★阿修羅♪ > 近代史7 > 641.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ( Dmitrii Dmitrievich Shostakovich, 1906 - 1975)
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/641.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 08 日 09:24:34: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ロシアの作曲家 投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 06 日 16:06:32)

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ( Dmitrii Dmitrievich Shostakovich, 1906 - 1975)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81


20世紀生まれの唯一のメジャーな大作曲家。

戦中戦後のロシアの悲劇を連想させる現代的な社会性を音楽芸術として昇華させつつ、古典的な形式であり、和声も歪んではいるがとっつき易いのが人気の所以か。
スケールが大きく深刻でシリアスな本格的なところが魅力である。一方で軽妙でシニカルさが魅力の曲も多い。
ただ個人的には、頭の中だけで書いたような機械的な書法に感じたり、わざとらしい作り物の盛り上げ方が気になる時がある。

交響曲
交響曲第1番 ヘ短調 作品10 (1925年)
3.5点
19歳の作品で、音に純朴さはあるがセンス抜群で非常によい。後年のひねくれたセンスや国家的なものとの戦いの要素がまだなく、精神的深さは無いものの彼の音感が原石として現れており、それが素晴らしい。

交響曲第2番 ロ長調 作品14 「十月革命に捧ぐ」 (1927年)
3.5点
前衛的な一楽章もの。短くて聴きやすい。ウルトラ対位法の部分はもの凄く面白い。だが最後の暑苦しい合唱はいやになる。1番ほどの感動は無いが、音楽としての充実と楽しさは上である。

交響曲第3番 変ホ長調 作品20 「メーデー」 (1929年)
3.5点
後年のショスタコらしさがかなり現れている。後年に見られる同じ音型を一定時間繰り返すことをせず、きびきびと次に展開していくのが非常に好印象でかなり良い。内容が濃い。

交響曲第4番 ハ短調 作品43 (1936年)
3.5点
1楽章はマーラー的なスケールの巨大な音楽。展開部の超高速のフーガは狂気にも程がある。マーラーのようなオーケストラの酷使と、ゴツゴツした荒さと、素材の乱暴な扱いによる取っつきにくさが魅力。2楽章もスケルツォも3楽章も同様の印象である。5番以降のように器用に整理されておらず、生々しい、未整理の"音のるつぼ"であるのが大きな魅力であると同時に、聞きにくく分かりにくい欠点にもなっている。

交響曲第5番 ニ短調 作品47 (1937年)
5.5点
純音楽的に優れているという点ではショスタコーヴィチの最高傑作だと思う。特に1楽章と3楽章は非常に出来がよい。他の交響曲の深い精神世界を知ってしまったファンは、この曲を浅く感じるので最高傑作と呼ばないかもしれないが、初心者にはやはり真っ先にお勧めしたい。

交響曲第6番 ロ短調 作品54 (1939年)
4.0点
1楽章はマーラーのようなゆったりした時間の流れで、大河的な巨大なスケールで叙情的に沈鬱な表情で世界の悲劇を嘆くような、非常に秀逸な楽章。2楽章は1楽章を受けた軽くて気分転換できる良い曲。3楽章は表面的な音楽でいまいちなように感じられるが、裏に皮肉や偽善を隠しているのに着目すると天才的と感じる曲。

交響曲第7番 ハ長調 作品60 (1941年)
4.5点
派手にドンチャン騒ぎする曲。確かに浅いから「壮大な愚作」という評価はしっくりくるものであるが、とはいえ大河的、国家的な壮大さを表現できており、やはりよい曲といえると思う。特に1楽章の中間の部分や3楽章は優れていると思う。

交響曲第8番 ハ短調 作品65 (1943年)
4.0点
純音楽的にはすこし冗長さが感じられたり響きの多様性や発想力が5番より劣る気がするが、精神的な深さとドラマ性では上回る。

交響曲第9番 変ホ長調 作品70 (1945年)
3.0点
この曲は第九なのにスケールが小さく肩すかしを食わせた曲として有名だ。自分は率直に言ってどう聴いたら良いのかよく判らない。いつもの精神的重さが無いが、それを代替する何かがあるかというと、センスが特別に良いとは思わないし、思い当たらない。交響曲と呼ぶのに必要なものが足りない気がする。交響的な組曲を聴く位の気分で気軽に接するのが正解だろうか。一応後半は何故かいつもの交響曲らしさを少しみせたりするが。

