を何とかしないと支持率が下がってしまうため「米国に強く働きかけて2月中と言われていた治験を1月末までに前倒しさせた」と述べてみたり、ツイッターブロック王の河野太郎をワクチン担当大臣にしてみたりと、必死に「やってる感」をアピールし続けました。
しかし、1月20日のこと、NHKが「3月中旬から医療従事者など300万人、3月下旬から65歳以上の高齢者3,600万人、4月以降は基礎疾患がある人などを優先して順次進めて行く」という厚労省の接種計画を報じたところ、ワクチン担当大臣になったばかりの河野太郎が、お得意のツイッターで「うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ」とツイートしたのです。もちろん、あたしは河野太郎からブロックされているので、このツイートは見られません。これはスポーツ紙が報じたものをコピペしました。
うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ。
— 河野太郎 (@konotarogomame) January 19, 2021
厚労省の発表をデタラメと言うワクチン担当大臣、国民は混乱するばかりです。そして、こんなスッタモンダがあった果てに…って、そうそう!若い人は知らないと思いますが、今から26〜27年前のこと、婚約していた宮沢りえと貴花田(現・貴乃花)が破局したと思ったら、その翌年、宮沢りえが「すったもんだがありました」と言うタカラ缶チューハイ「すりおろしりんご」のCMに出て大ウケしました。破局騒動と「すりおろし」をカケたコピーですが、このCMのオファーを受けたことで宮沢りえの人気が回復したのですから、りえママの手腕もなかなかだと思いました。
一方、菅首相にとっての「りえママ」、山田真貴子広報官は、支持率回復どころか足を引っ張りまくりで…って、あ、このままでは完全に脱線してしまうので話を戻しますが、ワクチン担当大臣のご乱心などスッタモンダがあった果てに、肝心のワクチンについて、どうも雲行きが怪しくなって来ました。菅首相は、当初は「全国民分をすでに確保している」と言っていたのに、すぐに「3月までには確保できる見込み」に変わり、しばらくすると「今年前半までには」に変わり、その後は「秋までには」となり、現在は「今年中には」と、二転三転どころか四転五転と変わり続けたのです。
それでは、最初に言っていた「全国民分をすでに確保している」というのは何だったのでしょうか?昨年12月18日付の厚労省の自治体説明会向けのペーパーを見ると「7月31日に米ファイザー社と6,000万人分を基本合意」「10月29日に米モデルナ社と2,000万人分を契約」「12月10日に英アストラゼネカ社と6,000万人分を契約」と明記されています。米ファイザー社は、この時点ではまだ開発途中なので「開発に成功したら」という条件付きのために「基本合意」ですが、他の2社は「契約」と書かれています。
その後、米ファイザー社は開発に成功したのですから「6,000万人分+2,000万人分+6,000万人分=1億4,000万人分」ということで、菅首相の「全国民分をすでに確保している」という言葉は、嘘ではありませんでした。しかし、これらはあくまでも「契約上」の話であって、ワクチンの現物を確保していたわけではありません。日本政府は「契約=確保」という認識だったようですが、ワクチンの生産量には限りがあります。それに、アメリカにしてもイギリスにしても「まずは自国」であって、他国への分は後回しになります。
それなのに、世界ではとっくにワクチン争奪戦が始まっていた昨年の秋、菅首相はワクチンのことなど二の次で、「GoToトラベル」で感染を全国へ拡大させただけでなく、自分の盟友でスポンサーでもある「ぐるなび」の滝久雄会長への便宜で「GoToイート」まで強行したのです。そして「基本合意」のままホッタラカシにしていた米ファイザー社との正式契約は、遅れに遅れて今年1月20日、それも当初は「6月まで」という納品時期が「年末まで」に変更されてしまったのです。
昨年、当時の安倍晋三首相は「感染症が収束し、国民の不安が払拭されてからGoToキャンペーンを始める」という自らの閣議決定を無視し、感染が拡大する中で、7月22日に「GoToトラベル」を前倒しして強行しました。そして、その後の7月31日に米ファイザー社と6,000万人分を基本合意したのです。「ワクチンを確保したから経済政策を進めた」というのなら多少は理解もできますが、この時系列を見ただけで「国民の命よりもスポンサーへの便宜」という自民党政治の実態が良く分かります。そして、こうした「国民の命など二の次」「ワクチンなど後回し」という後手後手の対応が、現在の日本の「とても先進国とは思えない状況」に繋がっているのです。
一方、昨年のうちにネタニヤフ首相自らが米ファイザー社のCEOと17回も電話交渉し、他国より高い値段で買うことを条件に早期確保をしたイスラエルでは、どこよりも早くワクチン接種が進んでいます。昨年12月19日にスタートしたワクチン接種は、車に乗ったまま順番に受けられる「ドライブスルー方式」で、すでに全国民の7割以上が接種を終えています。
イスラエルの人口は日本の10分の1なので、早く進むのは当然ですが、日本のように複数の省庁にまたがる縦割り行政ではなく、「医療保険機構」に一元化された対応がスピードを加速させているのです。2回のワクチン接種が完了した国民には、それを証明するための「グリーンパス」が発行され、イベント会場やスポーツジムなどへ自由に行くことができるようになりました。
