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親の顔が見てみたい
https://www.chosyu-journal.jp/column/20380
2021年2月27日 コラム狙撃兵 長周新聞
政治家の子息というのは、余程出自を隠していない限り、どこの世界へ行っても「○○の息子」と呼ばれ、それ自体、人によっては相当に息苦しい立場であろうと思う。親から切り離れたいと思っても、善くも悪くも「○○の息子」という評価がつきまとって他人の目線に晒され、自身の努力や能力如何に関わらず、そのような目線で周囲は見てしまうからである。成人しようが、40代、50代になろうが世間にとっては「○○の息子」であり、いつまで経ってもそんな親あっての自分という見られ方をすることについて、当人たちはどのような思いを抱いているのだろうか? と素朴に思う。
自分は自分であって、鬱陶しい呪縛から解き放たれたいと葛藤しているなら、それは一人の成人として自立し、別人格である自らの力で生きたいと願っている点でまともだと思う。仮に政治家でなく親が社会的功績のある素晴らしい人だったとしても、素晴らしかったのは親であって自分ではない! ときっちり分別できている人もそうだと思う。しかし逆に、親の立場や権力に寄生して、20歳過ぎてなお「うちのお父さんは!」「○○の息子です(娘です)!」なんていっている者、そんな出来上がった権威に寄りすがっていないと誰からも相手にされないような者は、余程親離れできていない甘ったれか、すねかじりであろうと思う。だって、それって恐らく、親あっての自分であることを当人が受け入れているし、自らの無能さを一番分かっているのである。なにがしかの権威に乗っかるというのは、そのように傍から見ていて見苦しいものがある。
さて、前置きが長くなったものの、菅義偉の長男である東北新社所属の菅正剛は紛れもなく後者なのだろう。総務省の官僚たちを接待漬けにしていたとかで、またしても自民党の身内びいきの酷さや、官僚たちの腐敗と忖度癖が世間に晒されているではないか。BSやCSといったテレビのチャンネル利権を維持するために、時の総理大臣の息子が監督官庁である総務省の幹部官僚たちをくり返し接待していたというから、今時よくもこんな露骨なことができたもんだと逆に驚かされる。親父が総務大臣を務めていた際に総務大臣秘書官をやり、親父が総理大臣になったもとで、思いっきり息子の立場をフル活用して総務省官僚たちを囲い込み、利害を求めているのである。モリカケ桜と同様、今や自民党のお家芸といっても過言ではない特技・私物化の最たるものだろう。一方でそれに対して、組織ぐるみで「ゴチになります」をやっていた総務省官僚たちの、公務員倫理規定などどこ吹く風の実態についても唖然とするものがある。
憲政において、それまでがまるで潔白だったわけでもないだろうし、大なり小なり権力者の身内びいきなどあったことは容易に想像がつく。ただ、第二次安倍政権の発足からこの方に発覚してきた事案ときたら、一方で大企業や多国籍企業にとっての天国、すなわち国民にとっては地獄のような社会に導く傍らで、コソコソとオトモダチに国有地を実質無償で分け与えたり、“男たちの悪巧み(by安倍昭恵)”であったり、コソ泥のような私物化案件が多すぎやしないかと思う。こうして天下国家を司っている為政者によって“公”がないがしろにされ、もっぱら特定の権力を持つ者やその界隈の魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちが“私”の利害にありつこうと跋扈(ばっこ)しているのである。さながら霞ヶ関が白蟻(むしろ真っ黒蟻か?)に蝕まれているような光景である。
「菅義偉の息子」にとって、親を選べない以上息子ポジションはどこまでもつきまとうのだろうが、むしろもっけの幸いで利害獲得に立場を利用しているところが悪質である。そして、そのような子どもを育てたのは、ほかならぬ菅義偉なのである。「親の顔が見てみたい」と思う人は、菅義偉の顔に滲み出ているものを彼が歩んできた人生の履歴書と思って凝視したらよいと思う。
吉田充春
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