交響曲第10番 ホ短調 作品93 (1953年)
4.0点
古典的な均整の取れた4楽章制であり、内容も正統派の力作。古典性を備えた交響曲としては最後の作品集。8年経ち久しぶりの交響曲として気分一新で書いた事が伺える。スターリン時代の人々の苦悩や暴力が国家的なスケール感をもって見事に描かれているし、表面的な表情の裏では別のことを考えていそうな多義性もある。ただ、ショスタコーヴィチが狙っているその通りに音楽が進みすぎるような、作り物っぽさをどこかに感じる。

交響曲第11番 ト短調 作品103 「1905年」 (1957年)
3.5点
キリキリと音楽のテンションを高めたり沈鬱な音を鳴らして精神的なものを表現する感じが薄い、描写的な音楽。映画に使えそう。描写的なので音楽として楽しく聴ける。異常なテンションの高さが現れないので長い曲だが聴いていて疲れずまったり楽しめてよい。

交響曲第12番 ニ短調 作品112 「1917年」 (1961年)
2.5点
13番と共通するエグい音が散見される。あまり精神的な深い世界を描いていない描写的な交響曲だが、同じように扱われる11番ほど音の密度が濃くなく説得力がない。音だけではよく分からず曲の世界にのめり込めない。

交響曲第13番 変ロ短調 作品113 (1962年)
3.8点
全5楽章。バスの独唱と合唱のみであり、特に読経しているかのような単一声部の男声が暑苦しくも凄い迫力で印象的。大河的で圧倒的に巨大で骨太な音楽であり、歴史の闇を生々しく描き真正面から告発するような内容である。オーケストラは低音を使いドーンとかグワーンと鳴らされるのが、読経のような合唱とあいまって東洋的に感じる。異様な迫力と生々しさと巨大さは4番と並ぶ。最大限に深刻な1時間の音楽を緩みなく作りきった精神力は感服するが、純粋に音楽として評価すると、曲の雰囲気があまり変わらず、楽想のバラエティーの豊さはショスタコービチの交響曲の中で一番少ないと思うため、力作だが名曲というには少し足りない。

交響曲第14番 ト短調 作品135 (1969年)
3.5点
全11楽章の歌曲の交響曲。晩年の不思議な美しさが顔を見せている。13番同様に力作である。マーラーの大地の歌同様に体裁は交響曲ではないが内容の充実と有機的なテーマの関連性とつながりがあるので交響曲と呼ばれることに違和感は無い。久しぶりに歴史や国家から離れて個人の世界がテーマになった曲。バラエティーと変化に富むので聴きやすい。

交響曲第15番 イ長調 作品141 (1971年)
3.0点
様々な楽曲の引用で彩られたショスタコ流の人生回顧曲。ここでも歴史や国家のテーマは感じられない。曲の不思議な明るさと無邪気さには童心回帰を感じる。後半は音が薄く虚無感がある。謎めいた夢の中に帰るような終わり方は素晴らしい。しかし全体としては名曲とかの類ではないと思う。
弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 作品49 (1938年)
3.0点
明朗で爽やかな印象が強く分かりやすい。とはいえ諧謔などショスタコらしい要素は詰まっている。ちゃんとした音楽を充実した内容で書くという自信を感じる。

弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68 (1944年)
2.5点
2次大戦中の曲で、大作。一楽章は少し変わった雰囲気でショスタコじゃないみたい。二楽章以降はなかなか本格的で重い。精神的にもなかなか深いものを表現している。ただ音楽の素材は彼の中の一級品は使ってないと思う。

弦楽四重奏曲第3番 ヘ長調 作品73 (1946年)
3.5点
交響曲8番と共通する悲劇的で深い世界を表現している。中期の交響曲群に匹敵する重さと響きの質の高さを持った作品。

弦楽四重奏曲第4番 ニ長調 作品83 (1949年)
2.5点
悪くはなく所々いい場面があるのだが強い印象は無く地味。曲の素材が一級品でなく二軍を使ってる。

弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 作品92 (1952年)
3.0点
アダージヨが美しい名作で心惹かれた。その流れで三楽章も楽しめた。最後の場面はショスタコ得意のパターンとはいえ美しい。

