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ロシアの作曲家
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投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 06 日 16:06:32: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: クラシック音楽の名曲 - youtube動画 投稿者 中川隆 日時 2021 年 11 月 09 日 00:55:43)

ロシアの作曲家  

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コメント
1. 中川隆[-14709] koaQ7Jey 2021年12月08日 08:37:12 : SJtHPiXsUc : Sm45S0QzRkFPMFE=[32] 報告
ロシア(1889年まで) - クラシック音楽 一口感想メモ
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29

ミハイル・グリンカ(Mikhail Ivanovich Glinka、1804 - 1857)
歌劇 ルスランとリュドミラ(1842年)序曲

ツェーザリ・キュイ(César Cui, 1835 - 1918)

アレクサンドル・ボロディン(Alexander Porfir'evich Borodin, 1833 - 1887)
管弦楽曲
交響曲第1番 変ホ長調
2.5点
作曲技術は十分に成熟している感じがあり、未熟な習作という感じではない。しかしながら、どの楽章もインスピレーションに乏しくて地味。印象に残る場面がないまま型にはまった音楽が流れて、時間が過ぎていく。ボロディンの個性も感じられなかった。

交響曲第2番 ロ短調
3.8点
1楽章はとにかくイントロのエキゾチックな強烈な主題のインパクトが大。一度聴いたら忘れられない。その主題を有効活用しながらチャイコフスキーに匹敵するほどダイナミックに展開する楽しめる楽章。2楽章は佳曲だが、1楽章のようなインパクトは無い。3楽章は漆黒を感じさせる雰囲気のなかで、うねるように表情を変える情景描写が素敵。4楽章は軽く感じられて、この曲の弱点に思われた。

交響曲第3番 イ短調(未完)
3.3点
1楽章の孤独感のようにも感じられる陰りが印象的。しかし、2楽章はそのようなものはなく、活発で密度の高い曲である。2つの楽章はともにロマン派の交響曲として十分な完成度と魅力がある。したがって、未完成のまま亡くなってしまったのが残念だ。まとまりがある状態で終わっておらず、完全に中途半端であり、非常にもの足りない。

交響詩 中央アジアの草原にて
3.5点
ボロディンらしいエキゾチックな旋律を活用した佳曲。広々とした草原、草や生き物の匂い、風の吹く草原と人々をよく表現しており、本当にコーカサスに旅行したような気分になれる。

小組曲
3.5点
オリジナルはピアノ曲。クラズノフ編曲の管弦楽版で聴いた。チャイコフスキーのような愛らしさと躍動感にあふれた良作。強い印象にこそのこらないが、かなり楽しめる作品。小曲7曲。これは掘り出し物だと思った。

イゴーリ公からの組曲
3.8点
有名な韃靼人の踊りを含む3曲を組曲風にした作品。オリジナリティと強い創意を感じる説得力の強い音楽である。舞台音楽らしい華やかさを基本に据えながら、メロディーの面白さ、アジア風味の楽しさ、ダイナミックさのあるオーケストラの使い方などの要素も入れており、ボロディンの才能の豊さに感心する作品となっている。

室内楽曲
スペイン風セレナード

弦楽四重奏曲第1番 イ長調

弦楽四重奏曲第2番 ニ長調

モデスト・ムソルグスキー( Modest Petrovich Mussorgsky, 1839 - 1881)
管弦楽曲
交響詩「禿山の一夜」

ピアノ曲
組曲「展覧会の絵」
5.5点
どの曲も強靭な発想力と独特の土臭さと色彩感が両立していて大変面白い。組曲としてのまとまりやプロムナードの変奏など曲集としての全体の構成感も大変素晴らしい。捨て曲なしであり、間奏的な作品はあるものの、名作揃いである。最後のキエフの大門の圧倒的なフィナーレには感動してしまう。ロマン派のピアノ用組曲としては圧倒的な出来だと思う。ラヴェルの華麗な編曲も素晴らしいが、より土着的でグロテスクさもあるピアノ版が自分は好みである。

ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov, 1844 - 1908)
交響曲
交響曲第1番 Op.1(1861年-1865年/1884年) ― 第1版は変ホ短調、改訂版はホ短調
3.3点
シューマンの音楽の進め方の手際の良さや硬めの響きにロマン的香りを封じ込める点が似ていて、手本にしたのがよく分かる。しかし、ロシア的な開放感と大地の広さとスラブ的な音像はあり、オリジナリティを感じる。作曲年代をみると元は若書きだが、円熟してから改作されておりオーケストラの充実感などは壮年らしいものになっている。まだロシア音楽が完全に確立していない折衷の感じがなんとも微笑ましい。形式的すぎて深みに乏しいが、なかなか良い曲である。

交響曲第2番「アンタール」Op.9(1868年/1875年/1897年) ― 1897年版で交響組曲に改められる。
3.3点
中東的な旋律、華やかで開放感がある雰囲気など、シェヘラザードと強く類似する曲。交響曲的でなく、交響詩の連作に近い。物語性が少ないのと、旋律に強く心をとらえて離さないほどのものはないため、シェヘラザードより1.5ランク落ちるとは思う。しかし、それでも娯楽性が高くて充分に楽しめる曲になっている。

交響曲第3番 ハ長調 Op.32(1866年/1873年/1886年)
3.3点
シリアスで構築的な交響曲。がっちりとした骨格の太さが印象的だが、一方で伸びやかさには欠ける。それでもリムスキー=コルサコフらしい華があるのが良いところだが、あまり焦点が当たらない。かなりドイツ的であり、ドイツ音楽が好きな人だと感激するかもしれない。正統派ともいえる。ただし、メロディーは印象に残らない。

協奏曲
ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 Op.30(1882年-1883年)
4点
期待せずに聞いたらかなりいい曲で驚いた。ピアノも効果的に使われている。

管弦楽曲
スペイン奇想曲 Op.34 (1887年)

交響組曲「シェヘラザード」 Op.35 (1888年)
5.0点
千夜一夜物語に基づく作品であり代表作である。華麗な管弦楽法を駆使した、まさに壮大な物語絵巻を見るような色彩感の豊かさと幻想的な華かさと物語性をもった作品であり、楽しい時間を過ごせる。何度聴いても心が躍り、少年のような気分になって冒険気分を味わえる。エキゾチック感も満載で、まだ見ぬ新世界を旅する物語を見ているかのようだ。

アントン・ルビンシテイン(Anton Grigoryevich Rubinstein, 1829 - 1894)
交響曲
第1番 ヘ長調 Op.40

第2番 ハ長調 Op.42「大洋」(1855)

第3番イ長調 Op.56

第4番 ニ短調 Op.95「劇的」

第5番ト短調 Op.107「ロシア的」(1880)

第6番 イ短調 Op.111(1886)

協奏曲
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.25(1850)

ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.35 (1851)

ピアノ協奏曲第3番ト長調 Op.45(1853 - 54)

