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ドイツの失敗/田中宇
http://www.asyura2.com/21/kokusai31/msg/750.html
投稿者 仁王像 日時 2022 年 5 月 31 日 09:17:58: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 


◆ドイツの失敗/田中宇
 http://www.asyura2.com/21/kokusai31/index.html
 【2022年5月30日】
 今年のウクライナ開戦で、欧州と世界の冷戦後は終わった。
 QE終了でドル崩壊が加速し、替わりに露中・非米側の金資源本位制が強くなり、米国覇権体制も終わっていく。ドイツが率いるEUが世界の極の一つになるシナリオは失われて久しいが、代わりにドイツが採り続けた対米従属の方針も、米国覇権の終了とともに失われる。
 それが見えてきたのに、いまだにドイツやEUは対米従属のままロシアを敵視し、事前の準備も全くせずに自分たちが依存しているロシアからの石油ガス輸入を止める対露経済制裁をやろうとしてできず、大失敗している。  

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コメント
1. 2022年6月01日 04:03:14 : UsXBocheQk : STBMSUdRSkgzYlE=[1] 報告
ドイツは、独立自尊で、もうちょっとしっかりしろよって言いたいけど、日本も同じようだから、言えないなあ。
2. 2022年6月01日 09:04:06 : xutrAnH8Uc : RTEwU1BmR3dDMEU=[2779] 報告
アメリカのポチの日本が他国を批判などできない。自国を棚に上げて何も言えないだらしない国は日本。
3. 2022年6月01日 12:45:14 : hHRyrQsPsY : Nk5rVnVxSUM2Vk0=[866] 報告
01さん、
>日本も同じようだから、言えないなあ。

「同じよう」なのは「日本政府」であって、日本人全員ではないはず。そして、日本は1945以降、天皇陛下の思し召しやNHKの放送に関係なく、個人が正しいと信ずるところを述べることができる国になった筈ですから、「言えないなあ。」ということは無いはずだと思いますけど。

それで、「アメポチ政府」をもつ国の国民のひとりとして言わせていただきますと、事実上EUを支配してきたドイツ連邦政府が、ブリュッセル政府(フォンデルライアンというのはメルケル政権の国防相、選挙で勝利したわけでもなんでもなく、加盟国の酋長会議で密室で決まった)とも、ポーランドや、ハンガリーなどとの根本政策で一致できなくなってきた。EU自体が統一を失いつつあるのにそれでもアメリカへの経済的・軍事的従属を続けるという根本矛盾が露呈してきた、ということだろうと。

例えば、安いロシアガスオイルをcut offして、アメリカに切り替えようとしても、高くてデリバリー量が少ない。アフリカからの代替えは絵に書いたモチ。EUは薪で冬を過ごさねばならない。電気は計画停電。ガソリンは配給。戦闘機は訓練ができない。

EU経済は今後数十年停滞期に入る。その分、中露とロシア制裁に参加しなかった隠れキリシタンなるグローバルサウスが台頭する(ロシア制裁は40国だから150国くらい)、折しもBRIがどんどん足を伸ばして、南太平洋のソロモンだのサモアまで届いているのだから今更アメリカにすり寄る国は殆どない。パキスタンのように、セミクーデター以外にないが、それも長くは続かない。

もし、アメリカが中国の経済発展を阻止しようとして、台湾のサイ政権をけしかけて独立させようとすれば、中国の軍事侵攻が約束通りに実行される。アメリカがウクライナのように「見物」に徹すればアメリカの負けが世界にバレる。軍事介入すれば、一気に経済崩壊する。中露が相手の時には、軍事的には空母は「標的」だから使えない。中国のハーパーソニックDFナンタラも変則軌道だし、アメリカはロシアのS-400や500のようなものを持っていないから沖縄、横田、横須賀などは、かなり危ない。