弦楽四重奏曲第6番 ト長調 作品101 (1956年)
2.5点
ショスタコの四重奏にしては全体が快活な雰囲気でまとめられており聴きやすい。

弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 作品108 (1960年)
2.5点
短い作品で、ショスタコ節を鳴らして終わる普通の曲。

弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110 (1960年)
3.5点
激情にかられて一気に書いたという逸話に納得の内容。彼の熱い思いがみなぎるテンションに圧倒される。

弦楽四重奏曲第9番 変ホ長調 作品117 (1964年)
3.0点
ショシタコらしい音がして、バラエティー豊かで内容は豊富でバランスが取れているという点で聴きやすい。

弦楽四重奏曲第10番 変イ長調 作品118 (1964年)
3.0点
交響曲のような発想が所々あり、力強い楽章などそれなりに聞き応えがある。

弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122 (1966年)
3.0点
ダークで殺伐とした静かな後期の世界が展開される。複雑怪奇なフレーズは少ない。夜の闇の静けさの中で事象が発生しはるか遠くに消えていくかのようである。

弦楽四重奏曲第12番 変ニ長調 作品133 (1968年)
3.5点
歯止めの利かないクレイジーさはベートーベン後期のようだ。二楽章はしつこく繰り返される動機が妙に印象に残り、その間を自由で即興的で異様な内容の音楽がつないでいく。やけに即物的な音楽であるが、それがいい。後期四重奏の魅力を強く感じられる。

弦楽四重奏曲第13番 変ロ短調 作品138 (1970年)
3点
リズムがなく、もはや観客の視点も無い。暗闇の中で何かが唸っているような、自然の中の何かの現象が発生しているような曲。構成感も希薄で現代音楽のよう。雅楽のような虚無の使い方。ショスタコにしてはやり過ぎではないかとも思うが、割り切って聴けば悪くない気もする。
弦楽四重奏曲第14番 嬰ヘ長調 作品142 (1973年)
3点
1楽章はヘンテコで正直どう感じればいいのか分からない。二楽章はやたら分かりやすい、そして分かり易いと自然と感情移入できるというのを実感する。三楽章も自由だが割と音楽になっており理解は可能。

弦楽四重奏曲第15番 変ホ短調 作品144 (1974年)
3点
全編アダージョの長い曲だが、音楽的に充実していて飽きることなく最後まで聴ける。後期の四重奏の中で一番聴きやすい。ヴィオラソナタのように最晩年らしい特別な感情や世界が展開されてる感じではなく、ただただ叙情の世界である。

弦楽のためのレクィエム 作品144bis(原曲は第15番)


管弦楽曲・吹奏楽曲
タヒチ・トロット (1928年)
3.5点
ヒットソングの編曲で、45分でオーケストレーションしたらしい。なかなか洒落ていて色彩的で愉しい編曲で面白い。何しろ原曲が秀逸である。

ジャズ・オーケストラのための第1組曲 (1934年)
3.5点
いわゆるジャズに分類される音楽ではないが、今でも耳にする事があるようか古いバンド向けお洒落音楽ではある。線を繋げて構成するショスタコーヴィチの柔軟さが生かされている。洗練度は微妙だが、クラシック専門作曲家にしてはセンスがよい。奔放な発想力が凄い。

ジャズ・オーケストラのための第2組曲 (1938年)
2.5点
ブラスバンド用もしくはディズニーランドで流れているような音楽のよう。ごくありきたりの音楽であり、悪い曲ではないがショスタコーヴィチ作曲である附加価値は何も無い。なお、いわゆるジャズ的な音楽ではない。この曲の本来の題名は舞台管弦楽のための組曲であり、誤って「第2番」として知られてしまっているのだそうだ。

荘厳な行進曲 (1941年)

バレエ組曲第1番 (1949)
3.5点
非常に軽妙な舞台音楽の再編集による組曲。よくある音楽にショスタコーヴィチらしい味付けがされており、作曲者の個性がちゃんと発揮されている。センスがかなり良いし表情豊かで1曲ごとにちゃんと個性があるので、心底楽しい気分で聴ける。いつもの深刻なショスタコーヴィチとは全然違う一面がみれる。この曲集は1曲が非常に短いので聴きやすい。

