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マリウポリで計画の戦勝パレード直前…ロシアが直面する100年ぶり国家破産の危機
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/304364
2022/04/24 日刊ゲンダイ
強気な姿勢だが…(シルアノフ財務相)/(C)ロイター
来月9日の対独戦勝記念日に向け、ウクライナ東部の制圧に注力しているロシア。記念日には国内でパレードを行うほか、ウクライナ南東部の要衝マリウポリでパレードの一環として住民を練り歩かせる計画も浮上している。ただ、メモリアルデーを“無事に”迎えられるかは疑問だ。
主要金融機関が加盟する国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は20日、今月4日満期のドル建てロシア国債を巡り「潜在的なデフォルト(債務不履行)」と認定。ロシアが元本と利子をドルではなく自国通貨のルーブルで埋め合わせ、ドル払いの約束を反故にしたからだ。
「今月上旬には、大手格付け会社がロシアを『部分的デフォルト』と認定していました。来月4日までの支払い猶予期間中にドルで払えなければ、契約違反で正式にデフォルトとなる見通しです。期限までに支払えば、デフォルトを回避できる可能性はありますが、そもそもドルで支払いたくても、経済制裁を受けているので支払えないでしょう」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)
「鎖国経済」でますます弱体化
ロシアがドル建ての支払いを迫られているのは、国債2本の元本・利子の計6億4920万ドル(約830億円)。ロシアの外貨準備高6065億ドル(今月1日時点)のうちドルの比率は約1割だ。数字上は約600億ドルを保有しているが、外貨準備は通貨ごとに各国の中央銀行に預けられている。ロシア中央銀行は欧米から資産凍結されているため、ドルで支払う術がないに等しい。
「主要格付け各社は、ロシア債の格付け評価を取りやめています。海外投資家向けの債券発行の窓口が閉まっている状態なので、ロシアは海外から資金を調達できない。中国やインドなどが制裁の抜け穴になっているとの指摘もありますが、そうした親密国がロシアから石油や天然ガス、金を買うことはあっても、ロシア国内に投資を続けるかは疑問です。事実上、国際金融市場から締め出されたロシアは『鎖国経済』にならざるを得ない。来月4日のデフォルトはある意味『既定路線』であり、ロシア経済はますます弱体化していくでしょう」(小林佳樹氏)
ロシアの外貨建てのデフォルトは、ロシア革命で帝政が崩壊した1917年以来、ほぼ100年ぶり。
ロシアのシルアノフ財務相は西側が国債をデフォルトに追い込もうとすれば法的措置を取るとの考えを示しているが、戦勝記念日の直前に“国家破産”となれば、何とも皮肉な話だ。
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