ようするに、戦後アメリカのドル支配というものはつきつめると「軍事力」だった。軍事力ペッグ制、というのが本質だった。今まで、イラクやリビア、などという小国ばかりを相手にしてきたときは有無を言わせずレイプすることができたが、中露(少なくともここ十年の中露)は戦争のパラダイムを変えてしまった。空母の時代からミサイルの時代になった。1千万円(アメリカ製だと1億)のミサイルで一兆円の空母を沈められる。アメリカの軍事力ペッグ制は崩壊している、世界の警察官は崩壊している、ということだろう。

いわゆる、アメリカの唱える「ルールベースの国際社会」、アメリカ一極主義から、中露の唱える「国連中心の国際社会」、多極主義への歴史的転換の時代への移行が起きている。今は、その陣痛の過程ということだろう。

4. 2022年6月01日 15:33:31 : FZM53of8XA : d3liRHZ3ZjFQVnM=[2] 報告
01です。
03さんのご意見に全く同意します。ご説明ありがとうございます。
ただ、こんな政府を選んだのも日本国民。今後の将来は、これからの若者に期待しましょうか。
5. 2022年6月03日 19:48:33 : doGBzV5XYM : N3M5Z1l4RTBpU0E=[1] 報告
ドイツの大新聞社に雇われるときには、椅子と米に反する記事は書かない、という誓約書と提出しなければなりません。 これは、TV等の全てもメディアに通ずること。
ドイツは日本と同様、椅子米の奴隷国なのです。

因みに、米は椅子の奴隷国。

6. 2022年6月04日 21:43:44 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[13637] 報告
ロシアの優勢で一段落しているウクライナ
2022年6月4日   田中 宇
2月25日の開戦から百日目の6月4日、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアに領土の2割を奪われた状態にあると表明した。ロシア系住民が多いウクライナ東部のドンバス2州(ロシアから見ると、すでにウクライナから分離独立したドネツクとルガンスクというドンバス2カ国)で、ロシア軍がウクライナ軍を大体追い出した。ウクライナ戦争はロシアの勝ちで一段落している。ロシア側は余裕があり、対照的にウクライナ側は軍が疲弊して限界に達している。軍を酷使するゼレンスキー政権と軍部の間に対立があると、ベラルーシのルカシェンコ大統領が指摘している。軍や極右民兵団は、ポーランドがウクライナ西部を事実上併合する件をゼレンスキーが了承していることにも不満だ。 (As Invasion Enters 100th Day, Russia Now Holds 20% Of Ukraine: Zelensky) (Ukrainian military at odds with Zelensky – Belarus) (同盟諸国とロシアを戦争させたい米国)

ロシア側から見ると、露軍は正義の戦いに勝っている。米国が2014年にウクライナの政権を転覆して極右とすげ替え、極右民兵団などがロシア系住民を殺そうとする内戦に入って以来、ロシア政府は、ウクライナ在住の同胞(ロシア系ウクライナ人)を守ること(邦人保護)を重視してきた(ソ連時代の名残で、旧ソ連諸国の各地にロシア系住民がいる)。米国は昨年末から、ゼレンスキー政権を動かしてウクライナ東部のロシア系住民への攻撃を強めさせ、ロシア軍がウクライナに侵攻せざるを得ない状況を作り、2月25日の開戦を誘発した。露軍は百日かけてドンバスからウクライナ軍をほぼ排除し、首都キエフ周辺のウクライナ側の軍事施設も緒戦で破壊し、ドンバスのロシア系住民が安心して暮らせる状態をおおむね実現した。 (ウクライナ戦争で最も悪いのは米英) (ロシアは正義のためにウクライナに侵攻するかも)