ヴァイオリン協奏曲 ト長調 op.46(1857)

ピアノ協奏曲第4番ニ短調 Op.70 (1864)
2点
2楽章にやや美しいと思う箇所はあるが、全体的にはかなり凡庸な音楽。

ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.94 (1874)

ロシア奇想曲 op.102

コンツェルトシュテュック 変イ長調 op.113(1889)

ミリイ・バラキレフ(Mily Alekseyevich Balakirev, 1837 - 1910)
管弦楽曲・協奏曲
交響曲第1番 ハ長調 (1864-66年、再開1893-97年)

交響曲第2番 ニ短調 (1900-08年)

ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 作品1 (1855/56年)

ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調 (1861/62年, 再開1909/10年、セルゲイ・リャプノフにより完成)

ピアノ曲
ピアノソナタ第2番変ロ短調 (1900-05年)

イスラメイ(東洋風幻想曲)(1869年、改訂1902年)
4.0点
19世紀で最も難しいピアノ曲として有名。音楽的にはいまいちと言う人も多いが同意できない。楽想としても、各フレーズやパッセージの面白さはかなりのレベルであり、中間部の民族的なメロディーは素敵。ロシアのピアノ曲の中では、音楽的にもかなりの傑作だと思う。

アナトーリィ・リャードフ (Anatoly Konstantinovich Lyadov 1855 - 1914)
ピアノ曲「舟歌 嬰ヘ長調」Op. 44 (1898年)

交響詩「バーバ・ヤガー – ロシア民話に寄せる音画」Op. 56 (1905年)

交響詩「魔法にかけられた湖」Op. 62 (1909年)

交響詩「キキーモラ – 民話」Op. 63 (1909年)

管弦楽曲「アマゾン女族の踊り」Op. 65 (1910年)

交響詩「ヨハネの黙示録より」Op. 66 (1912年)

管弦楽曲「挽歌 Nénie」Op. 67 (1914年刊行)

セルゲイ・タネーエフ( Sergei Ivanovich Taneyev、1856 - 1915)
交響曲
交響曲第1番ホ短調

交響曲第2番変ロ長調:3楽章までの未完成。

交響曲第3番ニ短調
3.3点
かなり本格志向で硬い感じがする。ロシア風の場面は他の作曲家と比較してかなり少ないと思うが、少ないなかに時々顔をみせるのがむしろ愛嬌のようなものを感じさせる。響きや音使いの本格性や絶対音楽の志向は、人によってはなかなか好ましいと感じるだろう。ドイツ的だが、ドイツ臭はなく硬い絶対音楽志向だけを抜き出している。秀逸なはっとさせる霊感を楽しめる場面も時々あって、一流作曲家ほどに「音を楽しませる」「自分だけの音世界を持っている」感じの天才性やセンスはなくて、マイナー交響曲なのは当然ではあるが、案外曲に没入できて「いいなあ」と感動できる場面も多いから、聴いて損のない音楽と思う。

交響曲第4番ハ短調
4.0点
1楽章は旋律がやや陳腐なのが気になるが、ドイツ的なゴツい劇的な作りにブラームス的な渋みのあるロマンを盛り込んだ正統派。ロマン派では他にないほどの正統派感とアツい感じはかなり良い。2楽章は非常に叙情的であり、永遠の時間を音楽に浸していたくなるような美しさがある。しかし、正統派はここでも後期ロマン派ほどに構築感を崩していないため、さらに作り物としての完成度を感じさせる。とはいえ中間はもっともっと浸っていたいという気持ちをあっさり壊される感もあり、場面展開は一長一短である。最終的にはかなり長い時間をじっくりと余韻をもたせて満足とともに終わってくれる。3楽章も前の楽章からうまく気分を適切な塩梅で切り替えさせてくれている。素材の展開が素晴らしくて、この楽章もかなり良い。4楽章は力のこもった迫力のある力作であり、エルガーの1番を思い出させる1楽章の旋律の堂々たる再現も文句なしに感動的で素晴らしい。全体に素晴らしい力作であり、一流作曲家ほどのオリジナルな音世界は無いにしても、ロマン派交響曲を代表する作品の一つと言えるだろう。

アントーン・アレーンスキー(Anton Stepanovich Arensky, 1861 - 1906)
交響曲
交響曲第1番ロ短調 op.4

交響曲第2番イ長調 op.22

室内楽曲
ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 op.32

ピアノ三重奏曲第2番ヘ短調 op.73
3.0点
音が薄いし素人くさいベタな内容ではあるが、悲しげで感傷的なメロディーはそこそこよい。

ジョルジュ・カトワール(Georges Catoire, 1861 - 1926)
管絃楽曲
交響曲 作品7

ピアノ協奏曲 作品21

室内楽曲
ピアノ三重奏曲ヘ短調 作品14

ヴァイオリン・ソナタ第1番 作品15

ピアノ五重奏曲 ハ短調 作品16

ヴァイオリン・ソナタ第2番「詩曲」 作品20

弦楽四重奏曲 作品23

ヴァイオリンとピアノのための「エレジー」 作品26

ピアノ四重奏曲 イ短調 作品31

フェリックス・ブルメンフェリト(Felix Mikhailovich Blumenfel[']d , 1863 - 1931)
アレクサンドル・グレチャニノフ (Alexander Grechaninov 1864 - 1956)
ヴァシーリー・カリンニコフ(Vasily Sergeyevich Kalinnikov, 1866 - 1901)
交響曲第1番ト短調 (1894-95)
3.5点
1楽章は素朴で田舎臭く、メロディーは印象的で秀逸なのだが、むしろこの芋っぽさに惹かれてしまう。やたらと快活で歯切れがいいのも良い。2楽章も続けて芋臭いのだが、家庭的な暖かさが素敵。3楽章は急に中東風?の異国情緒で楽しい。4楽章はカーニバル的な楽しさ。歯切れが良すぎて性急な印象。この交響曲は、とにかく全編が歌謡曲のような田舎臭さで素人臭いが、メロディーが良く発想豊かな力作であり、聴いて損はない独特の魅力がある。この魅力はメジャー作曲家には無い。

交響曲第2番イ長調 (1895-97)
1.5点
1番でみせた魅力のほとんどが悲しいほどスポイルされてしまい、実力不足が目立ち耳に残らないB級作品になってしまっている。4楽章が少し魅力があるかと思うが、耳に入ってきやすい音楽というだけだ。田舎臭さ、素人臭さ、歯切れのよさ、メロディーの魅力が無くなってつまらない。こうしてみると、1番はやはり奇跡のホームランなのだろうか。

セルゲイ・ボルトキエヴィチ(Sergei Bortkiewicz ) (1877 - 1952)
管弦楽曲
交響曲 第1番《わが故郷より》 Op.52 /1935

