http://www.asyura2.com/21/kokusai31/msg/592.html
Tweet |
仏大統領選挙は富豪の代理人であるマクロンと米国に嫌われているル・ペンの戦い
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202204110000/
2022.04.11 櫻井ジャーナル
フランス大統領選挙の第1回目の投票が4月10日に実施され、エマニュエル・マクロンが27.6%でトップ、マリーヌ・ル・ペンが23.4%で続いた。4月24日に行われる第2回目の投票はこのふたりで争われる。これまで有力メディアはル・ペンに「極右」というタグをつけ、彼女の国民戦線をファシスト政党だと宣伝してきたが、人気を維持している。
ウクライナのネオ・ナチを擁護している西側の有力メディアがル・ペンを批判するのは、彼女がアメリカの支配層が主導する政策に反対しているからだ。アメリカ/NATOがウクライナでネオ・ナチを使っていることをル・ペンは正面から批判していた。
2014年2月にアメリカ政府はネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除することに成功した。その後もネオ・ナチを使った支配システムをアメリカは築いている。現在、こうしたアメリカの政策にEUは従っているが、クーデター直後はアメリカに従わない政治家もいた。
例えばティエリー・マリアニに率いられたフランス国民運動連合(共和党)の議員団は2015年7月23日から24日にかけてクリミアを訪問している。
この政党は2002年にジャック・シラク大統領の与党として組織され、アメリカがイギリスを引き連れて行ったイラクへの先制攻撃、つまり軍事侵略を批判していた。イラク攻撃を正当化するため、アメリカやイギリスは「大量破壊兵器」の脅威が宣伝されていたが、でっち上げだということは攻撃の前からわかっていた。
アメリカに逆らったシラクは大統領を退任した直後、2007年からスキャンダル攻勢にあう。職員架空雇用の容疑で起訴され、2011年に執行猶予付きながら禁固2年が言い渡されている。
フランスでは2012年に大統領選挙があり、社会党のフランソワ・オランドが当選したが、2011年前半の段階で同党の有力候補はIMF専務理事だったドミニク・ストロスカーンだと考えられていた。その有力候補が退場したのは事件に巻き込まれたからだ。ホテルでメイドを襲った容疑で2011年5月にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕、起訴されたのである。すでにベルリンへ向かう旅客機の座席にストロカーンは座っていた。冤罪だったが、政界への道は断たれた。
逮捕される前の月にストロス-カーンはブルッキングス研究所で演説、その中で失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないとし、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだと発言していた。進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だと語っただけでなく、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だともしている。新自由主義批判、つまりアメリカの金融資本批判だ。
こうした考え方がアメリカ政府を刺激したことは確かだろうが、それ以上に注目されているのがアフリカの通貨問題。当時、アフリカではリビアを中心に、独自の基軸通貨を作ろうとしていた。ディナールという金貨だ。
その計画で中心的な役割を果たしていたのはリビアのムアンマル・アル・カダフィのほか、チュニジアのベン・アリ、そしてエジプトのホスニ・ムバラク。西側で「アラブの春」と呼ばれているレジーム・チェンジで倒された3カ国には「ドル体制からの離脱」という共通項があったのである。
そのほか計画に参加することが予定された国にはスーダン、南スーダン、赤道ギニア、コンゴ、コンゴ民主共和国、ガボン、南アフリカ、ウガンダ、チャド、スリナム、カメルーン、モーリタニア、ザンビア、ソマリア、ガーナ、エチオピア、ケニア、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、イエメン、アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリアが含まれる。(F. William Engdahl, “Hillary Emails, Gold Dinars and Arab Springs,” NEO, 17 March 2016)
ドル体制への挑戦だが、金貨が導入されるとアフリカの一部で使われているCFAフランを揺るがすことにもなる。リビア侵略にフランスが積極的だった理由のひとつはこの辺にあると見られている。
この通貨問題を協議するためIMFも動いていた。ストロスカーンがドイツのアンゲラ・メルケル首相とベルリンで会談した後、トリポリへ向かう予定になっていたのだ。おそらくカダフィを会うことになっていたと見られている。(Thierry Meyssan, “Before Our Very Eyes,” Progressive Press, 2019)
今回のフランス大統領選挙でアメリカはル・ペンの当選を阻止しようとするだろうが、万一当選したならあらゆる手段を講じて排除しようとするだろう。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。