バレエ組曲第2番 (1951)
3.8点
2曲目に独奏チェロを使用した7分程度のアダージョがあるのが特徴。アダージョといっても軽くて楽しい気分で聴けるものである。そのような楽しい曲を書けたショスタコーヴィチのセンスに驚く。その他の曲は1番と基本的に似ていて、同様に楽しめる。4曲目のトランペットの独奏によるロマンスは昭和の歌謡曲のようで面白い。そして非常にいい曲。

バレエ組曲第3番 (1952)
3.0点
この曲集もやはり個性豊かで聴いていて楽しい曲の集合である。しかしながら、曲にありきたりな感が増している印象をうけた。はっとするような感動や感心してしまうような場面が少なくて、よくある音楽にわずかな一捻りを入れただけの曲ばかりと思ってしまった。

バレエ組曲第4番 (1953)
2.8点
3曲しかなくて1曲が3から5分程度と長いのが特徴。どれも普通の曲であり、あまり特徴が無いので面白いと感じなかった。他のバレエ組曲同様に軽快ではあるが、軽やかさが少ない。

祝典序曲 (1954年)
2.5点
ファンファーレ吹きまくりのノリノリの曲である。生で聴いたら楽しそうだが、CDで鑑賞する場合にはそれほどいい曲ではない。

交響詩「十月革命」 (1967年)
2.0点
耳に残るものがなくつまらない。交響曲の中の一つの楽章だと評価が変わるかもしれないが、単品の曲としては評価できない。

交響的哀悼前奏曲 (1967年)

「緑の工場」のための序曲

ソヴィエト民警の行進曲(1970年)
2.0
吹奏楽曲。普通のマーチ。少しだけショスタコ風ひねりがある程度。

ロマンス『春よ、春よ』Op128
2.0
断片的な歌曲。歌詞も分からないのにわざわざ聞くほどのものでない。


協奏曲
ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35 (1933年)
3.5点
弦楽合奏のピアノ協奏曲だけでなく、所々にトランペットの効果的な彩りが入っているのが楽しい。重音が少なく軽快に駆け巡るピアノ書法と伴奏が良くマッチしている。軽くて楽しい曲だが適度にシニカルさが混入して表情豊かになり、聴き映えのある仕上がりになっている。

ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 作品102 (1957年)
3.0点
1番以上に軽快な曲であまり深い内容はありそうにない。聴く側も気楽に娯楽音楽を聴く気分で接すると良さそう。駆け巡るようなピアノ書法や2楽章の叙情性は楽しい。

ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77(99) (1948年)
3点
交響曲以上に暗くて分厚くずっしりと重たい感じのする曲。本格派だが、暗すぎて気分が乗らないと聞いていて滅入ってしまう。しかも一楽章と三楽章が両方そう。カデンツァ長すぎ。アップテンポの楽章も耳に心地よくない。

ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調 作品129 (1967年)
2.0点
どの楽章も魅力や光るものが無いと思う。美しさや感動もなく、耳に痛いギシギシとしたヴァイオリンが続く。

チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 作品107 (1959年)
3.0点
1楽章は同じ音型を繰り返すだけの行進曲で前奏曲のようなイメージ。二楽章は長くて叙情的でなかなか美しい音楽。三楽章は二楽章の続きでまるまる楽章全部がカデンツァ。四楽章はコンパクトな締めの楽章で悪くない。早い楽章は小品で、緩徐楽章がメインの曲。

チェロ協奏曲第2番 ト短調 作品126 (1966年)
3.0点
アダージョで始まる。長大で内省的にせつなく歌い続けるのはチェロの魅力を生かしてる。二楽章は短く活動的で、三楽章は長大で中庸なスピードや内容だが、重くないサウンドで飽きずに楽しめる。最後が交響曲15番と似たような終わり方なのが面白い。

室内楽曲
弦楽八重奏のための2つの小品 作品11 (1927年)
3.5点
二曲とも豊富な声部を面白く活用して興味深い音楽を作っている。聞き応えあり。

チェロ・ソナタ ニ短調 作品40 (1934年)
2.5点
静かで叙情的な1楽章と3楽章が長大で曲の中心になっている。分かりやすい歌うような部分は多いが、すぐに皮肉な捻りが入り落ち着かない。暗いような明るいようなはっきりしない場面が続く。2楽章と4楽章は割とはっきりしており聞きやすい。全体に心への響きが弱い。

ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57 (1940年)
4.5点
交響曲5番と同様に、観念的な精神性にも娯楽性にも偏らず、正統的で純粋な音楽的内容の豊富さとレベルの高さと密度の濃さが特徴。交響曲以上の内容の豊富さであり、大変に聴き応えがある。しかも真実味に溢れ、交響曲のように余計なエンターテイメント性に気を使う必要も無く内容に注力出来ている。ショスタコーヴィチの最高傑作候補の一つ。

ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 作品8 (1923年)

ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 作品67 (1944年)
3.0点
1楽章と3楽章の追悼音楽の雰囲気が印象的。全体にとっつきにくく、心地よさを拒絶しているような内容で、メロディーがはっきりせず耳に残らない。4楽章は夜の墓場のようなおどろおどろしい雰囲気は悪くないが、曲が長すぎる。

ヴァイオリン・ソナタ ト長調 作品134 (1968年)
3.0点
1楽章は4度を主体にした虚無的な音楽がひたすら続きよく分からない。2楽章はかなり激しいピアノとヴァイオリンの絡み合いで、分かりやすさはある。3楽章は無調に近い響きでバルトーク的な狂気の世界の変奏曲。この曲はいろいろとやり過ぎで、力作ではあるが聴くのがしんどい。

ヴィオラ・ソナタ ハ長調 作品147 (1975年)
4点
最後の作品。静謐さと絶望をたたえている。世界が凍っていくような不思議な感覚は胸に迫るものがある

弦楽四重奏のための2つの小品 (1931年)
3.0点
1曲目はなかなかいいけど2曲目はいまいち。

ヴァイオリン・ソナタ(1945年に着手したが未完)
4.5点
最後の作品。静謐さと絶望をたたえている。世界が凍っていくような不思議な感覚は胸に迫るものがある。催眠にかけられて深遠の暗闇に引き込まれるような不思議な感覚を覚える。そんな両端楽章にあって、2楽章のスケルツォも骸骨の踊りのようであり、刺激の点で効果的に機能している。3楽章の月光ソナタのオマージュ部分はあまりにも儚く美しく、最後はベートーヴェンを使ったという事実に想いを馳せると胸を打たれる。

3つのヴァイオリン二重奏曲
2.5点
自分で演奏したら楽しそうなオーソドックスで分かりやすい小品。

合唱曲
オラトリオ「森の歌」 (1949年)
3.0点
ショスタコーヴィチにしては単純で分かりやすすぎると共に、演出が豪華で派手な合唱曲である。骨太で大地のような巨大なスケールであり聴き映えはする。本人の意図に反した保身目的の曲という歴史的興味を引く曲であるが、内容が表面的でありいつものエグさがないので物足りない。

カンタータ『我が祖国に太陽は輝く』
3.5点
少年合唱は使い方をはじめ、いかにもという感じのコテコテのプロパガンダ曲で、そういう音楽としては楽しめる。

バラード「ステパン・ラージンの処刑」(1964年)
3.5点
迫力満点。目の前で歴史的な事件が起きているかのような臨場感である。ショスタコがこのような政治や国家の関係する劇的な叙事曲を書かせたら圧倒的に凄いと再認識。交響曲に匹敵する重量感。

バレエ音楽
黄金時代 (1930年)
3.5点
黄金時代の組曲で聴いた。ショスタコ節がすでに確立しかかっている。

ボルト (1931年)

明るい小川 (1935年)

お嬢さんとならず者 (1962年)


ピアノ曲
5つの前奏曲(1921年)

3つの幻想的な舞曲(1925年)
3.0点
1分程度の小曲が3曲。すぐにサティーを思い出すような、フワフワしてアンニュイで幻想的な曲。

2台のピアノのための組曲嬰ヘ短調(1925年)
3.0点
初期の曲であり、まだロシア的なロマン派の香りが漂い和声に歪みが少ないが、新しい20世紀らしい音楽へと踏み出してもいる。輝かしい神秘的な響きが多いのが目新しく感じる。スケール感があり音が分厚く発想は豊かであり、2台のピアノ用組曲としては聴き応えのあるものである。