交響曲 第2番 Op.55 /1937

ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.16 /1912

ピアノ協奏曲 第2番(左手のための協奏曲) Op.28 /1924

ピアノ協奏曲 第3番《苦難を通って栄光へ》 per aspera ad astra Op.32 /1927

レインゴリト・グリエール(Reinhold Glière、1875 - 1956)
交響曲
交響曲第1番変ホ長調 op.8(1899-1900年)

交響曲第2番ハ短調 op.25(1907年)

交響曲第3番ロ短調「イリヤー・ムーロメツ」 op.42(1911年〜12年)

ニコライ・メトネル(Nikolai Karlovich Medtner、1880 - 1951)
ラフマニノフと同時代のピアノ音楽作曲家。大衆性に傾いておらず、テクニカルを極めている点では、ラフマニノフ以上だろう。

ピアノソナタ
ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調作品5
3.3点
全4楽章31分。1楽章は雄大で格好いい曲であり、いきなり本格的。全体に若書きらしいまとまりの悪さや粗さ、密度の低さはある。しかし、ピアノを雄大に使ってスケール大きく響かせて巨大な音楽を作る能力、ピアノに適合した書法の良さや音楽の作り方にかけては既に相当な高レベルに達している。4つの楽章は全てそれなりに良くて、聞き応えがある。

第2番、第3番、第4番はそれぞれ単一楽章の作品で別々に演奏可。3曲でソナタ三部作を形成。 作品11
3.0点
独立した単一楽章ソナタ3作品全24分。2曲目がやや穏やかなので全部をまとめて1作品のように聴いてもよいと思う。若気の至りのような作品5よりも大人っぽくて艶がある音楽になった。所々に光る場面があるし、聞き応えはあるのだが、やはり10分以内というキャンバスの小ささのせいか、広がりが足らず印象はまあまあという感じである。

ピアノ・ソナタ第5番 ト短調作品22(1909年 - 10年作曲)《お伽話ソナタSonata-Skazka》
3.3点
単一楽章15分。メトネルの一番有名なソナタ。複数主題を絡ませるて演出す複雑さと、洗練されたピアニズムが存分に発揮されている。激しさよりもリリシズムの比重が高いと感じる。15分の長さはスケール感と精神世界を冒険するようなドラマの構築と考え抜かれた構成を満たすのに良い長さであり、それを見事に活かしている。

おとぎ話ソナタ 作品25-1
全3楽章11分。5分以上の楽章が無いのはこの曲のみ。夢のような幻想的雰囲気が支配していて割と詩的。短い曲の割にはスケール感があり、聞き応えがある。ソナチネのような長さに聞こえない。

ピアノ・ソナタ第7番 ホ短調《夜の風」作品25-2
4.0点
全2楽章33分。メトネル最大のソナタであり長大で複雑な曲。1楽章は8分の15拍子。奔流のようなロマンティシズムの横溢が凄い。自由な幻想曲のように聞こえる場面も多い。艶のある美しい楽章。2楽章は前の楽章の素材を使いながらエネルギーを増して、巨大な流れを作る。これほど大規模で技巧的かつ作品としてのまとまりと巨匠性があり、20世紀に到達したピアノの器としての限界を引き出したピアノ独奏作品を自分は知らない。

バラード風ソナタ嬰ヘ長調 作品27
3.5点
全3楽章22分。古い物語を語るような1楽章はバラード風という副題がしっくりくる。割と明るいし、雰囲気と話の展開はなかなか楽しい。2楽章のゴツゴツとした和音の作る雰囲気もいいし、3楽章は詩情があり、雄弁に物語を構築していく。全体に成熟しており統一感があるし、内容が濃くて分かりやすい。

ピアノ・ソナタ第9番 イ短調作品30
2.5点
単一楽章12分。友人に戦争ソナタと呼ばれていたという攻撃的な内容である。しかし、面白い場面やはっとするようなメロディーが少なくて、霊感がやや足りない気がする。あまり印象に残らない。

ピアノ・ソナタ第10番 イ短調《回想のソナタ Sonata-Reminiscenza》作品38-1
3.0点
16分。メトネルのソナタにしては例外的に音数が少なく、しっとりとしていて、しんみりとする音楽がずっと続く。多少の盛り上がりはあるものの、激しくならない。メロディーは秀逸という程ではない。だが、切ない歌は心にそれなりに迫るものがあり、通俗的な分かりやすいメロディーに頼らないで、ピアノを繊細にたっぷり歌わせる事で情感を表現出来ている。長いが飽きる事はなかった。

ピアノ・ソナタ第11番 ハ短調 《悲劇的Sonata-Tragica》 op. 39 no. 5 作品 39-5
2.8点
発想が若干陳腐に感じられる。だが、ピアノの激しい音使いや高速やパッセージが格好よくて楽しめる。

ピアノ・ソナタ第12番 変ロ短調《ロマンティック》Romantica作品 53-1
2.3点
全4楽章。1楽章は確かに多少ロマンチックかもしれない。全体にかなり物足りないというのが正直なところ。特に最後の楽章はメロディーが面白くなくてセンスの無さやまとまりの悪さが目立つので、割と長い曲なだけに嫌になってきてしまう。2楽章の高速パッセージは楽しいが。

ピアノ・ソナタ第13番 ヘ短調《嵐 Minacciosa》作品 53-2
2.5点
単一楽章16分。全体としては取り留めのない茫洋とした雰囲気。その中で印象に残ったのは中間の高速の対位法的部分。非常にテクニカルで格好よくて痺れた。

ピアノ・ソナタ《牧歌ソナタ Sonate-Idylle》ト長調 作品56 1937年
3.0点
全2楽章。最後を締めくくるに相応しい感動的なソナタ。1楽章はほのぼのとした牧歌風の曲であり、2楽章は感動的に盛り上がっていく。メロディーは地味だがテクニカルでバランスのよいピアノの書法はここでも素晴らしい。

その他ピアノ曲
2つのおとぎ話 作品8 (1904-5年)
3.8点
2曲とも非常にキレがよい。不協和音や妥協のない先鋭的な音の使い方、不安定でせき立てるような雰囲気と前衛的な和音の進行、20世紀的への道を切り開いたかのような驚異的な作品である。若き日のプロコフィエフが絶賛した作品というのも納得。

組曲『忘れられた調べ I』 作品38 1918-20
3.3点
超テクニカルな曲から、メロディーをおおらかに聴かせる曲まで色々な曲が集まっている。名曲というほどではないが、ピアノの扱いの自由さと巧みさをいかしたバラエティーの豊さとスケールの大きさのため、楽しんで聴くことが出来る。この自由さは素晴らしい。多くのソナタと同様かそれ以上に楽しめる。

組曲『忘れられた調べ II』作品39 1919-20
3.3点
最初の二曲は内向的で瞑想的な曲。3曲目はテクニカルだが、夜想曲のような雰囲気がある。4曲目も夜想曲のようで、エピローグのような雰囲気であり、メロディーが珍しくとても良い曲。全体に1集ほどの自由さがないため、曲の良さとしては同じくらいか上かもしれないのだが、面白さの点では劣る。

