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次期首相の敵はインフレ。2022年、オイルショック級の物価上昇が日本と世界を襲う=吉田繁治
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/637.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 9 月 12 日 20:03:05: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 金融緩和・財政出動するとハイパーインフレになる 投稿者 中川隆 日時 2021 年 8 月 27 日 04:34:22)

次期首相の敵はインフレ。2022年、オイルショック級の物価上昇が日本と世界を襲う=吉田繁治
2021年9月11日
https://www.mag2.com/p/money/1099909

コロナ禍で世界のサプライチェーンはズタズタに壊れました。コンテナ便の運賃は異常な上昇をみせており、2022年にはすべての商品にインフレが及ぶと思われます。私たちは1970年代に起きたオイル・ショック級のインフレを覚悟しないといけないでしょう。


国際サプライチェーンにコロナ直撃
21世紀の世界の産業は、部品と製品のサプライチェーンで深く結ばれています。「近代国家の枠を超えるサプライチェーン」が、21世紀の産業の構造変化でした。

産業、つまり製造と小売・流通が、国際サプライチェーンに変わったのです。人的なサービス業のみが国内産業となりました。

国際サプライチェーンでの部品・商品調達と、生産の障害になったのが、今回のコロナ危機です。

日本の企業の多くは、東南アジアと中国で生産しています。SONYやパナソニックのAV機器も、多くが中国製造です。米欧の企業も同じです。中国の工業は世界の約40%の商品は生産しています。

中国版アマゾンとも言えるアリババのサイトを見ると、日本のマーケットプレイス「楽天」をはるかに超える商品の多さがわかるでしょう。

当方も海外に個人輸出する「Ali-Express」で、オーディオ機器を買うように変わりました。価格は、およそ3分の1です。日本人の多くは、中国の工業生産の大きさを知りません。品質がよくないという定評があります。確かに、選別しないと「100均品質」も多い。50%くらいでしょうか。

多くは、3分の1の価格だからといっても、品質は3分の1ではない。中国の工業が、物価の上がらない21世紀を作ってきたのです。

先端のオーディオ機器は、素子がIC回路であり、品質の問題は、ほとんどありません。日本製を超えたものも多い。買って使ったことからの評価です。

ドイツのメーカーでも、中国生産が日本よりはるかに多い。われわれは、量的緩和というアベノミクス幻想の中で、約10年も、アジアの変化(発展)を見ていなかったのです。

<アジアの流通網を襲ったデルタ株>
東南アジアの部品や製品の生産が、デルタ株の蔓延で休業、または停止しています(※筆者注:中国では、1人でもコロナ患者が出ると全員PCR検査を行い、港湾の出荷作業や工場は停止されます)。

2020年のアルファ株では、アジアでは感染が少なかった。インド発のデルタ株が、日本、韓国を含むアジアでの感染を増やしました。

アジアの感染は、デルタ株により新たなステージに乗ったのです。

ロイターのサイトで、21年6月末からの、アジア諸国の新規コロナ感染数の急増を見てください。

工場とコンテナ港の休業がわかる数値です。テレワークでは、コンピュータで金融と事務作業はできても、工場とコンテナは動きません。人が集まる「エッセンシャルワーカー」の世界だからです。

<サプライチェーンの分断>
2011年の東日本大震災(工場の震災)のときと同じ「部品と生産のサプライチェーンの分断」が国際的に起こっています。

トヨタと自動車会社の減産がこれです(2021年9月40%減産:トヨタ)。世界中のメーカーが、トヨタと同じようにアジアの工場の、休業の影響を受けています。

ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン…食品、衣料、部品、機械、家電、AV、木製品、化学製品。世界の工場に広がったジャストインタイムの仕組みは、サプライチェーンの障害に脆弱です。日本の家電やAVの多くは、中国での製造であり、日本と世界に輸出されています(三角貿易)。

コロナが兵器とすれば、それは、世界中がつながったサプライチェーン網の物流を破壊する、高度なものだったのです(※筆者注:新型コロナ人工説は、中国は否定していますが、その遺伝子配列から有力です。生物兵器説の検証はできずに否定されています。武漢研究所、またはCCP=中国共産党からの内部告発がない限りは不明のままです)。

