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(回答先: 冥王星の発見から91年。科学者の想像をかき立てた幻の「第9惑星」が準惑星に転じるまで 投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 03 日 21:42:07)
赤色超巨星の激しすぎる最期が明らかに。超新星爆発の直前に見られた予兆とは
星の爆死をライブ観測。人類は「超新星爆発のロゼッタストーン」を手に入れた
2021.11.08
https://www.gizmodo.jp/2021/11/observations-of-exploding-star-in-real-time-deemed-a.html
星の爆死をライブ観測。人類は「超新星爆発のロゼッタストーン」を手に入れた
Image: NASA, ESA, Ryan Foley (UC Santa Cruz), Joseph DePasquale (STScI) via Gizmodo US|6000万年前に超新星爆発を起こしたSN 2020fqv。乙女座の方角にある銀河内に位置する
星の最期を解き明かす。
6000万光年離れた宇宙の闇を照らし出した超新星爆発を、複数の望遠鏡がとらえていました。死にゆく星の姿をここまで克明に、しかもリアルタイムに記録できたのは史上初だそうです。
恒星の唐突すぎる死
その超新星爆発に与えられた名は「SN 2020fqv」。爆発寸前だったことはかなり前から科学者たちに知られていたのですが、2020年4月、なんの前触れもなく爆発しました。
それを地球からたまたま観ていたのがカリフォルニア州サンディエゴにあるパロマー天文台の光学観測装置「ZTF(Zwicky Transient Facility)」、そして宇宙から観ていたのがNASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)でした。この貴重な機会を逃すまい! とほかの天文台も続々と観測に加わり、最終的にはハッブル宇宙望遠鏡を含めた複数の望遠鏡が地上と宇宙からSN 2020fqvの最期を見届けました。
いくつもの独立した視点から超新星爆発の前、爆発そのもの、そしてその後を観測できたのはこれが初めてだそうです。もっとも初期の段階から多角的な視点でとらえられ続けた映像とデータは、超新星爆発の過程について理解を深める上で重要になってきますし、超新星爆発がいつ起こるかを予測するのにも役立ちそうです。
死にゆく様をライブ観測
恒星の死を見届け、その死因について推察するのは簡単なことではないようです。仮に天文学者を犯罪現場捜査官にたとえるとすれば、
これまでの超新星爆発の調査では、星が死んだあとに現場に駆けつけて、残された証拠からその星に何が起こったのかを推理するしかありませんでした。
と主任研究員であるカリフォルニア大学サンタクルーズ校のフォーリー(Ryan Foley)助教はプレスリリースで説明しています。
でも、今回は違いました。何が起こっているかをリアルタイムで観測できたわけですから。
SN 2020fqvは地球から6000万光年も離れているので、超新星爆発が実際に起こったのは今から6000万年前のこと。ですから本当の意味での「リアルタイム」ではないんですが、フォーリー助教の言わんとしていることはよくわかります。
Image: NASA, ESA, Ryan Foley (UC Santa Cruz), Joseph DePasquale (STScI) via Gizmodo US
SN 2020fqvは、乙女座の方角にある蝶の羽のように合わさったふたつの銀河「NGC 4567」と「 NGC 4568」に位置しています。これらの銀河は融合している最中で、いずれひとつになるのだそうです。
宇宙望遠鏡も大活躍
ZTFとTESSに続き、ハッブル宇宙望遠鏡がSN 2020fqvを取り巻く星周物質を観測し始めたのは爆発が始まってからたった数時間後のことでした。以降、2020年を通してこの星周物質がだんだんと薄らいでいく様子を克明に記録してきており、超新星爆発後の変化について新たな知見をもたらしています。
超新星爆発直後の密度の高い星周物質は、ほんの短い間しか見ることができません。だからめったに観測できないんです。しかも、いつもなら超新星爆発が起こって数日経ってから初めて観測し始めるのが常なので、今回の観測は余計に貴重なんですよ。
と興奮を隠せない様子で説明してくれたのは、論文筆頭著者であるポスドク研究員のティニャノント(Samaporn Tinyanont)氏。論文はイギリスの学術誌『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』に掲載される予定だそうです。
星の死を予測する
恒星が死ぬ間際に活発になることは以前から知られていました。たとえば、今後100万年以内に超新星爆発を起こすと予想されているベテルギウスもそうです。ただ、正確にいつ爆発するのかは事前にわからない場合が多く、予兆もはっきりしていませんでした。
今回の観測においては、爆発が起こる数日前から爆発後数週間に至るまで、TESSが30分おきにSN 2020fqvの姿を撮影していました。ハッブル宇宙望遠鏡も、超新星爆発が始まってから数時間後にはすでに稼働していました。さらに、1990年にさかのぼる過去資料も分析され、数十年に渡って死にゆくSN 2020fqvの姿が明らかになってきたのです。
では、この大量のデータから何がわかったのでしょうか?