露軍はだいたい予定通り戦争(特殊作戦)を完遂している。露軍は大失敗しているという、いまだに続いている日本など米国側のマスコミ報道は大幅に間違っている。2週間ほど前、露軍がハルキウ市街から郊外へ撤退し、それはウクライナ軍が米国から届いた対戦車砲を使って露軍に反撃し始めたからだと言われた。これから露軍の敗退が加速し、ウクライナ軍が建て直して勝っていくとの憶測も流れたが、結局ウクライナ軍が奪還したのはハルキウ市街だけに終わり、他の場所は露軍が優勢のままだ。 (複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ) (ロシアが負けそうだと勘違いして自滅する米欧)

露軍は自国の国境から遠くない地域に展開しており、補給が簡単で敗北や困窮のリスクが少ない。露軍が飢えているという報道はウソだ。露軍港があるので2014年に併合したクリミアと、ロシア本土との間を陸地でつなぐことも達成した。あとは、南部の黒海岸のオデッサから、モルドバから分離独立して露軍が駐留している沿ドニエストルまでの地域を取るのかどうか、ハルキウやその先の対露国境に沿った北東部の地域を取るのかどうか、といったところが露軍の今後の展開の可能性だ。どう展開するにせよ、ロシアは急いでやらない。ロシアなど非米側と米国側の対立が長引くほど、米国側が自滅して覇権が多極化してロシアに有利になる。ロシアは今後もゆっくりやる。それを米国側マスコミが、ロシアは失敗していると勝手に勘違いし続ける。 (ノボロシア建国がウクライナでの露の目標?) (ウクライナで妄想し負けていく米欧)

米政府は巨額の予算をつけ、ウクライナに大量の兵器を送り込んでいることになっている。送り込んだ兵器がどこでどう使われているか、本来は米国防総省が追跡して把握すべきなのだが、追跡はほとんど行われていない。国防総省自身がそれを認めている。ハルキウでウクライナ軍が米国から送られた対戦車砲を使って露軍を後退させたのであれば、少なくともハルキウでは米国からの兵器が使われたことになる。だが、他の場所で露軍が優勢なままなので、ウクライナ全体として米国からの対戦車砲はあまり使われていない感じだ。米国が膨大な兵器を送っても、一部しかウクライナで使われず、残りは兵器のブラックマーケットに流され、世界の他の場所でテロリストや犯罪組織に使われてしまうとインターポールが警告している。 (Weapons sent to Ukraine could get into wrong hands – Interpol) (Pressure Mounts On Pentagon Over Lack Of Oversight For Ukraine Weapons)

米国側が兵器を実際にウクライナに送っているのなら、そこからウクライナ政府の腐敗した高官によってブラックマーケットに横流しされる懸念になるが、実際に兵器が送られておらず、国防総省の下請け会社や軍事産業で資金洗浄されて米国の政界や諜報界の裏金や横領金に化けている可能性もある。最近の記事でその可能性について書いた。 (米政治家らに横領されるウクライナ支援金)

ウクライナ戦争の米国側は、プロパガンダの分野でもインチキが横行している。ウクライナ政府のデニソバ人権監督官(Lyudmyla Denisova)は、露軍兵士がウクライナで市民を強姦したり性的に残虐な殺し方をしているといった話を、4月の2週間に400件、米国側のマスコミに流し、米タイム誌などがさかんに喧伝した。だがその後、ウクライナのNGOが、露軍兵士に強姦された被害者たちの救援事業をやって米欧政府などから補助金や支援金を集めるため、デニソバ人権監督官の強姦話を一つずつ検証して被害者や家族など関係者に会っていこうとしたところ、具体的に検証していける話がなく、デニソバが話をでっち上げていたことがわかった。 (Ukraine Fires Own Human Rights Chief For Perpetuating Russian Troop 'Systematic Rape' Stories)