ピアノ協奏曲
ピアノ協奏曲第1番ハ短調 作品33 (1914年 - 18年>

ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品50(1920年 - 27年

ピアノ協奏曲第3番 ホ短調作品60(1940年 - 43年)

ニコライ・ミャスコフスキー( Nikolai Yakovlevich Myaskovsky,1881 - 1950)
交響曲を27曲残したことで有名な作曲家。超一流と比較すると発想の弱さが二流感を漂わせる。しかし、交響曲は結構楽しめる。特に27番は大作曲家らしい作品と言ってよい。

交響曲
交響曲第1番ハ短調作品3 (1908年 3楽章)

交響曲第2番嬰ハ短調作品11(1911年 3楽章)

交響曲第3番イ短調作品15(1914年 2楽章)

交響曲第4番ホ短調作品17(1918年 3楽章)

交響曲第5番ニ長調作品18(1918年 4楽章)
2.5点
後年の作品に比べると、音に重みがなくて、音楽的な密度も薄い。それゆえに軽い気分で楽しめる部分はあるものの、やはり根暗で変化が大きすぎないことによる重みと民謡的な軽い楽しさの取り合わせと旋律の楽しみは足らない。音に対するセンスそのものが物足らず、大作曲家の交響曲に相応しいレベルには到達していないように聞こえてしまう。

交響曲第6番変ホ短調作品23(「革命」)(1923年 4楽章)-声楽つき

交響曲第7番ロ短調作品24(1922年 2楽章)

交響曲第8番イ長調作品26(1925年 4楽章)

交響曲第9番ホ短調作品28(1927年 4楽章)

交響曲第10番ヘ短調作品30(1927年 単一楽章)

交響曲第11番変ロ短調作品34(1932年 3楽章)

交響曲第12番ト短調作品35「十月」(1932年 3楽章)

交響曲第13番変ロ短調作品36(1933年 単一楽章)
2.8点
盛り上がりのないひたすらダークな1楽章制の曲。この音楽はだれでもアラン・ペッテションとの類似と比較を考えるだろう。しかし、ペッテションほどの深さに到達して徹底的に重みに精神を浸すような満足を得られず、なんとなく物足りないまま終わってしまう。比較対象が無ければ感動できたのかもしれないが、私としてはあまり聴く価値を感じなかった。

交響曲第14番ハ長調作品37(1933年 5楽章)

交響曲第15番ニ短調作品38(1935年 4楽章)

交響曲第16番ヘ長調作品39 (1936年 4楽章)

交響曲第17番嬰ト短調作品41(1937年 4楽章)

交響曲第18番ハ長調作品42(1937年 3楽章)
3.0点
1楽章と3楽章は短くて少し祝典的な雰囲気がある音楽で特にどうということはない曲だと思う。2楽章がこの曲この価値の大半を占めている。1回聴いた時は素朴な民謡的な味の中に歴史的な悲しみとか孤独を忍ばせて非常によい曲に聴こえたが、すぐにもう一度聴いたらその良さの多くが消えてしまい、あまり感動できなかった。

交響曲第19番変ホ長調作品46(1939年 4楽章)

交響曲第20番ホ長調作品50(1940年 3楽章)

交響曲第21番嬰ヘ短調作品51(「交響幻想曲」)(1940年 単一楽章)
2.5点
幻想曲と銘打たれているのだが、本当にとりとめもなく音楽が進み、何をしたいのか理解が出来ない。暗かったりするだけでストーリーが構成されないと、クラシック音楽がは面白くないという例だと思った。特にステキな場面もないし。

交響曲第22番ロ短調作品54「大祖国戦争についての交響バラード」(1941年 3楽章)
2.8点
バラードというだけあってある程度の物語的な説得のある音楽なのは良いところ。しかし長すぎる。特に中間は緩徐楽章の場面のつなぎの経過みたいな音を延々と続けていて、これが本気の作曲的思考の結果なのだとしたら酷すぎる笑。キワモノの類の音楽といえよう。

交響曲第23番イ短調作品56「北コーカサスの歌と踊りの主題による交響組曲」(1941年 3楽章)
3.5点
1楽章はミャスコフスキーらしい暗すぎない陰鬱さの場面が土臭い民族音楽ふうのウキウキするようや楽しい場面を挟んでいる構成。やや長い楽章だが、中間がとにかく楽しいのと強烈なコントラストが楽しくて飽きない。2楽章の丁度よい暗さとモヤモヤした気分の表現は、長さの適切さもあって個人的にはツボである。ただひたすら気分に浸って満足したところで終わってくれる音楽。3楽章は再び土臭くて能天気で、前の楽章と気分的にイマイチ繋がらないのだが、そのまま高揚感を演出してフィニッシュまでもっていかれる。これは間奏にして後ろに4楽章がほしかった。

交響曲第24番ヘ短調作品63(1943年 3楽章)

交響曲第25番変ニ長調作品69(1946年 3楽章)

交響曲第26番ハ長調作品79「ロシアの主題による」(1948年 3楽章)
3.3点
1楽章は軽快さがあり聴きやすいが、展開が弱くて変化が少なく長すぎるため飽きてくる。2楽章は変奏曲でなかなか秀逸で、途中に挟まれるロマンティックなパートも楽しめて、いい曲だったと聴き終わって満足できる楽章である。3楽章は最終楽章らしい高揚感とゆったりした感じを両立している点では好きだが、明らかに冗長で間延びする。各楽章を2割カットするとよい曲になると思う。

交響曲第27番ハ短調作品85(1949年 3楽章)
4.0点
何曲か聴いた中ではこの曲が圧倒的に素晴らしいと思った。重々しい響きは雄渾なロシアの大地を感じさせる。厳しい中に温かみがあり、そして感動的な名曲。旋律の良さも素晴らしく、一つ一つの部分が真実味を伴っていて聴き応えがある。ロシアの広大な大地とそこに脈々と息づく人間達の営みを連想させる。1楽章と2楽章はチャイコフスキーの3大交響曲にも匹敵するほどの名作に聞こえる。この作曲家は最後まで完全に後期ロマン派の枠の中の作品であったというのがまた感慨深い。

協奏曲
チェロ協奏曲ハ短調 作品66 (1944年)

室内楽曲
弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲 ヘ長調(1907年)

弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 作品33-1(1930年)

弦楽四重奏曲 第2番 ハ短調 作品33-2(1930年)

弦楽四重奏曲 第3番 ニ短調 作品33-3(1930年)

弦楽四重奏曲 第4番 ヘ短調 作品33-4(1937年)

弦楽四重奏曲 第5番 ホ短調 作品47(1938〜39年)

弦楽四重奏曲 第6番 ト短調 作品49(1939〜40年)

弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 作品55(1941年)

弦楽四重奏曲 第8番 嬰ヘ短調 作品59(1942年)