<メディアの報道はない>
経済新聞は、日本メーカーの、アジアの生産委託工場の様子は報じません。海外ニュースとしては、外信の翻訳しかしていないからです。

特派員の常駐も、アジアには少ない。衣料のSPA(専門店製造直売)が進出しているミャンマー(人口5,400万人)ではゼロ。中国の特派員ニュースには検閲があります。

減産の原因は、アジアのデルタ株です。

コンテナ便の料金は6.6倍に高騰
サプライチェーンの物流は国際コンテナ便に依存します。

料金は、2020年の1月は2,420ドルでしたが、2021年の1月は5,250ドル(58万円:へと3倍に上がっています。21年7月は更に上がっていて1万3,630ドルです(150万円:20年1月の5.6倍の料金:上海〜NY:EAST BOUND:20ftの標準コンテナ)。上海からNYまで25万円というのが、通り相場の常識でしたが、今はその5.6倍です。

2020年1月:2420ドル → 7月:2,760ドル → 12月:4,100ドル →
2021年1月:5,250ドル → 7月:1万3,630ドル……
※参考:主要航路コンテナ運賃動向 – 日本海事センター

当初、コロナによる一時的な上昇かと思っていました。

しかし2021年7月には5.6倍に上がり、下がる気配がない。世界のコンテナ便の料金が同じ傾向です(※筆者注:原油のタンカー便は上がっていません。洋上備蓄が多くなっているためです)。

なぜ運賃上昇?
なぜ商品や部品を混載するコンテナ便の非常な高騰が続いているのか。

国内物流、出荷港、そして船舶に、コロナでの低操業と休業が増えたために、便が足りなくなったからです。

NYのコンテナ港(NJ州セコーカス)には、運ばれないコンテナが山積みです。2020年の11月から現在まで、9か月続いています。

船会社の利益は上がった。しかし、運航する便数は減った。

国際物流費の異常な高騰は、2022年の世界の物価上昇(製造物価の上昇)を先行して示しています。

状況改善の見通し立たず。デルタ株とその後の変異でコロナ危機は長期化
デルタ株は、解明されていない季節要因から、いったん10月には収束するでしょう。

しかし、ワクチンに耐性をもつデルタ株とその変異は、2021年11月末から、世界的な感染爆発を起こす可能性が高い。

蔓延がいつまで続くか、何回繰り返すか、予想できる人は世界中の専門家にもいません。ワクチン願望しかないのです。

2022年の、中国とアジアからの国際サプライチェーンはどうなるか予想ができない。2021年の12月からは、より大きなサプライチェーンの停止、つまり物流と生産の縮小になる可能性が高い。

これは大戦のとき以外には起こったことのない、「供給ショック」です。

平時に、需要に対して供給が下回る事態が長期化すれば、「石油危機並みの物価上昇」に帰結します。


2022年のインフレ予想
経済の未来は、複雑であり確率的なものです。2021年冬にコロナ第6波が起こると、2022年の「高いインフレ率(20%か?)」となる確率は高まるでしょう。

コロナ危機に対して、すでに世界中でマネーが増発され、政府の財政支出は拡大されています。70%の人の所得は減っても、社会のマネーは十分にあり(預金の増加になっています)、需要力は大きい。

この点を考えると、FRBが「物価上昇は短期的」と断じたのは、机上論の認識間違いになります。

過去のように、戦争で工場が破壊された後のハイパーインフレまでは行かないでしょう。しかし石油危機(1973年と79年)並みのインフレは、相当な確率(70%)で想定できるでしょう。

コンテナ料金の長期高騰(事実)は、インフレに6か月先行する指標になるものです。世界のエコノミストは、国際コンテナ料金の長期高騰に気がついていません。

世界の自動車需要が増えている中での、トヨタの生産40%減の意味も、それ以外の産業領域で広範囲であることを解いていないのです。

インフレの本質は、物価上昇の形をとった「過剰になった信用通貨の価値の下落(マネーサプライの残高 × 流通速度 = マネー量)」です。

相対的な、通貨ペアのレートでは信用通貨の価値下落はわからない(ドル/円)。両方が下がれば同じレートだからです。通貨価値の下落は高騰した物価との関係で分かります。

20年間の「ディスインフレ」が一変する
21世紀の20年は、世界的なディスインフレの時代でした。通貨が下落した国で輸入物価が上がり、インフレになるだけだったのです。