加えてデニソバは、ウクライナ政府からロシアに行って捕虜交換の話をまとめてこいと言われたのに西欧に行って休養していたことも発覚し、NGOからの抗議を受けてウクライナ議会が調査し、5月31日にデニソバを罷免した。デニソバは辞めさせられたが、無根拠なのに無検証のまま報道したタイム誌など米国側マスコミは訂正記事も出さず、米欧日の多くの人がインチキな露軍強姦話を軽信したまま生きている。今回の戦争で米国側のプロパガンダづくりを担当している英諜報界がデニソバに入れ知恵した可能性があるが、デニソバがなぜ突然に大量の作り話をでっち上げて流布したのかも不明だ。 (Rape Allegations Against Russian Troops In Ukraine Were Fake) (Why Ukraine's human rights chief Lyudmila Denisova was dismissed)

開戦以来、ウクライナの優勢と露軍の惨敗という、事実と逆のことばかり報じてきた米国側のマスコミは、最近になってようやくウクライナ側が苦戦している事実を報じ始めた。NYタイムスは5月10日にウクライナ軍の苦戦ぶりを初めて報じた。5月26日にはワシントン・ポストが、外国から来た義勇兵と傭兵たちを酷使しすぎているウクライナ軍を初めて批判的に報道した。5月23日には米外交・諜報界の重鎮であるキッシンジャー元国務長官が、ウクライナでのロシアの勝利はすでに確定的だから外交交渉で停戦するしかないと指摘した。 (Ukraine War’s Geographic Reality: Russia Has Seized Much of the East) (Ukrainian volunteer fighters in the east feel abandoned)

開戦以来、事態を傍観してきた米諜報界の古株たちが、もうこれではうまくいかない、もうやめろ、とタオルをリングに投げ込んでいる。しかしおそらく、今の諜報界やバイデン政権を握っている「民主党左派に移ったネオコン筋」は、古株からの警告を無視して無茶な戦争やロシア敵視を続ける。ネオコン筋は、外交や戦争を過激に稚拙にやって米国覇権を自滅させる隠れ多極主義者だから、ここで自滅策をやめるはずがなく、むしろこれからが本番だ。 (左派覇権主義と右派ポピュリズムが戦う米国) (米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化)

対露経済制裁など複合戦争の面でも、ロシアの優勢と米欧の不利が増し、逆転不能な確定状態になってきている。EUはロシアからの石油ガスの輸入を止める対露制裁をやると言いつつ、実際はほとんど何もできないことが露呈している。欧州諸国はロシアの天然ガスを買い続けているし、石油もパイプラインでの輸送分は制裁しないことを決めた。船積み輸送分は、インドなど非米国がロシアから買った石油を転売してもらうことで欧州諸国が買い続けられる。製油所の多くは特定の油質の原油しか精製できず、欧州にはロシアのウラル原油しか精製できない製油所が多いので、ロシアからの輸入を止められない。インド勢はロシアに値引きさせて原油を大量に買い込み、欧州などに転売して大儲けしている。半面、欧州は合計で1兆ドルのコスト高になると概算されている。 (複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ) (Germany Expects Oil Embargo Decision This Week)

米国側の諸国が石油ガスの対露制裁をやるほど、石油もガスも国際価格が高騰し、ロシアが非米諸国に売ったり、制裁を迂回して米国側に売る石油ガスの値段も上がり、ロシアの儲けが増え、米国側の損失が増える。米政府内では、財務省などが、対露制裁をやるほど米国民が使うガソリン代など燃料費が値上がりし、米経済を痛めつけるのでもう対露制裁しない方が良いと言い出している。米政府内のネオコンたちはそれに反対で、もっと強く制裁すればロシアが潰れて事態が好転すると言い続けている。実際のところ、ロシアは潰れず優勢になるばかりで、米国の事態は好転しない。6月に入って米連銀のQTが始まったので、そのうち金融崩壊する。 (India is Buying Up Cheap Sanctioned Russian Oil and Selling it to the U.S. and E.U. at Huge Profits) (Russia Uses Chinese Ships And Indian Refiners To Stay Ahead of Oil Sanctions)