箴言
3.0点
古代からの不思議な伝承物を連想させるような謎めいた音楽。何かの暗号のようだ。即物的に聞こえる瞬間も多い。嫌いではないが、どちらかというと実験音楽のたぐいだろう。

ピアノ・ソナタ第1番(1926年)
3点
前衛的であり2番とは大きく異なる世界の曲である。

ピアノ・ソナタ第2番(1943年)
3点
多楽章のピアノ・ソナタとしては唯一の作品である。ソナタ形式の得意なショスタコーヴィチにしては残念である。この曲はショスタコーヴィチならばこれ位書けそうという予想の範囲を超えるものが無く、曲としてはまとまっていて規模も大きいのだが、形式にはまりすぎであり驚きの無い作品である。

24の前奏曲(1933年)
2.0点
1曲の長さは短い。24の前奏曲とフーガと同様の24曲の曲集ではあるが、こちらはかなり地味で各々の曲の特徴も薄く、聴いているとどんな曲か把握出来ないままに次の曲に移ってしまう感じである。よく聴くとショスタコーヴィチらしい風味がある音楽ではあるのが分かるものの、地味すぎて楽しめないというのが率直な感想である。

24の前奏曲とフーガ(1952年)
4.5点
1曲目が大変素晴らしくて、一般化された精神の深みをバッハのように音楽で体現し、心をノックアウトする音楽。
2曲目はパラパラとしたバッハの影響が強い雰囲気
3曲目はフーガがかなりバッハっぽく、前奏曲はショスタコーヴィチによくある雰囲気。
4曲目は悲しくエモーショナルで心を動かされる。
5曲目は前奏曲はエモーショナルでフーガは個性的な主題と、どちらも面白くて良い曲。
6曲目は暗い情熱が素敵。フーガはやや長すぎる。
7曲目は分散和音をテーマにしているのが面白い。
8曲目は虚空をさ迷うような前奏曲はいいが、長すぎるテーマのフーガはアイデア倒れ。
9曲目はユニゾンの曲でショスタコーヴィチ節全開すぎるし、フーガの押せ押せは面白いが刹那的すぎる。
10曲目は前奏曲も悪くないし、ロマンチック的情緒のフーガが割と良い。
11曲目は間奏的な軽いスケルツォの前奏曲と、軽くてあまり印象に残らないフーガ。
12曲目は、オクターブの重厚な低音が悲劇的な前奏曲も、耳を突き刺すようなフーガもともに力作。
13曲目は前の曲の流れをうけて静寂と平和を静かに望むような雰囲気が良い。
14曲目は前奏曲はムソルグスキーを彷彿とさせるグロテスクさ。フーガは普通。
15曲目はシニカルな前奏曲も良いが、前衛的で複雑な押しのフーガが圧倒的。
16曲目は黙示録のようなフーガがすごい。捕らえ所のないテーマが延々と薄い音とボソボソとした独白で続けられる。
17曲目は様々な色の絵の具を混ぜたような、複雑で何にも帰属できない雰囲気が面白い。
18曲目は普通だが、フーガのテーマに泣きが少し入ってる。
19曲目は謎めいたフーガが印象に残る。前奏曲も捉えにくさがある。
20曲目は静謐な曲で特にフーガの途中からは印象が弱い。
21曲目は軽快で気分転換できるが、だんだんひねくれてしまう。
22曲目は曙光のような薄暗さの中にいるような曲で雰囲気は好き。
23曲目は曲集の終わりに近付いた清々しさを表現した曲で心地よい。
24曲目は壮大に曲集を締めていて、十分な出来になっている。

全体にショスタコーヴィチにマッチした形式であり、ピアノ作品の代表作である。彼の音楽の類い希な普遍性が非常に良い形で現れている良作。24曲の表情は様々であり、多様な表現を見せている。

2台のピアノのための小協奏曲(1954年)
3.3点
多くの部分が伴奏とソロに別れており、協奏曲として楽しめる。ピアノ協奏曲としては他の曲と同様に軽い駆け巡るピアノが楽しめる曲になっている。


https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史7掲示板 次へ  前へ

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史7掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
近代史7掲示板  
次へ