ひとつは、複数の天文学的手法を用いて恒星の質量をより正確に計算できたことです。それによれば、爆発した当時、SN 2020fqvの質量は太陽の14〜15倍ほどでした。より正確な質量を把握することで、超新星爆発を起こしたときの恒星の物理的条件がよりはっきりしてきました。
さらに、プレスリリースでは今回の観測が「超新星爆発のロゼッタストーン」になり得ると表現されています。ロゼッタストーンとは同じ内容の文章が3種類の文字で刻まれている古代エジプトの石碑。これまで解読できなかった謎や隠されたヒントを解き明かす手がかりとなってくれる期待が込められてのたとえです。
今回の観測をもとに、超新星爆発の警告システムを構築できるかもしれません。恒星が普段とは違う挙動をし始め、だんだんおかしくなってくる。その段階ではまだ隠されている兆候にもっと注目すれば、恒星が爆発する前に何が起きているのかをもっと理解できるようになるかもしれません
とフォーリー助教は話しています。
観測技術の進歩により、今後も今回のように素晴らしいデータが手に入る機会があると思います。それらを解読することで、死にゆく前の数年間、一体恒星に何が起きているのか理解を進めることができると思います。
https://www.gizmodo.jp/2021/11/observations-of-exploding-star-in-real-time-deemed-a.html
赤色超巨星の激しすぎる最期が明らかに。超新星爆発の直前に見られた予兆とは
2022.01.11
https://www.gizmodo.jp/2022/01/exploding-supergiant-star-got-surprisingly-busy-during.html
赤色超巨星の激しすぎる最期が明らかに。超新星爆発の直前に見られた予兆とは
超新星爆発の観測がアツい!
2020年4月、NASAのハッブル宇宙望遠鏡をはじめ複数の望遠鏡が、観測史上初めて超新星爆発の様子をリアルタイムに観測したことはすでにこちらでお伝えしていました。
さらに同年9月、別の研究チームが赤色超巨星の超新星爆発をリアルタイムに観測することに成功しました。その際、爆発に先駆けて放射が確認され、超新星爆発の常識をくつがえす大発見となりました。
というのも、これまで観測された赤色超巨星はなんの前触れもなくとつぜん爆発していたそうなんですね。今回のように超新星爆発が起こる前から激しく放射していたケースは初めてだったそうで、星の内部でまだ解明されていない謎の変化が起きていたことを示唆しているそうです。
超新星爆発とは
まずは超新星爆発をについてちょっとおさらい。
夜空にきらめく星のほとんどは水素の核融合反応により輝いています。そうやって何億年も核融合を続けていくうちに、燃料である水素は減り、かわりに中心部分に核融合反応でできたヘリウムが溜まっていきます。
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やがて水素を使い果たしてしまうと、核融合反応が弱まって自重に耐えられなくなり、星の中心部分がつぶれ始めます。すると、中心に残されたヘリウムが圧縮され、温度が上がります。ある一定の温度を超えると今度はヘリウム同士の核融合反応が始まり、炭素・酸素などがつくられます。と同時に大きなエネルギーがつくり出されるために星がふくれ上がり、巨星となります。
太陽より8倍以上重い星の重力はさらに中心部分を圧縮し続けるので、次第に炭素同士、酸素同士が核融合反応を起こしてネオン・マグネシウム・ケイ素などができて、最終的には星の中心部に鉄の核ができあがります。しかし鉄同士では核融合反応が起きないので、ここで星の核融合炉は停止。すると自重で急激に縮みはじめ、鉄の核はつぶされてほとんどが中性子に変わります。この反応で大量のニュートリノが星の中心から噴き出し、星がこっぱみじんに砕け散ると考えられています。これが超新星爆発と呼ばれているもので、事実上星の死を意味しています。
目の前で星が爆死するスペクタクル
2020年9月に観測された赤色超巨星の超新星爆発は、史上初のリアルタイム観測でした。しかも爆発する数ヶ月前から観測し続けていたという徹底ぶり!