こうした政策がうまく進んでいるのも、すべてはネタニヤフ首相による早期の「ワクチン確保」が成功したからです。イスラエルでは、すでに全国民分を確保した上に余剰分まで出始めているため、余剰分の一部を国際的な人道支援に回しました。現時点でイスラエルからの「ワクチン支援」に合意したのは、ホンジュラス、チェコ、グアテマラの3カ国ですが、これは、無料でワクチンを送る代わりに、パレスチナと争っているエルサレムの主権に関して、国際的な場で「イスラエルを支持しろ」という外交目的の支援です。
もしも日本の首相にネタニヤフ首相くらいの政策能力があれば、目先のことしか考えない身内へのバラ撒きキャンペーンなど行なわずに、多少は高くついても昨年のうちに全国民分のワクチンを確保し、どこよりも早く接種をスタートさせることができたのです。そして、余剰分を他国への支援に回すことで、国際的な場で北方領土や竹島や尖閣諸島などの領有権を主張する時に、味方につけることができたかもしれないのです。
そんなイスラエルから2カ月も遅れて、ようやく日本にも2月12日に最初の米ファイザー社のワクチン20万人分が届き、17日から医師など医療従事者のうち4万人への先行接種が始まりました。しかし、今、この原稿を書いている2月28日の時点で、1回目の接種が完了した人数は、わすが2万8,000人だけなのです。3週間後に2回目を打つのですから、さらに時間が掛かります。日本の医療従事者は約470万人ですが、たとえ全員分のワクチンが確保できたとしても、10日間で2万8,000人とスピードで接種していたら、全員に1回接種するだけで1,680日、4年半も掛かってしまいます。
医療現場にいる医療のプロでさえ、これほど時間が掛かってしまうのですから、各自治体にワクチンを送るだけというワクチン担当大臣の「丸投げ方式」では、現場は大混乱になるでしょう。医療従事者の次は3,600万人の高齢者が対象だそうですが、このうち300万人以上は寝たきりで動くことができない高齢者なので、医療従事者が1軒1軒ご自宅や施設などを回らなくてはなりません。
ちなみに、すでに国民へのワクチン接種を始めている国々の進捗状況を調べてみたところ、複数の国を比較できる最新のものは「2月15日付」のデータしかなかったのですが、以下、紹介します。これは全国民の何パーセントにワクチンを接種したかという数字です。
【各国のワクチン接種率】(2020年2月15日付) イスラエル 73.3% イギリス 23.3% アメリカ 16.8% ドイツ 4.9% フランス 4.4% ロシア 3.9% 中国 2.9% インド 0.7% EU全体の平均 4.8% |
イスラエルの人口は約900万人、イギリスは約6,700万人、アメリカは約3億3,000万人、中国やインドは13〜14億人と、それぞれ人口がまったく違います。そのため「何万人に接種したか」という人数ではなく「全国民の何割に接種したか」という割合で比較してみました。
イギリスは、2月15日までに70歳以上の高齢者1,500万人の接種を完了し、現在は50歳以上に接種を進めており、こちらは4月末までに完了する予定です。そして、全国民への接種は秋までに完了すると言っています。ドイツやフランスも9月までに全国民への接種が完了する計画で進んでいます。
これらは、昨年の早い段階から「ワクチンが開発された時のための計画」を綿密に立て、ワクチンの確保から接種まで、政府が一元化して進めて来た国々です。一方、日本政府は、ワクチンの確保ですら代理店に丸投げし、各国がワクチン争奪戦を繰り広げていた時に、せっせと「GoToトラベル」や「GoToイート」で感染拡大に尽力していたのです。
完全に後手後手に回ってしまった日本政府ですが、ワクチン担当大臣の河野太郎は2月6日、米ファイザー社との交渉で「高齢者3,600万人に2回ずつ接種する量を6月末までに各自治体へ配送完了できる」と述べました。しかし、突然、何十万人分ものワクチンが送られて来ても、これに対応できる自治体はほとんどありません。全国の大半の自治体が、ワクチン接種のための会場も人員も不足しており、二転三転する政府の発表に右往左往している状況なのです。またまた殿のご乱心、と言ったところでしょうか。
その上、政府も東京都も未だに7月に東京五輪を開催するつもりで、海外からの観光客まで受け入れる予定で動いています。この時点で正気の沙汰とは思えませんが、もしもそんなことになれば、何万人という医療従事者が海外からの選手団や観光客の検査のために従事させられ、今以上に日本人へのワクチン接種の人員が不足するのです。
無責任な河野太郎は、各自治体へ配送すれば自分の仕事は終了、あとは各自治体の仕事だと思っているようですが、菅首相は「河野太郎規制改革相にワクチン接種担当を兼ねてもらう」と述べたのです。「ワクチン配送担当」ではなく「ワクチン接種担当」なのですから、最後の「接種」が完了するまで責任を持つのが仕事のはずです。国会で居眠りばかりしていて人の話を聞いていないから、こんな小学生でも分かるようなことすら理解できていないのでしょう。(『きっこのメルマガ』2021年3月3日号より一部抜粋・文中敬称略)
image by: 首相官邸
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