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アフリカの半分、ロシア非難に加わらず どれだけ深い関係が?/LOBE
研究室から見える世界
2022.05.20
https://globe.asahi.com/article/14623000
ロシア軍に加わろうとして、アジスアベバのロシア大使館前に列を作るエチオピア人=ロイター
ロシアのウクライナ侵攻を受けて今年2〜3月に開かれた国連総会緊急特別会合では、ロシアを非難する二つの決議の採決で、アフリカの多くの国が「棄権」や「不参加」を選択した。4月7日の国連人権理事会におけるロシアの理事国資格停止の決議の採決でも、同様の現象が起きた。
なぜ、多くのアフリカの国が、ロシアの侵略行為を正面から批判することをためらうのか。ロシアはアフリカ諸国とどのような関係を築いているのか。前・後編の2回にわたって考えたい。前編の今回は、「経済」と「軍事」の分野における両者の関係に焦点を当てる。(白戸圭一)
はじめに、国連におけるアフリカ諸国の投票について詳しく見ておきたい。
ウクライナからのロシア軍即時撤退を求めた3月2日の決議案に対しては、141カ国が賛成、5カ国が反対、35カ国が棄権した。反対5カ国はロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、イサイアス大統領の強烈な反米主義で知られるアフリカ北東部のエリトリアだった。また、棄権35カ国のうち、17カ国はアフリカの国だった。
さらに、国連総会には「不参加」という態度表明の方法がある。不参加は「棄権」とは異なり、そもそも決議案の審議に参画しなかったことを示す。3月2日の決議案の審議では、12カ国が不参加であり、このうち8カ国がアフリカの国であった。
反対1、棄権17に不参加8を足すと計26。つまり、アフリカ54カ国のほぼ半分はロシア非難に加わらなかったのである。
独立記念式典が開かれたエリトリアの首都アスマラで、集まった観衆に手を振るイサイアス大統領ら=2019年5月、中野智明氏撮影
続く3月24日の総会緊急特別会合では、ロシアが軍事侵攻によって悲惨な人道状況をもたらしたとして、民間人に対する無差別攻撃の停止や人道支援強化を訴える決議案が採択された。
賛成140カ国、反対5カ国、棄権38カ国。反対5カ国は前回と同じ顔ぶれ。棄権38カ国のうち20カ国がアフリカの国で、不参加10カ国のうち6カ国はアフリカの国であった。反対1、棄権20、不参加6を足すと27。アフリカ54カ国のちょうど半分がロシアを正面から非難しないという結果だった。
さらに、4月7日の総会緊急特別会合で、国連人権理事会におけるロシアの理事国資格停止について採決した際には、賛成93カ国、反対24カ国、棄権58カ国。反対24カ国のうち9カ国がアフリカの国。棄権58カ国のうち24カ国はアフリカの国。そして、この時もアフリカから11カ国が不参加であった。反対9と棄権24と不参加11を足すと44。なんとアフリカ54カ国のうち44カ国がロシアの資格停止に賛同しなかったのである。
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