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トルコが『待った』? 北欧2か国NATO加盟/二村伸・nhk
2022年05月23日 (月)
二村 伸 解説委員
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、北欧のフィンランドとスウェーデンがNATO・北大西洋条約機構への加盟を申請しましたが、トルコが異議を唱えています。その背景には何があるのでしょうか。
Q.イラストでは船の上で多くの国が手を差しのべていますが、トルコだけが頑なに拒んでいますね。
トルコはノアの箱船が行きついた場所と言われますので、NATOを1つの船にたとえてみました。各国首脳が2か国の加盟を支持する中、トルコのエルドアン大統領は21日も加盟にあらためて難色を示しました。
Q.トルコはなぜ反対しているのですか?
トルコ政府は2つの理由をあげています。1つは、両国がトルコの反政府武装組織PKK・クルド労働者党の関係者を支援し、引き渡しに応じていないこと。もう1つは、トルコへの武器輸出を制限する制裁に加わっていることだとしています。トルコはPKKをテロ組織に指定しており、エルドアン大統領は両国の加盟を認めれば「NATOがテロリストの代表が集まる場所になってしまう」とまで述べています。他にも簡単に加盟を支持できない独自の事情があるのです。
Q.独自の事情とはどんなことですか?
欧米、ロシア双方との複雑な関係です。エルドアン大統領は強権的な手法に批判的な欧米諸国に不満を強めており、ロシアとの関係を強化し、NATOの一員ながらロシア製のミサイル防衛システムを導入しました。これに激怒したアメリカは最新鋭のF35ステルス戦闘機の共同開発計画からトルコを締め出し制裁を科しています。エルドアン大統領としては来年大統領選挙を控え、加盟を認める見返りに欧米諸国から最大限の譲歩を引き出したいという狙いがあるものと見られます。
Q.決着はつくのでしょうか?
新規加盟は30か国すべての同意が必要な上、ロシアに対して今こそNATOの結束が求められるときだけに欧米諸国は譲歩せざるをえません。アメリカはF35の代わりに現行の主力戦闘機F16の供与を検討しているといわれ、北欧の2か国も対応を迫られています。トルコも強硬な姿勢を貫きすぎるとNATO内での孤立を招きかねないだけに、したたかなエルドアン大統領は落としどころを探っているのではないでしょうか。
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