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誰も止められないプーチンの野望(上)冷静沈着だったはずが「トランプ化」進行?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/302188
2022/03/08
ロシアのプーチン大統領は20年以上君臨する権力者(C)ロイター
ロシアの権力者として20年以上君臨するプーチン大統領。昨年来、軍事演習と称してロシア軍10万人以上を動員し、2月24日にウクライナ侵攻に踏み切った。国益を追求するため、非軍事力を組み合わせた「ハイブリッド戦争」に頼ることはあったが、われわれが目の当たりにするのは民間人も犠牲となる旧来の「戦争」。21世紀の大混乱を誰が予想し得ただろうか。
筆者は海外駐在中、ウクライナを15回ほど訪れた。定宿のマネジャーは顔なじみで、首都キエフは地図を見なくても歩ける。滞在中、歌劇場の公演予定も頭に入れていたくらいだ。
そのキエフの友人たちが声を震わせている。「爆発音やサイレンが聞こえ、怖くて眠れない」「近くで銃撃戦があり、防空壕に逃れている」。プーチン氏についてどうこう言う前に、彼らのことを思うとまず暗澹たる気持ちになる。
現地に出張したのは、実はこの戦争が2014年から続いていたからだ。キエフで欧州連合(EU)加盟を求めるデモの末、ロシア寄りの政権が倒れると、プーチン政権はクリミア半島をお手盛りの住民投票を経て併合。さらに東部の親ロシア派を隠れみのに軍事介入した。ウクライナ人に「戦争を何年やっているのか」と聞けば「8年間」という答えが返ってくるだろう。この間、国連の推計で双方に計1万4000人の死者が出た。
ウクライナは、ロシアと内戦状態にあったチェチェン人とは異なり、同じスラブ民族の「兄弟国」。プーチン氏はなぜこんな「仕打ち」を続けるのか。それは、敵陣営の北大西洋条約機構(NATO)に加盟してほしくないからだ。実際、ロシアの要求をめぐり、年明けから欧米と交渉が続いていた。
大儀なき戦争は「泥沼化」の恐れ
プーチン氏が外交に頼り、合理的な判断を下す望みは残されていた。ところが、北京冬季五輪の閉幕を待つかのように、また制裁の警告をあざ笑うかのように、侵攻を決めた。ロシアが事実上支配する東部で「ジェノサイド(集団虐殺)が行われた」と言い張り、報復を「大義」としているが、国際社会はこの口実を「偽ニュース」とみている。ロシアにメリットがあるかどうかも分からない戦争は、予測不可能な領域に入り「泥沼化」の恐れさえある。
「予測不可能」と聞いて思い浮かぶのはトランプ前米大統領だ。冷静沈着が代名詞だったはずのプーチン氏は、国民や周囲の声にあまり耳を傾けなくなったという意味で「トランプ化」が進んでいるのかもしれない。=つづく
(時事通信社前モスクワ特派員・平岩貴比古)
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