物価高騰で人気が低下するバイデン政権は、OPEC+に頼んで増産してもらうことにした。OPEC+はロシアとサウジの合議体で、本来は米国の要望など聞かないはずだが、なぜか快諾して増産を決議した。増産を決めたら原油相場が下がるはずだが、実際にはOPEC+が増産を決めた途端に原油が1バレル110ドルから120ドルへと高騰した。実はOPEC+が決めた増産は、以前にやると決めたがまだやっていない分を再決議しただけで新味がなく、高騰要因になってしまった。バイデンは、今月中にサウジを訪問したいが、サウジの権力者であるMbS皇太子を殺人鬼(カショギ殺害犯)と呼んで怒らせてきたので、訪問しても良い話をもらえそうもない。 (Oil Soars As Traders Realize What OPEC+ Did) (Biden Planning Saudi Trip As Gas Prices Soar, But MbS Still Unpunished Over Khashoggi Murder)

米国がロシアをへこませようとしている話としては、ロシアにドルを使わせず、露政府のドル建て国債の利払いや償還を不可能にして債務不履行(デフォルト)に追い込もうとする策略もある。だがこれについてもロシア政府は、債権者にロシアの銀行でルーブル建てとドル建ての口座を作らせ、露政府が利払い金などをルーブル建ての口座に送金し、銀行がそれをドルに両替してドル建て口座に移すやり方で制裁回避しつつ不履行を防ぐやり方を計画している。これは天然ガスを欧州に売る時と同じやり方だ。開戦後、時間が経つほどロシア側が優勢に、米国側が不利になり、ガスも利払いも、露政府提案の方式に米国側が応じるようになっている。 (Russia Plans Bond Payment System Like 'Rubles-For-Gas' Scheme To Get Around Sanctions) (ルーブル化で資源国をドル離れに誘導するプーチン)

このように軍事でも経済でも、ロシアの優勢で事態が一段落している。しかし日本など米国側のマスコミや大手インターネットではこうした状況が全く報じられず、正反対の、ロシアが今にも潰れそうな妄想話ばかりが流布している。だから、米国側の自滅を加速する対露制裁が今後も続き、ロシアはますます優勢になる。こういう状態がたぶん来年まで続く。その間に米国の金融システムがQT由来の大崩壊を引き起こし、米国の覇権が崩れ、ロシアなど非米側が台頭して覇権が多極型に転換していく。マスコミはその流れを報じず、多くの人が気づかないうちに覇権転換が進む。 (ウソだらけのウクライナ戦争) (現物側が金融側を下克上する) (来年までにドル崩壊)
https://tanakanews.com/220604ukrain.htm

7. 2022年6月09日 16:29:23 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[13696] 報告
ひどくなる大リセット系の嫌がらせ
2022年6月9日   田中 宇
「大リセット」は、米欧のエスタブ諜報界などいわゆる深奥国家の会合である「ダボス会議」を運営する世界経済フォーラム(WEF)が数年前から推進してきた、人類の政治社会構造を、主に多極化と米欧覇権自滅の方向に大転換する、問題への「対策」のふりをした歪曲捏造的、ディストピアな動きの総称だ。地球温暖化対策、新型コロナなどの(人造)パンデミック、インフレ物不足対策、食糧危機対策、マスコミの歪曲報道、ネット検閲、人類に対する思想統制、覚醒運動(実は逆差別)などが含まれている。 (人類を怒らせるための大リセット) (大リセットで欧米人の怒りを扇動しポピュリズムを勃興、覇権を壊す)

大リセットはそれ自体がプロパガンダなので、対象事項の範囲や、その正しい意図について確定的に把握できない。大リセットに関するマスコミ報道やネット言論も歪曲されているので、すっきりとした分析にならない。ウソと本当が逆転しているオーウェル1984状態になっている分野が多いので、分析しても(とくに軽信的な左翼の方々から)トンデモ・妄想扱いされたりする。 (近づく世界の大リセット)