ディスインフレとは、価格が下がるデフレではなく、物価上昇が0%から1%付近と低い経済の状態を言います。米国の物価上昇もコロナ前は1%台と低かった。

この世界的な原因は、中国とアジアでの、出荷価格3分の1くらいの商品生産が増えたことです。この生産量は、世界の50%に増えているでしょう。中国とアジアは内需主導型ではなく、輸出主導型経済です。

たとえばマレーシアのGDPに占める輸出額は、69%と、異常なくらい高い。日米欧のメーカーが、工場を作って、現地人を雇用し、輸出しているからです。部品は他国から調達します。

中国と東南アジアの産業構造がこれです。約20年で、世界中に、網の目のサプライチェーン物流網が築かれたのです。

通信はインターネットとスマホ、物流はコンテナ。世界中で国内の価格が上がると、中国・アジア輸入が有利になるので、2000年代の20年間、企業が価格を上げることができないディスインフレの経済構造になっていたのです。

迫る供給ショック。デルタ株で危険な第6波が想定される
2021年の冬からは、デルタ株とデルタ株の変異によってコロナが長期化します。

・21年11月末からは第6波、
・22年3月には第7波が高い確率で起こって、工場、船舶、トラックの休業と操業の低下

これが、世界への商品の供給ショックになるでしょう。

麻生財務大臣は「戦争のように工場が破壊されなければ、量歴緩和では、ハイパーインフレは起こらない」と答弁しています(財務省の見解です:2020年の予算委員会)。

今回は、戦争ではない。コロナ危機による、アジアの工場と国際物流の休業です。すでに、戦争のときのような「供給ショック」になっています。

輸入物価の30%上昇は、商品原価の高騰であり、長期化すれば、時間をおいて約15%の店頭物価の上昇になって行きます。

次期首相は「インフレ」と戦うことになる
わが国の次期首相は、2022年から「長期化するサプライチェーン供給ショックによるインフレ」と戦うことになります。インフレは、経済学的には、市場の期待金利を上げます。国債価格の買いの価格が下るということです。

市場の金利上昇(国債価格の下落)のなかで、日銀のマネー絞りを行わねばならず、2022年の株価は下がり、リーマン危機より大きな金融危機に直面する可能性が高いでしょう(推計70%)。損な役割です。

20年間のディスインフレで、「茹でカエルの反対の冷えカエル」になった頭には、石油危機のときのようなインフレへのイマジネーションがない。

事実、高市早苗候補は、2022年からの経済予想がないままに、150兆円規模の、量的緩和を政策として掲げているのです。20年は、エコノミストの経済意識を変えるくらい長いからです……。

2022年のコロナによる国際サプラチェーン・ショックによるインフレを言う人はいませんが、NYのコンテナ港(NJ州セコーカス)と商品物流では、すでに起こっていることです。  

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コメント
1. 2021年9月13日 10:14:57 : Ki5Z4UevXk : cVBCRzdGUnB6MS4=[14] 報告
【ゆっくり解説】悲報!日本の食材が中国のせいで値上げ!?悲しすぎる値上げラッシュの理由とは
2021/09/06




今年は食材の値上げが凄く多い年となりました。その原因を解説しています。
2. 2021年9月13日 10:19:59 : Ki5Z4UevXk : cVBCRzdGUnB6MS4=[15] 報告
日銀金融緩和で、消費者物価は下がっているが、生活必需品の価格は上がっていた
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/618.html

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/697.html

金融緩和や財政出動をするとこういう結果になる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/555.html

インフレで起きる事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1559.html

コロナ禍の3ヶ月間で米国富裕層の資産62兆円増 背景に大規模金融緩和
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/588.html