弦楽四重奏曲 第9番 ニ短調 作品62(1943年)

弦楽四重奏曲 第10番 ヘ長調「古いノートから」作品67-1(1945年)

弦楽四重奏曲 第11番 変ホ長調「思い出」作品67-2(1945年)

弦楽四重奏曲 第12番 ト長調 作品77(1947年)

弦楽四重奏曲 第13番 イ短調 作品86(1949年)

チェロ・ソナタ
第1番 (1911年)

第2番 (1948年)

ピアノ・ソナタ
第1番ニ短調作品6(1909年)

第2番 嬰ヘ短調作 品13(1912年)

第3番 ハ短調 作品19(1920年)

第4番 ハ短調 作品27(1925年)

第5番 ロ長調「古いノートから」作品64-1(1944年)

第6番 変イ長調「古いノートから」作品64-2(1944年)

第7番 ハ長調 作品82(1949年)

第8番 ハ長調 作品83(1949年)

第9番 ハ長調 作品84(1949年)


https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29

2. 中川隆[-14708] koaQ7Jey 2021年12月08日 08:38:26 : SJtHPiXsUc : Sm45S0QzRkFPMFE=[33] 報告
ロシア(1890年以降) - クラシック音楽 一口感想メモ
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サムイル・フェインベルク(Samuil Evgenyevich Feinberg, 1890 - 1962)
彼のピアノソナタはスクリャービンのようなドロドロ感を持ちつつも、洗練感も失っていない気がする。ラフマノニフやスクリャービンにおいて技術的に限界に達したピアノ書法を駆使して、ピアノ音楽の限界点で書かれた作品群という点で、ピアノ音楽ファンなら必聴だと思う。

ピアノソナタ1番
3.5点
20世紀の名作ピアノ曲のひとつ。後年の作品と違い、この曲は非常に純度が高い感動的な美しさを持っている。高音でゆらめく宝石のようにキラキラと輝くような美しいフレーズの連続に聞きほれているうちに、最後まであっという間に聞き終わるような曲。ドビュッシーのような音の使い方でイメージ重視の曲であり、スクリャービン初期の端正さも兼ね備えている。メロディーは明確でなく構成も頭について入らないにも関わらず、忘れがたい強い印象を与えられる。また大ピアニストの作品らしい洗練されたピアニズムも見事。

ピアノソナタ2番
3.0点
1番の路線であるが、キラキラした美しさが減少して魅力が落ちた。そして、そこはかとないグロテスクさが追加されてしまった。メロディーがはっきりしない、ピアニスティックさ、8分の単一楽章など1番に似ていて、1番という短い曲のボリューム的な物足りなさを補完してくれるが、それ以上の価値はない。

ピアノソナタ3番
2.8点
3楽章制。しかし、音の詰め込みぶりがどの楽章もあまりかわらないため、あまり変化がない。ただ、3楽章のスケール感ではかなり恩恵を受けているかも。2番と雰囲気は近い。長い分だけ、テクニカルな音数重視ピアノ曲マニアの心を強く捉えてくれていると感じる。一方で作曲家としては完全にマイナーな幅の狭い人になってしまった。

ピアノソナタ4番
3.3点
単一楽章。連発さらる低音の和音が禍々しさを演出し、さらにドロドロしてきて後期スクリャービンに近付いてきた。むしろ影響を強く感じて近付きすぎの感もある。所々、まだまだ過去のキラキラ世界の残り香も感じられる。後半が演出的に盛り上がるし、短い曲なのに非常に長く感じられる。スクリャービン後期以上に聴き映えがする。

ピアノソナタ5番
3.3点
単一楽章。スクリャービン後期を彷彿とさせるドロドロとした音楽世界が、それまでと似たような音使いながらも独自の新境地到達を感じさせてなかなか良い。極端に煮詰めたスープのような粘着とドロドロ感と神秘性や超越性は、好きな人には強くツボにはまるだろう。演出が少ないせいか、2番からの方向性が一つの壁を越えた世界に到達した感じ。

ピアノソナタ6番
3.0点
単一楽章だが14分とやや長い。そして後半は静寂の世界が長く続くというのが、それまでにはない。新しい雰囲気であり、その後も神秘的な人類滅亡後のような世界観。このような世界が非常にツボる人もいるだろう。音の鳴らし方のセンスはなかなか良いと思う。自分の好みとしては、わりと好き、という程度だが。

ピアノソナタ7番
2.5点
もともとフェチ系音楽ではあるが、もはや完全に別世界に行ってしまった。暗黒世界。世界の終わりのような終末の音楽。楽章が3つに分かれていて、副題もあるので構成のガイドがあるのは分かりやすい。

ピアノソナタ8番
3.0点
それまでのドロドロした作風から変わり、明るさが支配する部分が増える。1楽章は曖昧な雰囲気のままだが、2楽章はかなり調性が明確であり、静寂感がある。とはいえ、古臭い感じは全くないので良い。後半は地鳴りのような暗黒世界に降りていくが、それでも短い時間のため、染まりきらない領域で終わる。楽章構成が価値のあるものになっている。作風の転換を感じる。

ピアノソナタ9番
2.5点
前半は驚くほど平明になってしまった。これではあまり価値がない。彼らしさは残っているとはいえ。中間で激しい音数になり、収まってからは曖昧模糊としたいつもの雰囲気になる。前半はカモフラージュか?とも思ってしまったが、いずれにせよ大半の場面では調性が明確になってしまい、最後は堂々と和音で終わるという古典回帰。残念感がある。

ピアノソナタ10番
2.8点
轟音が響き渡る、重戦車系の曲。今までと雰囲気が違う。調性の観点ではわりと平明なのだが、音楽の方向性が違うので気にならない。これはこれで、メジャー作曲者がやらない極端を突き詰めた曲としての価値があると思う。楽想の変化のさせ方など、作曲技術の高さを感じた。

ピアノソナタ11番
2.5点
前半はかなりロマン派に近い調性の非常に明確な音楽。意志的でなく、構築的な方向感がないので、かろうじて現代的なだけ。途中に高速なパッセージで爆発してから、一度収まりまた締めに入る構成は分かりやすいし、よく出来ている。9番からの社会主義リアリズム的平明さをさらに進めた曲。9番からそうなのだがこの曲は特に、穏やかな平明さの中に新奇さを混ぜ込む手法にプロコフィエフを連想する。

ピアノソナタ12番
3.3点
驚くべき平明な透明感と叙情的の世界。このようなセンスのある人はその気になれば美しい曲が書けるという例である。他では必ずあった爆発はごく控えめになっている。一番ロマン派に近く、ショパンあたりを連想する瞬間すらある。公平にみてフェインベルクのソナタの中で高く評価してよいかは分からないが、12曲順番に聴いていった場合に最後のこの曲想で格別の感慨を抱かせられたのは確かだ。