このように大リセットは不確定だが、便利な概念でもある。たとえば、温暖化問題とコロナは超愚策によって米欧を経済的に自滅させている点で覇権分析的に似ているが、この2つをくくる概念は大リセットぐらいしかない。大リセットは諜報界(隠れ多極派)によるプロパガンダなのだが、隠れ多極主義的な本性をちらちら(意図的に?)見せてくれる点が興味深い(彼らはイラク戦争のころからそうだ)。わかる人にはわかるようにしてあり、意外と親切だ(笑)。 (コロナの次は温暖化ディストピア)

大リセットは本質的に「覇権のリセット」つまり多極化である。「いや違う。大リセットは、世界中の国家主権が剥奪されて世界政府(国連など)に一本化される世界体制のリセットだよ」という人がいるかもしれない。確かに国権剥奪の世界政府化は、コロナのパンデミック条約などで推進されつつある。だが、私から見ると、世界政府化は「失敗させるためにやっていること」だ。世界政府の構想は、米欧諸国を自滅させた挙げ句に失敗する。非米諸国は影響を受けない。大リセットは全体的に、未必の故意的に失敗させることによって本来の目的を達成する策略である。 (World Health Organization treaty is an attack on national sovereignty, part of a ‘global coup’) (英米覇権の一部である科学の権威をコロナや温暖化で自滅させる)

国連や国際エスタブ筋が「全ての政府から国家主権を剥奪して国連など世界政府に権力を集中させるのだ」と宣言してそれを進めようとするほど、米欧諸国では国権剥奪に猛反対する右派ポピュリズムなナショナリズムの政治運動が強まり、国権の放棄を了承していた中道エリートが選挙などで権力を喪失し、国権剥奪を拒否する右派政府に替わっていく(米欧の左派は間抜けにも世界政府に反対しない)。中国BRICSなど非米諸国は独裁や権威主義政府だから、世界政府良いですねと表向き賛成しつつ国権は放棄しない。世界政府は作られても名ばかりで失敗する。失敗するが、その過程で米欧のエリート支配が崩壊して米国覇権も低下し、その一方で非米諸国は何も変わらないので米欧を押しのけて台頭し、結果的に多極化が進む。 (世界の国権を剥奪するコロナ新条約)

大リセットは、次々と新たなテーマを追加・包含していく。WEFが新テーマ包含を宣言しなくても、話の流れを見ていると大リセット的だと思われる「大リセット系」の話が次々と出てくる。たとえば最近アイルランド政府は、ウクライナ戦争による対露経済制裁でロシアからの石油ガス輸入が減り、温暖化対策として石油ガス利用を減らす必要も込めて、エネルギー消費を減らす目的で、人々に在宅勤務を強要するなど、コロナのときのような都市閉鎖(ロックダウン)を行うかもしれないと表明した。何でも良いから理由をつけてコロナ時のような都市閉鎖を再開して米欧経済を自滅させるのが大リセット的だ。ウクライナ戦争自体は大リセットに含まれていないが、ウクライナ戦争を理由とした対露制裁は、石油ガスや穀物など資源類の高騰と不足を引き起こし、その対策が大リセット的である。 (Great Reset: State Planning Harsh COVID-Style Lockdown in Event of Fuel Shortage – Leak)

ビル・ゲイツは「次のパンデミックは地球温暖化によって引き起こされる。もしくはテロリストがパンデミックを発生させる」と言っている。温暖化問題や、一つ前の諜報界の謀略だった「テロ戦争」と、パンデミックを都合よくつなげてしまうこういう言い方も大リセット的だ。ゲイツは最近「サル痘」の発生時期を「当てた」ことでも知られている。ゲイツをめぐるこれらの事象を見た人(軽信者以外の人)は「ゲイツこそパンデミックを起こしてるテロリストじゃないか」と思ってしまう。ゲイツはパンデミック大王のように言われているが、大リセットの一つであるパンデミックを使った支配強化の構図が崩壊していくほど、ゲイツは「パンデミック・ピエロ」にされる。私から見ると、彼はピエロにされるシナリオに前からはめこまれている。 (There is zero chance that this new monkeypox occurred naturally”) (Bill Gates: Next Pandemic Likely To Be Caused By Climate Change)

