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誰も止められないプーチンの野望(中)反対押し切りウクライナ侵攻か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/302243
2022/03/09 日刊ゲンダイ
2月21日の安全保障会議で発言するロシアのプーチン大統領(C)ロイター/Sputnik/Kremlin
ロシアのプーチン大統領が2月24日、隣国ウクライナへの侵攻開始を発表した。敵の北大西洋条約機構(NATO)を攻撃するのではなく、旧ソ連の身内でありながらNATO入りを希望するウクライナに軍事力を行使し、思いとどまらせようというもの。ロシア人が戦争に賛成しているかは疑問で、プーチン氏は足をすくわれる可能性すらある。
国境の「軍事演習」に異変を読み取ったバイデン米政権は、昨年末から侵攻の恐れを国際社会に警告。「2月16日」というXデーまで予告していた。この正確さはさておき、ロシアの軍事介入で始まった2014年からのウクライナ危機をめぐり、潮目が大きく変わった日がある。北京冬季五輪閉幕翌日の2月21日だ。
プーチン氏はこの日、傀儡政権であるウクライナ東部の親ロシア派を「国家」として承認。8年前に侵略した隣国の一部を勝手に独立させ、停戦合意を破るという決定をした。また、大統領令への署名に先立ち、普段は非公開の安全保障会議をあえて公開で開催。独立承認をめぐって「いいえ、私は……」と同意に窮する対外情報局(SVR)のナルイシキン長官に対して「はっきり答えて」と一喝し、政権幹部たちにイエスマンを演じさせた。満足げなのはプーチン氏。
この3日後の侵攻により、ロシアは大規模な制裁を受けた。経済危機と新型コロナウイルス禍の中、今度ばかりは持ちこたえられるか分からない。もしかすると、安保会議が非公開では異論が出てまとまらなかったり、政権幹部が辞任したりしかねず、反対論を押し切ろうとカメラの前で「踏み絵」を迫ったのかもしれない。
ロシアは制裁で「孤島」に
モスクワでも反戦運動が起こっている(C)ロイター/Tass
スラブ民族の同胞に対する「大義」なき戦争に、当のロシア人の動揺は大きい。政府系世論調査によると、国民の多くが「支持」していることになっているが、筆者のモスクワの友人に手当たり次第聞いても「戦争なんてしたくない」「自分の国が恥ずかしい」とこぼしている。現に各地では政権の弾圧にもかかわらず、反戦デモが続いている。
通貨ルーブルは大暴落し、外資系の衣料品店や家具店も「制裁」として営業停止を決定。アイフォーンも買えなくなる。独立系メディアは、ロシアが世界から見て大きな「孤島」になったと指摘した。プーチン氏はどうかというと、制裁を欧米による「ハイブリッド戦争」の一つと捉えている様子。戦争では「攻撃されれば、反撃する」のが常で、残念ながら欧米が期待するように矛を収める気配はなさそうだ。(つづく)
(時事通信社前モスクワ特派員・平岩貴比古)
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