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在モスクワ米大使館がモスクワなどでテロの可能性があると「警告」した背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202202220000/
2022.02.22 櫻井ジャーナル
北京オリンピックが閉幕する2月20日、モスクワのアメリカ大使館はロシアにいるアメリカ市民に対し、都市部で人の集まる場所、例えばショッピング・センター、鉄道、地下鉄の駅などが攻撃されるとするメディアからの情報があると警告した。ウクライナとの国境近くだけでなく、モスクワやサンクトペテルブルグが狙われるとしている。
2008年8月、北京の夏季オリンピック開催に合わせてジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃したが、失敗に終わった。その作戦はジョージア軍が独自に行ったのではなく、イスラエルとアメリカが深く関与している。2001年からイスラエルはジョージアへ武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練し、アメリカの傭兵会社も教官を派遣してジョージア軍を訓練しているのだ。奇襲攻撃が行われる前の月にアメリカの国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問した。
奇襲攻撃の少し前、アメリカの支配層がロシア軍を甘く見ていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。例えばフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いとされているのだ。南オセチアでの出来事はその思い込みを崩したと言える。
1991年12月にソ連が消滅した際、少なからぬ人はアメリカが「唯一の超大国」になったと信じた。そうした人の中にはネオコンも含まれていたが、21世紀に入ってから状況は大きく変化する。その節目になった出来事は、2008年8月のジョージア軍による南オセチア奇襲攻撃失敗だろう。
2014年2月にはロシアのソチで冬季オリンピックが開催されたが、その日時に合わせてアメリカはウクライナでクーデターを実行している。その際、クーデター軍の主力になったのがナチスと緊密な関係にあったステファン・バンデラの信奉者、つまりネオ・ナチだ。
その当時、アメリカはシリアで苦境に陥っていた。2011年3月からシリア侵略が計画通りに進んでいなかったのだ。「独裁者と民衆の戦い」という幻影を使っていたが、アメリカが発進する偽情報は次々に暴露されている。
2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはバラク・オバマ政権が続けているムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を支援する行為は危険だと報告していた。その中でオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告しているが、その警告は2014年にダーイッシュという形で現実になっている。
その1年前、2013年7月31日にサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官(当時)がモスクワを訪問、ウラジミル・プーチン大統領やロシアの情報機関幹部と会談したと伝えられている。バンダルはアメリカの支配層、特にブッシュ家と親しい関係にあり、「バンダル・ブッシュ」とも呼ばれていた。
その際、スルタンはロシアがシリアから手を引けば、ソチで開催が予定されている冬季オリンピックの安全を保証できると持ちかけたされている。チェチェンのグループはサウジアラビアの指揮下にあり、攻撃を止めさせられるというわけだ。シリアから手を引かなければソチ・オリンピックで破壊活動を実行すると脅したということだろう。
この提案をプーチンは拒否、「ここ10年の間、チェチェンのテロリスト・グループをあなたたちが支援していることを知っている」と言い放ったと伝えられた。バンダルの恫喝は逆効果だったと考えられてる。
その当時、ロシア駐在アメリカ大使を務めていたのはマイケル・マクフォール。ロシアの大統領選挙に介入する役割を負って2012年2月に赴任している。ウクライナでクーデターが成功した直後、離任した。
オバマ大統領は2015年に政府を好戦的な布陣に替える。2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代したのだが、デンプシーが退任した5日後、9月31日にロシアはシリア政府の要請で軍事介入、アメリカの手先として活動していたムスリム同胞団やサラフィ主義者の戦闘集団を敗走させた。
モスクワのアメリカ大使館はバンダルのような恫喝をしたようにも思えるが、バンダルの場合は逆効果だった。
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