国家より上位だった「大王」が、いつの間にかピエロにされていく大リセット系の配役としては、温暖化問題のグレタ・トゥーンベリや、ウクライナのゼレンスキー大統領もいる。トゥーンベリは米欧諸国に、経済自滅や国民生活破綻の過激な温暖化対策をやれと高圧的に「命じる」役回りで、マスコミ(や左翼)がトゥーンベリをもてはやして権威を大膨張させた。彼女の背後には入れ知恵役の大人たちがいて、それらは英国などの諜報筋だ。トゥーンベリは諜報界の傀儡だ。彼女は米欧だけを激しく攻撃する半面、中国の批判は全くしなかった。米欧を経済的に自滅させて米国覇権体制を崩壊させ、中国など非米側を相対的に台頭させる多極主義の手口が見えている。 (Why Greta's Climate Panic Failed)

その後ウクライナが開戦し、欧米が対露制裁で石油ガス石炭をあきらめねばならなくなると、自然エネルギーだけでは経済破綻することが確実になり、トゥーンベリの主張は無視されるようになった。替わって、米国の傀儡として欧州に「ロシアからの石油ガス石炭の輸入を止めろ。欧州が経済的に自滅しても構わないからロシアを潰せ」と虎の威を借る狐的に圧力をかけているのがゼレンスキーだ。だが、ロシアがウクライナ東部を着々と支配していき、ウクライナ軍はもう勝てないと米元高官も認める最近は、独仏がゼレンスキーに対してロシアに譲歩して和解しろと逆に加圧する状態になっている。 (Here's the truth on Ukraine, as far as I can tell) (Zelensky Vows "Full De-Occupation Of Entire Territory" After Macron's 'Don't Humiliate Russia' Remarks)

大リセット系の動きは、米欧の覇権を自滅させる隠れ多極主義的な動きだ。米欧の人々にとっては、人権や生活を侵害され、暮らしを悪化させられる嫌がらせの策である。米欧の国民経済を悪化・破綻させることで、米欧の経済力を自滅させ、覇権転換・多極化を引き起こすのが大リセットの役割だ。地球温暖化やパンデミックによる死者急増、ロシアを野放しにすることなどを容認するよりは、人権侵害になっても化石燃料の使用減や都市閉鎖や肉を食べることの禁止などをやった方がましだという歪曲的な理屈で、人権侵害が許容されている。 (World Economic Forum Urges People To Eat Seaweed, Algae, & Cacti To Save The Planet)

米国ではバイデン政権の米政府が大リセット的な色彩を強めている。米国では物価高騰や物不足がひどくなっているが、それらは「地球温暖化対策として炭素の排出を減らすために必要な過渡期の『良いこと』である」という言い方をバイデン政権や民主党議員たちが発している。ガソリンの値上がりは、人々が自動車に乗らなくなって温暖化対策として化石燃料の消費を減らすから良いことなんだとか、電力不足で停電になるのも発電量が減って温暖化対策になるので好ましいとか、米民主党は大リセット的な言説を流布している。対照的に共和党の人々(ロン・ポールなど)は「温暖化防止とかコロナ対策とか、インチキな安全と引き換えに権利を放棄すべきでない」ときっちり言っており、共和党の右派ポピュリストの方が状況をきちんと把握している。 (Biden's "Incredible Transition": High Gas Prices, Supply Shortages Part Of Plan To Unleash Green Economy) (Ron Paul: Don't Trade Real Liberty For Phony Security)