赤色超巨星の異変を最初に見つけ出したのは、カリフォルニア大学サンタクルーズ校に設置されている「Young Supernova Experiment」が運営している超新星サーベイでした。2020年夏、マウイ島のパンスターズ (Pan-STARRS)が1億2000万光年先のNGC 5731銀河にある赤色超巨星から異常な量の放射を観測。その後130日間に渡って観測し続けました。研究チームの上級研究員であるカリフォルニア大学バークレー校のRaffaella Margutti准教授曰く、「まるで時限爆弾を見ているよう」だったそうです。
そして9月16日、ついに超新星爆発が起こり、ハワイ島のケック天文台の低解像度統合分光法を使って最初の閃光とそのスペクトル、そして爆発後の動向までの一部始終を詳細に捉えることに成功しました。「目の前で赤色超巨星が爆発したのを観測できたんです!」とWynn Jacobson-Galánポスドク研究員はケック天文台が発表したプレスリリースで語っています。さらに、Marguttiさんは
これまで観測した赤色超巨星の最期に、これほどまでに眩しい閃光や、その後の崩壊、燃焼においても激しい活動が見られたのは初めてのことです。
とも語っています。
Jacobson-Galánさん、Marguttiさんらを筆頭とする研究者チームは、これらの観測を研究論文にまとめ、Astrophysical Journalにて発表しています。
くつがされた常識、そして新たな謎
「SN 2020tlf」と名付けられたこの超新星爆発は、これまで観測されてきたどのII型超新星爆発とも異なっていました。
通常、赤色超巨星が超新星爆発を起こす前は比較的不活発で、その後に続く激しい爆発や強烈な閃光を予期させるような動きは見られないそうです。ところが、SN 2020tlfは爆発する数ヶ月前から強烈な放射線を放っていました。さらに、爆発前から爆発時まで濃い星周物質に取り囲まれていました。
これらの観測は、すべての赤色超巨星が同様に最期を迎えないこと、そして少なくとも赤色超巨星のうちのいくつかは爆死に至るまでに内部構造に大きな変化をきたすことを示唆しているそうです。同時に、爆発前の「前駆放射(precursor emission)」と星周物質の存在は、赤色超巨星の質量がなんらかの星の内部のメカニズムによって失われ、同時にエネルギー(光)となって放射されているとも考えられるそうです。予測不可能と考えられていた超新星爆発を知らせてくれる予兆として、今後有用な手がかりとなってくれるかもしれません。
Jacobson-Galánさんはプレスリリースで、
今回の発見により、超新星爆発について解き放たれた「新たな謎」に最もワクワクしているところです。
SN 2020tlfのような天文学的なイベントの観測を今後も続けていけば、星の進化の最終段階についての理解を劇的に深められるでしょうし、巨星がどのように一生を終えるのかというミステリーが明かされることにもなります
とコメントしています。今までの常識をくつがえすぐらいドラマチックな超新星爆発が、今度またいつ観測されるのか楽しみになりますね。
ちなみに、SN 2020tlfの元となった赤色超巨星は、太陽の10倍から12倍の質量を持っていたと推測され、ベテルギウスとほぼ同じサイズです。ということは、ベテルギウスも同じように華々しい最期を迎えることになるのでしょうか…? 変形したり、減光したりと、最近やや不規則な活動が見られているベテルギウスだけに、こちらも気になるところです。
https://www.gizmodo.jp/2022/01/exploding-supergiant-star-got-surprisingly-busy-during.html
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