ボリス・リャトシンスキー( Boris Lyatoshynsky, 1895 - 1968)
交響曲
交響曲1番

交響曲2番

交響曲3番

交響曲4番

交響曲5番

ヴィッサリオーン・シェバリーン(Vissarion Yakovlevich Shebalin, 1902 - 1963)
アラム・ハチャトゥリアン((Aram Il'ich Khachaturian), 1903 - 1978)
はっちゃけた野蛮性が魅力の作曲家だと思う。ショスタコーヴィチとプロコフィエフと並び称されるほどの大物扱いだったようだが、現代からみるとやはりワンランク以上落ちると思う。

交響曲第1番 ホ短調

ピアノ協奏曲 変ニ長調
3.5点
はっちゃけた野蛮性の持ち味が十分発揮されたよい曲。個性とピアノ協奏曲というジャンルの相性は抜群。内容が濃いし多くの素材を使っていて、巨匠的な充実感と天才性の発揮がみられる。ピアノは前面に出て大活躍する。ピアノ独奏のエグくて激しい野蛮さは、向いているピアニストの演奏で聴くと予想と期待を超えたものを見せてくれて、満足させてくれる。快感だけでなく違和感が常につきまとう所がやや個人的に苦手であり、それがメジャーになりきれない要因だろうかと思う。

ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

『仮面舞踏会』(ミハイル・レールモントフの劇のための音楽)

組曲『ガヤネー(ガイーヌ)』第1番・第2番・第3番(管弦楽曲)

交響曲第2番 ホ短調「鐘」

チェロ協奏曲 ホ短調

交響曲第3番 ハ長調「交響詩曲」

ピアノソナタ
3点
力強くて熱い。なかなかの曲。


ディミートリイ・カバレーフスキイ(Dmitri Borisovich Kabalevsky)(1904 - 1987)
交響曲
第1番 嬰ハ短調(1932年)

第2番ハ短調(1934年)

第3番 変ロ短調「レクイエム」(1933年)

第4番 嬰ハ短調(1956年)


ピアノ協奏曲
第1番 イ短調 Op.9(1929年)

第2番 ト短調 Op.23(1936年)

第3番 ニ長調 Op.50 (1952年)

第4番「プラハ」 Op.99(1975年)

組曲「道化師」 Op.26(1939年)

第2曲「ギャロップ(道化師のギャロップ)」は、日本の運動会でよく使われる

ガヴリイル・ポポーフ(Gavriil Nikolayevich Popov, 1904 – 1972)
交響曲
交響曲第1番 作品7 (1935)

交響曲第2番「祖国」 作品39 (1943)

交響曲第3番「英雄」(または「スペイン」) 作品45

交響曲第4番「わが祖国の栄光」 作品47 (1949)

交響曲第5番「田園」 作品77 (1956)
3.0点
音の響きは20世紀の前衛的な音のぶつかりは非常に少ないが、一方で古典趣味的な陳腐さもない。近代的な機能的な管弦楽の達者な使い方であり、チャイコフスキーのように音が躍動して素材の詰め込んで豪華に聴かせる。オーケストレーションの実力の確かさを感じさせる。スケールの大きい叙景的な場面展開の面白さがあり、充実感と内容的なボリューム感はかなりのもので驚いた。ただし、交響曲というよりバレエ音楽のようだ。また、素人に印象を残すような個性の濃厚さがないかもしれない。構成も複雑で聴きながら場面の解釈がうまく出来ない。後半の茫洋とした雰囲気を延々と引っ張る感じは好きだ。

交響曲第6番「祝祭」 作品99 (1969)
3.3点
5番より鋭角的であり、さまざまな音楽のるつぼが続いていく。交響曲というよりバレエ音楽のような場面展開と音の躍動感なのは同じであるが、より音の変化が激しいために、飽きずに展開を楽しめる。なんとも言えない不思議な音の動きが大半を占めており、前衛に近い音の世界になっている。グロテスクになりそうでならない、バランスが破壊されそうでされない、独特の音感覚である。5番と6番は好みだろうが、私はより隙間のない6番が気に入った。前衛的とされる1番にかなり近い曲。

交響曲第7番(未完)

ヤニス・イヴァノフス(Jānis Ivanovs、1906 - 1983)
ラトビアを代表する作曲家のようだが、感想に書いたとおりマイナーレベルの粋を全然出られていないと思う。

交響曲5
1点
なんかいろいろな思わせぶりな旋律や和声が聴こえるけれどちっとも心に響いてこない。わけわからん。

交響曲6
2.5点
これは分かりやすい。迷走していない。典型的な弦の嘆き節とか、大河ドラマのテーマ曲みたいな部分とかもあるけれど、なかなか聴かせる部分が多い。

交響曲20
1.5点
所々美しい部分もあるけど…

ティホン・フレンニコフ(Tikhon Nikolayevich Khrennikov, 1913 - 2007)
ガリーナ・ウストヴォ(ー)リスカヤ(Galina Ivanovna Ustvolskaya、1919 - 2006)
モイセイ・ヴァインベルク(Moisey Samuilovich Vainberg、苗字はWeinbergとも表記 1919 - 1996)
ショスタコーヴィチから高く評価されていた作曲家。何曲か聴いた限りでは、職人的な音作りの総合的な出来の良さや繰り返し鑑賞することに耐えるようなバランスではショスタコーヴィチに一歩譲るものの、鬼気迫る心を強くえぐり取る感じは、同等以上といってもよいくらいだった。

交響曲
交響曲第1番 作品10 (1942)

交響曲第2番 弦楽合奏のための 作品30 (1946)

シンフォニエッタ第1番 作品41 (1948)

交響曲第3番 作品45 (1949、1959改訂)

交響曲第4番イ短調 作品61 (1957、1961改訂)

シンフォニエッタ第2番 作品70 (1960)

シンフォニエッタ第2番 イ短調 弦楽とティンパニのための 作品74 (1960)

交響曲第5番 ヘ短調 作品76 (1962)
3.5点
デモーニッシュに音を鋭角的にカオスのように盛り上がって行く1楽章の迫力はなかなかである。ダンス的になったり、様々に変化する展開の面白さがよい。ショスタコーヴィッチによく似ているのは多くの人が感じるだろうが、意外性が高くて予想できず、世界の外から突発的に新しい要素が現れる感じがよい。2楽章のアダージョは2声部を基本とする不安さの表現で、最初は雰囲気に既視感を感じるが、行き場のない音の徘徊により精神の深奥に潜っていく感じになって、かなり没入できた。3楽章はショスタコーヴィッチの交響曲5番の4楽章にかなり近い。スピードと切迫感のある楽章。その後に、4楽章で力を溜めたまま推移する楽章を入れるのがヴァインベルクらしさだろう。不思議な均衡を崩さずにじわじわと時間をかけていつのまにか盛り上げて、圧倒的なテンションに持って行っている。分かりやすくない玄人的な音楽で個人的にはセンスの良さに感心した。