大リセットの被害にあわないようにすることの第一歩は、大リセットのインチキに気づくことだ。その点でいうと、日本は例外的な道をたどっている。日本人のほとんどは大リセットのインチキに気づいていない軽信者だが、同時に現実主義でもあるので、自滅になるガチな都市閉鎖や化石燃料の徹底不使用はやっていない。日本はそこが良い(ワクチンは義務でないが、大半の人が連打しており、自業自得の自然免疫破壊をやっている)。日本はやはり、欧米や中国と別の孤立文明だ。早くG7を脱退して孤立して楽になった方が良い。 (ドイツの失敗)

大リセット系の嫌がらせは、米国側の先進諸国の人々が受け入れている限りずっと続く。下手をすると、あと25年ぐらい続きかねない。人々が温暖化やパンデミックなど大リセットのインチキを見破って政治的に拒否するようになると、大リセットは「失敗」という完成段階に近づいていく。米国は、共和党が大リセットを拒否しているので半分完成している。この状態は、2大政党が前代未聞に本格敵対して米国を分裂させて覇権運営どころでなくなるという、覇権崩壊・多極化につながる。非米側では、中国で都市閉鎖が習近平の権力を維持強化するために使われているなど、米国側と違って大リセットが国力の自滅になっていない。対露制裁はロシアを強化している。 (Biden wants to get out more, seething that his standing is now worse than Trump’s) (The President’s Policy is Dangerous: What Does Joe Biden Believe He is Doing in Ukraine?)

米国は、これまで傀儡化してきたゼレンスキーのウクライナ政府を見捨てる覇権放棄をやりつつある。すでに、ウクライナ軍と米軍の齟齬が拡大している。米世論調査によると、米国民の半分がバイデン政権の対ウクライナ政策を失敗と考えて支持していない。今後ますます不支持が増える。米国民にとっては、ウクライナよりも、インフレなどの生活苦や、犯罪増加や逆差別(大リセットの一部である米民主党のインチキな覚醒運動)など社会不安の方がずっと深刻だ。今秋の中間選挙で共和党が議会多数派になると、米国はますますウクライナ戦争支援やロシア敵視に消極的になる。ウクライナは米国から見放されていく。対米従属していたドイツなど欧州ははしごを外されていく。自業自得だ。 (‘Failure of leadership’ American public ready to abandon Ukraine as trust in Biden plunges) (Ukraine keeps US in the dark on military operations)

ゼレンスキーのウクライナは今後、米国から見放されるだけでなく、国際的にしだいに「悪者」にされていく。ロシアとトルコは、世界的な穀倉地帯であるウクライナから、小麦など穀物を黒海経由で船舶で中東アフリカなど食料難の地域に輸出する計画を、国連とともに開始している。ロシアはすでにマリウポリの港をウクライナから奪い、ウクライナ軍が米国の指示でマリウポリ港に設置した12000個の機雷を露軍が除去して港湾を再開し、ウクライナ東部の春小麦などの穀物を黒海経由で中東アフリカなどに輸出し始めている。ロシアは穀物を奪っているのでなく、ウクライナの農民や穀物会社による輸出を助けている。 (Turkey, Russia Agree To De-Mining Operation In Ukrainian Ports To Erect 'Grain Corridor') (Russian top brass confirms Mariupol seaport cleared of mines and back in business)

露トルコはウクライナ側に働きかけ、もう一つのウクライナ黒海岸の港であるオデッサ港も機雷除去して穀物の輸出を始めようしている。だがゼレンスキーのウクライナ政府は、オデッサ港の機雷を除去すると露軍が海から侵攻してきかねないと言って港湾再開を拒否している。ゼレンスキーは、世界的な食糧難を緩和するのを妨害している「悪い奴」だという話になり始めている。こうした善悪転換の動きも「大リセットの結末」系の話だ。 (Turkey Calls On Ukraine To Cooperate With Russian 'Grain Corridor' Plan To Unblock Ports)
https://tanakanews.com/220509iyagar.htm

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