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バイデン大統領、石油業界に増産圧力 異例介入に反発も/日経
ウクライナ侵攻
2022年6月17日 6:20
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EHF0V10C22A6000000/
米エクソンモービルの製油所(米南部ルイジアナ州)=ロイター
【ヒューストン=花房良祐】バイデン米大統領が、燃料高を引き起こしているとして石油業界に矛先を向けている。15日、大手石油会社7社が生産量を増やさず高収益をあげていると非難する書簡を送り、ガソリンの増産を迫った。11月の中間選挙に向けて有権者が嫌うガソリン高を緩和したい考えだが、企業の生産計画や収益に対する大統領の異例の介入に石油業界は反発を強めている。
書簡は米エクソンモービルやシェブロンなど合計7社の幹部に宛てたもの。バイデン氏は「戦時にもかかわらず製油所の利益率は平時より高い。受け入れることができない」と石油会社の高収益を批判した。ロシアによるウクライナ侵攻が価格上昇の主因だとの認識を示す一方、「企業はガソリンやディーゼル、その他の石油製品をただちに増産しなければいけない」と動きが鈍い業界を糾弾した。これに先立つ10日の演説では「エクソンは神よりも稼いでいる」と石油メジャーを名指しする発言まで飛び出した。
全米自動車協会(AAA)によると、全米のレギュラーガソリンの平均価格は11日に初めて1ガロン(約4リットル)あたり5ドルを突破した。一方、調査会社S&PキャピタルIQによると、米国の石油精製企業の2021年の最終損益は合計147億ドル(約2兆円)の黒字(20年は194億ドルの赤字)に転換した。利益水準は新型コロナウイルス危機前の19年を約3割上回る。
石油業界と距離を置く民主党の議員らは「暴利をむさぼる」という意味の「プロフェティアリング」という言葉を使って業界批判を繰り返している。14日には米議会上院財政委員会のロン・ワイデン委員長(民主)が、高収益を上げる石油会社に21%の付加税を課す増税案を検討していると報じられた。現状の法人税に上乗せし、最大42%の連邦税を課す内容という。
もっとも、米国の製油所の稼働率は9割を超えフル稼働に近い。米国では脱炭素の流れなどを受けて製油所への新規投資が細っている。精製能力は20年4月にピークの日量約1900万バレルとなった後、新型コロナ危機下で老朽化した製油所の閉鎖が進んだことで22年3月に同約1790万バレルまで低下した。
米石油協会(API)は15日、「脱石油・天然ガスを目指す現政権の誤った方針が、エネルギー需要を満たそうとする企業の活動を阻害している」とバイデン氏の批判に反論した。
米石油業界は、石油・天然ガスの生産・輸出拡大をめざしたトランプ前政権の規制緩和といったエネルギー政策を謳歌してきた。脱炭素を前面に打ち出すバイデン政権はカナダからの大型石油パイプラインの建設中止を決めるなど化石燃料の抑制策を進めたが、ここにきて増産圧力を強めるバイデン氏に業界関係者は「ご都合主義だ」と反発を強める。
バイデン氏の書簡を受け取ったエクソンは、「大統領には日ごろから情報提供しており、エクソンが米国内で過去5年間に500億ドル以上投資したことも伝えている」と声明を公表した。そのうえで「明確で一貫性のある政策があれば投資は促進される」と注文をつけた。
バイデン政権と民主党は、長引くガソリン高に対して打つ手が限られ、石油業界を批判することで有権者の不満をかわそうとしている。バイデン氏は7月に石油輸出国機構(OPEC)の盟主であるサウジアラビアを訪問する予定で、原油の増産も主要な議題となる。環境対策を訴えてきた自身の政策理念と燃料高対策の間で、同氏は難しい立場に立たされている。
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