交響曲第6番 少年合唱と管弦楽のための 作品79 (1963)
3.5点
1楽章は、ショスタコーヴィッチ風の深く不安な深夜を遠くの光を頼りに徘徊するかのような音楽。昔の数10万人の街の中心部という感じの世界の大きさを感じる。刺激を定期的に感じられるため12分を長く感じない。2楽章は少年合唱入りで、独特の節回しで不思議感や浮遊感を見せてとてもよい。3楽章はファンファーレとともに力強く始まる。じわじわと汗が出そうな焦燥感と常に前へ前へと加速度が付いている感じが楽しい。4楽章はラルゴの少年合唱による楽章。息を潜めて不安を語り、現実を告白するかのようだ。5楽章はやや速度を速めるが遅いままの少年合唱で、達観したかのようにしめくくる。現実主義的な嬉しくない終わり方だが、感慨をうける。1回目でストーリーをとても分かりやすく把握できる。

交響曲第7番 ハ長調 弦楽合奏とチェンバロのための 作品81 (1964)

交響曲第8番「ポーランドの花々」 テノールと混声合唱と管弦楽のための 作品83 (1964)

交響曲第9番「永遠の時」 ナレーターと合唱と管弦楽のための 作品93 (1967)

交響曲第10番イ短調 作品98 (1968)

交響曲第11番「祝典交響曲」 合唱と管弦楽のための 作品101 (1969)

交響曲第12番 ショスタコーヴィチの思い出に 作品114 (1976)
2.8点
シリアスで大河的な大きさをもつ曲。声部は多くなく、薄めの音で静寂を常に裏に持ちながらも緊張感を作り上げている。室内楽のような音の重ね方だが、とはいえ交響曲の音の迫力あっての音楽ではある。5番6番の意外性の面白さは消えてしまっているが、鋭角さもあるシリアスさゆえにそれなりに聴かせるものがある。しかし内容のボリュームと比較して少し長すぎるし、明確に割り切れないまま次の場面に進行していくため、ストーリーもいまいち追えない。

交響曲第13番 作品115(1976)

交響曲第14番 作品117 (1977)
2.5点
十分に深く練って思考して書いた曲という感じがしない。重みがなく即興的で、雰囲気だけの音楽と思ってしまう。ショスタコーヴィッチの類似性からはだいぶ脱しているが、単に簡素になって面白みが減ってしまっている。意外性や場面転換の複雑さが足らない。個別の部分は悪くないが通して聴いたあとの何も残らない残念さにがっかりである。

交響曲第15番「私はこの地球を信じる」 ソプラノ、バリトン、女性合唱と管弦楽のための 作品119 (1977)

交響曲第16番 作品131 (1981)

交響曲第17番「記憶」 作品137 (1984)

交響曲第18番「戦争、これより惨い言葉はない」 合唱と管弦楽のための 作品138(1986)
2.5点
1楽章は前奏であり、不安げな気分を盛り上げていく。その後からは合唱である。私はまだヴァインベルクの作風の変遷を終えていないでのだが、作品として簡素になっているうえに、合唱曲の不自由さがマイナスになって、単なるよくある平凡な20世紀の合唱曲に聴こえてしまう。それなりの長さだが、光る部分は少ないと思ったし、若い頃の意外性や展開の突発的な感じがなくて面白くない。戦争の悲しみを交響曲ならではの強靭で圧倒的な創作性で表現していないと思う。

交響曲第19番「輝かしき五月」 作品142 (1986)

室内交響曲第1番 作品145 (1987)

室内交響曲第2番 作品147 (1987)

室内交響曲第3番 作品151 (1991)

室内交響曲第4番 作品153 (1992)

交響曲「カディッシュ」 作品154 (1992)


管弦楽曲
小管弦楽のための組曲 作品26 (1939-1945)

2つのバレエ組曲 作品40 (1947)

協奏曲
チェロ協奏曲ハ短調 作品43 (1948)

ヴァイオリン協奏曲ト短調 作品67 (1959)

フルートと弦楽のための協奏曲 (フルート協奏曲第1番) 作品75 (1961)

トランペット協奏曲変ロ長調 作品94 (1967)

フルート協奏曲第2番 作品148 (1987)

室内楽曲
弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番 作品2 (1937)

弦楽四重奏曲第2番 作品3 (1940)

弦楽四重奏曲第3番 作品14 (1944)

弦楽四重奏曲第4番 作品20 (1945)

弦楽四重奏曲第5番 作品27 (1945)

弦楽四重奏曲第6番 作品35 (1946)

弦楽四重奏曲第7番 作品59 (1957)

弦楽四重奏曲第8番 作品66 (1959)

弦楽四重奏曲第9番 作品80 (1963)

弦楽四重奏曲第10番 作品85 (1964)

弦楽四重奏曲第11番 作品89 (1966)

弦楽四重奏曲第12番 作品103 (1970)

弦楽四重奏曲第13番 作品118 (1977)

弦楽四重奏曲第14番 作品122 (1978)

弦楽四重奏曲第15番 作品124 (1979)

弦楽四重奏曲第16番 作品130 (1981)

弦楽四重奏曲第17番 作品146 (1987)

ヴァイオリンソナタ
ヴァイオリンソナタ第1番 作品12 (1943)

ヴァイオリンソナタ第2番 作品15 (1944)

ヴァイオリンソナタ第3番 作品37 (1947)

ヴァイオリンソナタ第4番 作品39 (1947)

ヴァイオリンソナタ第5番 作品53 (1953)

2つのヴァイオリンのためのソナタ 作品69 (1959)

その他の室内楽曲
ピアノ五重奏曲 作品18 (1944)

チェロソナタ第1番 ハ長調 作品21 (1945)

クラリネットソナタ 作品28 (1945)

チェロソナタ第2番 ハ長調 作品63 (1959)

ピアノ三重奏曲 作品24 (1945)

弦楽三重奏曲 作品48 (1950)

ピアノ・ソナタ
ピアノソナタ第1番 作品5 (1953)

ピアノソナタ第2番 作品8 (1942)

ピアノソナタ第3番 作品31 (1946)

ピアノソナタ第4番ロ短調 作品56 (1955)

ピアノソナタ第5番 作品58 (1956)

ピアノソナタ第6番 作品73 (1960)

ボリス・チャイコフスキー(Boris Tchaikovsky、1925 - 1996)
交響曲第1番(オランダ語版)(1947年)

交響詩「シベリアの風」(1984年)

交響詩「未成年」(Juvenile)(1984年)

チェロ協奏曲(1964年)

アンドレイ・ヤコブレヴィチ・エシュパイ(Andrei Yakovlevich Eshpai, 1925 - )
交響曲
交響曲1番

交響曲2番

交響曲3番

交響曲4番

交響曲5番

交響曲6番

交響曲7番

交響曲8番

交響曲9番

協奏曲
ヴィオラ協奏曲 (1987)