3. 中川隆[-15823] koaQ7Jey 2021年10月25日 23:27:49 : TB9yu1cbVQ : TGVnMUt0dC5KQXc=[46] 報告
スタグフレーションに備えよ!
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1202.html
4. 中川隆[-15809] koaQ7Jey 2021年10月26日 16:34:14 : Axx9xfYkCA : aUhHZUxLMDhkcGM=[21] 報告
ポール・チューダー・ジョーンズ氏: インフレはどんどん酷くなる
2021年10月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16629
ブラック・マンデーを予測したことで有名な投資家ポール・チューダー・ジョーンズ氏がCNBCのインタビューでインフレについて語っている。

インフレ危機

ジョーンズ氏は次のように断言する。

今投資家が直面している最大の問題はインフレだ。

Fed(連邦準備制度)がインフレは一時的だと言い張る中でそうではないと言い続けてきたジョーンズ氏だから、今こう発言することに不思議はないだろう。彼はこう続ける。

インフレが一時的ではないことは明らかだ。このまま居座り、間違いなく金融市場に対する脅威となり、そして恐らくは社会全体への脅威となるだろう。

事実、ガソリン価格が高騰しているのは日本人でも実感しているはずだ。金融市場では原油価格は次のように推移している。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/10/2021-10-25-wti-crude-oil-chart.png


去年マイナスになった原油価格を高値まで押し上げたのは、現金給付と西洋のリベラル派が推し進めた脱炭素政策である。需要があるにもかかわらず、化石燃料の生産を無理矢理抑制した結果がこれである。

サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16442


高騰するエネルギー価格が既に高くなっている物価を更に押し上げてゆくとジョーンズ氏は主張する。

5.4%というCPI(消費者物価指数)の数字は本当に驚きだ。30年来の高い数字で、もちろんここから数ヶ月で更に上がってゆく。

原油価格の高騰はそこから数ヶ月の遅れを経て、原油を原料として作られる様々な製品のインフレへと転嫁されてゆくからである。

インフレを招く現金給付

そしてインフレの原因となっているのは脱炭素政策だけではない。マネーサプライ、つまり銀行口座に存在する貨幣の量についてもジョーンズ氏は言及する。

経済の需要の側を考えよう。つまりM2(訳注:マネーサプライ)だ。M2は新型コロナの流行が始まってから5.4兆ドルも増えた。この増加量は本来の増加量よりも3.5兆ドル多い。

3.5兆ドル、つまりGDPの16%分が預金として待機しており、株式や暗号通貨や不動産や消費に使われるのを待っている。

アメリカでマネーサプライが増加したのは明らかに現金給付が原因である。アメリカでは都度3回、合計で1人あたり30万円以上の現金が給付されており、これが銀行預金残高の爆発的増加と物価の上昇をもたらした。

そしてこれは対岸の火事ではない。日本にも遠からずインフレの時代が来るだろう。何故ならば、日本も再び現金給付を考え始めているからである。

日本でもインフレ近づく

アメリカで既に日用品の値段が上がって年間で10万円どころではない損失になっている消費者も多いだろうに、負け確定の戦略に後から率先して飛び込んでゆくあたりは流石、第2次世界大戦で負けた日本らしいというべきだろうか。脱炭素政策についても同じことで、先導していた菅氏と小泉氏はいなくなったが、それでも日本政府は西洋の間違いを今後も真似するのだろう。

現金給付に関しては経済学者ミルトン・フリードマン氏が述べた現金給付の本質をもう一度思い出してほしい。

ミルトン・フリードマン氏: リベラリズムは衆愚政治である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12998


こうした政策の中身は、現実には政府がまったく恣意的に国民の一部から税金を略奪して国民の他の一部に補助金として与えるということでしかない。

結局GO TOトラベルも現金給付もそういうものでしかなかったにもかかわらず、前者を否定する人も後者には気を引かれるらしい。しかし国民がそういう道を選ぶならば、来年か再来年には日本にもアメリカのような物価高騰が待ち受けているだろう。

皮肉なのは、現金給付と脱炭素政策という物価高騰の二大原因が両方とも政治家によって引き起こされた、つまり政治家が何もしなければ問題は生じなかっただろうということである。経済学者ハイエク氏は本当に慧眼だったと言わざるを得ない。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


政府が自分の頭で考えて行動しようとすれば、その被害は増大するように思われる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16629

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