チェロ協奏曲

フルート協奏曲 (1992)

オーボエ協奏曲

ピアノ協奏曲1番

ピアノ協奏曲2番

合奏協奏曲 (1966-67)


ソフィア・グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina, 1931 - )
アルフレット・シュニトケ(Alfred Garyevich Schnittke、1934 - 1998)
現代音楽的な重くダークな音空間と後期ロマン派のような聴きやすさを両立させたことで、普通のクラシック音楽ファンでも楽しめる音楽を書いた作曲家だと思っている。

交響曲
交響曲第0番 

交響曲第1番  
3.3点
支離滅裂な場面展開が1時間以上も続いていく珍曲。突拍子もなく有名曲の引用が多発されるのが面白い。個人的にはこのごった煮のようなカオスに身を任せるのは嫌いじゃない。どこに向かっているのか分からないまま、作曲者に連れられて面白い幻想世界をランダムにワープしながら巡っているような感覚になる。個別の場面は面白いものが多いと思うし、調性感は明確で難解さは少なくて分かりやすい時が多い。調性感がないときも、心地よいカオスであり難解感は少なくて、無茶苦茶な曲だけれど自分は楽しんじゃいました、すいません、という感想。

交響曲第2番 《聖フローリアン》 
3.5点
声楽入りの大作。聖なる神秘性に包まれている。1番とはうってかわってやりたい事が明確でシリアスな曲。心の旅に連れて行ってくれるような、引き込まれる場面は多い。現代らしいが同時に中世に精神だけタイムスリップしたようにも感じる精神世界の表現だと思う。クラシック音楽が現代に獲得した表現力を駆使していて、映画音楽のような通俗性にもほぼ堕ちていない。物質的な巨大さと精神的なトリップの重複した感覚が独特だと思う。

交響曲第3番  
3.0点
後期ロマン派の時間と内容が肥大されつつもロマン派の形式を辛うじて保っているのを、さらに極端に推し進めたように感じる場面が多い。夜の自然を徘徊するような雰囲気もあるが、どちらかというと自然界の物質や動物がエネルギーをえて蠢めくような感じのほうが近いかも。リヒャルト・シュトラウスを連想することが多い。精神面の深堀りを感じないため、「この曲はキテる」という感覚がない。折衷的な様式とあいまって、自分はいろいろ少し物足りなく感じた。特に後半はショスタコーヴィチみたいな沈んでゆっくり蠢めく曲だが、かなり冗長に感じた。

交響曲第4番  
2.8点
ピアノの独奏が多く、薄い音の場面がとても多い。意味深な面白い響きのフレーズは散りばめられている。しかし、それだけになってしまっており、抑揚がないし大きな仕掛けもない。つまり交響曲としての作りが不足している。そうなると冗長であり、前半のうちは響きを楽しめるが後半になると飽きてしまう。高級ムード音楽もしくはドキュメンタリー番組のバックミュージックになってしまっている。合唱は活躍が少なすぎるが、特に最後の場面の音の使い方に鋭さを感じる。

交響曲第5番 (合奏協奏曲第4番)  
3.5点
合奏協奏曲とも呼ばれるだけあって、線を絡ませて作られている曲である。音響の面で作っている音楽ではない。しかし、あまりソロが活躍するようには聞こえない。起伏がとにかく激しくて、刺々しい不穏な波を作っては、違うところからまた波が起こりを積み重ねていく。それが延々と積み重なって巨大な交響曲を形成するさまは圧巻である。不安定なマグマを常に地下に感じながら、空中に異世界の渦が形を変えていくようなイメージである。最初はマーラーに通じる下品さが嫌だと思ったが、聴き続けるうちに作られた世界観の凄さの感動が上回った。

交響曲第6番  
2.3点
新古典主義を連想する素朴な音の使い方。同時に1音から3音しか鳴っておらず室内楽よりも音が薄い程のスカスカな音の重なり。5番までと比べると別の作曲家になったかのようだ。そして、音楽がごく一部の箇所以外はちっとも心に迫らないところから、この変化は成功したとは思えない。単なる健康の衰えに伴う気力不足に思える。しかも全曲がアダージョのような雰囲気のまま変化もなく、これでは聴く価値が低い。

交響曲第7番 
2.5点
6番と1年しか変わらず同じような作品である。しかし、多少の進歩が感じられて、聞いたあとの後悔は少なかった。少しは音も厚くなった気はする。6番と続けて聴いたことで慣れてくると、変に時間の進み方と音の薄さが心地よく感じられるようにはなった。しかし他の人にオススメはしにくい。短いのはよいが。

交響曲第8番
2.5点
7番と同じような雰囲気。そして長い。ショスタコーヴィチを彷彿とさせる場面が多い。似た雰囲気でも彼ほど狙いか分かりやすすぎるために浅くて飽きやすくはなりがちにはなっていないが、代わりに何処に向かって何をしようとしているのか理解に苦しむ。あえて言えば、内容がないために単に何も考えずに音に浸って心を空っぽに出来る良さがあるかもしれない。そこが気に入ってまた聴きたいと個人的には思っているが、他の人にはオススメはしにくい。

交響曲第9番


管弦楽曲
合奏協奏曲第1番 (1977)

合奏協奏曲第2番 (1982)

合奏協奏曲第3番 (1985)

合奏協奏曲第4番 (1988)

合奏協奏曲第5番 (1991)

合奏協奏曲第6番 (1993)


協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第1番 (1993)

ヴァイオリン協奏曲第2番 (1966)

ヴァイオリン協奏曲第3番 (1978)

ヴァイオリン協奏曲第4番 (1984)

チェロ協奏曲第1番 (1986)

チェロ協奏曲第2番 (1990)

ヴィオラ協奏曲 (1985)

ヴィオラと弦楽のためのモノローグ (1989)


室内楽曲
ヴァイオリンソナタ第1番 (1979)

弦楽四重奏曲第1番 (1966)

弦楽四重奏曲第2番

弦楽四重奏曲第3番

弦楽四重奏曲第4番


ニコライ・カプースチン(Nikolai Girshevich Kapustin、1937 - )
ピアノソナタ第1番 Op.39 1984

8つの演奏会用練習曲 Op.40 1984
4点
ジャズ風の和音やフレーズを使用しているが、テクニカルで音楽的にもコンパクトで聴きやすく楽しい。

ピアノソナタ第2番 Op.54 1989

ピアノソナタ第3番 Op.55 1990

ピアノソナタ第4番 Op.60 1991

ピアノソナタ第5番 Op.61 1991

ピアノソナタ第6番 Op.62 1991

ピアノソナタ第7番 Op.64 1991

ピアノソナタ第8番 Op.77 1995

ピアノソナタ第9番 Op.78 1995

ピアノソナタ第10番 Op.81 1996

ピアノソナタ第11番 Op.101 2000

ピアノソナタ第12番 Op.102 2001

ピアノソナタ第13番 Op.110 2003


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